引っ越しに伴う交通費は経費として計上可能できます。引っ越しに伴う移動が事業と関連していることが条件です。交通費として認められる費用は以下のとおりです。
- 電車賃
- バス代
- タクシー代
- 有料道路料金
- 駐車場代
経費を計上するためには支出を証明できる書類が必要です。レシートやクレジットカードの明細、電子マネーなどのWeb明細を保管しておきましょう。
「自宅兼事務所の引っ越しは経費計上できる?」「店舗や事務所を移転した際の税務手続きとは?」とお悩みの方、必見です。店舗や事務所を移転する際の引っ越し代は経費計上が可能です。
この記事では、引っ越しを検討している個人事業主や経営者に向けて、引っ越し代が経費になる事例や勘定科目について詳しく解説します。
記事を読み終わった頃には、引っ越しに伴う経費計上の疑問が解決し、スムーズな移転が可能になるでしょう。
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経費にできる費用の具体例と勘定科目は以下の5つです。
引っ越し業者への支払いは「雑費」として経費計上可能です。引っ越し作業や運搬にかかる費用は事業に関連がある場合、経費として計上できます。引っ越し業者に支払ったトータルの費用を「雑費」として帳簿に記載しましょう。
「雑費」として経費計上できる項目は以下のとおりです。
荷造りに使用する段ボールの購入費は「荷物運賃」として経費計上します。
古い物件からの退去に伴う費用は「修繕費」として経費計上が可能です。賃貸物件の退去時は、借主に「原状回復義務」があるため、入居後についた汚れや傷を修繕しなければなりません。
「原状回復義務」とは、借主が退去する際に、借主の過失や故意による物件の損傷を修繕・補償する義務を指します。退去する際の壁紙交換や畳替え、玄関のカギ交換費用などが経費の対象です。
新しい物件の契約に伴う費用は「地代家賃」として経費計上できます。「地代家賃」は事業所の使用にかかる必要経費であり、契約に伴う支払いは経費の対象です。
「地代家賃」として経費計上できる項目は以下のとおりです。
礼金は20万円未満の場合「地代家賃」として経費計上が可能です。20万円以上の場合は、繰延資産として一定の期間で経費化する必要があります。
繰延資産とは、会社や個人事業主が支出する費用のうち、支出効果が1年以上に及ぶ資産のことです。敷金や保証金は将来返還されるため経費にはなりません。
火災保険の支払いは「損害保険料」として経費計上が可能です。火災保険は火災や自然災害に備えるための保険であり、事業用オフィスや店舗、屋内の家財にかかる保険料は事業の一環です。
「損害保険料」は使用割合に応じて割合が決まります。たとえば、自宅を事業用途で利用している場合、一部を事業スペースとし、火災保険料の一部を経費として計上することができます。
火災保険料を経費計上する際は家事按分をして、事業用とプライベート用の割合を算出します。「家事按分」は、業務用の比率分を経費として計上することです。
従業員の引っ越し代金は「福利厚生費」として計上可能です。「福利厚生費」は、企業が従業員や家族のために支払う給与や賞与以外のサービスにかかる費用です。
「福利厚生費」として計上できる項目は以下のとおりです。
従業員の引っ越し支援は労働条件の一環であり、社内規定で明示された引っ越し代金に基づき「福利厚生費」として計上できます。
引っ越し代が経費になる事例は、以下の3つです。
事務所から事務所への引っ越し代金は、全額が経費計上可能です。自宅と別にある事業所から新しい事業所に移転する場合、引っ越し荷物のすべてが事業関連のものとなります。そのため引っ越し代金の全額を「雑費」として経費計上できます。
自宅兼事務所から新しい事務所への引っ越し代金は、全額が経費計上可能です。事業拡大に伴い、新たに事務所を設ける場合に適用されます。引っ越しで新しい事務所に運び込む物品は基本的に事業と関連があるため「雑費」として経費に計上できます。
自宅兼事務所から新たな自宅兼事務所への引っ越し代金は、一部を経費として計上できます。自宅スペースの事業利用割合に応じて経費計上できる金額は変動します。
たとえば、引っ越し業者に支払った金額が50万円で、事業用スペースが全体の2割の場合、計上できる経費は10万円です。
引っ越しに伴うアイテム数や重量ではなく、占有スペースの割合によって計上できる経費が変わります。
引っ越し後に申請が必要な手続きは以下のとおりです。
それぞれのくわしい手続き内容と必要書類を解説します。
自宅兼事業所の住所変更に必要な手続きは、2つあります。
1つめは「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出です。個人事業主が事務所の住所変更をする際、提出する書類です。
2つめは「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出」の提出です。納税地を異動させる場合、異動前の納税地を所轄する税務署に「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出します。
提出期限は、自宅や事務所の引っ越しをした日から起算して1カ月以内です。提出期限が土日祝日の場合はその翌日が期限となります。
事務所の住所変更がある場合「個人事業の開業・廃業等届出書」を、事務所が所在する税務署に提出します。「個人事業の開業・廃業等届出書」は、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類で、提出期限は事業開始から1カ月以内です。提出する際は、変更前の情報を正確に伝えましょう。
管轄する税務署が変更された場合は「所得税・消費税の納税地の移動又は変更に関する届出書」を、変更前の税務署に提出しなければなりません。
振替納税制度を利用している場合は、新しい管轄の税務署に行って振替手続きを再度行う必要があります。手続きを怠ると、税金未納となり延滞税が発生する可能性があるため、慎重に対応しましょう。
引っ越し代を経費にする際の注意点は以下のとおりです。
引っ越しにかかった代金が仕事に関係ない場合、経費に計上することはできません。経費になるかどうかの基準は、支出が事業に直接関係しているかです。
たとえば、仕事で使用する家具や機材の引っ越し代金は経費にできますが、プライベートな物品の引っ越しは対象外です。
経費計上の際には、領収書が必要です。領収書が発行されない場合は、レシートやクレジットカードの明細が支出の証拠となります。事業用とプライベート用の区別がつかない場合は、明細に印をつけて明確にしましょう。
領収書以外に支出を証明できる書類は以下のとおりです。
公共交通機関の領収書が得られない場合は、出金伝票を利用しましょう。銀行やクレジットカードのWeb明細は、一定期間を過ぎると確認できなくなるおそれがあるため、早めにプリントアウトして保管しましょう。
引っ越し代金は事業に関係するものであれば経費として計上可能です。たとえば、個人事業主が独立して自宅兼事務所から移転する場合、引っ越し代金はすべて事業に関連する費用としてみなされるため、全額が経費計上の対象となります。
経費として計上する際には、適切な勘定科目を使用することが重要です。「引っ越し代の経費計上に関して相談したい」とお考えの方は、税理士や会計事務所への依頼がおすすめです。
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1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。
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