TikTok広告の費用を種類別に解説！メリット・デメリットも紹介

TikTok広告の種類【費用を解説】

TikTok広告の費用は、1,000万円を超えるものや50万円程度など広告の種類やプランによってさまざまです。広告を配信する際はそれぞれのメリット・デメリットを把握して、自社の予算や目的に合わせた広告の種類を選択しましょう。

TikTok広告の種類は以下の4つです。

起動画面広告

起動画面広告とは、すべてのTikTokユーザーがアプリを起動した際に表示される広告です。広告の枠は1日につき1社のみの配信になります。

TikTokを利用しているすべてのユーザーに表示される広告のため、より多くのユーザーに広告を見せることできます。そのため、自社の商品やサービスの認知を目的とした広告に向いている方法です。費用も高く倍率も高いため、枠を確保するのは困難な配信面となります。

起動画面広告の費用

画面を起動した際に配信される広告のため、ユーザーがTikTokを起動した分だけ表示される広告です。料金は1,000回表示されるごとに770円課金されます。

2021年9月の時点でTikTokのアクティブユーザーは世界で10億人を超えました。最近では、日本国内のテレビドラマやバラエティ番組の公式アカウントがTikTokを宣伝に利用することも増えています。このことから、1日あたりのアプリ起動数は相当な数が予測されます。

アクティブユーザーの数から見て、全体の想定費用は最低でも500万円程度と考えておきましょう。

参照：TikTok Newsroom｜Thanks a billion!

起動画面広告のメリット

起動画面広告のメリットは「より多くのユーザーに広告を見せられる」ことが挙げられます。TikTokを起動するだけで広告が表示されるため、広告への興味の有無にかかわらず無差別に広告が起動されます。

新しい事業の立ち上げや新商品の発表、新サービスの提供など、より多くの人に見てもらいたいときに有効です。TikTokを起動するだけで表示してもらえるため、どの広告よりも高い宣伝効果が期待できます。

とくにブランディングを目的とした広告の場合その効果は絶大です。1日につき1社のみの枠ですが、確保するだけの価値は十分にあるでしょう。

起動画面広告のデメリット

起動画面広告の枠は1日につき1社のみのため、応募してもすぐに採用されるのは難しいです。運良く採用されたとしても費用は最低でも500万円必要となり、決して安い予算とは言い難いです。

魅力的な広告形式ではありますが、気軽に利用できない部分は、扱いづらい広告といえるでしょう。

ハッシュタグチャレンジ広告

ハッシュタグチャレンジ広告とは、ユーザー参加型の広告配信形式です。企業がお題になるハッシュタグ（＃）を作成し発表することで、ユーザーはそのハッシュタグに沿った動画を作成します。

作成した動画を他のユーザーが視聴することでハッシュタグ広告が拡散されていく仕組みです。一般ユーザーやTikTokerも利用する形式のため、クオリティのいい広告動画を作成するユーザーが多いのが特徴です。拡散力も強く、多くのユーザーに反応してもらえる広告形式です。

ハッシュタグチャレンジ広告の費用

ハッシュタグチャレンジに必要な料金はプランにより異なります。予算は最低でも1,000万円の見積もりが必要なため、費用は十分に用意した状態で利用する必要があります。

ハッシュタグチャレンジのプランは以下のとおりです。

ハッシュタグチャレンジ広告のメリット

ハッシュタグチャレンジの最大の魅力は、拡散力が高いことです。これからTikTokで有名になりたくて活動をしているユーザーも積極的に利用し、クオリティの高い広告動画を作ります。

ユーザーが魅力的な広告を作成してくれるため、よりターゲット層に合わせた動画広告が拡散され、商品の魅力が伝わりやすいです。

ユーザーがそれぞれ広告を作ってくれるため、TikTok側も商品やサービスを正確に認識して提供できます。商品やサービスに対する理解を深められやすく、魅力も伝えやすい方法です。若年層をターゲットとした商品やサービスの拡散がしやすいメリットもあります。

ハッシュタグチャレンジ広告のデメリット

ユーザーが広告動画を用意することを考えると手間がかからないように思われがちですが、ハッシュタグチャレンジは手間がかかります。インフルエンサーを起用する場合、広告費用にくわえてインフルエンサーへのギャラも発生するため、さらに多くの予算が必要です。

多くの人の協力のもとで成り立つ広告形式のため、スケジュール管理が厳しく、ほかの広告形式よりシビアです。さらにユーザー参加数が極端に少ないと、費用以上の成果が得られない事態にも発展します。ユーザーが反応し、チャレンジしやすいテーマを考えるのが重要です。

