納品書は必要？その役割や注意点からテンプレートまで

納品書の役割

納品書とは、商品やサービスなどの成果物を取引先に納品する時に発行される書類のことを言います。最近では、経費削減や業務効率の改善のために納品書を発行しない企業も増えていますが、納品書がある方が検品作業が効率的になりますし、トラブル防止にも役立ちます。

納品書を発行しなければならないという法的義務はありません。ただし、商慣習上、納品書を発行するケースはいまだに多くあり、業界によっては請求書と兼ねて発行する場合もあります。そんな納品書ですが、どんな役割があるのでしょうか。まず、取引をして相手側から納品書を受け取った場合を考えてみましょう。

商品を納品する際に、取引相手に発注者が発行するのが納品書です。これは一般の人もよく見かけます。たとえば、ネット通販で買い物した時に、届いたダンボールの中に一緒に入っている書類がそれです。

あまり確認せずに捨てられてしまうことも多いですが、この納品書において注文通りに納品されているかがチェックできるのです。重要な書類ですので、納品書を受け取った後、しばらくは保管しておくようにしましょう。

自社が発注者に対して納品書を発行する場合、相手の注文通りに商品を納品したと証明する役割があります。商品によっては、納品日を基準に売上に計上する場合もあり、その際、納品書は会計処理を行ううえでも重要な書類です。

納品書の記載事項

納品書は法的な発行義務がある書類ではないため、記載事項にも決まったルールはなく、発行の有無も自由です。ただし、「消費税法」という法律では、仕入税額控除を受けるために納品書を保存することが求められています。加えて、必要な記載事項も定められているので注意してください。

その記載事項とは5つあります。書類の作成者、取引年月日、取引の内容、そして、金額と納品書を納める相手の名前です。これだけ記載しておけば、誰がいつ、何をいくら納品したのかが明らかになります。以下で各記載事項について見ていきましょう。

発行者名

納品書には、それを発行した人や会社の名前を記載します。また、名前や会社名だけでなく、確認が必要な時にすぐ連絡できるよう、住所や電話番号、メールアドレスなども併せて記載しておくと親切です。

発行日

納品書には、それを発行した日付を記載します。管理しやすくなるだけでなく、納品の日付を証明するための重要な項目です。

納品の内容

納品したものの内容も記載します。具体的には、以下に挙げるように、品名とその単価、数量、金額などです。

品名

品名には納品したものの名前を記載します。複数ある場合はそれぞれ記載しましょう。名前の付け方は自由ですが、自分で管理しやすいことと、相手にもわかりやすいことに配慮しましょう。

数量

品名の横にはその数量も記載します。合計ではなく、品目ごとに記載することに注意です。ただし、なかには具体的な数で表しにくいものもあります。そういう場合は、「一式」などの記載方法が採用されることもあります。

単価

品目ごとの単価も記載します。ただし、数が表しにくい品もあるように、単価を記載するのも難しい場合もあるでしょう。そういう場合は空欄でもかまいません。

金額

金額の欄には、品目の数と単価をかけて計算される金額を記載しましょう。

合計金額

合計金額欄には、文字通り、納品したものの合計の金額を記載するようにします。その際、消費税を忘れないように注意してください。

なお、金額の記載方法には一定の決まりがあります。たとえば、先頭に「金」や「￥」、末尾に「※」や「−」を付けること、3桁ごとに「,（コンマ）」を打つことなどです。

宛名

納品書には、納品する相手、すなわち、発注した相手の宛名を記載します。会社同士の取引の場合は、社名だけでなく、担当者名も必要に応じて記載することもあるため、取引前に確認しておきましょう。

納品書のテンプレートを提供するサイト

納品書には決まった書き方がありませんが、自由すぎるのも毎回書類を作成する時に迷ってしまい、かえって手間がかかるものです。そんな時役立つのがテンプレートであり、以下に紹介するサイトでは使い勝手のよい納品書のテンプレートを無料で提供しています。必要に応じて利用しましょう。

bizocean

こちらのサイトでは、納品書、注文書、契約書、請求書など、さまざまな書類のテンプレートを無料で提供してくれています。

ダウンロードするには会員登録が必要ですが、会員登録に費用はかかりませんし、一度登録すればサイト内の数万点ものテンプレートを自由にダウンロードできるようになります。納品書だけでなく、他の書類のテンプレートの必要性もあるなら、ぜひ登録しておきましょう。

参照：bizoceanサイト

無料の文例書式テンプレート集

こちらのサイトでは、WordやExcelなどの形式でさまざまな文書のテンプレートを提供しています。ダウンロードは無料です。

一般的な納品書だけでなく、納品完了を報告する書類のテンプレートや、間違った納品をした際のお詫び状のテンプレートなどもあって、使い勝手に優れています。

参照：文例書式テンプレート集サイト

ひな形ジャーナル

こちらは、ビジネス向け、個人向けなどさまざまな文書のテンプレートを掲載しているサイトです。検索がしやすいのが特徴で、WordやExcelなどさまざまな形式に対応しています。

納品書を書く際の注意点

納品書には日付を記載すると述べましたが、いつの日付にすればよいのでしょうか？直接手渡しするのではなく、通常は荷物として発送するため、発送日なのか到着日なのかで迷うこともあるでしょう。到着日は交通事情や天候などもあって遅延の可能性もあり、予想は困難です。荷物を発送する当日でよいでしょう。

最近では、さまざまな文書を電子化する流れになっており、納品書もPDFファイルなど電子データで作成する場合があります。電子データの方が紙の書類よりもコストや手間が削減できるのでメリットは大きいですが、注意しなければならないのが相手のことです。

メリットが大きいからとこちらで一方的に電子化すると、取引先がそれに対応していない場合はトラブルも予想されます。PDFファイルなどへ納品書の電子化を検討している場合は、事前に取引先に確認した方が無難でしょう。

まとめ

納品書には法的な発行義務はないですが、取引をスムーズに進め、余計なトラブルを防ぐためには発行しておく方が無難です。書き方には決まりはありませんが、名前や日付、金額などを押さえておくべきポイントはあります。自社だけでなく、相手が見てわかりやすいことに配慮しましょう。

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