資金調達計画の立て方5ステップとは?作成ポイントや計画書の書き方を解説!

仁王さん通り税務会計
監修者
仁王さん通り税務会計 税理士 平野和博
最終更新日:2025年03月06日
資金調達計画の立て方5ステップとは?作成ポイントや計画書の書き方を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 資金調達計画の立て方は?
  • 効果的な資金調達計画のポイントは?
  • 主な資金調達の方法には何がある?

資金調達計画とは、企業が事業資金を得るために立てる計画のことです。資金調達は会社にとって非常に重要な業務であり、事業を継続するために必ず必要になります。具体的な立て方や作成のコツを把握しておくと、スムーズな資金調達につながりやすくなるため重要です。

この記事では、資金調達計画の立て方や作成する時のポイントを解説します。最後まで読めば、事業の資金調達計画を作成する流れや計画書の書き方もわかるでしょう。資金計画を立てる必要がある方や、経営者の方はぜひ参考にしてください。

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資金調達計画は事業資金を得るための計画

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資金調達計画とは、企業が事業資金を得るために立てる計画のことを指します。企業にとって、資金調達は企業活動を続けていくうえで必要不可欠な業務の1つです。新たに会社を設立するときだけではなく、新規事業を立ち上げる際にも資金調達計画を立てる必要があります。

資金調達にはさまざまな方法があるため、どの調達方法をどの程度利用するかを慎重に検討しなければなりません。1つの資金調達方法に頼りすぎた場合、重大なトラブルが発生するおそれもあるため注意が必要です。

資金調達計画と事業計画の違い

資金調達計画と事業計画は混同されがちですが、事業企画書の内容は多岐にわたります。資金調達計画書は資金の調達方法や資金使途、返済方法が記載されているのが一般的です。

事業計画書には、事業の目的やコンセプト、商品・サービスの詳細、将来の展望などを具体的な数値を用いて記載します。企業の事業全般に関する情報が詳しく説明されている点が、資金調達計画書との大きな違いです。

資金調達計画の立て方5ステップ

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資金調達計画を立てる際に必要な5ステップは、以下のとおりです。

  1. 資金調達の目的を明確にする
  2. 必要な資金を分類する
  3. 各資金の必要額を算出する
  4. 資金調達方法を検討する
  5. 資金調達計画書を作成する

1. 資金調達の目的を明確にする

資金調達計画を立てるために、資金調達の目的を明確にすることが重要です。「運転資金の調達」「新しい機材の設備資金」など、資金使途を明確にしておかなければなりません。

とくに金融機関から融資を受けたい場合、担当者に対して資金使途を説明する必要があります。担当者への説明と資金使途に相違がある場合、融資の一括返済を求められるケースもあるため注意してください。

確実な資金調達を実現するため、融資を依頼する前に資金使途を明確に説明できるようにしておきましょう。

2. 必要な資金を分類する

資金調達計画では、必要な資金を分類しなければなりません。主な資金の分類は以下のとおりです。

内容使用例
運転資金事業運営のための資金給与支払いや在庫管理、業者への支払いなど
設備資金設備や建物などに充てる資金機械の購入やパソコンの入れ替えなど
その他資金特別なプロジェクトに充てる資金販促品の調達や宣伝費など

運転資金と設備資金の両方で資金調達する場合、それぞれの割合も明確にしておく必要があります。割合が不明確なまま資金調達計画を進めると「資金が足りない」「余計な融資を受けて返済額が大きくなる」などのリスクがあるため注意が必要です。

3. 各資金の必要額を算出する

資金を分類後、それぞれに必要な資金の金額を算出します。現在の運転資金や機材の購入費用に十分な資金を調達するために、綿密な計算を行いましょう。

運転資金や設備資金が正確にはいくらなのかを判断する際には、専門家への相談や調査依頼が必要なケースもあります。すでに購入が決まっている資産や設備がある場合、見積書を取り寄せ資金調達計画書に添付しておくのも1つの手です。

4. 資金調達方法を検討する

資金調達計画において、どのような方法を用いるかも検討しましょう。資金調達方法の主な選択肢は以下のとおりです。

  1. 融資
  2. 株式発行
  3. ベンチャーキャピタル
  4. エンジェル投資

資金調達方法によってさまざまなメリット・デメリットがあります。たとえば、株式発行は返済の必要がないものの、毎年配当金を支払わなければなりません。

ベンチャーキャピタルやエンジェル投資も返済義務がないケースが多いですが、将来性のある事業である証明をする必要があります。

5. 資金調達計画書を作成する

資金調達計画により具体的な金額と資金調達方法を決めたら、資金調達計画書を作成します。資金調達計画書に決まった様式はありませんが、各自治体のホームページでもダウンロード可能です。

資金調達計画書をダウンロード後、必要金額・資金調達方法・目的・使途を記載します。より具体的な必要金額と資金使途を記載することで、説得力のある内容となり、融資や投資を受けやすくなるでしょう。

主な資金調達の方法3つ

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主な資金調達の方法は、以下の3つです。

  1. エクイティファイナンス
  2. デットファイナンス
  3. アセットファイナンス

1. エクイティファイナンス

エクイティファイナンスは、株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。主にベンチャー企業や成長企業が利用しやすく、返済義務がないため財務負担を抑えられるメリットがあります。

