納税管理人を税理士に依頼するメリット2つを解説!費用相場や注意点を確認

藤本悟史税理士事務所
監修者
藤本悟史税理士事務所 税理士 藤本悟史
最終更新日:2023年12月19日
納税管理人を税理士に依頼するメリット2つを解説!費用相場や注意点を確認
この記事で解決できるお悩み
  • 納税管理人とは?
  • 納税管理人が必要なケースは?
  • 納税管理人を税理士に依頼するメリットは?

「納税管理人の選定が必要だが、税理士に依頼するメリットがわからない…」という方必見!

この記事では納税管理人が必要な方に向けて、税理士に依頼するメリットや費用相場を分かりやすく解説します。最後まで読めば、依頼する際の必要書類もわかります。

税理士は税務手続きや節税戦略の提供、法令順守の確保など、幅広いサポートを提供するため納税管理人に適しています。納税管理人を依頼する際の注意点も紹介しているため、納税管理人が今後必要になりそうな方もぜひ参考にしてください。

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納税管理人とは

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納税管理人は、税金に関する法的手続きを代理で行う人のことです。税金申告や納税手続き、税金の支払い、税務調査への協力など、税務に関する納税事務処理を行います。ただし、あくまでも納税義務は納税者本人にあります。納税管理人の主な業務は、以下のとおりです。

  • 税金の書類を作成する
  • 作成した書類を提出する
  • 各種税金を納付する
  • 還付金を受け取る
  • 税務署から届く書類を受け取る

納税者が海外に住んでいる場合は、納税管理人の指定が義務付けられています。納税管理人は、税金に関する書類の作成や提出、受け取りを完全に代行します。納税者が滞納により財産を差し押さえられても、納税管理人は連帯して責任を問われることはありません。

納税管理人は税理士がおすすめ

納税管理人は、税理士に任せることがおすすめです。日本在住者であれば特別な条件や資格は必要ありませんが、納税管理人には信頼性が求められます。

税理士は税務に関する専門的な知識と経験を持ち、税金の申告や計画、節税戦略に関して的確なアドバイスを提供できます。単なる書類の受け渡しだけではなく、申告書類の作成や節税に関する税務相談を希望する場合は税理士に任せましょう。

納税管理人が必要なケース4つ

ここからは、納税管理人が必要なケースを4つ紹介します。

  1. 日本で所得が発生している海外移住者
  2. 国税や地方税の納税義務がある海外移住者
  3. 資産1億円以上を持つ方が海外移住をするとき
  4. 日本国内で資産の譲渡がある外国法人(日本に本店・支店なし)

1. 日本で所得が発生している海外移住者

日本で所得が発生している海外移住者は、納税管理人の指定が必要です。具体的には、以下のケースが挙げられます。

  • 日本の不動産で収入を得ている場合
  • 25%以上の持ち株を所有し、それらの自社株式を売却する経営者である場合
  • 日本企業から利子や配当を受け取る場合

上記のケースは、日本国内で所得が発生しているため、納税管理人を指定して確定申告が必要です。

2. 国税や地方税の納税義務がある海外移住者

海外に住んでおり所得が発生しない場合でも、以下の納税義務が存在する場合は納税管理人を指定する必要があります。

  • 相続税:故人の財産を受け継いだ際に課される税金
  • 贈与税:他の個人から資産を贈与された際に課される税金
  • 固定資産税:土地や不動産などの固定資産に対してかかる税金

海外在住者であっても、国税や地方税の納税義務がある場合は納税管理人を選定しましょう。

3. 資産1億円以上を持つ方が海外移住をするとき

1億円以上の資産を持つ方が、海外へ移住する際は出国税(国外転出時課税)がかかります。出国税とは、日本から海外へ移住する際に1億円以上の有価証券の含み益に対して課税される税金です。株式売却益に税金がかからない国に移住してから資産を売ることで、キャピタルゲイン課税から逃れるのを防止します。

出国税の金額は対象資産の額に応じて異なり、資産が増加すると支払うべき税金も増額します。1億円以上の対象資産を持つ海外移住者は、出国税にも留意しましょう。

キャピタルゲイン課税とは?

株式や債券などが値上がりしたときに課せられる税金です。投資による利益には、20.315%の税率が適用されます。

4. 日本国内で資産の譲渡がある外国法人(日本に本店・支店なし)

外国法人が日本国内で不動産や他の資産を売却する場合、日本の消費税法に従い、売却価格に対する消費税を支払う納税義務が発生します。ただし、外国法人が日本に本店や支店を持たない、かつ日本国内での税務手続きを遂行する担当者が不在である場合は納税管理人が必要です。

外国法人が日本国内で資産の譲渡を行う際、納税管理人の選定と指定が必要であり、消費税を適切に申告し納付します。日本国内での資産売却に際して税務上の義務を守るため、納税管理人を通じて日本の税制に適切に対応する必要があります。

納税管理人を税理士に依頼するメリット2つ

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ここからは、納税管理人を税理士に依頼するメリットを2つ紹介します。

  1. 専門知識と経験がある
  2. 税務計画を提供してくれる

1. 専門知識と経験がある

納税管理人に単なる書類の受け取りだけではなく、確定申告書の作成や節税などの税務相談を希望する場合、税理士資格を持つ専門家を選任しましょう。これらの業務は、税理士にしか許されていない独占業務のためです。

