商工会議所とは？6つの役割や加入するメリットデメリットを徹底解説

商工会議所とは？｜事業を支援するアドバイザー

商工会議所は、地域の商工業者で構成される非営利団体です。地域の活性化と事業を支援する役割があり、商工会議所法に基づき設立・運営されています。

商工会議所の歴史

1878年3月、渋沢栄一を中心とした実業家が集り、イギリスの商工会議所を参考にして「東京商法会議所」が作られました。その後、大阪・神戸と設立され、1885年には全国で32か所の商法会議所が作られています。

1890年に商業会議所条例が公布され、当時の15の団体を連合体として商業会議所連合会が設立されました。1922年に常設の機構・事務局を持つ「日本商工会議所」が誕生し、以来100年以上地域振興・事業支援を継続しています。

商工会との違い

商工会議所と混同しやすい団体に「商工会」があります。商工会議所の管轄範囲は市区町村ですが、商工会は規模が小さく、管轄範囲は町村です。

商工会は、商工会議所と比較すると資金が限られています。商工会議所のように大企業が加盟しているケースは少なく、商工会は各地区の規模にあわせた活動を行っています。

商工会議所の入会費用

商工会議所に入会するためには、入会金と年額の会費が必要です。個人事業主と法人によって、年額費用に違いがあります。東京商工会議所を例にした費用は、以下のとおりです。

資本金の規模が大きくなると年額費用は高くなります。加入金や会費の経理処理は全額、損金または必要経費に算入できます。

商工会議所の6つの役割

商工会議所の役割は、以下の6つです。

1. 政治提言活動

商工会議所では、地域の中小企業から集めた意見を国に提言する役割を担っています。地域にはさまざまな課題がありますが、中小企業・個人事業主・地域に住む人の声だけでは国に要望が届きません。

1つ1つの意見を取りまとめて整理し、中小企業・地域経済社会の代弁者として、政策提言・要望活動を行っています。

2. 経営相談

商工会議所では、経営に関する相談を受け付けています。

会員向けの融資制度を提供

商工会議所は、会員向けに独自の融資制度を提供しています。事業を立ち上げたい経営者や金利を抑えたい経営者にとって、活用しやすい制度でしょう。

融資を求めている経営者に対して、商工会議所が経営指導を行ったことを証明する書類が発行されます。証明書を活用して民間の金融機関に融資を申し込むと、小口資金融資よりも金利が優遇されます。個別で金融機関に融資の申し入れをするケースよりも、審査が下りやすい点もメリットです。

商工会議所の地域や時期によって、融資制度の条件が変わるため、融資制度を利用したい経営者は最新の情報を確認しましょう。

補助金・助成金情報の提供

商工会議所は、経営相談の中で、自社に適した補助金・助成金を紹介してくれます。簡単に融資が受けられない中小企業にとって、補助金・助成金の活用は必要不可欠です。

社員が20名以下の小規模事業者には、商工会議所が実施している「小規模事業者持続化補助金」の活用もおすすめです。補助金・助成金は申請から受け取りまでの期間が長いため、余裕のある資金管理が必要でしょう。

専門家の紹介

商工会議所には経営に関するアドバイザーが在籍しており、決算書に代表される会社の書類を通して経営の相談が可能です。税理士・社労士・弁護士などの士業に相談できる窓口も用意されているため、自社だけでは得られない知見を活用できるでしょう。

事業承継やM&Aなどの専門的な知識が必要な事象にもアドバイスしてもらえるため、経営基盤強化や後継者育成が実現できます。

3. 会員同士の交流を支援

商工会議所には地域のさまざまな業種や規模の企業が入会しており、企業が交流する機会を支援しています。開催されたセミナーや交流会で経営者同士の交流を測れるでしょう。

同じ地域内での人材交流・人脈づくりは、非常に効果的な情報収集につながります。企業間の協業が地域の活性化につながるため、コミュニケーションが取りやすい点もメリットでしょう。

4. 国際化支援

商工会議所では、海外への販路拡大・生産拠点の海外移転・外国企業との業務連携など、事業の国際化支援を行っています。

自社だけで取り組むにはハードルが高かった海外展開を、中小企業庁の各実施期間をとおしてサポートしてくれます。海外でのビジネス経験がない企業にとって、新しいビジネスチャンスを得られるでしょう。

5. 共済制度の実施

福利厚生が整っていない中小企業のために、商工会議所が共済制度を用意しています。企業が成長するためには優秀な人材が必要であり、新しい人材を確保するためには充実した福利厚生が求められています。

生命共済制度・小規模企業共済・所得補償共済が用意されており、福利厚生の拡充が可能です。取引先の倒産や資金繰りの悪化などのリスクを防ぐために、経営セーフティ共済も用意されています。

