領収書の書き方とは？必要な記載項目やテンプレートについて

領収書の役割とは

領収書とは、商品やサービスの代金を支払ったことを示すための書類です。提供者にとっては、商品やサービスを提供した対価を現金で確実に受け取ったことを示す証拠になります。領収書については民法でも規定されており、代金を支払う側はそれを受け取る側に対して発行を求めることが可能です。求められた側は領収書を発行しなければなりません。

そんな領収書ですが、その役割は大きく分けると二つあります。一つは、代金の受け渡しが現金で行われたことを確実に証明することです。こうすることによって、過払いや二重請求などを防ぐことにつながります。領収書がなければ、確かに支払ったと訴えてもそれを客観的に証明する証拠がないため、二重請求や二重支払いなどのリスクもあるのです。

また、領収書があるということは、確実に代金を支払ったことの証拠になるため、税務調査の際にも重要です。税務調査がなくても、要求があった時には速やかに提出することが求められます。ですので、領収書は一定期間ごとにまとめておくことをおすすめします。

なお、領収書は保存期間が決まっており、法人の場合は7年です。個人事業主の場合は、白色申告で5年、青色申告で7年が領収書の保存期間と決まっています。領収書のもう一つの役割は、不正の予防です。領収書を提出することを社内で義務にしておけば、社員が個人的な支出を接待費などと偽って申請することを防げます。

領収書の記載事項

領収書は代金を確かに支払ったことを証するための重要な書類ですので、記載項目にもルールがあります。以下の7項目については必ず記載するよう注意してください。

タイトル

「タイトル」とは、その書類が何かを示す表題であり、領収書の場合は書類の中央、または左側上部に、大きめの文字で「領収書」と明示します。タイトルがなかったり、書かれていてもどこか違う場所に小さい字で書かれていたりすると、その書類が領収書だとすぐに認識できません。誰が見ても一目で領収書だとわかるようにタイトルを記載することが重要です。

宛名

領収書の宛名は、代金を支払った人の氏名や社名、屋号などです。宛名が社名になる場合、注意しなければならないのが正式名称で記載することです。株式会社を（株）などと略さないように気をつけましょう。

また、宛名は必ず記載しましょう。空欄にしたり、「上様」と記載する習慣があったりしますが、それでは代金を支払ったのが誰かを明示することができないので、不正や改竄のリスクにつながるのです。

代金を支払った側と受け取った側双方の同意があれば「上様」と記入することは問題ないと見なされているのですが、税務調査では事実関係を把握できないために無効とされる恐れもあります。領収書をもらう時は、しっかり名前を記載してもらうようにしましょう。

こちらが領収書を書く場合も同様です。相手に「上様」で記入してくれと頼まれた場合も、事情を説明して、正式名称で記入しなければならないことを理解してもらいましょう。

金額

領収書には支払いがあった金額を記載しなければなりませんが、単に数字を書けばよいわけではありません。金額の書き方には決まりがあります。

• 先頭に「￥」を付ける
• 末尾に「※」か「−」を付ける
• 3桁ごと「,（コンマ）」を打つ

上記の3点は必ず守ってください。これらがあると、金額の桁を勝手に増やすなどの不正を予防できます。

但し書き

「但し書き」とは、何の商品やサービスに対して代金をやり取りしたかの説明です。「お品代」などと曖昧に記載されることもありますが、そうではなく、何に対して代金が支払われたかを具体的に記すことに注意してください。第三者が見て、何のための経費なのかが理解できることが大切です。具体的な名称が書きにくい品目の場合は、納品書などを理解の補助として添付するとよいでしょう。

発行者

領収書の発行者の住所と氏名を記載します。手書きで記載してもよいですし、社名の印鑑がある場合はそれでもかまいません。

収入印紙

領収金額によって収入印紙を貼る必要が生じます。金額が5万円以上の際は、必ず収入印紙を貼って消印を押すようにしましょう。

発行日

代金のやり取りを行った日付を記載します。この日付は税務処理で重要な項目ですので、記入忘れのないよう注意してください。日付が不明のために自社で勝手に後から適当な日付で処理したりすると、違法行為と見なされる場合もあります。

領収書のテンプレートを提供するサイト

領収書には記載すべき項目が決まっていますので、必要のたびに一から作成するより、テンプレートを利用した方が便利です。ここでは、領収書のテンプレートで評価の高いサイトを3つ紹介します。

bizocean

こちらのサイトは、領収書を始め、さまざまな文書のテンプレートを提供しているサイトです。会員登録をすることで、サイト内のすべてのテンプレートが無料でダウンロードできるようになります。

参照：bizoceanサイト

無料の文例書式テンプレート集

こちらも領収書などの文書のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトです。WordとExcel双方の形式で提供されているため、便利です。

参照：文例書式テンプレート集サイト

ひな形ジャーナル

こちらのサイトもさまざまな文書のテンプレートを提供しているサイトですが、シチュエーションに応じて使い分けしやすい仕様になっているのが特徴です。デザイン性にも富んでおり、マックでの編集もできるファイルも提供されています。

領収書で注意すべきこと

記載項目についての項でも述べましたが、領収書の金額が5万円以上の場合、収入印紙が必要です。5万円以上が課税対象ですので、その金額に応じた収入印紙を貼らないとペナルティを受けることもあります。5万円以上で100万円以下の場合は200円、100万円以上200万円以下では400円などと、金額に応じて収入印紙の額も異なるので注意してください。

まとめ

領収書には書き方にルールがあり、記載すべき項目を記載していないと領収書としての能力が無効と見なされることもあります。必ず正しい記載の仕方を身につけ、間違いないように、書くたびに確認するようにしましょう。記載項目を忘れないよう、テンプレートを利用するのもおすすめです。

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