携帯代やスマホ代は経費にできる?仕訳方法や注意すべきポイントを解説!
- 携帯代は経費に計上できる?
- 携帯代を経費にする際の勘定科目は?
- 携帯代を経費にする際の注意点は?
「携帯代は経費になる?」「どの勘定科目で経費計上するべき?」とお悩みの個人事業主や企業の経営者、必見です。業務に関係する携帯電話やスマートフォンの利用料金や端末代金などは、経費計上できます。
この記事では、法人の経理担当者や個人事業主の方に向けて、携帯代を経費にする際の処理方法や注意点を解説します。記事を読み終わる頃には、携帯代やスマホ料金の適切な経費計上方法がわかるでしょう。
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携帯代やスマホ代は経費計上可能
顧客とのやり取りや情報収集など、事業に関係する携帯代やスマホ代は、経費計上可能です。法人と個人事業主では、経費計上方法が異なるため注意しましょう。
それぞれの経費計上方法を解説します。
1. 法人の場合
法人は携帯代やスマホ代の全額を経費計上可能です。通信費や通話代金に加え、本体の購入代金もすべて経費になります。使用している携帯電話やスマホが事業のためであることが証明しやすいため、税務署からも指摘されにくいでしょう。
2. 個人事業主の場合
個人事業主の場合、携帯代やスマホ料金をすべて経費にすることはできません。携帯電話やスマホを仕事とプライベートで併用する場合、業務で使った分のみを経費計上できます。携帯電話やスマホを法人契約して節税する方法もあります。
携帯代を経費計上する方法
携帯代を経費に計上する際、勘定科目は通常「通信費」を用います。通信費には通話料やインターネット接続の料金も含められます。
個人事業主が携帯代を仕訳する際、家事按分が必要です。たとえば毎月1万円の通信費を普通預金口座から支払い、業務上での携帯電話の使用割合が7割である場合は、以下のように記入します。
借方 | 貸方 |
---|---|
通信費:7,000円 事業主貸:3,000円 |
普通預金:10,000円 |
摘要欄には以下のように記載し、どのような支出か明確にしましょう。
- 携帯電話の通信費
- 家事按分により7割を経費とする
スマホの端末代を経費計上する方法
携帯電話やスマートフォンの通信費のほかに、端末代も経費に計上可能です。
携帯電話やスマートフォンの本体価格によって仕訳処理の方法が変わります。価格ごとの仕訳方法を解説します。
10万円未満は「消耗品費」
購入した携帯電話やスマートフォンの本体価格が10万円未満の場合「消耗品費」として経費計上します。たとえば8万円のスマートフォンを現金で購入した場合は、以下のように記入します。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費:80,000円 | 現金:80,000円 |
10万円未満のスマホを複数台購入して10万円を超えた場合でも、1つあたりの取得価額で消耗品費として処理できます。税務署から仕訳の不備ではないかと疑われないよう、摘要欄に「スマートフォン〇台分」と記載しましょう。
10万円以上は「工具器具備品」
携帯電話やスマートフォンの取得価額が1台あたり10万円以上の場合「工具器具備品」として経費計上します。工具器具備品は、購入代金を一括で経費にはできず、耐用年数に応じた減価償却が必要です。携帯代が30万円未満のケースでは、一括償却資産や少額減価償却資産の特例を利用し節税する方法もあります。
携帯代以外の支出を経費計上する方法
携帯電話やスマホの利用料金や端末料金以外の費用も、経費計上できます。携帯代以外の主な支出は以下の2つです。
- 周辺機器の購入費
- スマホや携帯の修理代
それぞれの仕訳方法を解説します。
周辺機器の購入費は「消耗品費」
携帯電話やスマホの周辺機器の購入費用は経費にできます。以下の3つは経費にできるものの例です。
- 充電器
- 充電コード
- モバイルバッテリー
それぞれの取得価額が10万円未満の場合、勘定科目は「消耗品費」として処理します。携帯やスマホの機能と関係ないストラップ、デコレーションのシールなど、アクセサリー類は経費にできません。現在は周辺機器が多様化しているため、経費にできるかわからないものは、税務署や税理士会に確認しましょう。
