理想組織研究所ひとラボ

ある製造業の企業では、社員数6名で、これまで経営理念が存在していませんでした。この企業は、少数精鋭での専門的技術者集団で、替えのきかない事業運営をしています。そうなると、普通は、それで充分運営できていくので、満足してしまいがちですが、この企業では、社長自らが毎月研修内容を考えて実施するほど、社員教育に力を入れています。しかも、日常業務の知識やスキルのことのみならず、人間性やコミュニケーション、ビジネススキルに至るまで、様々な内容を盛り込んでいます。そんな熱心な社長ですが、経営理念に関しては、その重要性を理解してはいたものの、一人では作成が難しく、後回しになっていました。 しかし、日頃から色々な情報に敏感な社長なので、質問に対しても的確に回答してもらい、作成はスムーズに進み、完成は早かったです。

企業全体が経営理念を共有することで、より一体感が高まりました。専門家集団なので、個人プレーに走りがちですが、そこはこれまでの熱心な社員教育の甲斐もあって、個々の独立性もありながら、それぞれを尊重し合う姿勢は、感心させられます。また、経営理念の完成を機に、ホームページの刷新、特に採用専用ページを作り込み、そこに経営理念はもちろん、社長の思いや社風などをびっちり掲載し、共感してくれた人が読み込んでくれるように工夫しました。新たな経営理念に共感する人材の採用が進み、人数を増やしながらも、少数精鋭の専門的技術者集団は、成長し続けています。