AngularJS（アンギュラージェイエス）とは

AngularJSとは、Googleが開発したJavaScript向けのフレームワークです。設計パターンや共通コードなど、システム開発に必要な機能をひととおり搭載しています。

開発言語のJavaScriptが使用環境への依存度が低いため、Webアプリや業務システムの開発など、幅広い用途で使用されてきました。他のフレームワークと比べてコードの記述量が少なく、開発や保守の工数を削減できる点も魅力です。

Googleの公式サポートは2021年12月末で終了しました。AngularJSを使用する際は、セキュリティリスクを十分に考慮しなければなりません。

JavaScriptとは

JavaScriptとはHTMLやCSSと共に、動的なWebサイトの構築に使用されるプログラミング言語です。主に以下の機能を実装できます。

使用環境への依存度の低さ、フレームワークの充実性から、近年はスマートフォンアプリやゲームアプリの開発に使用される機会も増えてきました。処理内容を目視で確認できるため、フロントエンド開発での使用におすすめです。

JavaScriptの開発環境「Node.js」を利用すると、データ管理やサーバー構築など、サーバーサイドの開発にも使用できます。

AngularJSの特徴

AngularJSでの開発を進める前に、以下3つの特徴を理解しておきましょう。

内容を1つひとつみていきます。

フルスタックフレームワーク

フルスタックフレームワークとは、システム・アプリ開発に必要な機能を一通り搭載したタイプのフレームワークです。データベースの構築やユーザーインターフェースの確立など、開発工程全般をAngularJSのみで完結できます。

拡張性や汎用性にも優れており、大規模なシステム開発にも適したフレームワークです。学習内容が多岐にわたるため、一定水準以上の開発経験や専門知識が必要になります。

双方向データバインディング

双方向データバインディングとは、データモデルとユーザーインターフェースでデータを連携する仕組みです。JavaScriptとHTMLのデータを連動し、変更があれば自動的にもう一方へ内容が反映されます。

AngularJSがデータを自動処理するため、データ処理のためにソースコードを書く必要がありません。コードの記述量が減り、開発や保守にかかる工数を削減できます。

MVCモデルを採用

MVCモデルとはモデルとビュー、コントローラーの3つが、個々の役割を果たすことを前提にした概念です。3つの役割を以下の表にまとめました。

MVCモデルでは役割の異なるプログラムを別々に管理するため、システム・アプリ開発の効率性や保守性を高められます。役割ごとに専門性や独立性が高いため、バグの修正にも素早く対応できる点が魅力です。

AngularJSを選ぶ際の注意点

AngularJSで開発を進める前に、以下3点に関して把握しておきましょう。

Googleからのサポートは既に終了しており、パフォーマンスの向上や新機能の搭載は望めない状況です。

公式サポートは既に終了している

2021年12月末時点で、Googleからのサポートは終了しました。AngularJSの使用自体はできるものの、セキュリティ対策が万全な保証はありません。新たな欠陥や不具合が発生した場合のみ、Googleが対応するかたちです。

他のフレームワークと比べて、セキュリティ対策やサポート面で不安を抱えているため、後継品「Angular」への移行も検討しましょう。AngularJSとの互換性は低く、コードの書き換えや新たな言語への適応が必要です。

新機能は搭載されない

既にGoogleのサポートが終了している関係から、新しい機能が搭載されることはありません。既存の機能を使って、システムやアプリ開発を進めるかたちになります。開発効率を高めるには、開発者のスキルアップが必要です。

ファイルの使用量が多い

JavaScript向けのライブラリやフレームワークと比べて、AngularJSはファイル使用量の多さが目立ちます。jQueryのファイル使用量が87.3KB、Reactの132KBに対し、AngularJSは172KBです。

ファイルの使用量が多い分、他のライブラリやフレームワークと比較した場合、パフォーマンスが低い傾向にあります。特に大規模なシステムやアプリを開発する場合、注意が必要です。

AngularJSの扱いが得意なシステム開発会社の選び方

AngularJSに精通したシステム開発会社を選ぶには、以下4点を意識することが重要です。

個々の内容を詳しくみていきましょう。

開発実績と得意分野を確認する

AngularJSの扱いと開発対象の実績が豊富か、確認することが重要です。すべてのシステム開発会社が、AngularJSでの開発を得意としているわけではありません。予約管理システムや在庫管理システムなど、各企業によって得意分野も異なります。

AngularJSへの対応可否と得意分野を確認したうえで、外注先の候補に含めるかを判断しましょう。

Angularでの開発も検討する

AngularJSはサポートが終了しており、リリース後に不具合が継続的に発生する可能性があります。トラブルを避けるため、後継品Angularでの開発も検討しましょう。

