観光コンサルタントとは？メリットやおすすめのコンサルティング会社を紹介

観光コンサルタントとは

観光コンサルタントとは食材や自然、伝統工芸品など、観光資源を活かした商品開発やマーケティング戦略立案をおこなう専門家です。一般的にホテルや飲食店など、収益確保に伸び悩む企業が観光コンサルティングを依頼します。

コンサルタントは豊富なノウハウを持っており、地域活性化や観光客増加、事業振興など、さまざまな目的達成につながる提案が期待できるでしょう。

観光コンサルタントとして活動するために特別な資格は必要ありませんが、観光コーディネーターや観光士など、資格保持者も多くいます。高品質な提案を受けるためにも、過去の実績や資格の有無を確認したうえで、依頼するコンサルタントを選びましょう。

観光コンサルタントに依頼できる業務

観光コンサルタントを活用した場合、以下5つの業務を依頼できます。

コンサルティング会社によって対応可能な業務の範囲は異なるため、依頼前に必ず確認しましょう。

観光振興計画の策定

地域周辺の状況や観光資源を把握した後、調査結果をもとに観光振興計画を策定します。コンサルティング会社によっては、海外の事例紹介を交えた計画策定の依頼が可能です。観光振興計画には以下の内容を盛り込みます。

コンサルタントに目標設定を伝える際は「前年比で観光客数150%増加」や「前年比で売上120%増加」など具体的な数値を掲げましょう。具体的な目標が記載された観光振興計画の策定によって、関係者全員の目標達成への意識やモチベーションが高まります。

マーケティング戦略の立案

観光資源や観光客のニーズを反映したマーケティング戦略を立案します。外部環境調査やターゲット層選定、商品価値の明確化など、マーケティング戦略を立てるにはさまざまな作業が必要です。

観光コンサルタントはSWOT分析やPEST分析、3C分析など、さまざまなフレームワークを活用し、自社の強みや外的要因を可視化します。

競合他社の動向や市場ニーズの変化を踏まえつつ、自社の立ち位置を明確化した提案を受けられる点が魅力です。マーケティング戦略では、以下の内容を決めます。

商品宣伝はSNSやweb広告、チラシなどの選択肢から、継続して取り組みやすい方法を選びましょう。

地域資源を活用した観光交流の提案

農家宿泊や伝統工芸品の作品作り、近代化遺産の見学など、自然や伝統技術の体験を取り入れたパッケージ商品を提案します。体験型サービスの開発によって、観光資源の魅力をアピールしつつ、集客率向上や顧客ニーズの開拓を望める点が魅力です。

知名度が高まるとワーケーションやブレジャーなど、新しい滞在スタイルとしてのニーズ向上も望めます。地域の食材を活用した特産品開発やブランド化に向けたサポートも、コンサルタントへ依頼が可能です。

外国人観光客の受け入れ体制整備の支援

外国人観光客の取り込みを図る場合は、ホームページやパンフレットの多言語化など、受け入れ体制を整えます。日本語を話せない状態で来日する外国人も多く、リピーターを獲得するには言語の壁を少しでも軽減することが重要です。

ピクトグラムを取り入れた標識や看板、車内モニターなどを設置すると、問い合わせやトラブルの数も少なくなるでしょう。

あわせて外国人観光客の満足度やニーズ、要望に関する調査方法を提案し、収益拡大やリピーターの獲得につなげます。

人材育成支援

セミナーや研修を開催し、観光振興や地域活性化を担う人材育成をサポートします。観光プログラムの立案や観光振興計画の策定など、マネジメントをおこなう人材を1人でも多く育成するのが目標です。

コンサルティング会社によっては観光推進プロジェクトの発足を通じ、今後発展する企業や団体との橋渡し役も依頼できます。

観光コンサルタントを活用する4つのメリット

観光コンサルタントの活用によって、以下4つのメリットが得られます。

観光コンサルタントは商品開発や外国人の受け入れ体制整備、マーケティングなど、幅広い分野に関して豊富な知識を持つ専門家です。プロのノウハウを観光振興計画やマーケティング戦略に反映し、観光客増加を目指します。

