機能要件とは?非機能要件との違いや要件定義する際の5つのポイントを解説
- 機能要件とは?
- 機能要件と非機能要件の違いは?
- 開発要件を定義する際のポイントは?
「システム開発を進めるうえで、機能要件って何をしたらいいのかよくわからない...」とお悩みのシステム開発担当者は必見です。
機能要件とは、システム開発に必要な自社が求める機能を指します。機能要件以外の開発要件を非機能要件といい、どちらもシステム開発を行う際に明確に定義することが重要です。
本記事では、機能要件の概要や非機能要件との違い・要件定義する際の5つのポイントを解説します。記事を読み終わった頃には、機能要件の概要を理解してシステム開発に役立てられるでしょう。
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機能要件とは:システム開発において自社が必要とする開発要件
機能要件とは、自社が求める開発要件のことを指し、システム開発において必要不可欠となるものです。システムの種類や構造・アクセス制御などが該当します。
機能要件は、開発するシステムに組み込みたい要素のため開発プロジェクト達成に欠かせません。機能要件を備えていないと、希望どおりのシステム開発が難しくなるでしょう。
必要な機能を明確に定義することが重要
機能要件を定義する際は、どのような機能が必要か、開発会社に明確に伝えることが重要です。機能要件を明確に伝えないと、必要な機能を備えたシステムにならない可能性があります。
開発会社に伝える前に、伝えたい内容を自社でしっかりと洗い出しましょう。システム化する業務や実装する機能に与える役割などの明確化がポイントです。
機能要件の決定フロー
はじめに、実装したい機能の希望や要求のヒアリングを行います。開発会社に自社の要望をきちんと伝えることが大切です。実装したい機能だけではなく、実装したい理由や現状の課題を伝えると、開発をスムーズに進められるでしょう。
ヒアリング後は、開発会社が要件定義書を作成します。要件定義書を確認し、互いの認識をあわせておきましょう。認識をあわせたのち各要件に優先順位をつけ、システムの全体設計を明確にして、開発に取りかかります。
非機能要件とは:機能以外で求められる開発要件
非機能要件とは、機能要件以外で求められる主目的以外の開発要件です。セキュリティ面やシステム性能など、システムの品質を決定する項目が該当します。非機能要件が充実していると、より満足できるシステムになるでしょう。
非機能要件は決めることが難しい機能
非機能要件は、実際にシステムを使用する環境により異なるため決定が難しいです。拡張性やセキュリティ性能など、網羅が難しいほど内容が多岐にわたります。
仮に考えうるすべての非機能要件を実装した場合、予算を超えてしまう可能性があります。システムの運用方法や自社の課題などをシステム開発会社に伝え、どのような機能が必要かを検討しましょう。
非機能要件は機能要件を満たしたうえで搭載される機能
非機能要件は、機能要件を満たしたうえで搭載される機能です。機能要件がメインの機能とすると、非機能要件はオプション機能にあたります。
非機能要件が満たされているほど、クライアントの満足度向上が期待できるでしょう。自社で運用する際に、どのようなオプションがあると便利かを考えると決めやすくなります。
機能要件と非機能要件の違い
機能要件と非機能要件の違いは、以下の表のとおりです。
機能要件 | 非機能要件 |
---|---|
・最低限満たす必要のある要件 ・必ず実装しなければならない ・比較的容易に定義できる | ・顧客希望による機能以外の要件 ・必須ではないが実装されているとよい ・定義することがやや難しい |
機能要件と非機能要件の大きな違いは、要件の必要性です。機能要件は必ず実装するものですが、非機能要件は顧客希望によるもので、実装されない場合もあるでしょう。
非機能要件の実装は必須ではありませんが、備わっていない場合、ユーザーを満足させられなかったり情報漏洩が起こったりするリスクがあります。機能要件と非機能要件はバランスよく実装するといいでしょう。
開発要件を定義する際の5つのポイント
開発要件を定義する際に意識すべきポイントは、以下の5つです。
- 既存の業務フローやシステム構成を見える化する
- 開発会社と綿密な打ち合わせを繰り返す
- 開発要件に抽象的な表現がないか確認する
- 実際にシステムを利用する際のイメージをする
- 複数のシステム開発会社を比較する
開発要件を定義する場合は、既存の業務フローやシステム構成を見える化することが重要です。現状の課題を明確にすることで、システムに必要な機能を洗い出せます。システム開発会社と綿密な打ち合わせを行い、双方が十分に理解したうえでシステム開発を進めましょう。
1. 既存の業務フローやシステム構成を見える化する
既存の業務フローやシステム構成を「見える化」しましょう。システム開発は、既存のプロセスを刷新し、業務の効率化や生産性の向上を実現するために行います。現状の「見える化」により、自社が抱える課題の明確化も可能です。
課題が明確化されると、より効果的な開発ができます。システム開発会社には実現したいことだけではなく、実現したい理由や課題なども細かく伝えましょう。
2. 開発会社と綿密な打ち合わせを繰り返す
自社の要望やシステム開発で実現したいことを明確に伝えるために、開発会社との綿密な打ち合わせを繰り返しましょう。開発会社に要望をきちんと伝えないと、目的にあったシステムの開発はできません。
システム開発会社とのコミュニケーションを十分に取ることで、開発要件の精度は高まります。定期的に打ち合わせを行い、互いの認識にずれが生じないように注意しましょう。
3. 開発要件に抽象的な表現がないか確認する
開発要件は、より具体的な表現にしましょう。読む人によって解釈が異なる表現の場合、自社がイメージしているシステムとかけ離れたシステムが生まれるおそれがあります。
