物流倉庫の活用が進んでいる理由は、保管作業のコストや人件費の最適化ができるためです。EC市場の拡大や運送コストの増加により、コスト効率を求めて物流倉庫を利用しています。
在庫の調整だけではなく、物流の需要拡大や燃料費の高騰などの物流コストの上昇を抑える手段として注目されています。
物流倉庫を利用することで、検品や保管、配送などの物流業務をアウトソーシングできます。従来は社内で行っていた物流業務の負担を軽減し、人件費やさまざまなコストを削減できることがメリットです。
この記事では、倉庫の利用に関心がある事業者や企業の担当者に向けて、物流倉庫を利用する際の料金相場や費用の仕組みを解説します。最後まで読めば、物流倉庫を選ぶ際のポイントも掲載しているため、自社に適した選択ができるでしょう。
「倉庫費用の内訳を知りたい」「物流倉庫にかかる費用を削減したい」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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物流倉庫の費用には固定費がかかります。固定費は、梱包や出荷の量が変動しても一定で発生する経費を指します。物流倉庫にかかる3つの固定費は下記のとおりです。
倉庫保管料の坪単価相場は月額2,700円〜7,000円です。倉庫保管料は、物流倉庫内に商材の保管スペースを維持するためにかかる費用です。一般的に「坪単位」で月額料金が定められますが「パレット単位」「ラック単位」などを採用しているケースもあります。
倉庫保管料は、物流倉庫の立地によって変動します。主要な地域と倉庫保管料の相場は下記のとおりです。
物流倉庫の立地 | 倉庫保管料の相場(坪単価) |
---|---|
東京都世田谷区 | 6,000円〜7,000円 |
東京都足立区・江戸川区 | 4,500円〜5,500円 |
東京都町田市・八王子市 | 3,500円〜4,000円 |
千葉エリア | 3,000円〜4,000円 |
仙台市エリア | 2,800円〜4,000円 |
近畿エリア | 3,700円〜4,500円 |
中部エリア | 3,500円〜4,000円 |
福岡エリア | 2,700円〜3,500円 |
都心の地価の高いエリアでは高額になり、地方エリアでは低コストでの利用が可能です。
システム利用料の相場は月額20,000円〜50,000円です。システム利用料は倉庫管理システムを利用するための基本料金を指します。倉庫管理システムは、入出庫を含めた商材の流れを正確に管理するためのシステムです。
システム利用料には、入出庫や検品に使うハンディーターミナル、送り状印刷に使うプリンターなどの保守費用も含まれています。月額料金のほかに初期費用がかかる物流倉庫もあります。
業務管理料の相場は月額10,000円〜50,000円です。業務管理料は、物流倉庫内の商材管理にかかる手数料で、システム利用料とは別に請求されることが一般的です。
システム利用料とあわせ、基本料として一括請求する物流倉庫もあります。商材の取扱量によってはディスカウントが適用される場合もあります。
変動費は倉庫を利用する頻度によって変動する費用です。物流倉庫にかかる費用には、下記6つの変動費があります。
入庫料の単価相場は10円〜40円です。入庫は、商品の受け入れと所定の場所での保管を指し、費用は商品の大きさや形態によって異なります。料金は個別に単価設定され、10円から40円までの幅広い単価が設定されています。高価格帯の商品は100円程度の入庫量が必要です。
デバンニング料の相場は20,000円〜35,000円です。デバンニングとは、コンテナで送られてくる大きな商材をパレット単位で管理する場合、フォークリフトでコンテナから荷物を積み下ろす作業です。
費用は入庫や保管料とは別に請求され、商材の大きさや取り扱いの難易度によって変動します。商材のサイズが小さくても、コンテナで大量に送られてくる場合はデバンニング料が必要です。
検品料は、入庫時に数量や破損の有無を確認する検品作業に伴う費用を指します。簡単な目視でチェックできるような商材の単価は10円〜30円が相場です。