税理士に納税管理人を依頼することで、間違いが起こらず安心感を得られます。税理士に依頼することで、納税に関する手続きを任せられ、税務にかかる時間的な負担やストレスを大幅に軽減できます。

2. 税務計画を提供してくれる

税理士は納税者の全体的な財政状況を考慮し、将来の財務計画をサポートします。退職計画や資産保護、相続計画などの長期的な財務戦略を策定するのに役立つでしょう。

税理士は税法や規則に詳しく、個々の納税者や事業にあわせた最適な節税戦略を立案でき、税金を最小限に抑えられます。税理士による税務計画は、納税者にとって財務戦略の最適化と法的コンプライアンスを実現する重要な要素です。

納税管理人を税理士に依頼する費用相場

納税管理人を税理士に依頼する際は、一般的に顧問契約形式が採用されることが多いです。この形式では、毎月数千円を支払い、確定申告前に追加料金が発生することが一般的です。月額料金の相場は処理内容により異なりますが、通常の処理であれば5,000円〜1万円で済みます。

納税管理人を依頼する際の必要書類

納税管理人を指定する際は「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を記入して提出します。入手できる場所は、以下のとおりです。

  • 税務署
  • 役所の窓口
  • 各自治体の公式HP
  • 国税庁HP

届出書には、お互いの氏名や住所のみだけではなく、納税管理人を定めた理由を明記する箇所があるため、必要な理由を簡潔に記入しましょう。納税管理人届出書の記入方法に疑問がある場合は、地元の税務署や自治体に相談できます。

解任する場合は解任届が必要

納税管理人を指定した後、納税者が帰国し納税管理人の必要性がなくなる場合があります。納税管理人を解任する際は「納税管理人の解任届出書」を提出しましょう。届出書は国税庁HPから入手し、提出することで納税管理人を解任できます。

納税管理人を依頼する際の注意点2つ

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ここからは、納税管理人を依頼する際の注意点を2つ紹介します。

  1. 出国するまでに納税管理人を選任する
  2. サービスの範囲と費用を明確にする

1. 出国するまでに納税管理人を選任する

納税管理人を依頼する際は、納税人が海外へ出国する前に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。税務手続きや納税管理人の選定に時間がかかる可能性があるため、早めに始めると安心です。

出国前に納税管理人と納税期限や提出期限に関して話し合い、スケジュールを確定させましょう。出国前に納税管理人を選定し、税務に関する責任を明確にすることで円滑な納税手続きを確保できます。

2. サービスの範囲と費用を明確にする

納税管理人を依頼する際、サービスの範囲と費用を明確にしましょう。納税管理人が提供する具体的なサービスの範囲を、詳細に理解することから始めます。確定申告の準備や提出、納税相談、節税戦略の立案などが含まれます。

サービス料金が月額または年額のどちらか、特定のタスクに対する追加費用がどのように設定されているかを確認しましょう。サービスの範囲と費用を明確にすることは、予算の管理と納税管理の円滑な遂行に役立ちます。

まとめ

税理士は税務手続きや節税戦略の提供、法令順守の確保など、幅広いサポートを提供します。納税相談や書類作成・提出のアドバイスも行い、時間とストレスを節約するのに役立つでしょう。

比較ビズには、納税管理人に適している信頼性高い税理士が多数在籍しています。個人の状況にあった税理士を選び、税務に対する専門家のサポートを受けると安心です。比較ビズの利用は完全無料であるため、まずは相談から始めてみてください。

よくある質問とその回答

  • 納税管理人の届出を忘れた場合はどうすればいい?

    納税管理人の届出を忘れた場合は、できるだけ早く「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出しましょう。届出を提出する前に、所在地の税務署や自治体に連絡し、具体的な手続きや必要な書類に関してアドバイスを受けることをおすすめします。

    納税管理人の届出を忘れた場合は焦ることなく、適切な手続きを行うことで解決できます。

  • 滞納処分がある場合は納税管理人も責任を負うことになる?

    滞納処分がある場合、納税管理人は責任を負いません。納税管理人は納税義務を負う者ではなく、納税通知書や督促を受けた場合でも効力は本人である納税義務者のみが責任を負います。

監修者のコメント
藤本悟史税理士事務所
税理士 藤本悟史

立川、八王子、国立、国分寺その他東京近辺で活動している税理士。1992年東京都八王子市出身。趣味は銭湯やサウナ。好きな動物はネコ。 税理士試験、個人の税理士事務所及び相続税専門の税理士法人の勤務を経て、2020年に税理士として独立開業。税理士全体としては5.5%しかいない30代以下の開業税理士として、若年層や若い後継者に世代交代を行っている経営者から圧倒的な人気を誇る。法人税申告、個人確定申告、相続税申告と幅広い分野で数多くの申告実績あり。大手予備校で税理士試験の講師やセミナーを担当。東京税理士会の支部の幹事も務め、研修部長として公的な研修を主催している。

国内で生じる所得がある個人の方が海外に長期で行く場合、納税管理人の届出が必要になります。このように、国境をまたぐ国際的な税務は、事例も多くなく手続きも非常に難易度が高く注意が必要です。税理士の中でも、実績が少ない方も少なくありません。

納税管理人の選定を税理士に依頼する際には、それを得意としている税理士に依頼することをおススメします。国際税務は、それだけで専門分野の塊です。困った際には、税理士へ相談・依頼すると良いでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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