動画制作には補助金が利用できる!補助金を申請する流れを徹底解説

株式会社フォーズン
監修者
株式会社フォーズン 代表取締役 松隆 祐也
最終更新日:2024年04月12日
動画制作には補助金が利用できる!補助金を申請する流れを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • 動画制作で利用できる補助金とは?
  • 動画制作の補助金を申請する流れとは?
  • 動画制作を依頼するときの注意点は?

国や自治体の補助金を活用すると動画の制作費用を抑えられます。小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金など、条件を満たせば動画制作費用の補助金が下りる制度を活用しましょう。

当記事では、動画制作の予算を検討している担当者に向けて、動画制作で利用できる補助金制度を解説します。補助金を利用できる条件や申請する流れも解説しますので、参考にしてください。

記事を読み終わった頃には、補助金申請のイメージができるようになり、補助金を活用した予算を立てられるでしょう。

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動画制作で利用できる補助金・助成金

動画撮影

動画制作で発生する費用を、国や自治体が支援してくれる補助金・助成金の制度があります。補助金・助成金の対象になる費用は、主に企業PRや販売促進活動における動画制作にかかった費用です。

助成金は要件を満たせば受給できるのに対し、補助金は受給に審査が必要な点で違いがあります。動画制作に活用できる主な補助金と、支給される金額や補助率は以下のとおりです。

  補助上限額 最大補助率
小規模事業者持続化補助金 50万円〜200万円 4分の3
IT導入補助金 5万円〜350万円 4分の3
事業再構築補助金 100万円〜1.5億円 4分の3
自治体の補助金・助成金 自治体により異なる 自治体により異なる

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金に関して、以下のとおり解説します。

  1. 小規模事業者持続化補助金とは
  2. 小規模事業者持続化補助金の対象
  3. 小規模事業者持続化補助金の上限金額
  4. 小規模事業者持続化補助金の対象経費
  5. 小規模事業者持続化補助金の必要書類と申請方法

必要な申請書類に関して不明点が発生する際には、管轄の商工会議所に相談しましょう。

1. 小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的に事業を続けるための支援策として受けられる補助金です。

動画制作で補助金を活用する場合、動画制作が販路の拡大や生産性の向上などの取り組みに該当することが条件になるでしょう。

2. 小規模事業者持続化補助金の対象

小規模事業者持続化補助金の対象事業者は、以下のとおりです。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数が5人以下
宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数が20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数が20人以下

業種によって対象となる従業員数が異なる点に注意しましょう。申請類型は細かくわかれており、通常枠のほかに特別枠が4つ設けられています。

特別枠の対象者は、以下のとおりです。

賃金引上げ枠 積極的な賃上げに取り組む小規模事業者
卒業枠 事業規模の拡大に意欲的な小規模事業者
後継者支援枠 アトツギ甲子園のファイナリストと準ファイナリスト
創業枠 過去3年以内に「特定創業支援事業」による支援を受け創業した事業者
インボイス特例 免税事業者のうち適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者

3. 小規模事業者持続化補助金の上限金額

小規模事業者持続化補助金の補助率は3分の2で通常枠の上限金額は50万円、特別枠を利用すると上限額が200万円になります。

通常枠と特別枠での、補助上限額や補助率の違いは以下のとおりです。

  通常枠 賃金引上げ枠 卒業枠 後継者支援枠 創業枠
補助率 3分の2 3分の2
(赤字事業者は4分の3)
3分の2
補助上限 50万円 200万円
インボイス特例 50万円
※要件を満たす場合のみ、補助上限額に上乗せされる

賃金引上げ枠のうち、赤字事業者は最大補助率が4分の3になる特徴があります。特別枠には追加申請要件もあるため、詳細を小規模事業者持続化補助金のガイドブックから必ず確認してください。

4. 小規模事業者持続化補助金の対象経費

小規模事業者持続化補助金の対象経費は、以下のとおりです。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 雑役務費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 委託・外注費

経費は、交付決定日以降に支払いしたものでなければなりません。支払金額の証明のために、領収証や支払明細などの証明書類を保管しておきましょう。

5. 小規模事業者持続化補助金の必要書類と申請方法

小規模事業者持続化補助金の申請には、さまざまな書類の提出が必要になります。

必須の書類は、以下のとおりです。

  • 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(様式1−1)
  • 経営計画書(様式2)
  • 補助金交付申請書(様式4)
  • 電子媒体(USBメモリやCD-ROMなど)様式1−1、様式2、様式4のデータ
  • 直近の決算書又は確定申告書

以下の書類は、提出が任意です。

  • 支援機関確認書(様式3の商工会議所が作成したもの)
  • 概算払希望者(様式5および売上減少証明書、通帳コピー)

申請システムに必要事項を入力して申請します。選択した内容に応じて自動的に設問や入力チェックが変わるため、安心して申請手続きができるでしょう。経営計画・補助事業計画の作成は、管轄の商工会議所に相談することをおすすめします。

