コンサルタントに学ぶ提案書の書き方!構成する7項目や作成のコツを徹底解説
- コンサルタントのように高品質な提案書を書くには?
- コンサルタントが必ず提案書に盛り込む構成要素は?
- パワポで提案書を作成するときのコツは?
コンサルタントのように優れた提案書を書くスキルがあれば、ビジネスを円滑に進められるようになります。しかし「具体的にどのような構成で提案書を作ればいいの?」「採用される提案書の特徴とは?」と悩む方は多いでしょう。
この記事では、コンサルタントのように高品質な提案書を書きたい方に向けて、提案書の構成要素やクライアントに採用される提案書の特徴を紹介します。
記事を読んだあとには、提案書作成の理解が深まり、提案書作成プロセスを改善できるようになるでしょう。提案書の書き方に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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提案書とはクライアントの課題を解決するための資料
提案書は、クライアントが抱える課題への解決策を提案するための文書です。内部・外部のクライアントの問題解決で利用されます。
提案書の役割は、相手に問題の本質を理解させ、提案された解決策の実施に向けた承認を得ることです。提案書は、企画書と混同されることが多くありますが、明確な違いがあります。
提案書と企画書の違いは次のとおりです。
提案書 | ビジネス上の課題を特定して改善や解決に向けたプロセスを示す |
---|---|
企画書 | 実行可能なアイディアやプランを示す |
提案書はビジネス上の課題を特定し、課題解決のための提案を含んでいます。
【コンサルタントに学ぶ】提案書の書き方6ステップ
提案書の書き方を示す6ステップは次のとおりです。
- 提案書の目的を明確にする
- クライアントの現状・課題を把握する
- 具体的な解決策をまとめる
- 課題解決後のビジョンを描く
- 必要な資料・データを用意する
- 文書にまとめてレイアウトを整える
1. 提案書の目的を明確にする
提案書作成における最初のステップは、提案書の目的を明確にすることです。提案書の最終目標は、クライアントの課題解決をすることです。
たとえば、クライアントの課題が自動車産業で市場シェアを拡大する場合、提案書の目的は市場拡大を実現するための戦略を提供することです。提案書の目的を明確にすることは、提案書全体の方向性を確定し、提案内容を整理するうえで役立ちます。
2. クライアントの現状・課題を把握する
提案書を作成する際は、クライアントのマーケット状況や具体的な課題を把握しましょう。提案書はクライアントの課題解決を目的としているため、クライアントの課題を事前に把握することが欠かせません。
クライアントがなにに困っているのか、なにを改善したいのかを具体的に把握する必要があります。課題を的確に把握することで、提案の的確性と説得力が向上します。
3. 具体的な解決策をまとめる
提案書作成時には、具体的な課題解決策をまとめましょう。解決策は、クライアントの課題を解決するための具体的なアクションプランを示します。
アクションプランは、目標達成のために具体的な計画を立てることです。成功する可能性が高い行動計画を立てる必要があります。たとえば、コスト削減の課題に対する解決策として、新しい調達プロセスの導入による効率化が挙げられます。
4. 課題解決後のビジョンを描く
次に、課題解決後のビジョンを描きましょう。提案が採用された場合、クライアントにはどのようなメリットがあるかを明確に伝えることで、提案書に説得力を持たせます。
課題解決後のビジョンは曖昧な表現を避け、具体的な数字や成果を挙げて説明しましょう。たとえば「売上〇%アップが期待できます」「〇〇人月の工数が削減します」など、売上増加率や工数削減量を定量的に示すことが効果的です。
課題解決後のビジョンが具体的に記載されていることは、提案の採用確度を向上させます。
5. 必要な資料・データを用意する
全体的な要素が揃ったら、提案内容を裏付ける資料やデータを用意しましょう。具体的な資料やデータはエビデンスとして、提案内容の説得力を強調します。エビデンス(evidence)とは、証拠や根拠を意味し、提案資料では「裏付けがされている」の意味で使われます。