インフィード広告

インフィード広告とは、一般の投稿に紛れて広告を配信する方法です。一般投稿と見分けがつきにくい広告のため、ユーザーが反応しやすいという魅力があります。

広告の費用もTikTok広告のなかで最も安価な42万円〜運用が可能なため、低予算での運用を希望する企業におすすめです。インフィード広告はプランによって費用が異なるため、自社で用意できる費用にあわせて活用しましょう。

インフィード広告の費用

インフィード広告の費用はプランによって異なります。プランは以下の3種類から選びます。

インフィード広告のメリット

インフィード広告のメリットは、低予算でもスタート可能で、広告らしくない形式がユーザーの興味を引きつけることです。流れてくるほかのユーザーが投稿した一般投稿に動画広告が紛れており、広告らしさが抜けているため、広告特有の煩わしさがありません。

プランによってはインパクトの強い広告を配信可能です。ほかの投稿に溶け込み、多くのユーザーに自社の広告動画を配信したいと考えている企業におすすめのプランといえるでしょう。

インフィード広告のデメリット

インフィード広告の費用、最安値のプランや高いプランもあり、その差は583万円です。

インフィード広告の魅力である安価で運用できる価格設計は、あくまでも最安値のプランにかぎります。使用する際は注意しましょう。

インフィード広告は、広告らしくない動画がその魅力のため、ユーザーに広告らしいと感じ取られてしまうと煩わしい印象が残ります。企業にとってもマイナスな印象になるため、広告の作成の際には注意が必要です。

運用型広告

運用型広告は、自社でターゲットの設定や広告の作成などが可能で、ユーザーの動きを見ながら広告の差し替えができます。運用型広告の場合は、他の報告形式と違い、まとまった費用は必要なく、少額の費用でも広告が出稿でき、課金方法も選択可能です。

個人事業主が少額の費用で広告の出稿ができるため、汎用性に優れているのが特徴です。TikTokの広告は1度出稿すると、原則差し替えや変更ができません。顧客の動きにあわせて広告の差し替えを行いたい場合、運用型広告を利用することをおすすめします。

運用型広告の費用

運用型広告は、自社で定めた予算で運用ができます。課金方法は、以下の3種類から選択できます。

TikTok広告費用は、多くが高額に設定されています。事業を立ち上げたばかりの起業は、広告に膨大な費用をかけるのは難しい状態です。費用を抑えて広告を出したい場合、運用型広告を利用してみましょう。

運用型広告のメリット

運用型広告の最大のメリットは、ユーザーの反応を見て、広告を少しずつ変更できる点です。本来は変更不可能なTikTok広告でも、運用型広告にすることで、ユーザーの反応にあわせて広告の修正変更が可能です。

どのような広告が効果的で、どのような広告がユーザーに反応されないのかすぐに分析できます。予算にあわせて、課金形式や配信面を選べます。ユーザーの設定も自分で行えるため、より細かいターゲティングが可能になることが、大きなメリットといえるでしょう。

運用型広告のデメリット

運用型広告は自分でユーザーのターゲティングを行えます。メリットである反面、細かすぎるターゲティングでは、ユーザーに広告が届かない事態が発生します。

管理方法を間違えると、適切なユーザーに広告が届かなくなるため注意が必要です。運用型広告は後から内容を変更できるため、ユーザーの反応が悪い場合は状況にあわせてターゲット層を変更する動きも必要です。

TikTok広告を出すために必要な手順

TikTok広告を出すには、TikTok for Businessより、アカウントの登録を行い、広告審査を受け出稿する必要があります。TikTok広告を出す大まかな手順は以下のとおりです。

アカウント登録から運用開始するまで24時間程度と迅速に広告を出せることがTikTok広告の長所です。TikTok広告には審査があるため、適切なコンテンツを扱うようにしましょう。

ここではTikTok広告の大まかな手順を解説します。くわしく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

1. TikTok for Businessからアカウントの登録する

TikTok広告のアカウント登録は、TikTok for Businessにアクセスして必要事項を入力することで完了します。このアカウントとは別にTikTokのアカウントの作成は不要で、ほかのSNS広告と比較すると手間が少ないのも特徴です。

TikTok for Businessへアクセスし、電話番号またはメールアドレスで本人確認を実施します。これでアカウントの登録は完了です。

2. 個人情報の入力してアカウント作成をする

続いては個人情報を入力します。自社の会社名や、業種など必要事項を入力し、登録することで完了します。間違った情報を入力すると、今後変更することが難しいため注意しましょう。登録が完了すると、次の画面に進みます。