申請の流れは、小規模事業者持続化補助金・はじめてガイドを参考にしてください。

補助金には審査が必要であり、不採択になる場合があることに留意しましょう。

IT導入補助金

IT導入補助金に関して、以下のとおり解説します。

  1. IT導入補助金とは
  2. IT導入補助金の対象
  3. IT導入補助金の上限金額
  4. IT導入補助金の対象経費
  5. IT導入補助金の必要書類と申請方法

IT導入補助金は、経営や業務の課題をITツールの導入によって解決させる目的の補助金です。

1. IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを取り入れる際に支援を受けられる補助金です。ITツールを用いて業務の効率化実現や売上向上の促進がIT導入補助金の目的です。

IT導入補助金は、通常枠・セキュリティ対策推進枠・デジタル化基盤導入枠の3つに分類され、補助内容や受給条件が異なる点に注意しましょう。

通常枠 自社の課題やニーズに適したITツールの導入費用の一部を補助し、業務効率化や売上向上を支援する
セキュリティ対策推進枠 サイバー攻撃による事業継続の困難さや生産性の低下を回避し、供給制約や価格高騰を引き起こすリスクを抑える
デジタル化基盤導入枠 会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトなどの導入費用の一部を補助し、企業間取引のデジタル化を促進する

2. IT導入補助金の対象

IT導入補助金の対象は、以下のとおりです。

  資本金 従業員数
製造業・建設業・運輸業 3億円以下 300名以下
卸売業 1億円以下 100名以下
サービス業 5,000万円以下 100名以下
小売業 5,000万円以下 50名以下
ゴム製品製造業 3億円以下 900名以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業 3億円以下 300名以下
旅館業 5,000万円以下 200名以下
上記以外の業種(営利法人の場合) 3億円以下 300名以下
医療法人・社会福祉法人・学校法人 300名以下
商工会・商工会議所 100名以下

以下は、対象となる小規模事業者の定義です。

  従業員数
商業・サービス業 5名以下
宿泊業・娯楽業 20名以下
製造業その他 20名以下

動画制作にIT導入補助金を使いたい場合、動画制作に必要なITツールの導入が対象となります。

3. IT導入補助金の上限金額

IT導入補助金の上限金額は、以下のとおりです。

  補助上限額 補助率
通常枠 5万円〜450万円 2分の1
セキュリティ対策推進枠 5万円〜100万円 2分の1
デジタル化基盤導入枠 〜350万円 3分の2〜4分の3

4. IT導入補助金の対象経費

IT導入補助金の対象となるためには、下記の機能を有している必要があります。

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収
  • 供給・在庫・物流
  • 会計・財務・経営
  • 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
  • 業種固有プロセス
  • 汎用・自動化・分析ツール

ITツールの補助金対象になるためには、事務局から認定を受ける必要がある点に注意しましょう。

5. IT導入補助金の必要書類と申請方法

IT補助金を申請するためには、IT導入補助金サイトより申請書類をダウンロードし、必要事項を記入します。事前に自社の業種や事業規模・経営課題に沿って、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定しておきましょう。

申請書類を提出して交付が決定した後は、ITツールを導入します。ITツールによって効果があった事業実績を報告し、補助金の交付を受けましょう。

詳しくは、IT導入補助金「新規申請・手続きフロー」を参考にしてください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金に関して、以下のとおり解説します。

  1. 事業再構築補助金とは
  2. 事業再構築補助金の対象
  3. 事業再構築補助金の上限金額
  4. 事業再構築補助金の対象経費
  5. 事業再構築補助金の必要書類と申請方法

事業再構築補助金を受けるためには、今後の経営を立て直すための事業計画が非常に重要です。

1. 事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、企業が経済状況の変化に対応するため、新分野展開、事業転換、業態転換、事業再編など思い切った事業再構築へ挑戦することを支援する補助金です。事業再構築補助金は、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金とは異なり、支援範囲が広く補助金額も大きい特徴があります。

新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編などを考えている企業は、事業再構築補助金の申請を検討しましょう。

2. 事業再構築補助金の対象

事業再構築補助金の対象は、以下のとおりです。

  資本金
(資本の額又は出資の総額)
従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業 3億円 900人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

業種によって、資本金と従業員数に違いがあるので注意しましょう。

3. 事業再構築補助金の上限金額

事業再構築補助金の上限金額は要件別に7種類の枠が用意されており、補助上限や補助率は以下のとおりです。

  補助上限額 補助率
成長枠 100万円〜7,000万円 3分の1〜3分の2
グリーン成長枠 100万円〜1.5億円 3分の1〜3分の2
卒業促進枠 100万円〜1.5億円 3分の1〜2分の1
大規模賃金引上促進枠 100万円〜3,000万円 3分の1〜2分の1
産業構造転換枠 100万円〜7,000万円 2分の1〜3分の2
最低賃金枠 100万円〜1,500万円 3分の2〜4分の3
物価高騰対策・回復再生応援枠 100万円〜3,000万円 2分の1〜3分の2

