SNSのエンゲージメント数について

エンゲージメント率とはなにか

「エンゲージメント」は、英語で「engagement」と表記します。「約束」や「契約」のほか、「雇用」「婚約」など多彩な意味を持ちます。SNSマーケティングにおいては、「ファン・フォロワーなどによるブランドへの積極的な接触」＝「いいね」や「シェア」などの反応という意味合いを持っています。

「エンゲージメント率」とは、「特定の投稿に対し、どれだけのエンゲージがあったか」を計るための指標となる数字です。すなわち、その投稿がどの程度「いいね」されたり「シェア」されたかを、エンゲージメント率を見ることで把握することが可能となるわけです。

エンゲージメント率の高さはその投稿の露出度を示す

エンゲージメント率は、その投稿の露出度を示しています。つまり、エンゲージメント率が高くなるほど、その投稿を介してフォロワーや閲覧者との交流ができていることを表しています。

注意したいのは、フォロワーの数＝エンゲージ率ではないという点です。フォロワー数が多いにも関わらず、エンゲージメント率が少ない投稿があった場合、その投稿はフォロワーからの支持・共感を得られていない、ということを読み取ることができます。

SNSがそれぞれに持つアルゴリズムにより、エンゲージメント率が高い投稿ほど、露出のチャンスが増えることになります。

エンゲージメント率の高さと投稿の質は必ずしも比例しないことに注意

エンゲージメント率の高さは、そのままその投稿の質を示すものではないことに注意しなければいけません。わかりやすい事例が、いわゆる「炎上商法」です。

エンゲージメント率はその投稿への反応の高さを示す数値ですが、その反応がポジティブかネガティブかを判別してはいません。問題のある投稿にネガティブなアクションが集中しても、数値上はエンゲージメント率が高いものとして計測されてしまいます。

エンゲージメント率の高さを見るときは、その数値だけにとらわれることなく、閲覧者がなぜその投稿に反応したのか、感情的な側面を考慮することも必要になります。

エンゲージメント率の算出方法

実は、SNSによってそれぞれのエンゲージメント率の計算方法は異なっています。エンゲージメント率を計算するには、そのSNSに合わせた計算方法で算出する必要があります。

Twitterでのエンゲージメント率算出法

Twitterにおいてのエンゲージには、ツイートに対する「いいねの数」「リツイートの数」「返信数」「ツイートの詳細閲覧」「投稿からのフォロー」「画像や動画のクリック」「リンクのクリック」「プロフィールのクリック」などの反応が挙げられます。Twitterでのエンゲージメント率の計算には、以下の計算式が用いられます。

エンゲージメント数+インプレッションの合計値×100

エンゲージメント数と共にエンゲージメント率の母数を構成する「インプレッション」は、「そのツイートが見られた回数」を示しています。

Twitterではエンゲージメント率が高くなると、「最近のハイライト」として、フォロワーではないユーザーに対しても表示されるようになります。

つまり、エンゲージメント率を上げることで、本来であればフォロワーにしか見ることのできないツイートがより多くのユーザーに見られることになり、結果としてフォロワー数の増加につながることになります。

Facebookページのエンゲージメント率算出法

Facebookのエンゲージには、「いいね」「コメント」「シェア」「写真やアイコンなどのクリック」があります。Facebookにおけるエンゲージメント率の算出の方法は、Twitterと分母が違っています。

エンゲージメント数+投稿のリーチ×100

ここでいう「リーチ」は、「投稿を閲覧したユーザーの数」を意味しています。Twitterの「インプレッション」も「ツイートを見た回数」を指していますが、「リーチ」とは意味合いが違います。

Twitterの「インプレッション」はあくまで「ツイートが見られた回数」を意味しており、1人が別のツイートを見てから再びそのツイートを表示すれば、「インプレッション」は2とカウントされます。

これに対して、「リーチ」は「投稿を見た人数」を指しており、同じ人が同一の投稿をなんど表示しても、「リーチ」は1とカウントされます。エンゲージメント率を計算する際には両者の違いに注意する必要があります。

Instagramのエンゲージメント率算出法

Instagramのエンゲージメントは、「いいね」「コメント」「保存」の3種類だけとなっており、TwitterやFacebookと比較すると少なくなっています。

また、Instagramには「シェア」という機能がないことから、その代替として「保存」がエンゲージメントとしてカウントされます。Instagramにおけるエンゲージメント率を算出する計算式は以下の通りです。

エンゲージメント数+（インプレッションorリーチorフォロワー数）×100

一方、TwitterやFacebookでは、エンゲージメント率がアナリティクスによって、それぞれ分母が「インプレッション」と「リーチ」と規定されています。しかし、Instagramにはエンゲージメント率の規定がないため、自分で計算する必要があります。分母も任意で設定しなければなりません。

フォロワー数を分母とする場合、非アクティブ（SNSを見なくなった）人も分母に含まれてしまうため、実際のアクティブユーザーの数を考慮に入れる必要があります。また、途中で分母を変えてしまうと変更以前のエンゲージメント率と比較ができなくなってしまうので、分母は最初に選択したものを固定して使うようにしましょう。

エンゲージメント率アップのコツ

エンゲージメント率をアップするには、いくつかのコツがあります。上手くコツをつかんで、エンゲージメント率をアップさせましょう。

「ペルソナ」を設定する

エンゲージメント率を上げるには、より広い層からエンゲージをゲットできるようにすればいいと考えがちですが、それはSNS運営ではよくある落とし穴です。万人受けの内容を狙った結果、逆に誰にも届かない投稿になってしまい、エンゲージメント率が低くなってしまうからです。

SNSのエンゲージメント率をアップするには、読み手の人物像＝ペルソナを設定し、そこに向けて投稿の内容を絞り込むことが重要です。このとき、ペルソナの設定はできるだけ子細に至るまで、具体的に設定を行ってください。

ペルソナの目線から見て最適と思われるコンテンツを作る

ペルソナが設定出来たら、その人物がどのような情報を欲するか、何時ごろにアクセスするか、その人物はどのような検索を行うかなど、ペルソナが起こしやすい行動を想定し、それに合わせた内容をコンテンツに落とし込みます。

コンテンツの制作者と設定したペルソナのギャップが大きく、ペルソナが要求するものが想像できない場合は、実際にペルソナの設定に当てはまる人物にインタビューを行い、その嗜好や生活の悩みなどを把握して、それに即したコンテンツを作成しましょう。

ユーザーとコミュニケーション取る

テレビや新聞といった一方通行のメディアと違い、SNSにはリアルタイムに、かつ双方向のコミュニケーションがとれる特性があります。この特性を活かし、投稿者側からコメントへの返信を行うことで、ユーザーに継続的にコメントをしようという気持ちを起こさせ、結果的にエンゲージメント率の向上を図ることができます。

まとめ

SNSのエンゲージメント率を向上させるには、それぞれの算出方法の違いを理解した上で、エンゲージ率向上の工夫を実行する必要があります。結果的にひとつひとつのコンテンツの質を向上させることが、エンゲージメント率の向上につながります。

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