経営戦略の成功事例5つを紹介!成功のポイントは?

株式会社Pro-D-use
監修者
株式会社Pro-D-use 取締役副社長 岡島 光太郎
最終更新日:2023年12月11日
経営戦略の成功事例5つを紹介!成功のポイントは?
この記事で解決できるお悩み
  • 経営戦略の種類は?
  • 経営戦略が成功した事例は?
  • 経営戦略を成功させるポイントは?

「経営戦略に成功した実例はある?」「経営戦略に失敗したくない」とお考えの経営者、必見です。経営戦略を立てる際、他社の成功事例を参考することで、成功事例のポイントを見極められます。

この記事では経営戦略を成功させた企業を紹介し、成功のポイントを解説します。この記事を読むと、自社の経営戦略の立案に活用できるでしょう。

「経営戦略の見直しをしたい」「これから起業したい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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経営戦略の種類4つ

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経営戦略の種類は、以下の4つが代表的です。

  • 多角化戦略
  • 差別化戦略
  • ニッチ戦略
  • ブルーオーシャン戦略

経営戦略には他にもさまざまな種類がありますが、多くの企業が代表的な4つの戦略を取り入れています。自社の強みや弱みを把握し、もっとも効果的な戦略を見極めましょう。

1. 多角化戦略

多角化戦略は、既存の事業とは異なる市場で事業を立ち上げる手法です。多角化戦略には、下記の4つの方法があります。

  • 水平型:既存事業と関連のある分野で新事業を始める手法
  • 垂直型:新技術を獲得し既存事業と類似している分野で新事業を始める手法
  • 集中型:既存事業の技術を活用し関連性の薄い分野で新事業を始める手法
  • コングロマリット型:既存の事業や技術とまったく関連のない分野で新事業を始める手法

多角化戦略で新事業を始めることにより、利益を大幅に伸ばせる可能性があります。1つの事業の成長が止まっても、別の事業で成長を続けられるため、リスクヘッジにも役立つでしょう。新事業が軌道に乗るまで時間と費用がかかる点がデメリットです。

2. 差別化戦略

差別化戦略は、他社と差別化を図ることで優位性を確保する戦略です。さまざまな手法で差別化できますが、以下の方法がよく用いられます。

  • ブランドイメージ
  • 製品の品質
  • 価格
  • 顧客サービス
  • 流通チャネル

差別化戦略により、自社の利益率を上昇させ、競合他社との価格競争から離脱できます。自社ブランドを確立できれば、顧客離れのリスクも最小限に抑えられるでしょう。差別化が既存顧客に受け入れられないと、顧客の流出を招くおそれもあります。

3. ニッチ戦略

ニッチ戦略は、既存市場のすき間にある狭い市場をターゲットにする経営戦略です。ターゲットを狭め、特定の顧客層にとって価値ある商品やサービスを提供します。

ニッチ戦略は狭い市場を狙う戦略であるとはいえ、売上が小さいとは限りません。競合他社が存在しない分、大きな利益を上げられる可能性もあります。経営資源が限られている中小企業や大企業との競争を避けたい企業に役立つ経営戦略です。

4. ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略は、競合他社がいない市場を開拓し、1番乗りを目指す戦略です。海に多くの魚がいる一方、捕食者であるサメが1匹しかいない状態をイメージしてブルーオーシャンと名づけられました。逆に競合が多数いる状態をレッドオーシャンと呼びます。

ブルーオーシャン戦略が成功すると、低コストで市場を開拓できる点がメリットです。競合他社がいないため、その市場での大きなシェアを獲得し、確固とした立場を築けます。高いマーケティング力が求められ、他社の参入によりシェアを奪われるリスクがある点がデメリットといえるでしょう。

経営戦略の成功事例5つ

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経営戦略を成功させた事例として、以下の5社が挙げられます。

  • スターバックスコーヒー
  • ユニクロ
  • 牛たんねぎし
  • しまむら
  • 富士フィルム

スターバックスコーヒー

経営戦略の成功事例として、スターバックスコーヒーがあります。スターバックスコーヒーは、差別化戦略を成功させた顕著な例です。

多くの企業は、喫茶店やカフェをビジネスパーソンの休憩場所として提供してきました。スターバックスコーヒーは、自宅や職場と異なり自分らしくゆったり過ごせるサードプレイスをコンセプトとしています。全面禁煙をいち早く導入する、バリスタを配置する、高価格帯で高級感を売りにするなどの方法で差別化戦略を成功させました。

ユニクロ

ユニクロも差別化戦略を成功させた事例の1つです。他社が「女性向け」「男性向け」「若者向け」などターゲットを絞り製品を提供するのに対し、ユニクロは特定のターゲットを絞り込まず誰でも着られるデザインの製品を提供しています。デザインよりも品質や買いやすさに重きを置く顧客層を狙った経営戦略です。

加えて「SPA」と呼ばれるビジネスモデルを確立した点も差別化の1つです。製造業者や小売業者を間に挟まず、商品企画から製造、物流、販売にいたるまですべて自社で完結させるモデルです。SPAにより他社にまねできない低コスト化を実現しました。

牛たんねぎし

牛たんねぎしは、ドミナント戦略を成功させた1つの事例です。ドミナント戦略は、特定の地域に集中して店舗を出店することで、そのエリアにおける優位性を確保する手法です。本社のある新宿から30分圏内に約30店舗を出店する手法で、業績を伸ばしてきました。

