確定申告の申告漏れが少額であっても、税務監査ではバレる可能性があります。1万円程度の申告漏れであっても税務調査で発覚可能です。
定期的な税務調査に加え、申告漏れの疑いがあれば詳しく調査されるリスクがあります。税務調査は1年間で61万件行われており、少しでも不正があればペナルティの対象です。
確定申告の内容に不安がある方は必見。この記事では税金の申告漏れと所得隠し・脱税の違いを解説します。最後まで読めば、申告漏れや脱税の仕組みがわかるでしょう。
うっかり申告が漏れてしまった場合は申告漏れ、故意に所得を隠す姿勢の有無があれば所得隠しや脱税とみなされます。いずれも発覚するとペナルティを科されるため、正確に確定申告をすることが大切です。申告漏れや申告ミスでお悩みの方はぜひご一読ください。
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税の「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」はいずれも納税を怠る行為を指します。用語の主な違いは、以下のとおりです。
申告漏れと所得隠し・脱税の違いは「意図の有無」にあります。申告漏れは、個人や法人が所得や資産などの情報を税務当局に提出せず、税金を納めない行為です。申告漏れは故意に行われることもありますが、ときには単なるミスや知識不足によっても発生します。
一方、所得隠しや脱税は意図的に税務当局に対して虚偽の情報提供、収入や費用の隠ぺいをする行為です。意図的に税金を軽減するために行われた場合に適用されます。
納税額を軽減するために意図的に行われる所得隠しと脱税の間には「悪質性の高さ」の違いがあります。所得隠しは、比較的軽い内容に適用される用語です。
一方、脱税は所得の隠ぺいにおいて悪質であると判断された場合に使われます。脱税は刑事罰が適用されるケースがあるほど重罪です。明確な定義はありませんが、期間が長い場合や金額が大きい場合に脱税とみなされます。
申告漏れ・所得隠し・脱税がバレる3つの原因は、次のとおりです。
税の申告漏れや所得隠し・脱税がバレる原因の1つが、確定申告の監査や調査です。税務当局は定期的に監査や調査を実施し、申告書の正確性や税金の適正な支払いを確認します。
監査過程で不正確な情報や不自然な記載が発見された場合、申告漏れや脱税の疑いから詳細な調査が行われます。税務当局は銀行口座の入出金情報や不動産取引のデータなどを比較することで、矛盾や不一致を検出可能です。
申告漏れや所得隠し・脱税は銀行の入出金情報からバレるケースがあります。税務当局は銀行との情報交換協定や法的手続きを通じて、個人や法人の銀行口座情報にアクセスできるためです。申告書の内容と突きあわせると、不正な取引や収入の隠ぺいを発見できます。
個人が申告漏れや脱税をした場合、当人の銀行口座の入金額や頻度が申請された所得と一致しません。大口の入金や不審な取引が行われている場合、税務当局は異常と捉え追加の調査をします。
申告漏れや所得隠し・脱税が発覚する原因の1つが、内部告発や密告です。告発・密告とは、知人や関係者が不正行為を知り、税務当局に報告することを指します。
競合他社や個人が不正行為を暴露するために告発や密告することもあるでしょう。不正行為を知る関係者が自発的に情報を提供すると、報奨金付与や告発者の身元を保護する制度があります。税務当局は告発や密告を真摯に受け止め、情報の信憑性や証拠の収集を行い、不正行為の調査を進めます。
申告漏れや脱税は法律違反であり、厳しく罰せられる場合があります。主なペナルティは次の5つです。
所得隠しが発覚した際には「過少申告加算税」が課されます。「過少申告加算税」は、確定申告時に実際の納税額よりも少なく申告された場合に課される追徴課税です。過少申告課税では修正申告を行った納税額の10%、50万円を超える場合は15%が課されます。
「重加算税」は、意図的な無申告や隠ぺい・改ざんが認められたケースに課されます。重加算税の追加徴収額は「本来の納税額×35〜40%」です。
税率 | |
---|---|
過少申告加算税に代わる重加算税 | 過少申告加算税の基礎となる税額の35% |
無申告加算税に代わる重加算税 | 無申告加算税の基礎となる税額の40% |
不納付加算税に代わる重加算税 | 不納付加算税の基礎となる税額の35% |
重加算税は徴収額が大きいペナルティだけではなく、無申告課税とあわせて課されるケースもあります。過去5年以内に無申告課税または重加算税を課されたことがある場合は、所定の加算税率にさらに10%加重されたペナルティが課されます。
