ビジネスマナーとしてメールの締めに記載する言葉に注意しておこう

取引先などに送るメールは言葉遣いに注意

メールにおいて言葉選びは非常に重要です。敬意を込めて書いた文章がわずかなニュアンスの誤りでひどくぶしつけな印象を与えてしまうということも起こり得ます。取引先やクライアントへ送るメールでは細かなポイントまで注意して締めの文章を作りましょう。

フランクになりすぎないことが大切

締めの言葉が長々とならないように気を付けることは大切です。とはいえ、あまりに文章が短いと、読み手に対してぶっきらぼうな印象や過度にフランクな印象を与えかねません。ですから、適度な長さを意識しつつ締めの文章を構成していきましょう。

先方の担当者とある程度の面識があるとしても、馴れ馴れしい文章にならないよう気を配る必要もあります。別の担当者がそのメールを読んで「ビジネスマナーに欠けた文章だ」と感じてしまわないかどうか、送信する前にいったん読み返してみると良いでしょう。

「よろしくお願いします」という表現は、基本的に社内向けで用いられる締めの文章とみなされています。クライアントや取引先へ送るメールに関しては、「何卒よろしくお願いいたします」「よろしくお願い申し上げます」といった表現がよりふさわしいでしょう。

「取り急ぎ」を多用するのはリスクあり

ビジネスメールでは「取り急ぎ失礼いたします」という表現を見かけることがよくあります。この表現は「準備ができていない状態なのですが」という意味合いが込められています。そのため、使用するタイミングによっては不適切となる可能性があるのです。

例えば、お礼のメールなどを送る際にこの表現を文末で使用してしまうと、「とりあえず急いで送りました」という意味合いで伝わります。そのため、「取り急ぎ」という文章は基本的に急を要する状況で送る短めのメールに使うという点を銘記しておきましょう。

時候の挨拶を取り入れてオリジナリティをアップ

締めの言葉でオリジナリティを持たせたい時には、時候の挨拶を含めてみましょう。そこでさりげなく相手の体調を気遣うような表現と組み合わせることができれば、メールを受け取った人が受ける印象は非常に良くなるはずです。

例えば、「厳しい暑さが続いておりますので、どうぞご自愛くださいませ」や「暮れも押し詰まりご多忙とは存じますが、お風邪など召されませぬように」といった表現を末尾に用いると、フォーマルな雰囲気の中で気遣いを伝えることができるでしょう。

依頼する時にもバリエーションを持たせよう

メールの文末で相手に何かを催促する時には、「どうぞよろしくお願いいたします」という表現を定型文のようにして使いがちです。とはいえ、依頼する文章にはいろいろなパターンがありますから、ぜひバリエーションを増やしていきましょう。

例えば、「何卒よろしくお願いいたします」「ご返答いただければ幸いです」「ご一報いただければ幸甚に存じます」といった表現はビジネスメールに適しています。これらをメールの内容に合わせてうまく組み合わせてみましょう。

文末には相手を気遣う表現も含めると良い

締めの文章では、冒頭の部分で相手の状況を慮る表現をプラスしましょう。純粋な気遣いの気持ちが伝われば、何かを催促する文章であっても受け取った人にきつい印象が伝わってしまうという心配はまずありません。

例えば、「ご多忙とは存じますが」「ご多用のところ恐れ入りますが」「お忙しいところ誠に恐縮ではございますが」といった言葉を冒頭に使いましょう。これによって締めの文章がやや長くなってしまったとしても、それを問題視されることはまずありません。

社内へのメールでも締めの文章は丁寧に

同じ会社で勤務する上司や同僚へメールを送る際にも、文章をよく考えて丁寧な文面となるように配慮することは不可欠です。締めの文章に記載する内容や長さに関しては、メールの目的に合わせて適宜調整するようにしましょう。

感謝やお礼のメールは簡潔で良い

食事会やセミナーなどでお世話になった上司へお礼のメールを書く際には、メールのタイトルと締めの文章でお礼の言葉を明記しましょう。

メールの本文で、「どんな点に感謝しているか」「どんな言葉が自分に響いたか」といった点を書いておき、「心より感謝申し上げます」「引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」といった表現で締めくくると全体がまとまった印象になります。

お詫びのメールは締めで謝罪の気持ちを強調しよう

何らかの不手際で上司や同僚へ迷惑をかけてしまった場合にも、締めの文章に記載する内容がポイントとなります。謝罪の気持ちをメールの序論と締めの文章で繰り返すことにより、相手にお詫びのメッセージがしっかりと伝わるはずです。

もちろん、トラブルが生じてしまった原因とその解決策なども本文中に記載することは大切です。ただし、結論の部分では「誠に申し訳ございません」「重ねてお詫び申し上げます」といった文章で締めくくるようにしましょう。

依頼するメールは希望する内容を明確にする

何らかの業務を依頼したい場合や、回答や返信が必要な場合には、結論の部分で「読み手に対して希望しているアクションは何か」を明示することが重要です。期限が設けられているのであれば、その点に関してもはっきりと記載するようにしましょう。

例えば、「本日中にご一報いただければ幸いです」「至急ご回答を頂けますでしょうか」というように、「いつまで」をはっきりとさせた締めの文章は、読み手に対してアクションを強く促すものとなります。ただし、表現が柔らかくなるような配慮をしましょう。

まとめ

締めの文章はメール全体の印象を決定づける非常に重要な要素となります。そのため、1つ1つの表現によく留意しておきましょう。定型文を活用する場合も、メールで伝えたい内容と合致した文章になっているか、送信する前に再度確認しておくのは適切です。

メールの結論においてこちら側の希望や依頼を強調するのは非常に大切です。とはいえ、相手に「要求されていることが多い」と感じさせてしまうのは望ましくありません。そのため、相手の状況や働きを気遣う表現を締めの文章に織り込むように心がけましょう。

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