税理士にセカンドオピニオンを依頼するメリット5つとは?依頼時の注意点も解説!
- 税理士のセカンドオピニオンはどんな人におすすめ?
- 税理士のセカンドオピニオンにはどんなメリットがある?
- 税理士のセカンドオピニオンを受ける際の注意点は?
「顧問税理士を見直すタイミングは?」「セカンドオピニオンで見直す内容は?」とお悩みの経営者や個人事業主の方、必見です。
税理士のセカンドオピニオンとは、すでに行われている税務処理や税務アドバイスについて、別の税理士に再評価や見直しを求めることです。
この記事では、税理士のセカンドオピニオンで見直す内容やメリットを解説します。記事を読み終わる頃には、自社の顧問税理士の見直しに着手できるでしょう。
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税理士のセカンドオピニオンとは
税理士のセカンドオピニオンとは、すでに行われている税務の処理やアドバイスに対して、別の税理士に再評価や見直しを求めることです。
日本の税制は毎年改正されるため、各先進国のなかでも複雑といわれています。税務を専門とする税理士でも、すべての詳細を完全に把握することは容易ではありません。
確実な税務手続きを行うために、顧問税理士以外の税理士のセカンドオピニオンを求めることが、近年の傾向として注目されています。セカンドオピニオンは現在の税理士に不満がある場合だけではなく、より確かな判断を下すための一環として行われることも多いです。
税理士のセカンドオピニオンがおすすめの3つのケース
税理士のセカンドオピニオンを行うべきケースは下記の3つです。
- 顧問税理士が自社の分野に精通していない
- 顧問税理士と意見が合わない
- 他の税理士の意見が聞きたい
セカンドオピニオンが顧問税理士の機嫌を損ねるのではないかと不安になる方もいますが、税務業務をストレスなく行うために必要な場合もあります。
1. 顧問税理士が自社の業界に精通していない
顧問税理士が自社の業界に精通していないケースでは、セカンドオピニオンが役に立ちます。税理士は持ちあわせている経験や知識、得意業界が異なります。
たとえば、企業の経営者が後継者に事業を譲ろうと考えているとしましょう。契約している顧問税理士が所得税や法人税に詳しいものの、相続税に関して精通していない場合、セカンドオピニオンが有効です。
所得税・住民税の仕組みに詳しい税理士と契約していても、M&Aを行う際に別の税理士にセカンドオピニオンを求めることも考えられます。
2. 顧問税理士と意見が合わない
税務に関して、顧問税理士と意見が合わないケースでも、セカンドオピニオンを行う価値があります。顧問税理士と経営者が立場の違いから、意見が食い違うことは珍しくありません。
ただ、顧問税理士の意見が気に入らないと不満を伝えると、信頼関係が崩れてしまうおそれがあります。第三者の意見として、他の税理士に相談してみるといいでしょう。顧問税理士の意見にも一理あると思えるケースや、別の選択肢が提示される可能性があります。
3. 他の税理士の意見が聞きたい
他の税理士の意見を聞くことで、多角的な視点で判断することができます。今まで気が付かなかった問題点や解決方法がうまれる可能性もあります。
セカンドオピニオンは「複雑で重要な事業継承に関してだけ意見を聞きたい」「税務業務を効率化できる部分を知りたい」など、特定の分野だけでも相談可能です。顧問税理士とは異なる観点からの意見がほしい場合は、利用してみましょう。
税理士にセカンドオピニオンを依頼するメリット5つ
税理士にセカンドオピニオンを依頼するメリットは以下の5つです。
- 新たな節税策が見つかる可能性がある
- 税理士を見る目が養われる
- 専門性の高いサポートが受けられる
- 税務業務のダブルチェックが行える
- 税務調査の対応が有利に進む
それぞれが重要なメリットであるため、セカンドオピニオンを受けるか決定する際に考慮しましょう。
1. 新たな節税策が見つかる可能性がある
税理士にセカンドオピニオンを依頼する大きなメリットの1つが、新たな節税策が見つかる可能性がある点です。顧問税理士がすでにさまざまな節税策を教えてくれていますが、別の節税策が存在する可能性は十分考えられます。
別の税理士事務所がよく用いている手法によりさらなる節税が行える、支出を削減できるケースは少なくありません。会社の利益になると思える場合、積極的にセカンドオピニオンを利用すべきです。
2. 税理士を見る目が養われる
セカンドオピニオンを利用することで、より多くの税理士に接し、税理士を見る目が養われる点もメリットといえます。税理士との面談回数は限られているため、いい税理士を見つけるのは簡単ではありません。
セカンドオピニオンでは、顧問税理士以外の税理士の人柄や働きぶりを見ることができます。税理士に会う機会が多ければ、有能な税理士の条件もわかるため、セカンドオピニオンは非常に有効です。
3. 専門性の高いサポートが受けられる