Angularもフルスタック型のフレームワークです。MVCモデルや双方向データバインディングも搭載しており、アプリ開発を効率的に進められます。バージョンアップの頻度が多く、利用年数が長くなるほど、ユーザビリティの向上を望める点も魅力です。

開発言語はJavaScriptでなく、TypeScriptを使用します。開発途中で移行する場合は、コードの書き換えが必要になる点も把握しておきましょう。

TypeScriptとは

JavaScriptを拡張して開発したプログラミング言語です。JavaScriptの実行環境で使用する場合、TypeScriptで書いたコードをJavaScriptのコードへ変換しなければなりません。

双方の大きな違いはデータ型の定義です。JavaScriptは動的型付けと呼ばれ、プログラムを実行する際にデータ型が自動で決まります。ソースコードを書きやすい反面、エラーやバグを見つけにくい点がデメリットです。

一方、TypeScriptは事前に変数のデータ型を決められる静的型付けを採用しています。事前にエラーを判別できるだけではなく、コードの可読性が高まる点もプラスです。

複数の会社から見積を取得する

開発の経験やノウハウに不安を抱える企業は、必ず複数の会社から見積をもらいましょう。1社からしか見積を取得しなかった場合、開発費の相場や担当者の能力を正確に見極められません。他社と見積金額を比較できないため、相場以上の開発費を支払う可能性が生じます。

担当者の経験が浅い場合、自社の要望を伝えるために何度もやりとりを重ねなければなりません。最悪の場合は担当者が意図を汲み取れず、要望と異なるシステムが完成します。

ミスマッチを避けるため、事前に5社前後システム開発会社を候補にあげてから、絞り込みをしましょう。

ビジネスマッチングを活用する

予算内でシステムを開発するには、複数のシステム開発会社から見積を取得する必要があります。開発実績や得意分野を1社ずつ調べるのは大変な作業です。効率的に外注先を見つけるためにも、ビジネスマッチングを活用しましょう。

ビジネスマッチングとは「発注先を探している企業」と「新規顧客を求めている企業」をつなぐサイトです。必要事項を入力するだけで、自社の条件に合致した企業が提示されます。得意分野や実績など、各企業の特徴が簡潔にまとめられている点も魅力です。