一方、株主が増えることで経営の自由度が低下したり、1株あたりの価値が下がったりするおそれもあるため注意が必要です。

2. デットファイナンス

デットファイナンスは、金融機関からの借入や社債発行による資金調達の方法です。一定の利息を支払いながら返済する必要がありますが、経営権の希薄化を避けられます。資金繰りや金利負担を考慮しながら、適切な借入額を決めることが重要です。

3. アセットファイナンス

アセットファイナンスは、不動産や設備などの資産を売却して資金を調達する方法です。リースや売却後のリースバックなどの手法があり、手元資金を確保しながら事業継続が可能になります。ただし、担保となる資産が必要であり、資産が減少するリスクも考慮する必要があるでしょう。

資金調達計画書を作成するポイント6つ

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資金調達計画書を作成するポイントは、以下の6つです。

  1. 資金調達の目的と資金使途を明記する
  2. 自社の強みや特徴を洗い出す
  3. 具体的な返済計画を立てる
  4. 競合他社を分析する
  5. 客観的に見て実現可能な計画にする
  6. 補助金や助成金申請に使用可能な完成度にする

1. 資金調達の目的と資金使途を明記する

金融機関は、具体的な目的や資金使途を提示できない企業に融資はしません。本当に資金が必要かどうか、具体的な内容がわからないと判断が難しいためです。金融機関に資金調達計画の目的設定と具体的な金額を示すことで、成功につながりやすくなります。

2. 自社の強みや特徴を洗い出す

既存事業の強みや特徴を把握すると、金融機関や投資家など、効果的にアプローチできる相手を判断しやすくなります。自社の強みがわかっていなければ、資金を注入すべき部分を見誤るおそれもあるでしょう。

金融機関や投資家に対して、返済の見込みが十分あることを示すためにも、強みをアピールすることは有効です。

3. 具体的な返済計画を立てる

具体的な返済計画は、金融機関への説明だけではなく、キャッシュフローの検討や融資を受けられる金額の見極めにも重要です。返済計画に無理があると企業活動の継続が難しくなるおそれもあるため、慎重に計画を立てましょう。

4. 競合他社を分析する

競合企業の強み・弱みを知ると、自社の資金調達計画をどのように構成するか、より的確に判断できます。

たとえば、競合企業の主力商品に対抗して商品を作ろうとしている場合、金融機関は新商品の成功に疑問を抱く可能性があるでしょう。他社にない特徴や強みを持つサービスを提供する事業に対しては、積極的に融資してくれる可能性もあります。

5. 客観的に見て実現可能な計画にする

既存事業がうまくいかない状況や、新規事業が想定より成功していない状況でも、融資を返済できるのか考慮すべきです。

多額の融資を受けられれば事業が成功する可能性は高くなりますが「返済期間が延びる」「返済総額が大きくなる」などのデメリットもあります。本当に必要な資金の額や、毎月どの程度返済できるのかを可能な限り客観的に判断しましょう。

6. 補助金や助成金申請に使用可能な完成度にする

資金調達計画の作成は、補助金の申請にも有効です。補助金や助成金は基本的に返済不要であるため有効な資金調達方法ですが、審査を通過しなければ支給されません。

審査には、資金調達計画を含め高いレベルの事業計画が求められます。詳細な資金調達計画を作成すると、補助金委員会にビジネスの可能性を効果的にアピールできるでしょう。顧客に対しても、補助金・助成金の審査に合格していることを示すことで、信頼されやすくなります。

まとめ

資金調達計画は、資金の目的や使途を明確に説明できるかどうかが非常に重要です。自己資金と融資の割合や、返済計画で現実的な資金調達計画を立てることで、成功につながりやすくなるでしょう。

比較ビズでは、資金調達に強い税理士や公認会計士が多数在籍しています。2分程度必要な情報を入力するだけで、全国各地の税理士・公認会計士を条件ごとに比較可能です。

新しく会社を設立する予定の方や、新規事業を立ち上げるための資金調達を考えている方は、ぜひ1度比較ビズを利用してみてください。

監修者のコメント
仁王さん通り税務会計
税理士 平野和博

1970年熊本市出身。趣味は旅行と食べ歩き。熊本市立高校(必由館高校)卒業。国税局並びに税務署に30年勤務し、50歳で税理士として独立。国税在職中に500件以上の税務調査を経験しているため、あらゆる業界に精通しており、これまでに幅広い業種の問題解決をサポートしている。熊本商工会議所エキスパートバンク講師。

資金調達には綿密な計画が必要です。資金を貸す側から考えても、明確なビジョンがない方に対して資金を貸し付けることは、まずありません。目的、必要性、資金使途、費用対効果、返済計画及び更なる資金調達計画等、自社の将来の成長に関するビジョンを複数年計画で考えていかなければ資金調達機関は絶対に動くことはないと考えてもいいでしょう。

資金調達については、『どこから調達する』の前に、『なぜ資金が必要で、そのお金をどう使い、どのぐらいの売上上昇(経費削減)が見込まれ、月に〇〇万円返済することができる』といった具体的なビジョンを作成することから始めましょう。

それが完成することによって、資金調達の交渉先は『公庫』、『信用保証協会』または『銀行』等ターゲットを絞ることができ、スムーズでスピーディーに資金調達を行うことが可能となります。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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