事業再構築補助金は、圧縮記帳の対象になります。圧縮記帳とは、固定資産を取得し補助金を受け取った際に、課税を先送りする制度のことです。
補助金を受給すると当年の納税額が大きくなるため、固定資産を取得した企業は経営難に陥る可能性があります。圧縮記帳をすると課税を翌年に繰り延べられるため、固定資産が「事業に対して効果を発揮した後」に納税できます。
圧縮記帳が認められる経費は、固定資産のみに限定されているため注意が必要です。
補助金の申請時、必要書類に不備があると補助金を受給できなくなるおそれがあります。ケアレスミスがないよう十分に事前準備を行いましょう。事業再構築補助金は、申請時の提出書類が多く、特に注意が必要です。
本記事では事業再構築補助金の必要書類一覧やよくある質問などを紹介します。申請手順も紹介するため「事前準備はどのように進めるべき?」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
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事業再構築補助金には、要件の異なる6つの枠があります(2023年7月現在)。枠ごとに必要書類が異なるため、以下を参考に申請予定の枠に該当する書類を用意しましょう。
成長枠 | グリーン成長枠 | 産業構造転換枠 | 最低賃金枠 | 物価高騰対策・ 回復再生応援枠 | サプライチェーン強靱化枠 | |
---|---|---|---|---|---|---|
事業計画書★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
認定経営革新等支援機関による確認書★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
金融機関による確認書(補助金額3000万円を超える場合)★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
決算書等★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ミラサポplusの財務情報★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
従業員数を示す書類★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
収益事業を行っていることを説明する書類★ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
市場拡大要件を満たすことの説明書 | 〇 | × | × | × | × | 〇 |
給賃金引上げ計画の誓約書 | 〇 | 〇 | × | × | × | 〇 |
市場縮小要件を満たすことの説明書 | × | × | 〇 | × | × | × |
事業場内最低賃金を示す書類 | × | × | × | 〇 | × | 〇 |
研究開発・技術開発計画書または人材育成計画書 | × | 〇 | × | × | × | × |
事業再構築要件(国内回帰)の該当性を説明する書類 | × | × | × | × | × | 〇 |
生産(増産)要請に関する証明書 | × | × | × | × | × | 〇 |
その他に、成長枠やグリーン成長枠の補助事業をとおして成長または大規模な賃上げに取り組む上乗せ支援として「卒業促進枠」や「大規模賃金引上促進枠」があります。詳細は事業再構築補助金の公募要領を確認してください。サプライチェーン強靭化枠は対象経費が異なるため、詳細はこちらを確認してください。
以下ではすべての枠に共通する書類(★)の詳細を説明します。
事業計画書は補助金の採択を左右する、最も重要かつ作成に時間を要する書類です。事業計画書はA4サイズの書類15枚以下で作成しましょう。(補助金額1,500万円以下の場合は10ページ以内)
様式は自由ですが、ファイルはPDF 形式に変換して添付する必要があります。「完成形のイメージがわかない」という方は過去の採択事例を参考にしてください。
経営革新等支援機関による確認書とは、国の認定を受けた機関が補助金申請書類の内容を確認したことを証明する書類を指します。事業計画書とともに提出する必要があり、認定支援機関からの「お墨付き」の役割を果たしています。
認定支援機関による確認書は、選定した認定支援機関が作成するため、事業者側で作成する必要はありません。認定支援機関の選定手順は後ほど解説します。
金融機関による確認書は、以下の内容を金融機関が証明するための書類です。