「比較ビズ」を利用すると、約1,000社のなかからAngularJSでの開発を得意とした企業を見つけられます。

【豊富な実績】AngularJSに対応したシステム開発会社7選

参照元：株式会社インプル

• クロスプラットフォームアプリに関する豊富な開発実績
• 先進技術を用いたWebシステムの開発
• 充実した保守・運用サービス

お問合せ

参照元：株式会社GB

• 多岐にわたる開発環境でさまざまなニーズに対応
• 幅広いジャンルの業種のシステム開発を受注
• 多数のフレームワークを用いてシステムを構築

お問合せ

参照元：価値ラボ株式会社

• IT技術を通じて人とシステムを有効に連携
• Angularをベースに独自フレームワークを構築
• 栃木県よろず支援拠点の登録専門家として認定

お問合せ

参照元：株式会社パワーハウス

• 最適なソリューション提供を可能にする実績やノウハウ
• 社会貢献につなげるITサービス
• さまざまな業種に向けたシステム開発

お問合せ

参照元：株式会社Smallit

• イノベーションテクノロジーを提供する企業
• KAIZEN・BOOT・DXのためのサポート
• さまざまな言語やフレークワークによる開発実績

お問合せ

参照元：株式会社シグミックス

• ITの仕組みづくりによる豊かな生活への貢献
• 本質的なスキルを重視するシステムエンジニア
• さまざまな業種に対する豊富な開発実績

お問合せ

参照元：株式会社ギャラクシィ

• 新しい技術を咀嚼し豊かなアイデアを創出
• 最適なシステムの構築と運営を提案
• ISO27001による安全で高品質なサービス

お問合せ

【幅広い対応】AngularJSに対応したシステム開発会社4選

参照元：株式会社ビルドシステム

• マーケティングを支援するインテージグループの一員
• 幅広い業務知識を活かしたシステムを構築
• オープンソースコミュニティにコミッタとして参加

お問合せ

参照元：株式会社キャナリーリサーチ

• 誰が見ても美しいと感じられるソースコードを作成
• ビジネスを最大化する理想のシステムを構築
• 長く使い続けられるシステムを提供

お問合せ

参照元：株式会社ショーケース

• 感動や満足感につなげる「おもてなしテクノロジー」
• 国内企業のDX化を推進するソリューション提供
• さまざまなスタイルで行うシステム開発

お問合せ

参照元：株式会社スタイルズ

• AngularJSを標準採用するシステム開発
• 開発期間短縮と高品質を両立させるエンジニア集団
• 事業を通じた感動と満足の提供

お問合せ

【リーズナブル】AngularJSに対応したシステム開発会社3選

参照元：株式会社日本ノベルティ

• モバイルアプリとの連携も可能
• パッケージソフトの販売も実施
• 既存システムからの移行も対応

お問合せ

参照元：株式会社インフォディオ

• さまざまな長所を兼ね備えるWebシステム
• 金融機関の導入実績が示す信頼性の高さ
• 将来性を考慮したAngularJS環境による開発

お問合せ

参照元：株式会社セブンティエイトアイティ

• 要望を具現化するWebシステム
• 企画から運用に至るワンストップサポート
• 独自システムやオープンソースによる低コスト化

お問合せ

【充実のサポート】AngularJSに対応したシステム開発会社4選

参照元：株式会社SYNC

• 大規模システム開発の経験が豊富
• 開発から運用までトータルサポート
• 予算に関しての柔軟な対応

お問合せ

参照元：株式会社LIG

• ビジョンや想いを共有するオフショア開発
• コンセプト設計からの積極的関与
• KPI定義による進行管理と品質管理

お問合せ

参照元：株式会社ジーナス

• 新しい発想と工夫で役立つシステムを提供
• 豊富な経験と知識に基づいた高いスキルで開発
• データ量の増大・サポート切れなどのシステムを刷新

お問合せ

参照元：レールコンサルティング株式会社

• 導入コンサルから運用までワンストップ
• あらゆる業種に対応したシステム
• 新しい技術を活用した開発

お問合せ

【スピーディな対応】AngularJSに対応したシステム開発会社2選

参照元：フィデル・テクノロジーズ株式会社

• インドの優秀で豊富なリソースを活用
• レガシーアプリケーションの可視化・モダン化を提供
• 包括的なAngularJS開発サービスを提供

お問合せ

参照元：株式会社エンラプト

• プロジェクトのライフサイクルを完全にカバー
• プロジェクト計画策定や開発サービスを提供
• 常に新しいアイデアを探して対応

お問合せ

【丁寧なコミュニケーション】AngularJSに対応したシステム開発会社3選

参照元：株式会社DEHA SOLUTIONS

• ベトナムのエンジニア教育機関と提携
• ISO27001に基づくセキュリティ対策を実施
• AngularJSで開発したシステムを安価で改修

お問合せ

参照元：アップフロンティア株式会社

• 蓄積されたアプリ開発ノウハウで課題を解決
• ユーザー視点に立った最適のプランを立案
• 技術分科会を発足し旬の技術盛んに研究

お問合せ

参照元：株式会社トラストワークス

• ITシステムサービスによる社会貢献
• 企画から保守まで対応するシステム開発
• 高品質なサービス提供を通じた信頼関係の構築

お問合せ

まとめ

今回の記事では以下の3点に関して述べてきました。

AngularJSはすでにGoogleからのサポートが終了しています。使用する場合は他のフレームワークと比べて、セキュリティ面やパフォーマンスが劣る可能性がある点を理解しておきましょう。

自社の条件を満たすシステム開発会社を効率的に見つけるには、ビジネスマッチングの活用がおすすめです。「比較ビズ」を利用すると、必要事項を入力する2分程度で条件にあった企業が提示されます。サイトの利用に費用はかかりません。

AngularJSの扱いが得意な企業をお探しの方は、ぜひ「比較ビズ」の利用を検討してください。

監修者のコメント

XPAND株式会社

代表取締役CXO 南木徹

デザイン・技術コンサルタント。空間・ロボット・機械からモバイルアプリまで、産業系を中心に幅広いデザインを手掛け、欧州デザイン賞なども受賞。ウェブはLAMP系やスマホアプリを中心にエンジニアリングに携わる。VCやECFからの支援を受けて、スタートアップ企業を運営。1級知的財産管理技能士（特許・コンテンツ・ブランド）、高度情報処理技術者（情報セキュリティアドミニストレータ）。

詳しく見る

AngularはReactやVue.jsと比較検討されますが、Angular開発の重要ポイントは、その特性と機能がプロジェクトに適しているかどうかという点です。本稿執筆時点では、フロントエンドのフレームワークとしてはReactが圧倒的に支持されているようです。

一方、Angularはフルスタックフレームワークであり、大規模なアプリケーション開発に適しています。Angularを選択する際は、これらの特性を考慮し、プロジェクトの規模やチームの構成に適した開発を行うことができる開発会社に依頼することをおすすめします。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。