「無申告加算税」は、納税が必要な所得を申告しなかったケースに課されるペナルティです。本来の納付税額や追加申告の時期に応じて加算税率が変動します。
条件 | 本来の納付税額 | 加算税率 |
---|---|---|
税務調査後に申告 | 50万円まで | 15% |
50万円を超える部分 | 20% | |
税務調査通知後〜税務調査通知前に申告 | 50万円まで | 10% |
50万円を超える部分 | 15% | |
税務調査通知前に自主的に申告 | 額にかかわらず | 5% |
「不納付加算税」は源泉徴収税の納付期限を過ぎると加算される税金です。期限後に税務調査を受ける場合、納税額の最大10%を追加で納める必要があります。
無申告加算税と同様に、税務調査を受ける前に納付すると課税割合が5%に軽減されます。追加徴収される税額を少なく留めるためには、税務調査前の自主的な申告が大切です。
「延滞税」は、確定申告期間をすぎても納税されないケースに課されるペナルティです。納付期限に対して遅延した日数に応じ、追加で支払う税金が変動します。確定申告期限内に申告しても、入金が遅れた場合は延滞税の対象です。
延滞税は期限の翌日から納付完了日までの日数に応じてかかり、最高税率は14.6%になります。たとえば、納税額が100万円で期日から60日後に期限後申告した場合、延滞税の金額は以下のとおりです。
税制改正により、令和3年1月1日以降と令和2年12月31日以前では割合が異なるため、くわしくは国税庁のホームページを確認しましょう。
脱税が悪質であると判断された場合、刑事罰を受けるケースがあります。刑罰の内容は、罪の重さに準じて決定します。
罰則行為 | 罰則 | |
---|---|---|
ほ脱犯・受還付犯 | 不正の行為により税金の納付を免れた(もしくは税金の還付を受けた) | ・10年以下の懲役 ・1000万円以下の罰金 のいずれかまたは両方 |
単純無申告ほ脱犯 | 法定の期限までに申告書を提出せず税金の納付を免れた | ・5年以下の懲役 ・500万円以下の罰金 のいずれかまたは両方 |
単純無申告犯 | 正当な理由なく法定の期限までに申告書を提出しなかった | ・1年以下の懲役 ・50万円以下の罰金 のいずれか |
刑事罰の罰金が発生した場合、追加でペナルティの税を支払い、さらに罰金を支払います。罰金と追加徴収税は扱いが異なるためです。
申告漏れ・所得隠し・脱税に該当するケースに、次の3つの事例が挙げられます。
経費を水増し計上した場合、脱税とみなされペナルティの対象です。業務に関連していない旅行費用を旅費交通費に計上する、プライベートの飲食費用を接待費に計上するなどが事例として挙げられます。
経費の水増し申請は、所得を低く見せて納税額を減らすことが目的です。経費計上の判断に困った際は、専門家に相談するとトラブルを未然に防止できます。
領収書や納品書の破棄により、申告漏れや脱税に該当するケースがあります。必要な領収書や納品書がないからといって収入を申告しなくていいわけではありません。
領収書や納品書は確定申告時に提出が必要なだけではなく、正確な所得把握のために必要不可欠です。日頃から書類をていねいに管理し、確定申告期間に慌てることがないよう準備しましょう。
現金取引の未計上は、申告漏れもしくは所得隠しや脱税に該当します。カード決済や銀行取引は記録に残るため当然申告が必要ですが、現金による収入も正しく計上しなければなりません。
現金取引は意図的な所得隠しではなくとも、申請をうっかり忘れてしまうケースもあります。税務監査は、仕入れ金額や出入金記録から所得隠しを発見するため漏れなく申告しましょう。
申告漏れや脱税により納税を逃れることは、社会的な信頼性を損なう行為です。申告漏れや所得隠し、脱税の違いを理解し、正確に納税しましょう。
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1970年熊本市出身。趣味は旅行と食べ歩き。熊本市立高校(必由館高校)卒業。国税局並びに税務署に30年勤務し、50歳で税理士として独立。国税在職中に500件以上の税務調査を経験しているため、あらゆる業界に精通しており、これまでに幅広い業種の問題解決をサポートしている。熊本商工会議所エキスパートバンク講師。
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