3. 支払い方法を選択する

支払い方法は決済タイプによって異なります。決済タイプは手動決済と自動決済に分かれており、自動の場合はクレジットカードとデビットカードのみの利用が可能です。手動の場合、デビットカード、クレジットカードに加え、PayPayやLINEPayも選択可能です。

4. モードを選択する

広告のフォーマットを選択します。広告は動画、カルーセル、静止画のいずれかから選べます。自社が出稿する広告にあわせて選択しましょう。

5. 目標・オーディエンス・予算などの設定を行う

続いてオーディエンス設定、 目標設定、 予算設定を行います。自社の広告がどの層に向けたものなのか設定し、 届けたいターゲットを選択しましょう。

目標とする顧客獲得単価にあわせて予算を設定し、それぞれの設定が完了します。目標の顧客獲得単価を明確にしておかないと、予算の設定がしにくくなるため注意が必要です。

6. 広告を作成する

広告キャンペーンと、広告セットを作成します。キャンペーン目的は、以下の3つから選択できます。

広告の目的が「ブランド認知力を高めたい」または「購買意欲を高めたい」かによって選択しましょう。選択できたらキャンペーン名を入力し完成です。

広告セットの作成では「TikTok」「Pangle」「BuzzVideo」のなかからプラットフォームを選びます。

7. 広告運用開始

必要事項の入力や設定が済むと広告の審査に進み、審査が完了後に広告運用が開始されます。万が一審査に落ちてしまった場合は、広告のサイズやテキストの量、扱っているコンテンツが不適切ではないか確認が必要です。

TikTok広告は年齢制限がかかるようなコンテンツの広告を禁止しているため、アルコールやタバコなどの広告は出すことができません。自社のサービスがTikTok広告に適切なのかどうか、確認してから出稿するようにしましょう。

TikTok広告の費用を抑える3つの方法

TikTok広告は効果が高い分、費用も高額な広告が多い印象です。そのため、費用をどれだけ抑えられるかが重要です。

費用を抑えるためのポイントは以下のとおりです。なるべく費用を抑えるように運用しましょう。

ターゲットを最適化する

幅広いターゲット層への広告配信は、サービスや商品に興味がないユーザーにも広告が配信されます。反面、細かすぎるターゲティングは広告が配信されなくなってしまうデメリットがあります。

「性別」や「年齢」はもちろんこと、TikTok広告ではユーザーの興味や行動などもターゲティングの項目に挙がります。商品のターゲットから想定し、利用を促したいユーザーはどのような項目に当てはまるのかを考えましょう。

ターゲット層に刺さらないユーザーに広告を配信すると、その分無駄な費用が発生している状態となり効率的ではありません。費用を抑えつつ、より効果的な広告を提供する上でもターゲティングの最適化は重要でしょう。

複数の広告を同時発注する

TikTok広告は、いくつか同時に併用することで割引が受けられるようになっています。同時に発注することでど割引率も高くなるため、なるべく多くの広告を発注するのがよいでしょう。

3種類の広告を発注すると2％引き、4種類で3％と種類が増えるごとに割引率も高くなります。使用頻度が高いほど適切に割引が受けられるため、頻繁に利用する企業の場合は、とくに注目しておきたいポイントです。

運用代行サービスを利用する

広告運用のノウハウがない企業は、代行サービスに依頼するのも1つの手段です。代行サービスに依頼する費用が別途発生しますが、それを加味しても低予算で効率的な広告を出せる代行会社はあります。

自分の会社で人件費を出して広告運用をする場合、ノウハウがないため人材育成から始めることを考えると、代行サービスのほうが安く済むことも多いです。適切な運用方法を熟知している企業に頼ることは、合理的かつ低予算で済ませるうえでも効果的な方法です。

TikTok広告の成功事例

実際にTikTok広告を導入した企業の成功事例を4例紹介します。

TikTok広告は10代〜20代を中心とした若年層にアプローチできるため、ターゲット層が当てはまる商品やサービスの広告には高い効果が期待できます。現在では多くの流行の発信地となっているTikTokは、最も広告効果の高いSNSといえるでしょう。

NIKE Japan｜（＃）ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグを利用して動画を投稿するハッシュタグチャレンジは、動画投稿を楽しむ学生を中心に盛り上がりを見せています。NIKE Japanは「＃NIKE塾ポーズチャレンジ」として、独自のブランドエフェクトを用いた視聴者参加型のキャンペーンを実施しました。

