経営理念の作り方とは?作成のメリットと注意点も紹介
- 経営理念とは?
- 作成するメリットはなにがある?
- 経営理念作成の注意点とは?
「経営計画書の作り方を知りたい」という方必見!
この記事では会社運営のための経営理念の作り方について解説。 最後まで読めば、経営理念の作り方や注意点が分かります。
経営理念と企業理念の違いについても紹介するので、これから経営理念を作りたい方もぜひ参考にしてください。
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経営理念とは
経営理念とは、経営の方向性を指し示すために経営者の哲学を言語化したものです。企業の従業員は経営理念に従って業務を行うことで、経営者の考える方向に企業が進んでいきます。
経営理念に含まれるのは、一般的に以下の4つの要素です。すべて含まれる場合もあれば、いずれか1つだけの場合もあり、企業によって異なります。
- ビジョン:中長期の目標
- ミッション:企業の存在意義
- バリュー:経営における行動指針
- スローガン:経営理念を示す合言葉
経営理念におけるビジョンは企業が中長期的に目指す目標を指します。ミッションは、企業の存在意義であり、社会にどのように貢献できるかの表明です。
バリューは経営における信念で、ビジョンやミッションを達成するために必要な行動指針です。スローガンはビジョン・ミッション・バリューを簡潔に表現するための合言葉で、内外に向けて経営理念をわかりやすく伝えるためにあります。
経営理念を作成するメリット
経営理念を作る一番の目的は、経営者の考え方を社員に伝達すること。それ以外にも経営理念を作ることで以下の4つのようなメリットが得られます。
- 会社の意義を共有できる
- 社員のモチベーションが上がる
- 優秀な人材を呼び込める
- 外部に企業の意味を示せる
会社の意義を共有できる
経営理念には、企業が社会に対してどのように貢献できるかが示されています。そのため、従業員が会社の存在意義を理解し、誇りを持って業務にあたる原動力になります。
経営者の掲げる企業価値を従業員全体に浸透されるためには、経営理念を通して明文化することが大切です。企業としての存在意義を社員に伝えることができれば、業務に対する責任感が生まれ、主体的な行動が期待できます。
社員のモチベーションが上がる
経営理念には中長期的な目標や、企業が社会に対して貢献できる理由が明記されています。従業員と経営理念を共有することで、企業や業務が社会に影響を与えていることの再認識を促し、モチベーションが維持できます。
ビジョンやミッションのない企業での労働は従業員にとって困難です。自身が行なっている業務が社会にどう貢献しているか分からず、モチベーションを保てないケースもあります。
優秀な人材を呼び込める
経営理念を掲げることで、優秀な人材確保につながるメリットがあります。経営理念は、企業の経営判断の軸となる部分です。優秀な人材ほど経営理念に共感できるかを重視し、誇りを持って働ける職場を探します。
例えば、環境意識が高くエコに興味のある人材は、経営理念においてエコに言及していない企業には入社しないでしょう。企業が大切にしている部分を明確に表明することで、共鳴してくれる人材を集める仕組みができます。
ブランディングにつながる
経営理念の制定は企業ブランディングの一環になります。経営理念を通して、顧客や業務に対して企業がどのように向き合っているかが伝えられるためです。
明確な経営理念を掲げている企業は顧客から取引先から信用されやすく、長期的な取引につながります。
経営理念の作り方
経営理念作るためには、まずは企業の経営哲学をクリアにします。中長期的な目標、社会における存在意義、それを実現するために自社が大切にしていることを明確にする必要があるためです。
経営理念作成のために具体的に必要なステップは、以下のとおりです。
- 経営の将来的なビジョンを定める
- 過去の経験からの学びを含める
- 従業員の意見を聞きながら作る
- 大切にしているものを明確にする
- 従業員に共有できるようシンプルにする
- 定期的に見直す
経営の将来的なビジョンを定める
経営理念には、中長期的な目標設定が必要です。企業理念のように不変的な企業の価値観とは異なり、経営理念は社会の状況やユーザーのニーズに合わせて変化していきます。そのため、現状を把握し、将来を予測して見通しを立てることが大切です。
経営理念に含まれる将来のビジョンでは、売上や収益などの数値目標というよりは「企業のあるべき姿」にフォーカスします。お客様に寄り添う企業になる、安全を大切にするなどの基本的なことでもかまいません。
過去の経験からの学びを含める
経営理念は企業の個性が表れるため、過去の経験からの学びを活かすこともポイントです。
企業の歴史を継承し、将来に活かすためにはこれまでの軌跡を踏まえた経営理念を作る必要があります。経営理念は社会環境や市場の状況に応じて柔軟に決められるものです。自社がさらなる高みを目指せるよう、現状に合った内容を取り込みましょう。
従業員の意見を聞きながら作る
経営理念は経営者の哲学を浸透させるためのものですが、完全なトップダウンでは社員はついてきません。役員や従業員の意見を取り入れ、会社全体の総意を明文化しましょう。
経営理念について従業員が考えることで、仕事への姿勢を見直すきっかけになります。主体性を持って業務に取り組んでもらうためにも、従業員の意見を聞きながら経営理念を作成しましょう。
経営理念を従業員と一緒に作ることで、どのような考えを持っているかを知る機会にもなります。会社全体の絆を深めるためにも、従業員を積極的に巻き込みましょう。
大切にしているものを明確にする
経営理念は経営の方向性を示す重要なものであり、内外に向けた経営哲学の表明です。何を重要視しているか明確にすることで、顧客や取引先から信頼を得られます。