セカンドオピニオンの別のメリットは、専門性の高いサポートが受けられる点です。顧問税理士が有能でも、不得意分野は必ずあります。顧問税理士が得意ではない分野を、別の税理士がカバーすることで、全体的に品質の高いサポートが受けられるでしょう。
顧問税理士以外の税理士とさらに顧問契約を結ぶ必要ななく、あくまでスポット契約で業務を依頼することが可能です。得意分野の業務を担当するため、税理士も依頼主もストレスなく手続きを進められるでしょう。
4. 税務業務のダブルチェックが行える
セカンドオピニオンを利用すると、税務業務のダブルチェックが行えるメリットもあります。税理士は税務のプロフェッショナルですが、必ずしも完璧とは限りません。
第三者の税理士がチェックすることにより、見過ごされてきたミスが発覚することも考えられます。顧問税理士の仕事に不安がある、書類の不備を指摘されたことがあるなどのケースでは、ダブルチェックの意味でセカンドオピニオンを利用することも可能です。
5. 税務調査の対応が有利に進む
顧問税理士以外の税理士にセカンドオピニオンを依頼すると、税務調査への対応力を高めるスキルが身に付く点もメリットといえます。税務調査は思いもかけないときに行われるため、常に備えることは重要です。
顧問税理士とは異なる税理士からもアドバイスを受けると、税務調査への対応や準備の方法を見直すきっかけになることもあります。調査の際に行われる受け答えのコツや注意点も顧問税理士とは違う立場で分析してくれるため、知見を深めるのに効果的です。
税理士のセカンドオピニオンの内容6つ
税理士のセカンドオピニオンで依頼できる主な内容は以下の6つです。
- 顧問税理士の意見や判断のチェック
- 新たな節税方法の提案
- 月次報告に対するアドバイス
- 事業継承や相続に関する相談
- 融資に関する相談
- 新規事業・M&Aに関するアドバイス
税理士や事務所により得意分野があるため、上記以外の業務を請け負っているところもあります。
1. 顧問税理士の意見や判断のチェック
顧問税理士の意見や判断を別の税理士がチェックするのは、セカンドオピニオンの主な内容の1つです。たとえば、事業拡大・縮小や社会情勢の変化に伴い、経営方針を変更したいときがあります。顧問税理士に相談しても、保守的なアドバイスしか得られず、納得できないとしましょう。
顧問税理士の意見や判断が妥当かどうかは、第三者の立場にある税理士に尋ねるのが効果的です。顧問税理士や自分以外の新しい意見を取り入れたい場面では、セカンドオピニオンを活用するとよいでしょう。
2. 新たな節税方法の提案
税理士のセカンドオピニオンでは、新たな節税方法を提案してもらえる場合もあります。税法は頻繁に改正されるため、節税方法も毎年のように変化します。
税理士もすべての節税方法を把握しているわけではないため、顧問税理士から得られる情報が最新ではないこともあり得ます。セカンドオピニオンにより、最新の節税方法を提案してもらえば、会社の利益になることでしょう。
3. 月次報告に対するアドバイス
税理士のセカンドオピニオンにより、月次報告に対するアドバイスを得られるケースもあります。顧問税理士によっては、税務業務しか行わず、月次報告の見方やアドバイス、経営改善策の提案などをまったく行わないこともあるでしょう。
税理士は税務業務のためだけではなく、経営者の理解者として適切なアドバイスを与え相談に乗ることが重要な仕事です。月次報告に対するアドバイスが欲しいと感じている場合、セカンドオピニオンを積極的に活用しましょう。
4. 事業継承や相続に関する相談
事業継承や相続に詳しい税理士であれば、今抱えている不安や課題を相談できます。たとえば、事業継承は手続きが複雑なため、顧問税理士が提案を行ってくれない、適切なアドバイスをしてくれないケースも少なくありません。
事業継承には相続問題が絡んでくるため、知識や経験豊富な他の税理士に具体的な手続きや交渉をサポートしてもらうことが必要なケースもあります。相続も同様に、適切な節税ができるかにより納税額に大きな差が出るでしょう。相続に精通する税理士にセカンドオピニオンを依頼することで、効果性の高い節税が実現できます。
5. 融資に関する相談
税理士のセカンドオピニオンでは、融資に関する相談ができる場合もあります。とくに金融機関と懇意にしている税理士とつながることができれば、新たな融資先となり得る金融機関を紹介してもらえる可能性があるでしょう。
融資先の新規開拓だけではなく、税理士は金融機関との交渉がスムーズにいくようにアドバイスしてくれることもあります。事業計画書や資金繰り表の作成代行を依頼することで、融資が受けやすくなるでしょう。融資を受けて資金繰りが改善していけば、資金を新規事業の拡大にまわせます。
6. 新規事業・M&Aに関するアドバイス
税理士のセカンドオピニオンは、新規事業やM&Aのアドバイスを受けたいときに効果的です。税理士は税務の専門家ですが、積んできた経験により会社経営やM&Aのアドバイスをする場合もあります。
