株式会社セットジャパンコーポレーション

【導入前の課題】
自社工場と直販店舗の在庫管理（製造指示や出荷指示）をすべて手作業で行っていました。しかし、さらなる店舗展開を目指す中で、手作業による管理には限界があり、これが大きな障壁となっていました。

具体的には、本部の担当者が工場や各店舗に電話をかけて在庫数を確認し、その後工場に再度電話をして製造や出荷の指示を出すという手間がかかっていました。そのため、リアルタイムでの在庫管理ができず、在庫ロスの削減につながる具体的な対策を打つことができない状況でした。

【導入したシステムの特徴】
・製造した食品へ貼付した管理用QRコードラベルを各拠点のスマホアプリで読み取ることで、工場・店舗間の在庫をリアルタイムで管理可能
・製造がどこまで進んでいるかを把握できる製造タスク管理機能
・製造した食品が出荷されるとスマホアプリへ即座に通知が飛ぶリアルタイム通知機能
・ロット番号で検索すれば製造した食品が今どの店舗にあるかが分かるロット管理機能
・廃棄理由の入力等により廃棄状況を正確に把握できる廃棄管理機能

【導入による効果】
・電話を使った在庫数の確認作業が不要となり、作業時間が削減された
・リアルタイムでの在庫管理により、適切な製造計画を立てられるようになった
・通知機能により出荷へ即座に気づくことができ、店舗から工場への問合せが不要になった
・開封した食品が万が一、異物混入のあったロットだった場合にスマホアプリへアラート表示されるため、より正確な誤提供の防止と品質管理ができるようになった
・正確な廃棄管理ができるようになったため、ロス軽減に繋がった

【導入の決め手（経営者様談）】
当初はパッケージ製品のカスタマイズによって課題解決することを検討していた
が、自社に合った使いやすいシステムにするには、カスタマイズする方が反ってコストがかかるということが判明。

また、複数のパッケージ製品を組み合わせて導入することも検討したが、システム同士を連携する手間やリスクがあることが分かって困っていたところに、自社に合った一元管理可能なオーダーメイドのシステムを作れるとの提案があった。

実現したいことを丁寧にヒアリングをしてくれたので安心感があり、自社に合わせた柔軟な提案を都度してもらえたのが決め手だった。

【今後の展望】
将来的には、繁忙期の安全在庫を過去の消費実績から予測する仕組みの導入も検討している。

【導入作業での工夫、直面した問題とその解決】
今回の導入作業で最も苦労したのは、「在庫管理の正確性」を保ちながら、「お客様の作業負担を減らす」ことを両立させるソリューションを考えることでした。打ち合わせを何度も重ね、さまざまなアイデアを出し合った結果、QRコードを活用することでこれを実現しました。

具体的には、Webシステムやスマホアプリの構築だけでなく、冷凍食品に貼付する際にも剥がれたり破れたりしない耐久性のあるラベルを作成し、さらに適切なラベルプリンターの選定まで行いました。また、プロトタイプを作成してお客様とイメージをしっかりとすり合わせることで、ご要望に沿ったシステムを開発するとともに、スムーズな運用へとつなげることができました。

今回の経験を通して、細部にまで気を配ることの大切さを改めて実感しました。次回以降もお客様の立場に立った提案と作業を心掛けていきたいと思います。