経営理念では、「利益追求」だけではなく、経営において大切にしていることを含む必要があります。たとえば、「社員幸福度」「顧客満足度」「社会貢献」は重要な要素です。
企業として利益以外に何が生み出せるかに目を向けて経営理念を作成することで、経営者の事業に対する思いが伝えられます。
従業員に共有できるようシンプルにする
経営理念は、従業員全体に浸透して初めて意味をなします。経営理念を企業として全うできる企業は、同じ方向に進み成長し続けられるはずです。
従業員が経営理念を理解し、それを踏まえて行動するためには、内容がシンプルである必要があります。複雑な経営理念は見栄えよく映るかもしれませんが、従業員の心に届かず荒唐無稽に終わってしまいます。
長くなりすぎてしまった場合は、簡潔に作り直したり箇条書きにまとめたりしましょう。
定期的に見直す
経営理念は、ある程度の柔軟性が必要です。世相に合わせて経営方針を変更する姿勢も大切であり、経営理念は定期的に見直す必要があります。
たとえば、環境配慮の重要性が日々高まる中、環境意識を持たずに経営を続けていると社会からの評価が下がるかもしれません。環境への配慮を経営理念の中に盛り込むことで、社会に対して自社の取り組みをアピールする機会になります。
頻繁に大きく変更することは避ける
定期的な経営理念の見直しは大切ですが、経営理念を頻繁に大きく変更することは芳しくありません。企業としての方針が二転三転してしまうと従業員の混乱を招くためです。対外的にも、一貫性のない経営をしていると判断されてしまいます。
社会や市場が変化しても、企業としての経営の軸は変わらないはずです。根幹をなす部分は一貫性を大切にしましょう。企業理念との矛盾を避ければ、自ずと方向性は定まります。
経営理念作成の注意点
有効に経営理念を活用するためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 軸を大切にする
- 経営者自身が理念を守る
- 従業員へのリマインドを行う
軸を大切にする
経営理念作成においては、軸を持つことが何よりも重要です。すでに企業理念がある場合は、企業理念と矛盾がないかを確かめる必要があります。
企業としての方向性を従業員に示す役割がある経営理念では、記されている内容に一貫性がなければなりません。項目ごとに言っていることがずれていると、従業員は不安を感じ判断に迷ってしまうためです。
経営理念を作成する際はいきなり文章に書き始めるのではなく、経営において譲れないものを定めておきましょう。それを軸にすれば、説得力のある経営理念が出来上がります。
経営者自身が理念を守る
経営理念がいかに立派であっても、行動が伴わなければ存在価値がありません。とくに、経営理念を定めた経営者自身が理念に反する行動をとっていると、従業員からの不信感を買ってしまいます。
経営者は常に経営理念の鑑であり続け、お手本となる存在でなければなりません。理念を自ら体現して行動していれば、経営理念は自然と従業に浸透していくでしょう。
経営理念が完成したら、それを徹底する姿勢を大切にしましょう。
従業員へのリマインドを行う
経営理念は作成するだけではあまり意味がありません。定期的に経営理念を従業員にリマインドすることが大切です。従業員全体が経営理念を理解し、それを踏まえて行動することで企業の一貫性が生まれます。
経営理念はオフィスの見えるところに掲示したり、研修や会議で再確認したりすることで従業員に定着します。
企業理念と経営理念の違い
企業理念と経営理念は、同じ文脈で使われることもありますが、微妙に意味が異なります。企業理念は企業としての考え方を示したもので、企業が継続する限り変わりません。一方経営理念は経営者の考え方によるので、変更することがあります。
経営理念は企業の現状に応じて適宜見直す必要があり、「経営方針」を定めるものです。経営理念は企業理念に基づいて定められるものなので、両者の間に矛盾が生じてはいけません。
まとめ
経営理念は、企業の経営方針を定め従業員にシェアするために大切なものです。長期的に成長していく企業にするためには、経営理念の作成が必要です。
社員が仕事にやりがいを感じ、誇りを持てるような経営理念を作成するのは簡単ではありません。方向性や作り方に迷いがあれば、経営コンサルタントに相談するのがおすすめです。
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東京都生まれ。大学卒業後、金融機関勤務を経て、税理士業界へ転職。長崎の税理士業界で16年の実務経験。その中で、のべ1,000社以上の決算業務に従事し、相続税申告も経験。顧客から事業承継やM&Aに関する相談及び業務が増加してきたことに合わせて、2015年に税理士法人から独立し、株式会社経営支援センターを設立、代表取締役に就任。事業承継支援・M&A支援を中心に経営コンサルタント業務を行っている。
ジェームズ・C・コリンズとジェリー・?・ボラスは、その著書「ビジョナリー・カンパニー」(1995)の中で、真に卓越した企業(ビジョナリー・カンパニー)が基本的価値観や目的と行った基本理念を大切にしていることを明らかにしました。
企業として成長し続けていくためにはしっかりとした経営理念を明文化することが必要です。その経営理念は、借り物ではなく本物の経営理念であること。経営理念に含まれる基本的価値観と目的は心の奥底で信じているものでなければならず、そうでなければ、基本理念にはならない。その上で、現実の社会的価値観と一致するものであり、従業員の帰属意識を高められることを満たす必要があります。
経営者個人が抱く信念、従業員の欲求・動機、社会的環境の要請の3つの要素が相互作用して見いだされた企業の価値観・目的及び指導理念といったものが経営理念を作る際には必要となります。
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