とくにM&Aでは、対象企業の選定や相手方との交渉、クロージングにいたるまでさまざまなプロセスがあり、税理士や弁護士の専門家の力を借りるのが効果的です。新規事業の立ち上げやM&Aを検討している企業は、顧問税理士以外に特定の分野に特化している税理士にセカンドオピニオンを依頼するといいでしょう。
税理士にセカンドオピニオンを依頼するときの4つの注意点
税理士にセカンドオピニオンを依頼するときの注意点は、以下の4つです。
- 税理士への依頼費用が増える
- 現状悪化のリスクがある
- セカンドオピニオンへのスタンスを確認する
- セカンドオピニオンの件を顧問税理士に伝える
税理士のセカンドオピニオンはメリットだけではなく、デメリットもあります。
1. 税理士への依頼費用が増える
顧問税理士以外にセカンドオピニオンを依頼することで、余分な費用がかかります。顧問契約と同程度の支出ではないものの、通常よりも支出が増えるのは間違いありません。思ったような効果が出ない場合、余分な費用が経営を圧迫するおそれもあります。
スポット契約でも、セカンドオピニオンには相談料や顧問料が発生するため、依頼する前に費用対効果が見込めるか十分に検討しましょう。
2. 現状悪化のリスクがある
セカンドオピニオンで何を相談・依頼するかを明確にしていなければ、現状を悪化させるスクが高まります。顧問税理士ではない税理士の得意分野を見誤った場合、コストと手間だけがかかり効果は得られないでしょう。
「自社の事業継承に関して相談したい」「新規事業に向けてファイナンスの相談をしたい」と具体的に依頼内容を定めることが重要です。依頼内容を決めてから税理士を探すことで、ミスマッチのリスクを最小限に抑えられます。
3. セカンドオピニオンへのスタンスを確認する
セカンドオピニオンを依頼する前に、税理士のスタンスを確認することは非常に重要です。税理士のなかにはセカンドオピニオンを受け付けておらず「顧問税理士と契約を解消してから依頼してほしい」と考える人もいます。
セカンドオピニオンを依頼するときは、対応している事務所かどうかを確認しましょう。税理士のホームページでセカンドオピニオンを歓迎する旨が書かれていれば問題ありません。もしくは電話やメールで確認することもできます。
4. セカンドオピニオンの件を顧問税理士に伝える
セカンドオピニオンを依頼する前に、顧問税理士にその旨を伝えることは重要です。顧問税理士の理解を得ないまま別の税理士に依頼すると、顧問税理士との関係が悪化するおそれがあります。
契約内容にセカンドオピニオンの告知義務が含まれているにもかかわらず知らせなかった場合、訴訟にいたるリスクがあるでしょう。よほどの理由がない限り顧問税理士にセカンドオピニオンの件を伝えることで、トラブルを防げます。
税理士のセカンドオピニオン契約の料金相場
税理士のセカンドオピニオンの料金相場は、月額3万円〜10万円です。会社への訪問回数により料金が増減します。相談の時間数で月額3万円、5万円、10万円などのコースに分けて料金設定をしている税理士事務所もあります。
相談に加え、下記の作業を依頼すると追加料金が発生する場合があります。
- 確定申告書の作成
- 株価算定書の作成
- 相続税申告書の作成
- M&A・組織再編業務における数字を使った具体的な検討作業
まとめ
税理士のセカンドオピニオンは、顧問税理士以外の意見や判断を知るうえで非常に重要です。顧問税理士を信頼していても、時折経営判断の材料を増やすためにセカンドオピニオンを利用することもできるでしょう。税理士の得意分野を見極めることで、最大の効果を得られます。
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立川、八王子、国立、国分寺その他東京近辺で活動している税理士。1992年東京都八王子市出身。趣味は銭湯やサウナ。好きな動物はネコ。 税理士試験、個人の税理士事務所及び相続税専門の税理士法人の勤務を経て、2020年に税理士として独立開業。税理士全体としては5.5%しかいない30代以下の開業税理士として、若年層や若い後継者に世代交代を行っている経営者から圧倒的な人気を誇る。法人税申告、個人確定申告、相続税申告と幅広い分野で数多くの申告実績あり。大手予備校で税理士試験の講師やセミナーを担当。東京税理士会の支部の幹事も務め、研修部長として公的な研修を主催している。
税理士自身も、不得意な分野の業務を行うことを避けたいと考えることもあります。ただ、その一方で、顧問先の方から聞かれた場合、どうしても対応をしてしまうこともあります。
信頼しているからこそ、顧問税理士に得意不得意を確認し、不得意な業務であれば、相談の上でセカンドオピニオンを提案してみるのも悪くはありません。お互いのためにセカンドオピニオンを利用するのも良い手段でしょう。
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