【学校】SWOT分析の事例が知りたい！目的やよくある質問を解説

学校におけるSWOT分析の事例を紹介

SWOT分析を行う際は、項目ごとに内部と外部を分析します。項目はStrengths（強み）・Weaknesses（弱み）・Opportunities（機会）・Threats（脅威）の4つです。

各項目でどのようなことを当てはめていくのか、以下で具体的な事例を紹介します。

学校のSWOT分析

SWOT分析は、四角を4つに区切った図を使います。それぞれに4つの項目を当てはめていくことで、今後の戦略や課題などが可視化されていく仕組みです。学校に限らず企業でも使用できるため、覚えておいて損はありません。

学校によって記載する内容は大きく変わりますが、自身が経営する学校と比べながらイメージしてみてください。分析結果は図になって残るため、会議をはじめとするシーンで他の教員スタッフに共有できて便利です。

Strengths（強み）

Strengths（強み）は、内部に対してプラスとなる要素のことを指します。具体的には校内活動の実績や、独自の人材力などです。

広報の動きに積極性が感じられる、生徒が部活動で優秀な成績を数多く収めているなどが挙げられるでしょう。他の学校よりも優れている点がある場合は、とくに強みとして当てはまります。内部的にアピールポイントとなる要素があれば、強みであると考えてください。

Weaknesses（弱み）

Weaknesses（弱み）は、Strengths（強み）と対照的に内部に対してマイナスとなる要素のことを指します。内部環境に関連している点は、Strengths（強み）と同様です。

入学希望者の少ない学部がある、教員が忙しく残業も多いなどが考えられるでしょう。他校と比較したときに欠点と見られる要素があれば、Weaknesses（弱み）として当てはめてください。

Opportunities（機会）

Strengths（強み）が内部に対する要素だったのに対し、Opportunities（機会）は外部に対する要素のことを指します。学校にとってプラスに考えられることを当てはめるのは、Strengths（強み）と同様です。

競合校による流入が予測されている、近隣地域に団地建設の計画が立っているなどが考えられます。周辺環境の動きによってメリットを得られそうであれば、その要素をOpportunities（機会）として考えましょう。

Threats（脅威）

Opportunities（機会）が外部に対するプラス要素だったのに対し、Threats（脅威）はマイナスとなる要素のことを指します。第三者から見て欠点と捉えられるような外部要素はThreats（脅威）になると考えましょう。

近隣に生徒や保護者から注目されている学校がある、少子高齢化による影響で学生が減少しているなどが考えられるでしょう。社会の流れや経済の動きも大きく関わっています。

大学のクロスSWOT分析を用いた戦略事例

ある大学ではStrengths（強み）として、教育の質が高いと地元で評価されていることを挙げています。Opportunities（機会）に外国語学部の注目が近年集まっていることを挙げ、今後外国語学部を取り入れることを戦略としました。

Weaknesses（弱み）に教員の残業時間が増えていること、Threats（脅威）に新しく新設された大学があることを挙げています。戦略は早急な人員確保や、大学のブランド力を活かしたPR活動などです。

学校経営でSWOT分析を行う目的

SWOT分析は企業で行われているイメージが強いですが、学校経営でも使われます。

実際に成長姿勢のある学校では、SWOT分析が定期的に実施されており、独自の戦略が立てられています。SWOT分析の目的は、以下の2点です。

自校の強みと弱みが明確になる

SWOT分析でそれぞれの項目を当てはめていくと、自校にとって内外部の強みと弱みを可視化できます。これまで客観視できていなかったことが、SWOT分析によって冷静に判断できるのが魅力です。

SWOT分析結果は表やシートにそのまま残るため、教員スタッフ間で共有したり、部屋に貼り出したりできて便利です。分析結果を忘れてしまわないよう、常に意識できるというメリットもあるでしょう。

外部環境を把握できる

常に周りで見聞きする内部環境とは違い、外部環境は市場の流れや動きに注目しなければ、情報を得られません。新たに学校が新設されることや、自校が他者から指摘されているマイナスポイントなどは、積極的に情報収集しないと把握が難しいでしょう。

SWOT分析をすることで、外部環境を改めて冷静に観察できて、新たな情報を得られます。普段意識する機会が比較的少ない外部環境の課題や問題点を、ひとつずつ確認できるでしょう。

学校経営をする際にSWOT分析の事例でよくある質問

SWOT分析とは？という質問をよく見聞きします。これは内外部を4つの項目に分けて、情報を分析したり整理したりして、戦略を考えることです。

SWOT分析を導入するメリットは？ という質問も少なくありません。メリットは、分析結果をもとに今後の戦略が立てやすくなることです。自校がもっと伸ばすべき点はどこなのか、何を改善することで良くなるのかなど、SWOT分析を行えばさまざまな要素が見えてくるでしょう。

学校におけるSWOT分析の事例｜まとめ

学校においてSWOT分析を導入すると、戦略を立てて内外部の環境を改善できます。学校が現在抱えている問題を、発見するきっかけになるというメリットも大きいでしょう。

SWOT分析の方法は、表やシートを4分割して、情報をそれぞれ当てはめていくだけです。シンプルで簡単な方法ですが、分析結果はとても貴重なものとなるため、1度試してみてください。多くの人から評価される学校を目指し、戦略を考えてみませんか。

監修者のコメント

プロフェッショナルマネージャーグループ

代表　岩瀬 好史

大学卒業後、信用金庫で融資と営業を経験。リーマンショックの影響で融資先企業の業績が悪化する中、目の前で苦しむ企業を十分に支援できない自らの力不足を痛感。困っている企業の力になりたいと思い投資会社に転職し、中小企業の事業再生業務に従事。多くの再生案件に携わる中で現場の経営に関わりたいという思いが強くなり、副業で経営コンサルティング事業を開始。その後、視野を広げるために信用調査会社に転職し調査業務を行った後に独立。現在は経営者のパートナーとして、戦略立案・計画策定・資金調達・組織作り・人材育成・実行支援などを中心に、経営課題の解決を支援している。

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以下のようなポイントを押さえると、SWOT分析をより効果的に活用できるようになります。

・強みと弱みは表裏一体伝統や校風といったものがブランド力の源泉となりますが、一度イメージが定着すると簡単には変えられないという側面もあります。

・相対評価を意識する一般の人から見ると各学校の違いを比較することは容易ではないため、各種の評価やランキングなども考慮した「見られ方」を意識する必要があります。

・答えを出そうとしないあくまでも「仮説」を立案するためのツールなので、どれだけ時間をかけても「正解」が分かるわけではありません。

SWOT分析は「第三者の立場から内容を評価しやすい」という特徴があるため、融資や補助金などで必要になることも多いです。今後も活用できる場面が広がっていくことが予想されますので、ぜひ一度挑戦してみてください。

執筆者

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