動作確認が必要な電化製品やPC関連製品などの検品量は、単価100円前後になることもあります。
ピッキングや出荷料の単価相場は10円〜30円です。ピッキングや出荷は、物流倉庫内で保管している商材を所定のエリアから取り出し、出荷エリアまで運ぶ作業を指します。ピッキング・出荷料は、10円から30円の単価が一般的ですが、商品ごとに費用は変動します。
ピッキング・出荷料は梱包料に含まれる場合もあるため、契約時には確認が必要です。
梱包料や流通加工料の単価相場は150円〜300円です。梱包料は、物流倉庫内で出荷するための梱包作業にかかる費用です。1個あたりの単価は150円前後で、商品の大きさや梱包の複雑さによって変動します。
流通加工料は、ギフトラッピングや詰め合わせアソート、組み立てなどの特別な作業にかかる費用です。流通加工料が別途発生する場合は、1個300円程度の費用がかかります。
配送料の単価相場は500円〜1,200円です。配送料は、出荷準備が整った商材を届けるための送料です。国内配送料の相場は500円〜1,000円で、離島や遠隔地の場合は1,200円以上になります。海外への配送料は、数千円以上の費用がかかるでしょう。
近年では、ネット通販や燃油価格の高騰、ドライバー不足などにより配送料が値上がりしています。
倉庫保管料には、下記5つの料金形態があります。
坪建てとは、倉庫の利用スペースを坪数で計算する料金形態で、倉庫保管料における一般的な料金形態です。坪は広さを表す単位で、1坪の広さは約3.31平方メートルです。坪建てにおける契約には「使用坪契約」や「固定坪契約」があります。
使用坪契約 | 使用した坪数分を請求する契約 |
---|---|
固定坪契約 | あらかじめ使用する坪数が決められている契約 |
「使用坪契約」は、実際に使用した坪数の料金を都度請求する契約です。「固定坪契約」は、あらかじめ使用する坪数が決められている契約です。
個建ては、商品1個あたりの単価を設定し、入庫する個数に応じて倉庫保管料を計算する料金形態です。個建ては、商品の大きさが均一で在庫数が少ない場合や、在庫数の予定が予測しにくい場合に適しています。
パレット建ては、パレットの個数に応じて料金が変動する料金形態です。パレットは、倉庫に荷物を入れる際に、荷物を載せる板状の荷役台を指します。フォークリフトを使って移動や上げ下げが可能です。
荷物がパレットに乗っているため、荷役作業が効率化されるメリットがあります。同じ荷物をパレット上にすき間なく積み上げ、パレット単位で移動させることで業務の効率化が可能です。
重量建ては、預けた荷物の重量に応じて保管料を算出する料金形態です。液体や粒状の商品などに対応しており、荷物の個数やパレットで管理しきれない場合に適しています。
倉庫によっては、床の耐荷重によって保管できる重量の上限が決まっている場合もあるため注意が必要です。
容積建ては、荷物の容積に基づいて料金が発生する料金形態です。1立方メートルあたりの単価と容積したスペースに応じて費用を算出し、国際的な取引で採用されています。
コンテナは一般的にサイズが一定なため、坪建てやパレット建てで生じる無駄なスペースが発生しにくく、効率的な保管ができるメリットがあります。
物流倉庫におけるエリア別の保管料の費用相場は次のとおりです。
倉庫保管料の平均相場(坪単価) | |
---|---|
首都圏大型マルチテナント型物流倉庫 | 4,520円/坪 |
近畿圏大型マルチテナント型物流倉庫 | 4,120円/坪 |
中部圏大型マルチテナント型物流倉庫 | 3,590円/坪 |
福岡圏大型マルチテナント型物流倉庫 | 3,300円/坪 |
物流倉庫は、物品の保管スペースに応じた倉庫保管料が必要です。不動産と同様、倉庫保管料の相場も立地により変動します。倉庫保管料を坪単価で支払わなければならない場合、商品が売れ残り占有面積が狭い場合も坪単位で請求されます。
物流倉庫では保管する商材の種類により費用が変動します。
物流倉庫にかかる費用 | |
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化粧品 | 250円〜500円/個 |