コンサルタントにはさまざまな業務を依頼できるため、既存事業の運営に支障が出てしまう心配はありません。

メリット1. プロのノウハウを取り入れられる

豊富なノウハウや知識に基づく提案を得られる点がメリットに挙げられます。観光コンサルタントは多くの企業に携わり、データ分析や各種フレームワーク、宣伝方法など、幅広い分野に関する知識を日々蓄積しています。

マーケティングやプロモーション戦略の立案には、ターゲット層の設定や市場調査、宣伝方法の選定などの業務が必要です。コンサルタントを活用すると、地域の観光資源や予算に応じた提案が望めます。

客観的な視点に基づく指摘により、新たな観光資源の発掘や課題の可視化が望める点も魅力です。コンサルティング会社によっては、研修やセミナーの開催運営を代行しており、人材育成も並行して進められます。

メリット2. 自社のリソースを割かずに済む

観光コンサルタントを活用すると、既存事業の業務に携わる従業員を必要以上に新しいプロジェクトの担当へ回す必要がありません。

観光コンサルタントは豊富な知識とノウハウを持ち、現地調査や観光振興計画策定、商品開発支援など、さまざまな業務に対応可能です。

人的リソースに制限のある中小企業の場合、人手不足が原因で新商品開発や新事業創出を断念するケースも珍しくありません。少子高齢化や労働者の安定志向などが原因で、優秀な人材を市場で獲得するのは困難な状況です。

観光コンサルタントへの依頼によって、既存事業運営への支障を回避しつつ、新しいプロジェクトを進められます。

メリット3. ブランディング確立が望める

地域食材を活かした特産品開発やブランド化など、観光資源の魅力を前面に打ち出した商品開発が望めます。

食材の品質や費用対効果の高さが観光客に浸透すると、商品の購入に特別な価値を見出すため、他社商品へ簡単に乗り替えません。リピーターの獲得によって、安定した収益確保が望めます。

プロモーションサイトやSNSに新商品に関する情報を掲載すると、不特定多数の方へ効果的な情報発信が可能です。SNSは拡散力に優れており、宣伝のために多額の広告費を割く必要はありません。

農業体験や近代遺産巡りツアーなど、他の観光資源と組み合わせたプロモーションやパッケージ商品の販売もおこなえます。

メリット4. 企業や団体とのつながりが増える

コーディネーションに対応したコンサルティング会社を選ぶと、今後事業運営で必要となる企業や組織と接点が持てます。コンサルティング会社には人脈やノウハウが豊富に蓄積されており、キーパーソンを含めた橋渡しを望める点が魅力です。

最小限の手間で多くの組織とつながりが持てるため、特産品やパッケージ商品の開発をスムーズに進められます。互いの関係性が深まると、コラボレーション商品や限定メニューの販売も可能です。

コンサルタントによって企業や団体とつながりやすくなり、新しいアイデアを実現できる可能性が高まります。

観光コンサルティング会社を選ぶ上での4つのポイント

はじめて観光コンサルティングを依頼する場合、どのような点に注意して依頼先を選ぶべきか、わからない方もいるでしょう。

依頼先の選定には、以下の4つのポイントを意識することが重要です。

コンサルティング実績は豊富か

コンサルタントから高品質な提案を受けるには、観光コンサルティングの実績が豊富な企業を選ぶことが重要です。実績が多い企業は、コンサルティングの質や費用対効果に関して多くの企業から高く評価されていると認識できます。

依頼先を選定する際は、ホームページ上でコンサルティング実績を確認しましょう。自社と同様の悩みを抱えている企業や同業種への実績が多い企業を選ぶと、ミスマッチのリスクを最小化できます。

どの業務を得意としているか

依頼したい業務内容とコンサルティング会社の得意分野が合致しているか、確認してから依頼することが重要です。パッケージ商品の開発やプロモーション戦略の立案、外国人観光客の取り込みなど、コンサルティング会社によって得意分野は異なります。

仮に自社が依頼を検討する内容が苦手だった場合、コンサルティングを依頼しても、課題解決につながる提案は望めないでしょう。コンサルティング料の無駄を避けるため、どの業務を得意としているか、ホームページ上で確認をしてください。

資格保持者が在籍しているか

観光プランナーや観光士、観光コーディネーターなどの資格保持者が在籍するコンサルティング会社を選びましょう。日本観光士会では観光プランナーや観光士、観光コーディネーターの3つを資格認定しています。

