プライム案件とはなに？そのメリットとデメリットをチェックしてみよう！

プライム案件とは？

IT業界では、他の業界ではあまり使われない用語や、多少異なる意味で用いている言葉があります。プライム案件もその一つで、IT業界の営業をしている人であればかなりの頻度で聞くことになります。あまり他の業界では使わないですし、その定義が分かりづらくもありますので、そもそもプライム案件とは何を指すのか、どんな仕組みで受発注がなされているのかをチェックしてみましょう。

クライアントとの直接契約による案件

「プライム」とは、もともと「第一」とか「最重要な」という意味を持っています。そのため、IT業界ではクライアントから直接契約を取った案件ということを指しています。

システム開発やITインフラ構築、サーバー保守などを含めて、受注する案件は大きな規模になることが多いので、プライム案件を取ることができれば大きな収益を得られます。プロジェクトの規模にもよりますが、たいていは受注した会社だけで業務を終了するのではなく、他社にも外注して複数でプロジェクトを完成させます。

一次請けとは？

プライム案件を直接クライアントから受注した開発会社を「一次請け」と呼ぶことが多いです。一次請けとなる会社は大企業であることが多く、営業や見積もり、基本的なプランニングなどを行います。そのうち、自社で行うものは直接作業していきますが、プロジェクトの一定部分は他社に業務委託することが多いです。

どうしてSIerに案件を依頼するのか？

一次請けがクライアントからプライム案件を請けても、すべてを自社で完成させることはあまりありません。プロジェクトの一部もしくはかなりの部分を、いわゆる下請けに出していきます。

これをSIerと呼ぶことが多いです。これは、SIつまりシステムインテグレーションを行う業者のことを指します。こうすることで、SIerが持つ人材と作業能力に頼ることができます。そして、一次請けが管理をすることで、プロジェクトをスムーズに進められるのです。

プライム案件の特徴

プライム案件という用語は、他の業界ではあまり使われず、IT業界独特のものと言えます。とはいえ、その受発注の仕組みは建設業界と似ているところも多いです。その特徴をチェックしてみましょう。

IT業界のゼネコン構造

クライアントから仕事をもらい元請けとなり、個々の切り離された業務を下請けに出すというプロジェクトの進め方は、建設業界で言うゼネコン構造によく似ています。大規模建設や公共工事などの受注は、ゼネコンと呼ばれる大企業が受注し、実際の現場での作業はたくさんの下請け企業が行っていくという形態です。

プライム案件の仕組みもほぼ同じで、IT業界のゼネコンとも言うべき大企業が大型案件をクライアントから請けるケースが多いです。その上で、システムの機能や細かな作業ごとに仕事の切り離しをして、中小企業となるSIerという二次請けに回していくことになります。

プライム案件のメリット

こうしたプライム案件を一次請けが得たり、下請けが仕事を回してもらったりすることにはいくつものメリットがあります。

一次請けは高いマージン率を得られる

一次請けは大規模の案件を受注できますし、プロジェクトの大部分を自社で作業することなく他社に委託します。そのため、マージンによって利益を得られ、しかも高い料率での収益を獲得できるのです。

もちろん、営業や管理などの業務はあるものの、比較的効率の良いビジネスができるのがメリットと言えます。

SIerは安定した業務受注がある

SIerとしては、特定の一次請けと協力体制を作ることで、安定的に仕事をもらえるというメリットが大きいです。自社ではそれほど営業に人材やコストを回せないとしても、プライム案件の二次請けとして業務受注ができるので、効率よく経営ができます。

様々なタイプの案件に携われる

SIerは中小企業が多く、なかなか自社だけでは上流工程に携われる案件、大規模で複雑な仕組みを持つプロジェクトを獲得することはできません。しかし、プライム案件を回してもらえれば、様々なタイプの案件に携われます。

結果として、広範囲にわたるスキルや経験を積めますので、エンジニアとしても企業としても成長できます。　

プライム案件のデメリット

メリットだけでなく、デメリットも存在しますので、注意してプライム案件を請ける必要があります。

下請けとしての弱い立場に置かれることがある

SIerがプライム案件だけに頼っていると、下請けとしてしか仕事を回せなくなってしまうことがあります。やはり下請けの立場は弱いものですので、元請けの依頼に応じてプレッシャーのかかる業務をしなければいけないことが増えます。

納期についての融通がないことも

プライム案件は大型の案件ですので、全体をまとめるために、それぞれの作業をスケジュール通りにしていく必要があります。そのため、SIerはどうしても厳しい納期に追われることが多くなります。実際に作業することになるエンジニアの負担が大きくなるので、注意して仕事のバランスを取らないといけません。

プライム案件と一次請けの違い

一見すると、プライム案件と一次請けという言葉は同じように見えます。しかし、観点の違う用語ですので、営業をする時などに正しく使えるようにしましょう。

一次請けがプライム案件を受注するということ

プライム案件とは、クライアントから直接案件を受注するということであり、あくまでも案件そのものに視点が向けられています。一方で、一次請けとは、そのプライム案件を受注する元請けとなる企業のことを指します。

プライム案件を一次請けが直接請けて、実際の細かな作業をSIerに委託するという仕組みと考えると良いでしょう。

まとめ

プライム案件とは、クライアントから直接契約を得る案件のことを指します。ほとんどは大企業が一次請けとなってプライム案件を取り、その作業をSIerである中小企業に委託することによって、プロジェクトを完成させます。IT業界で、大規模プロジェクトを行うための一般的な仕組みですので、しっかりと覚えておきましょう。

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