日用品 | 300円〜600円/個 |
アパレル品 | 300円〜600円/個 |
食品 | 250円〜500円/個 |
印刷物 | 500円〜800円/個 |
物流倉庫を利用する際には、商材による費用を考慮したうえで検討しましょう。ピッキングの工程や検品作業の有無により価格が変動する点にも注意が必要です。
物流倉庫の費用を抑えるコツには、次の3つがあります。
物流倉庫の費用を抑えるためには、配送先リストの正確性を確認することが重要です。配達先リストに記載された部屋番号や住所に誤りがある場合、再配達が必要になり、労力やガソリン代などのコストが余計にかかるためです。正確性を確認することでスムーズな配送とコスト削減につながります。
繁忙期を避けて利用することで、物流倉庫の費用を抑えられます。繁忙期は需要が高まることから料金が高騰しやすいためです。
たとえば海外の場合、中国の旧正月前は出荷コストやピッキング料が高騰することがあります。繁忙期には通常の1.5倍から2倍のコストがかかることもあります。物流倉庫の利用時期を慎重に計画することが必要です。
余剰スペースを作らないことは、物流倉庫の費用削減に効果的です。物流倉庫の料金は、余剰スペースがある場合も価格が下がらず、在庫数と帳簿上の在庫数に差が生まれます。在庫管理の正確性を保つためにも、必要なスペースを確保し、無駄なスペースを抑えることが重要です。
物流倉庫の利用には、下記3つのメリットがあります。
物流倉庫を利用することでコストの最適化が可能です。自社で保管スペースや物流関連業務の確保をするためには、多大な時間と費用がかかります。物流倉庫を利用することで、人件費や保管費、配送料を最適化できます。
物流倉庫を活用することで、初期投資を抑えながら在庫量を適切にコントロールし、固定費や変動費を効果的に管理できるでしょう。
物流倉庫の利用は、コア業務により多くの労力を割けるメリットがあります。物流倉庫の利用により、企業は時間や手間のかかる物流関連業務から解放され、コア業務により多くの労力を割り当てられるでしょう。
物流業務を物流倉庫に委託することで、品質担保のために必要な時間や人材育成にかかる手間が軽減されます。企業はより重要な業務に集中し、業績向上につなげられます。
物流倉庫の利用は、ビジネス規模の拡大に柔軟に対応できるメリットがあります。物流倉庫は物流の専門業者であり、在庫管理がシステム化されているため、注文数や顧客の増加にも迅速に対応可能です。
ビジネスが成長し需要が増えた場合、物流拠点の拡大や新たな人材確保など、ビジネス拡大にスムーズに対応できます。
物流倉庫を選ぶ際のポイントには、次の3つがあります。
物流倉庫を選ぶ際、業務の正確性と迅速性を重視しましょう。物流には入庫から出庫まで多岐にわたる作業が伴い、ミスはコストの増加につながります。最適な物流コストを実現するためには、正確で迅速な業務を提供する物流倉庫の選択が重要です。
評判だけではなく、実際に訪れて運営の様子を確認し、自社商材に適した物流倉庫を見極めましょう。
物流倉庫を選ぶにあたり、立地と配送料のバランスを見極めることは重要なポイントです。倉庫保管料が安いエリアを選びつつ、配送料が高額にならないための工夫が必要でしょう。
たとえば、首都圏が主要な配送先の場合は物流倉庫も首都圏を選ぶことが重要です。全国規模の配送を行う場合は、中部圏の物流倉庫が適しているでしょう。地域ごとの保管料と配送料を総合的に評価し、バランスを見極めましょう。
物流倉庫の選択では、繁閑期に柔軟な対応ができるかが重要です。在庫量の変動に柔軟に対応できる物流倉庫は、固定費を最適化できるメリットがあります。在庫量の変動に追従できない場合、新たなスペースの確保や他の倉庫の検討が必要となり、追加のコストが発生します。
物流倉庫の費用相場は、固定費と変動費により大きく変動します。固定費は物流倉庫のエリアにより、変動費は商材や利用するサービスにより差が生じます。在庫数や取り扱い商品に応じた料金形態を選ぶことでコストを削減できるでしょう。
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