顧客満足度向上のために、人材教育に力を入れています。経営理念を具現化する仕組みを取り入れたり、顧客アンケートをもとにスタッフを表彰したりと、高品質な接客を提供する仕組みを構築しています。

しまむら

ファッションセンターを運営するしまむらは、集中戦略を成功させた事例です。特定の地域に集中して出店することにより、地域内の知名度を高めました。店舗同士が近くにあると物流を効率化できる、在庫管理がしやすい点がメリットです。

ターゲットを絞った商品を集中的に展開している点も特徴の1つです。しまむらは20代から50代の主婦層をターゲットにしており、母親向けブランド「バースデイ」や女性向けの雑貨やインテリアを販売する「ジャンブル」などの姉妹ブランドを展開しています。ターゲットに適した商品を集中させることで利益を伸ばしてきました。

富士フィルム

富士フィルムは、多角化戦略に成功した企業として有名です。富士フィルムといえば、精密化学メーカーであり、カメラや写真用フィルムのイメージが強いでしょう。2000年に写真フィルムの需要がピークを迎えて以降、液晶フィルムや化粧品に事業を拡大しました。

異なる分野で事業を展開したわけではなく、既存の技術を活かして新分野に参入した点がポイントです。写真の色あせを防ぐ抗酸化技術を用いた化粧品の生産、写真フィルムの技術を用いた液晶の保護フィルムの開発などが挙げられます。

経営戦略を成功させるポイント5つ

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経営戦略を成功させるポイントは主に以下の5つです。

  1. 市場のニーズを的確に把握する
  2. 自社の強みを最大限に生かす
  3. 経営理念に基づいた戦略を立てる
  4. フレームワークだけに頼らない
  5. 数値化されないデータにも目を向ける

経営戦略の成功事例を見ると、経営戦略の立案段階から周到な準備をしていることがわかります。5つのポイントを意識して経営戦略を実施することで、成功の確率が高まるでしょう。

1. 市場のニーズを的確に把握する

経営戦略の立案段階で、市場のニーズを的確に把握することが不可欠です。需要がある市場で事業を展開しなければ、どれほど高品質の商品・サービスを提供しても成功できません。顧客が何を求めているのか調査しましょう。

市場のニーズを把握するため、ペルソナ設定が非常に重要です。自社が事業を展開している、もしくは参入を検討している市場のターゲットをできる限り具体的に想定します。設定したペルソナのニーズを考えることで、より効果的な経営戦略を生み出せるでしょう。

2. 自社の強みを最大限に生かす

経営戦略を考える際、自社の強みを最大限に活かせる戦略を見つけましょう。競合他社の強みや弱みも調べることで、自社の強みや弱みが見えてくるでしょう。

自社の優位性が把握できれば、差別化戦略やブルーオーシャン戦略の実践へとつなげられます。自社に大きな弱みがあることがわかった場合、競合他社からシェアを奪われないよう対策を講じましょう。

3. 経営理念に基づいた戦略を立てる

経営戦略を立てる際、経営理念に基づいたものであるか確認することが重要です。経営戦略を一貫性のあるものにするため、経営理念も考慮するべきです。

経営戦略は、会社を取り巻く外部環境や経営資源の増減により定期的に見直し・修正が必要です。経営戦略の方向が変わると従業員が混乱するおそれがあります。経営理念に基づいた経営戦略を立てることで、変更しても一貫性のある戦略にできるでしょう。

4. フレームワークだけに頼らない

経営戦略を立てる際、フレームワークだけに頼らないことも重要なポイントです。フレームワークとは、経営戦略を立てるために取り組む思考の枠組みのことで、検討材料の1つです。

特定の指標や要素だけを考慮しているため、業務の全体を俯瞰することは難しく、フレームワークだけでは効果的な経営戦略を立てるのは困難です。

5. 数値化されないデータにも目を向ける

経営戦略を立てる場合、数値化できないデータにも目を向ける必要があります。戦略では売上やコスト、競合他社のデータ、参入する市場規模など数値化されたデータが重視されやすいです。

企業には数値化できるデータ・経営資源だけではなく、企業風土や顧客満足度、従業員満足度、教育制度、従業員の経験値、ノウハウなど可視化・数値化できない財産も少なくありません。数値化できない経営資源も考慮に入れて経営戦略を立てることで、会社に適した戦略を見つけられるでしょう。

まとめ

経営戦略はいくつかの種類があります。成功事例の共通点は、市場のニーズに応じていることや自社の経営理念に沿った戦略を立てたことです。経営戦略を立てるためにさまざまな要素を考慮し、自社に適した戦略を立てましょう。

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監修者のコメント
株式会社Pro-D-use
取締役副社長 岡島 光太郎

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。(在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。)
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。
また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。

経営戦略には、「一貫性」と「その会社らしさ」が重要です。本記事では「ユニクロ」「スターバックス」「富士フィルム」「しまむら」など、錚々たる会社の事例が語られています。

しかし、これらの企業の成功事例の表の情報をそのまま信じて真似をしても、ほぼ100%成功することはありません。

経営戦略を計画・実施する際に大切なのは、下記4点です。
1.その経営戦略があなたの会社らしいか?
2.経営理念やビジョンに沿っているか?
3.これまでの社歴や沿革と一貫性があるか?
4.中長期で継続できる戦略か?

経営戦略は、計画を立てることよりも、継続して実施し続けることの方が難易度が高いものです。そのため、経営戦略を立てる際には必ず、経営者が陣頭指揮を取って、現場のスタッフも巻き込みつつ、「全員が我が事になる」までしつこく続けることが重要なのです。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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