補助金額が3,000万円を超える事業計画は「経営革新等支援機関による確認書」に加えて「金融機関の確認書」の提出も必要です。金融機関に事業計画書を提出することで発行してもらえるため「 認定経営革新等支援機関による確認書」と同様、事業者側で作成する必要はありません。
地方銀行や信用金庫など、金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねている場合は「金融機関による確認書」は省略できます。
決算書とは、事業の収益構造や資産など事業の状況を示すための書類を指します。直近2年分の提出が原則ですが、2年分の提出ができない場合は1期分の決算書を提出します。
決算書として提出する書類は以下の5点です。
データにパスワードがある場合や、決算報告書の事業者名と申請者名が一緒ではない場合は、書類の不備とみなされるため注意が必要です。添付の前に再度確認しましょう。
事業再構築補助金は電子申請のみ受け付けているため、ミラサポplusで事業財務情報を入力する必要があります。事業財務情報の取得手順は以下のとおりです。
gビズIDの取得には2週間〜3週間かかるため、早めに着手しましょう。ID申請や画面操作などの詳細は、ミラサポplusの操作マニュアルで確認できます。
従業員数を示す書類として、WordやExcelなどで情報をまとめた労働者名簿の写しを準備します。労働者名簿に該当する人がいない場合は、従業員がいない旨を記載した書類を添付してください。
労働者名簿を作成する際は、以下の4点に留意する必要があります。
パートやアルバイトは含まれるため、あらかじめ雇用形態を確認したうえで作成しましょう。
収益事業を営んでいることを証明する以下の書類が必要です。
法人 | ・直近の確定申告書別表一 ・法人事業概況説明書の控え |
---|---|
個人事業主 | ・直近の確定申告書第一表 ・所得税青色申告決算書の控え(白色申告の場合は収支内訳書の控え) |
法人と個人事業主で提出書類が異なるため、該当するものを揃えましょう。
事業再構築補助金の申請から受給までの流れを説明します。
具体的な日付は、事業再構築補助金のHPで申請予定の公募回のものを確認しましょう。
まずは事業計画策定のための認定支援機関を決めます。事業計画策定のアドバイスを受けられる専門家は、ミラサポplusやよろず支援拠点で検索できるため積極的に活用しましょう。
計画書の策定と同時に、必要書類の準備を進めます。必要となる書類は申請枠ごとに異なり、公募回によって変更が発生することもあるため必ず最新情報を確認してください。
必要書類を揃えたのち、ミラサポplusの財務情報を取得する際に使用したgビズIDを用いて、事業再構築補助金の電子申請ページから申請を行います。
参照:事業再構築補助金「補助金交付候補者の採択後の流れ・資料」
申請受付後、審査結果は申請者全員にメールで通知されます。採択された場合は補助金交付を受けるための交付申請を行いましょう。
補助事業は、交付決定通知書を受け取った後に開始することが一般的です。交付決定通知書を受け取る前の経費は補助対象とならない(一部例外あり)ため、くれぐれも注意しましょう。
補助事業実施期間は、申請枠によって「12カ月もしくは14カ月」と決められているため、交付申請はできる限り早めに行うことをおすすめします。
補助事業実施期間と補助事業実績報告書の提出期限を確認したうえで事業を開始します。期間中は領収証や請求書などの整理を定期的に行いましょう。
経理処理に不備があった場合は、補助金の対象外となるため注意が必要です。
補助事業終了後、期日までに実績報告書や請求書などを提出します。実績報告書は事業計画書と同等に重要な書類です。期日までの提出がないと、補助金・助成金が受け取れないため遅れないようにしましょう。
実績報告書は、できる限り事業実施と並行して作成することをおすすめします。
提出書類が精査され、補助対象経費として適正であると認められると、補助金額の確定通知書が届きます。その後精算払請求書を提出すると、後日補助金が振り込まれます。
補助期間終了後5年間は、事業化の状況報告が必要です。年次報告の計画も考慮のうえで事業を進めましょう。
事業再構築補助金の受給条件や事前準備などの詳細は以下の記事を参考にしてください。
事業再構築補助金は規模が大きい制度であるため「採択されること=ビジネス拡大の大きなチャンス」と捉えることができます。
採択されるためには優秀なビジネスプランを持ったライバルとの争いが避けられません。そのため、税理士や中小企業診断士などの専門家からサポートを受けて申請準備を進めることが業界のスタンダードになりつつあります。
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