観光コンサルタントにかぎらず、コンサルタントは特別な資格を取得しなくても仕事ができる職種です。ただし、観光振興にはマーケティングや宣伝、市場調査など、幅広い分野の知識が求められます。

無資格者でも豊富なノウハウや優れたスキルを持つ方はいますが、短時間で優秀なコンサルタントを見抜くのは困難です。資格保持者の有無は依頼先のミスマッチを避ける1つの判断基準として、有効な選択肢となります。

担当者とコミュニケーションは取りやすいか

コンサルタントとコミュニケーションを取りやすいかが重要なポイントです。コンサルタントとの付き合いは、提案されたパッケージ商品やプログラムを販売して終了ではありません。

継続して収益を確保するためには、一定期間販売してどの程度売上が伸びたか、改善点は見つかったかなど、定期的な効果測定が重要になります。改善点や対策を明確化するには、コンサルタントの力が必要です。

長期的な付き合いとなるため、担当のコンサルタントと情報共有や意見交換がスムーズに交わせるか、商談時に相性を見極めましょう。互いの認識にズレが生じやすいため、専門用語を多用する方への依頼は避けるのが賢明です。

おすすめの観光コンサルティング会社5選

コンサルティング実績が豊富な観光コンサルティング会社を5社紹介します。

依頼先の選定にご活用ください。

参照元：マインドシェア

• 2,400社以上の課題解決実績
• 地域ブランド構築や販路拡大をサポート
• オンラインイベントやスポーツ大会の運営支援

お問合せ

参照元：JTB総合研究所

• 外国人観光客の動向調査を実施
• 計画推進に関連企業や団体の紹介が可能
• 体験型パッケージプランで地域活性化を支援

お問合せ

参照元：地域観光総合研究所

• コンセプト開発やイベント企画をサポート
• 地域に合わせた販売戦略で他社との差別化
• 顧客ロイヤリティの向上を図る

お問合せ

参照元：日本旅行総合研究所

• モニターツアーや旅行商品開発が可能
• 日本旅行とのタイアップで認知度向上
• SEO対策やプロモーションサイト支援も提供

お問合せ

参照元：日本観光コンサルティング

• 多様な企業と連携し地域活性化を推進
• 営業指導や人材育成も依頼可能
• 外国人観光客誘致で収益拡大

お問合せ

まとめ

観光コンサルタントを活用するメリットは、既存事業への支障を避けられる点です。市場調査や観光振興計画立案、新商品開発など、さまざまな業務を依頼できるため、人員を必要以上に割く必要はありません。

コンサルティング会社の選定には、実績の多さや得意分野などを確認することが重要です。はじめて観光コンサルティングを利用する場合、どのように依頼先を探したらいいか悩む方もいるでしょう。

「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度で条件に合ったコンサルティング会社を探し出せます。資料請求や見積取得を無料でおこなえる点も魅力です。

観光コンサルティングの依頼先を探している方は比較ビズをご利用ください。

監修者のコメント

株式会社Pro-D-use

取締役副社長 岡島 光太郎

2009年：(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。（在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。）
2013年：(株)データX（旧：フロムスクラッチ）の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年：アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。
2015年：(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長（現任）に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。
また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。

詳しく見る

訪日観光客の増加する中で、観光業は急激な成長市場として注目されています。私は前職で観光関連の仕事をしていましたが、観光産業の現場では、今まで国内にしか目を向けていなかった事業者が、海外に目を向けなければいけない状況になり、知見やリソース不足で現場は混乱しています。

日本国内にとどまらず、インバウンド顧客の心をつかみ、持続的な成長を実現するには、従来の観光サービスの常識から外れた新たな常識を学び、実行する必要があります。顧客はその土地の歴史、文化、自然と深く繋がり、感動的な体験を求めています。顧客満足度を高めるためには、顧客体験（CX）を重視したサービス設計が不可欠です。

そんな多様化する顧客ニーズに、自社の力だけで対応することはほぼ不可能なため、専門知識を持った観光コンサルタントに、市場分析、商品開発、マーケティング、人材育成など、多岐にわたる視点からサポートしてもらうことが重要になります。自社の課題や目指す未来に最適なパートナーを見つけ、観光ビジネスの成功を掴んでください。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。