たとえば「商品Aの売り上げ増加率が○○%」のエビデンスとして「経産省の調査によると市場が○○%拡大している」ことを示す資料やデータがあると、ビジネス上の判断がしやすくなるでしょう。
提案内容の説得力を向上させるために、資料やデータを活用することが重要です。
6. 文書にまとめてレイアウトを整える
最後に、これまで用意した要素を文書にまとめてレイアウトを整えます。専門用語や難解なビジネス英語の使用を避け、相手が理解しやすい言葉を用いましょう。ビジネス英語を使用する際は、簡単な説明を添えることで相手にとって理解しやすくなります。
視認性の高いレイアウトやグラフ・図表を積極的に活用して、提案書を読みやすくしましょう。提案書の外観やフォーマットも提案先への印象に影響を与えます。
【コンサルタントに学ぶ】提案書の構成要素7項目
提案書を構成する際に必要な要素を解説します。
- 提案書の概要
- 課題
- 解決策
- 解決までのスケジュール
- 完成形のイメージ
- チーム体制
- 必要な費用
1. 提案書の概要
提案書を構成する要素として、提案書の概要があります。具体的には、提案書の冒頭で、提案の目的や解決できる課題を明示しましょう。提案の大枠を伝え、提案内容が解決する課題や実施される内容など全体的な方針を説明します。
概要は、クライアントに対して提案内容とメリットを即座に伝え、提案の要点を示します。クライアントが理解しやすい用語や言葉を活用し、提案の目標や解決策をタイトルに反映させることも効果的です。
2. 課題
提案書の構成要素の1つはクライアントが抱える課題です。どのような課題があるかを的確に提示しましょう。
たとえば、企業の課題は「生産効率の低下」や「市場シェアの拡大」など多岐にわたります。すべての課題を挙げるのではなく、提案を通じて解決できる課題を厳選しましょう。
課題を明確にするためには、クライアントのビジネスに対する調査と分析を行う必要があります。クライアントの立場に立ち、優先すべき課題を取り上げましょう。
3. 解決策
提案書の構成要素として、解決までのスケジュールがあります。課題の解決方法を具体的に提示し、提案の方針と概要を明確に示しましょう。
提案を採用したあとの具体的なメリットを示すことで、提案内容の効果を強めます。メリットを提示する際には、漠然と示すのではなく具体的な数値やデータを用いて説明しましょう。
解決策を提案する際に、他社の成功事例や自社の実績を示すことは課題解決のイメージがしやすくなり、効果的です。
4. 解決までのスケジュール
提案書において、解決までのスケジュールが明確になっていることが重要です。提案書におけるスケジュールとは、提案実行までの計画を読者に伝えるものです。
スケジュールには下記を明記します。
- 期間
- タスク
- 担当者
提案書のなかで「なにを・いつまで・誰がおこなうのか」を明示することが重要です。提案先と自社が共同でプロジェクトを進行する場合、双方のスケジュールとタスク担当者を明確にしましょう。
スケジュールは、提案内容の実現可能性を示すだけではなく、関係者間の合意形成にも貢献する要素です。
5. 完成形のイメージ
完成形のイメージは提案内容の詳細を説明するために、重要となる要素です。課題解決後のビジョンを伝えます。完成形のイメージは具体的であるほど効果的です。
たとえば、コスト削減提案の場合、提案書には「新しいプロセスの導入により、年間コストを20%削減できます」と記載します。具体的な内容を盛り込むことが重要です。
成功事例やクライアントの声を引用することで、提案の信頼性が向上します。
6. チーム体制
提案書においては、メンバーの役割と指揮系統の明確な定義が必要です。メンバーと役割が明確になっていることで、プロジェクト内での役割分担と効率的な作業が実現します。
体制図を作成することで、関係者間で情報を共有し全員の認識を統一できます。体制図とは、誰がどのような業務を担当するのか、どのような業務を担当させるのかを決めて周知するための図です。
指示系統を含めて明確にすることで、プロジェクト全体の調整とコミュニケーションを円滑にする役割を果たします。
7. 必要な費用
提案書を構成する際は、必要な費用の明記が必要です。費用の内訳は以下のとおりです。
- 提案内容における物品の購入
- 外部サービスの委託
- チームメンバーにかかる費用