NIKE Japanのハッシュタグチャレンジはターゲティングが明確であり、インフルエンサーの選定もスムーズにできたことで、より迅速に効果的なPRとなりました。そのため、ブランディング効果は絶大であったといえるでしょう。

バルクオム｜運用型広告

バルクオムは広告代理店経由でTikTok広告を配信していたものの、期待以上の成果が得られずに1度撤退しています。TikTok For Businessのリリースにより、自社で広告の管理が可能となり、施策の実行速度、目標CPA、予算などの調整が容易になりました。

自社で管理がしやすく、データを見ながら効果的な広告の配信ができるため、自社の状況に合わせた広告の配信を可能としています。さらにTikTokのユーザーも拡大し、相乗効果で顧客獲得が増えました。

細かいターゲティングにより、特定の年齢、性別、時間帯に限定した配信をし、収益のアップにつながった成功例です。

ブルボン｜起動画面型広告

起動型広告の大きな成功例は、ブルボンのアルフォートキャンペーンが挙げられます。テレビCMをスマートフォンユーザーの若年層にリーチするため、この方法を起用し、広告認知度のアップを図っています。

反応は多く、ユーザーからはポジティブな反応も受けたことで、企業イメージのアップにもつながりました。認知度が上がり、企業のイメージも良くなり、起動画面型広告の大きな成功例といえるでしょう。

アリシアクリニック｜インフィード広告

脱毛サロンでありながら、脱毛に触れずにフィード広告を展開し、大きな反響を得たのがアリシアクリニックの例です。ミュージックビデオ風の動画演出は、多くのユーザーの興味、関心を惹きつけ、スキップされずに再生されたCMの例といえます。

メッセージ性の高い表現で多くの層から共感を得て、脱毛に触れていないにも関わらず、しっかりと自社のPRを成功させています。共感は多くの注目を集めるものの、少しでも間違えば炎上にもつながりかねない題材ですが、アリシアクリニックはうまく取り入れていました。

TikTok広告の費用でよくある質問

TikTok広告を出すうえで、よくある質問をまとめました。

以下でくわしく解説します。

TikTokの特徴は？

TikTok広告の特徴は、若年層に積極的にアピールができることです。利用しているユーザーの多くが10代〜20代の若年層のため、ターゲット層が利用ユーザーに合致している場合より高い効果が得られます。

配信する広告によっては低予算から出稿が可能となっており、起業したばかりで予算が取れない企業であっても配信が可能です。

ターゲティングも細かく設定できるため、特定の年齢性別、活動している時間帯に広告を配信し、興味のあるユーザーを狙えます。動画をバズらせるために、多くのインフルエンサーが積極的にハッシュタグチャレンジに挑戦している面も、他のSNSにない特徴といえます。

TikTok広告のキャンセルはできる？

TikTok広告は申し込み成立後、キャンセルはできません。TikTok側はメールで広告出稿の申し込みを受け付け、先着順で広告の出稿を割り当てています。割り当てられると、キャンセルは一切できないため、広告を出す期間内に商品が間に合わない事態は避けましょう。

広告で宣伝する商材が間に合わない場合も顧客とのトラブルに発展しますが、広告が完成していない場合も問題です。出稿が可能な状態になっても、広告の制作が間に合わず、まともな広告が出せなくても広告の費用は発生します。

こうした事態は広告出演者とのトラブルにも発展するため、注意が必要です。

TikTok広告の途中修正はできる？

TikTokは一部の広告の形式を除いて、広告の途中修正はできません。制作した広告に誤った記載が発見されても後から修正ができず、顧客間とトラブルに発展する場合があります。そのため、情報は正確に入力しましょう。

広告を出した後に期待以上の効果が得られなかったため「広告を修正したり、出稿する時間を変更したい」ということもできません。

途中修正や変更をしたい場合は？

広告の効果をみながら、運用方法や広告の種類を変更したい、という場合は運用型広告がおすすめです。

運用型広告の場合、運用中の状況にあわせて変更や修正を加えられるため、運用しながら効果的な広告に仕上がります。

TikTok広告の費用のまとめ

TikTok広告の費用は、1,000万円を超えるものや50万円程度などプランによってさまざまです。会社の規模や目的にあわせて広告の種類を選び、宣伝効果の高いものを利用しましょう。

大手企業だけではなく、中小企業でも大きな成功例を残しているTikTok広告です。ぜひ活用して自社の運用に役立ててみてください。

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執筆者

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