6. セミナーや研修の実施

企業の発展を支援するために、商工会議所が主催者としてセミナーや研修を実施しています。企業でセミナーを行う際には、企画から検討しなければならず、コストもかかります。商工会議所でも有料セミナーはありますが、会員価格で参加できる点は大きなメリットです。

専門的な知識を学べるセミナーを開催している商工会議所も多いため、常に情報を仕入れられるようにしておきましょう。

商工会議所への入会方法

地元の商工会議所への入会方法を解説します。比較的簡単な手続きで会員になれるため、難しく考える必要はありません。

入会資格をチェックする

商工会議所への入会には、会員資格をクリアする必要があります。それぞれの商工会議所で独自の条件が定められていることもありますが、複雑な条件は設定されていません。複雑な条件があるわけではなく、事業をしていれば法人でも個人事業主でも問題なく加入できます。

反社会的勢力との付き合いがある問題を抱えていれば別ですが、一般的な企業であれば拒否されることはありません。事前にどのような条件が設けられているのかを商工会議所のホームページでリサーチしておきましょう。

入会申し込みは一度相談してみる

入会申し込みの手続きは、それぞれの地域で差があります。ホームページ上で必要事項を記入して、法人の証明ができる書類をアップロードし、そのままオンラインで申し込みができる商工会議所もあります。

一方で、窓口での対面申し込みを基本としているところもあります。上記の入会資格のチェックもあわせて、該当する商工会議所のホームページで確認もしくは窓口での相談がベストです。

商工会議所に入会する3つのメリット

商工会議所に入会するメリットは、以下の3つです。

経営者が事業を継続するうえで発生する課題や悩みを商工会議所に相談でき、経営に関する不安を軽減できます。

1. 経営基盤を構築できる

商工会議所にいる専門家に経営相談ができるため、経営の課題解決がスムーズに進みます。福利厚生に関するサービスや研修も豊富に用意されているため、従業員満足度の向上につながりやすい点もメリットでしょう。

セミナーに積極的に参加してさまざまな企業と知り合うことで、地域間連携の強化にもつながります。

2. 販路を拡大できる

商工会議所の会員同士で事業内容を共有できるため、販路拡大につながります。自社の新しい商品をアピールするだけではなく、他社との連携によるシナジー効果も生まれやすいでしょう。

商工会議所によっては、専用のホームページで商品・サービスのアピールができるため、多くの会員の目に触れやすいメリットがあります。

3. 会員限定サービスが受けられる

商工会議所には、会員でなければ受けられないサービスが多数用意されています。たとえば、損害賠償の補償制度への加入や会員専用のセミナーへの参加などです。

通常は有料になるビジネスセミナーも無料で受けられる点はメリットでしょう。

商工会議所に入会するデメリット

商工会議所に入会するデメリットは、以下の2つです。

商工会議所で経営相談をする場合は、会員になる必要があります。商工会議所によっては無料サービスもありますが、手厚い支援を受けるためには会員登録が必要です。

1. 費用がかかる

商工会議所の会員になって支援を受けるためには費用がかかります。加入するための初期費用の他に年会費を支払わなければなりません。

年会費は資本金の額によって変わりますが、個人事業主や小規模企業は年会費が高くないため、費用とのバランスを考えて検討しましょう。

2. イベントへの参加が負担になる場合がある

商工会議所では、地域の企業間連携のために研修会・勉強会・セミナーなどのイベントが開催されています。イベントに参加すると、新しい知見を学べるだけではなく、人脈作りにもつながるでしょう。

ただし、イベントへの参加が業務の負担になる場合もあります。すべてのイベントに顔を出そうとするのではなく、実務の忙しさとバランスを取りながら参加しましょう。

まとめ

商工会議所は、対象地域で事業を行っている経営者を支援するアドバイザーの役割があります。入会金と年会費が必要ですが、コスト以上に大きなデメリットがありません。

経営の相談ができるだけではなく、同じ会員同士でのコミュニケーションの場があり、人脈を広げて販路拡大につながります。無料の研修会やセミナーが開かれているため、社員教育にも活用できるでしょう。

待っているだけで仕事が獲得できる「比較ビズ」とは

最後に「比較ビズ」の告知をさせて頂きます。

• 忙しくて新規開拓できない
• 営業せずに案件を増やしたい
• 月額数万で集客できるツールが欲しい

比較ビズはこんな悩みを抱えた経営者・営業マンにピッタリなサービスです。 多種多様な業界でお仕事の発注・見積依頼が日々大量に行われているので、比較ビズに掲載するだけで、 新規開拓をすることができます。

まずは下記のボタンより、お気軽に資料のご請求を頂ければと思います。しつこい営業等は一切ございません。