費用は細かく見積もることが望ましいですが、提案内容が大規模なプロジェクトの場合、事前に概算を提示することも効果的になります。予測される変動幅を明記することで信頼感のある情報になるでしょう。
【コンサルタントに学ぶ】採用される提案書の特徴
採用されやすい提案書に共通している特徴は次の4つです。
- クライアントの課題が明確になっている
- 施策が具体的にイメージできる
- 提案内容のメリットとデメリットが明確になっている
- リスクマネジメントができている
クライアントの課題が明確になっている
採用されやすい提案書の特徴として、クライアントの課題が明確なことが挙げられます。提案書は具体的な課題解決方法を示す資料であり、提案先の課題を理解することが前提条件です。
提案書の作成前には、提案先の直面している課題と改善に関する情報を収集しましょう。課題を正確に理解しない場合、提案が不適切になる可能性が高いです。
提案先の課題と提案内容が合致しなければならないため、精密な情報収集と適切な課題設定が必要になります。
施策が具体的にイメージできる
採用率の高い提案書は、施策内容を具体的にイメージしやすい特徴があります。施策内容から抽象性を排除し、具体的で実現可能な提案を提示しましょう。
具体性を強めるためには、詳細なアクションプランやデータ、数値が必要です。アクションプランは「なにを・いつまで・誰がおこなうのか」を示します。具体的な数値やデータは、提案の効果や成果を予測するために不可欠です。
施策の具体性は、提案書の説得力を高めるため詳細に記載することが求められます。
提案内容のメリットとデメリットが明確になっている
提案内容のメリットとデメリットが明確な提案書は採用されやすい特徴があります。クライアントは、提案による具体的な利点を知りたいと考えています。抽象的ではなく、具体性のある定量的なメリットの提示が重要です。
たとえば「提案の採用により売上が〇〇%増加し、〇〇人月の作業時間が削減される見込み」というデータや数値を示すことが大切でしょう。デメリットが記載されていることも重要で、提案書の信頼性を高めます。
リスクマネジメントができている
採用されやすい提案書の特徴には、リスクマネジメントが記載されていることが挙げられます。リスクマネジメントは、企業やプロジェクトに関連するさまざまなリスクに対処し、事前に適切な予防策や対策を講じるプロセスです。
プロジェクトにおいて不確実性は避けられません。リスクを示すことで、提案の現実的なアプローチを示しましょう。不測の事態に備えることは、提案を受ける側にとってポジティブな印象を与えます。
具体的なリスクとトラブルシューティングの方法を示すことが重要です。
パワーポイントで提案書を効率的に作成する7つのコツ
パワーポイントで提案書を効率的に作るコツは以下の7つです。
- 情報はわかりやすくコンパクトにまとめる
- フォントは読みやすいものを選ぶ
- 色の装飾は最低限にとどめる
- スライドマスターを活用する
- 視線の動きにあわせて配置する
- 行間や文頭を調整する
- 余白を設定する
1. 情報はわかりやすくコンパクトにまとめる
提案書をパワーポイントで作成する場合、情報はわかりやすくコンパクトにまとめましょう。コンパクトにまとまっていることで、クライアントは提案内容を理解しやすくなります。
要点を示す際に、冗長な説明を避け、文章を要約したり、図や表に置き換えたりしましょう。スライド上の情報を視覚的にわかりやすくすることで、読み手が迷わず理解できます。
「1スライド=1トピック」を心がけ、スライドごとに1つのメッセージやトピックに焦点をあてましょう。
2. フォントは読みやすいものを選ぶ
提案書には、読みやすいフォントの選択が必要です。適切なフォントの選択は、情報伝達がスムーズで、プレゼンテーションの読みやすさに影響を与えます。
一般的に使用するフォントは「メイリオ」や「游ゴシック」がおすすめです。太字に対応しており、重要な箇所を強調するのに適しています。
英数字を多用する場合「Segoe UI」もおすすめです。和文フォントであるゴシック体との相性が良く、視覚的な整合性を保つのに役立ちます。
3. 色の装飾は最低限にとどめる
パワーポイントでの提案書作成の際には、使用する色を制限しましょう。1つのスライド内で色を多用すると、情報の理解が難しくなります。
文字色、メインカラー、アクセントカラーの3色に制限すると情報の邪魔にならず、理解しやすいです。背景には無地や淡いグレーを使用して色の数を最小限に抑えることで、シンプルでわかりやすいスライドを実現できます。