修理費は「修繕費」
携帯電話やスマホの修理代は事業に必要な支出であるため、経費に計上できます。電源が入らない、画面が割れたなどの故障でかかった修理費用が該当します。
修理代は「修繕費」として経費計上するのが一般的ですが、厳格に決められていません。「通信費」や「消耗品費」として経費計上することもできます。毎年同じ勘定科目で仕訳することがポイントです。
携帯代を経費計上する際の注意点5つ
携帯代を経費に計上する際、以下の5つのポイントに注意しましょう。
- 家事按分する
- 携帯・スマホの用途を明らかにする
- 法人契約に切り替える
- 家族が役員であれば携帯代を経費にできる
- 携帯代の領収書がない場合は出金伝票を使う
1. 家事按分する
家事按分とは、携帯代を仕事とプライベートの使用割合でわけることです。個人事業主の方は、仕事で使用した分の携帯代を使用時間や使用日数を用いて算出します。
個人事業主の場合、正当な根拠があれば最大80%程度まで経費として認められる可能性があります。80%を超える経費を計上すると、税務署から指摘を受けるおそれがあるため注意しましょう。
2. 携帯・スマホの用途を明らかにする
携帯代を経費にする場合、用途を明らかにすることが必須です。事業に関係のある携帯代であると証明できなければ、税務署に経費の水増しを疑われてしまうおそれがあります。
携帯代の客観的な証拠として、通話履歴や送受信履歴などの明細を残しましょう。名刺に仕事用の電話番号を記載する、業務で使用する書類に電話番号を書くなどの方法も、携帯やスマホを事業で使用していることを証明できます。
3. 法人契約に切り替える
個人事業主が携帯電話やスマホを法人契約に切り替えることで、費用を全額経費に計上可能です。法人契約に切り替えると、スマホをプライベートで多少使用したとしても携帯代をすべて経費として申告できます。利用料金の支払いは法人の口座から行わなければなりません。
法人契約のメリットは、家事按分の必要がないこと、所得税の減額につながること、国内の通話料が無料になる、割引やポイント還元が受けられることなどです。
法人契約の携帯電話やスマホを従業員に支給することで、携帯電話の情報を管理しやすくなり情報漏洩を防ぎやすくなります。
4. 家族が役員であれば携帯代を経費にできる
個人事業主は法人契約することが可能です。家族が役員である場合、家族の分もまとめて法人契約にすることで携帯代をすべて経費にできます。事業でスマホを頻繁に使用する方は、法人契約を検討しましょう。
5. 携帯代の領収書がない場合は出金伝票を使う
携帯代やスマホ代の領収書がない場合、出金伝票を使うことで経費を計上できます。通信費の支払いや修理費用では、領収書が発行されないこともあるでしょう。
出金伝票を使う場合、以下の情報を記載します。
- 日付
- 支払先情報
- 勘定科目
- 摘要
- 金額
- 起票者
摘要はできるだけ細かく記載し、税務調査で尋ねられた際に明確に説明できるようにしましょう。
まとめ
携帯電話やスマートフォンの利用料金や端末代、周辺機器の購入代金は事業に関連する部分を経費として計上できます。法人契約の場合は全額計上できるため、節税に大いに役立つでしょう。経費に含まれるか分からない場合は、税務署や税理士会などに相談しましょう。
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1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。
携帯電話を1台しか所有しておらず、プライベートでも副業でも使っている場合には、すべて経費とすることは難しく、家事按分する必要があります。
また、スマートフォンの価格が年々高騰し、1台あたりの価格が10万円を超える機種も多数存在します。10万円以上の場合には、資産として計上することが原則となりますが、青色申告をしている事業者であれば、30万円未満であれば、購入したスマートフォンを購入した年に全額経費とすることが可能です。
経理処理や家事按分の判断に迷った場合には、専門家に相談することをお勧めします。
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