要件定義の際は、より具体的な表現で定義することが大切です。誰にでも同じ解釈をしてもらえる内容になるように意識しましょう。
4. 実際にシステムを利用する際のイメージをする
実際のシステム利用時のイメージを持つことにより、システム開発のゴールが明確になります。利用例を具体的にイメージすることで、完成物の品質が向上するためです。
どのシーンでどのデータを扱うのか、多角的にイメージするといいでしょう。多角的かつ客観的なイメージがシステム開発会社に伝わると、クオリティ向上が期待できます。
5. 複数のシステム開発会社を比較する
システム開発会社は1社に限定せず、複数社の比較検討がおすすめです。複数社の話を聞き、相見積もりを取り比較しましょう。
システム開発会社の選定は、開発プロジェクトのできを大きく左右します。開発会社の選定の際は、予算や過去の実績などをもとに、慎重に検討してください。
非機能要件で定義する際に役立つ「非機能要件グレード」
非機能要件は、非機能要求を重要度順に表にまとめた「非機能要件グレード」とよばれるツールを活用した作成がおすすめです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により、非機能要件が以下の6つのカテゴリーに分類されています。
- 可用性
- 性能/拡張性
- 運用/保守性
- 移行性
- セキュリティ
- システム環境/エコロジー
1. 可用性
「可用性」は、システムサービスを継続的に利用できるようにするための要求です。バックアップ体制や障害からの回復方法などを定義します。具体的な要求は、業務処理量や障害発生時の復旧方法・運用スケジュールなどです。
2. 性能/拡張性
「 性能/拡張性」は、システム性能や将来的なシステム拡張に関わる要求です。ソフトウェアの内部処理の効率化や機器の新規設置などを定義します。具体的な要求の例は、ピーク時のデータ負荷や機能追加を考慮した設計などです。
3. 運用/保守性
「運用/保守性」は、システム稼働率やトラブル対応などに関わる要求です。正常運用のための監視の充実や運用マニュアルの拡充などを定義します。具体的な要求の例は、マニュアル作成や役割分担・バックアップなどです。
4. 移行性
「移行性」は、新システムへの移行に関わる要求です。現行システムからの移行スケジュールやリハーサルの実施などを定義します。具体的な要求の例は、システムの移行方法や移行時の負担の程度などです。
5. セキュリティ
「セキュリティ」は、情報システムの安全性確保に関わる要求です。アクセス制限や不正の検知・追跡などを定義し、社員への情報セキュリティ教育による対策も行います。具体的な要求の例は、不正アクセスへのブロックや利用者の制限などです。
6. システム環境/エコロジー
「システム環境/エコロジー」は、システムの設置環境や消費エネルギー量などに関わる要求です。規格にあった機器の選定や環境負荷の低減などを定義します。
システム環境に関わる要求の例は、耐震性や温度管理などです。エコロジーに関する要求の例は、二酸化炭素排出量や消費エネルギーなどがあります。
まとめ
機能要件はシステム開発を行ううえで必要不可欠な要件であり、開発プロジェクトにおいて最低限達成しなければなりません。機能要件は「システムの要」を担う要件です。機能要件の定義は、正確・ていねいに行いましょう。
機能要件だけではなく、非機能要件もシステムの品質を決定する重要な要素です。非機能要件を充実させることで、満足度の向上が期待できます。機能要件と非機能要件をバランスよく実装し、満足できるシステムを開発しましょう。
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2006年よりシステム開発を行う。ユーザビリティ重視のアジャイル開発を得意とする。大手監査法人に採用された翻訳支援アプリや教育用アプリ、EC サイト、顧客管理システム等の設計、開発を手掛ける。機械学習/AI を用いた開発も行っている。
1. スクリーンリーダー対応
目の見えない人はスクリーンリーダーという機能を使って PC やスマートフォンの画面に表示されている内容を知ることができます。スクリーンリーダーに対応するため、アイコンボタンにはその動作の説明、画像に対しては画像の説明を、動画に対しては字幕を設定します。スクリーンリーダー上ですべての要素にフォーカス移動できるかを確かめます。
スクリーンリーダー用のメッセージを特別に準備する必要があることもあります。例えば、EC サイトで値引き前の値段と値引き後の値段が書かれている場合、スクリーンリーダー用のメッセージがないならば、スクリーンリーダーは両方の値段を読んでしまい、どちらが本当の値段かわからなくなってしまいます。
わたしのある友人は目が見えないのですが、PC のソフトウェアやウェブサイト、スマートフォンのアプリを用いて高度な仕事を行っています。もしそれらがスクリーンリーダーに対応していなかったとしたら、彼の仕事は非常に難しくなっていたことでしょう。
2. 色コントラスト
色覚異常のがある場合、コントラストが低いと文字を読むのに苦労します。また、色だけに頼って情報を伝えようとしても伝わらない場合があります。色だけでなく、文字によっても情報を伝えましょう。
3. キーボードを用いた操作性
マウスを使えずに、キーボードしか使えない状況があります。目の見えない人はそうですし、マウスの使い過ぎで腱鞘炎になり、しばらくマウスが使えないこともあります。キーボードだけで操作できるようにしておくなら、使い勝手が向上します。
どんなシステムでもアクセシビリティは重要ですが、EC サイトでは特に売上に直結する要件となります。非機能要件の変更にはシステムの大きな変更が必要になることが少なくありません。システム開発の始めから非機能要件にも注意を払いましょう。
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