4. スライドマスターを活用する
パワーポイントでの提案書作成には、スライドマスターの活用が効果的です。スライドマスターとは、プレゼンテーション全体の書式やレイアウトを設定できるパワーポイントの機能です。
スライドマスターを使用すると、フォントやカラースキーム、ヘッダーやフッターなどのデザイン要素を一元管理できます。
スライドマスターで設定したデザインはレイアウトマスターに適用され、プレゼンテーション内のすべてのスライドに反映されます。レイアウトマスターとは、レイアウトの種類ごとに設定ができる機能です。
スライドマスターを使用することで、編集作業の簡略化につながり、デザインの一貫性を確保できるでしょう。
5. 視線の動きにあわせて配置する
パワーポイントで提案書を作成する際、視線の流れにあわせて情報を配置することが大切です。プレゼンテーションの効果を最大化するために、視線の動きにあわせてスライドの配置を最適化しましょう。横書きの場合、人の視線は左から右へと移動します。
具体的には、情報を左上から右下へと読み進めるように配置しましょう。伝えたいメッセージは左側や上部に配置することで、視認性を高められます。視線の流れにあわせた配置は、視覚的な情報の伝達を助け、プレゼンテーションの効果を向上させます。
6. 行間や文頭を調整する
スライドで情報を伝える際、行間や文頭の調整が重要です。行間のオプションを活用することで、文の始まりがはっきりして情報の伝達が容易になります。
行間の調整は、選択したテキストを右クリックして設定変更するか、ショートカットキー「Alt+H+K」であわせます。
テキストの配置や文字のジャンプ率も検討しましょう。文字のジャンプ率とは、デザイン上の文字や画像のサイズ比率を指します。文字や画像の大きさの比率が大きいことを「ジャンプ率が高い」比率が小さいことを「ジャンプ率が低い」といいます。
行間や文頭を調整することで、プレゼンテーション資料がさらにわかりやすくなるでしょう。
7. 余白を設定する
余白はスライドデザインにおいて欠かせない要素です。オブジェクトを配置する場合やオブジェクト内にテキストを配置する際、情報を詰め込みすぎると読みやすさが損なわれます。
情報が密集しすぎず、バランスの取れたデザインを考慮して適切な余白を設定しましょう。「図形の書式」タブの「配置」や「サイズ」オプションを活用することで、余白の均一な設定が可能です。
テキストの行間を広く設定して余白を作ることで、1文1文を快適に読むことができ、情報の理解が促進されるでしょう。
まとめ
提案書は、提案相手が課題を認識し、解決策実行の意思決定する重要な役割を担います。提案書の作成において最も大切なことは、相手の課題や悩みを解決するアイデアを具体的に提示することです。
提案書は、ビジネスの成功に不可欠なツールといえます。提案書をはじめとした資料作成に不安がある場合は、資料作成代行サービスを提供する企業に依頼することも1つの方法でしょう。
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この記事では、提案書の構成を7つの要素に分解していますが、それぞれが独立しているのではなく、全体として一貫したメッセージを作り上げることが重要です。
クライアントが最も重視するのは、数字や理論だけではなく、提案が自分たちの成功にどう結びつくかという点です。
そのため、情報の整理だけでなく、クライアントの立場に立った視点で提案を組み立て、どの項目も「相手に響く」ものに仕上げることが、他の提案書との差別化につながります。
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もしも今現在、
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上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で見積もりができ、相場感や各コンサルタントの特色を把握したうえでコンサルタントを選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
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