4. 事業再構築補助金の対象経費

事業再構築補助金の対象経費は、以下のとおりです。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費
  • 廃業費

対象経費では、金額の妥当性を確認できる必要があります。

5. 事業再構築補助金の必要書類と申請方法

事業計画の作成時には、以下2点の必須申請要件に注意しましょう。

  • 事業計画は認定経営革新等支援機関の確認を受けること
  • 付加価値額を向上させること

事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を必ず受けましょう。

「事業再構築」が目的のため、補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加、または従業員1人あたり付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることも求められています。

補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行・信金・ファンドなど)も参加して策定する必要がある点に注意しましょう。

申請要件と申請方法は、応募申請を参考にしてください。

自治体の補助金・助成金

カメラ

地方自治体が独自に主催する補助金・助成金制度も存在します。金額はさほど大きくないものの、採択率や適用範囲が広い制度もあるため、登記している地域の情報を随時チェックしておきましょう。

以下では例として2種類の補助金・助成金事業を紹介します。

事業PR・販売促進支援助成事業(東京都品川区)

品川区の中小企業を活性化させるための支援事業です。新たな事業展開や事業強化を図るために行う前向きな事業PRおよび販売促進に資する経費の一部を助成します。最大20万円(助成率3分の2)まで助成されます。

区内に主な事業所がある中小製造業者・情報通信業者などが対象の制度です。

参照:品川区中小企業支援サイト|事業PR・販売促進支援助成事業

魅力発信動画制作補助金(東京都荒川区)

荒川区の中小企業の販路拡大を支援する事業です。企業の魅力をPRする動画を制作した場合、政策経費が最大10万円(補助率2分の1)まで補助されます。

動画のWeb上公開が条件となり、既存動画のリニューアルも対象となる制度です。

参照:荒川区|魅力発信動画制作補助金

動画制作を依頼するときに注意すべき3つのポイント

ビジネス_握手

動画制作を依頼するときに注意すべきポイントは、以下の3つです。

  • 動画の目的とターゲットを明確にする
  • 動画を配信する媒体を決める
  • 費用対効果が得られる予算を検討する

動画のターゲットにあった媒体を選び、効果を最大限発揮できるようにしましょう。

動画の目的とターゲットを明確にする

動画を制作する目的とターゲットを明確にしましょう。ブランディングを強化したい・認知度を向上させたいなどの目的をを決め、目的にあった制作会社を選定します。

ターゲットは、年代・性別・趣味・家族構成など、ピンポイントでアプローチできるように細かく設定しましょう。

動画を配信する媒体を決める

動画配信ではYouTubeやTikTokの人気が高く、その他にもさまざまな動画プラットフォームが存在します。プラットフォームによって強いジャンルが異なるため、ターゲット層にあわせた選定が必要です。

自社の商品ジャンルや訴求内容と相性のいい媒体を選択しましょう。

費用対効果が得られる予算を検討する

動画制作を依頼する場合、動画の品質やサポート体制の充実度合いに比例して費用は上がります。動画の制作によって得られる効果を検証し、費用対効果が得られる予算を検討しましょう。

まとめ

動画制作で活用できる補助金として「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「事業再構築補助金」「自治体の補助金・助成金」を挙げました。それぞれの補助金・助成金制度によって条件が違うため、要件をよく読んで社内で検討しましょう。

「比較ビズ」では、動画制作の補助金に詳しい専門家を簡単に探せるため、比較して相談できます。動画制作の予算を立案している担当者の方は、ぜひ検討してください。

監修者のコメント
株式会社フォーズン
代表取締役 松隆 祐也

2021年に動画制作・映像制作会社である株式会社フォーズンを設立。BtoB、BtoCの動画を中心に幅広い業種・用途の動画制作にワンストップで対応。予算内で効果を最大化する企画力に定評を持つ。動画制作事業だけでなく制作フローを効率化するためのSaaSの開発も行っており、動画制作における包括的なサポートシステムの構築を目指している。

補助金制度を活用した動画制作の際に気をつけることとしては、制度申請前に依頼する見積もりがアバウトになりやすいという点があります。

補助金申請の前から、制作する動画の詳細を詰められていればベストではあるのですが、採択されない可能性もあるため、予算確保を優先とした制作フローになりやすく、いざ補助金申請が採択されて動画制作を進めることになった際に事前準備が不足していると、予算の制限で希望する動画が作れないこともあります。

また補助金を活用する場合は納期遅れが許されない場合もあるので、事前の見積り相談時に補助金を活用した動画制作であることを伝えることが重要です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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