コールセンターシステムの導入に必要な費用は?費用削減のポイントも紹介

株式会社GeNEE
監修者
株式会社GeNEE 代表取締役 日向野卓也
最終更新日:2023年04月25日
コールセンターシステムの導入に必要な費用は?費用削減のポイントも紹介
この記事で解決できるお悩み
  • コールセンターシステムの開発費用の相場は?
  • コールセンターシステムを機能単位で導入した場合の費用は?
  • 費用削減に向けてのポイントとは?

コールセンターシステムの導入費用は、導入形態やオペレーターの数によって大きく変動します。どのような点に注意することで、無駄な費用の支払いを避けられるでしょうか。

この記事では、コールセンターシステムの導入費用や費用削減に向けてのポイントなどについてまとめました。コールセンターサービスの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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コールセンターシステムの導入にかかる費用

パソコン3

コールセンターシステムの導入形態はクラウドとオンプレミス、2種類から選択します。どちらの導入形態を選択するかによって、導入費用が大きく変動するのが特徴です。

クラウドとオンプレミスの導入費用相場をくわしく解説します。

クラウド型:10万円〜60万円

クラウド型のコールセンターシステムを導入した場合、導入費用相場は10万円〜60万円で、料金体系は初期費用+月額費用のシンプルな構成です。

オプションの追加や特別なカスタマイズをしないかぎり、追加費用は発生しません。初期費用は5万円〜50万円が相場で、無料に設定しているベンダーもあります。

初期費用を無料と設定している場合、月額費用が高くなる傾向が強いため、慎重な見極めが必要です。月額料金は1席あたり15,000円〜35,000円が相場となります。

業務量にあわせてオペレーター人数を調整できるため、無駄な費用の支払いを避けられる点も魅力です。

オンプレミス型:500万円〜1,000万円

オンプレミス型の場合、500万円〜1,000万円近い費用が必要で、料金体系はサーバー購入費+ライセンス料金+運用保守費用の構成です。

サーバー本体は性能により料金が変動し、10万円〜30万円が相場となります。サーバーを稼働させるには、周辺機器やネットワーク環境の構築などが必要です。

コールセンターシステムの規模が大きいほど、高性能機器が多数必要になるため初期費用が高騰します。

ライセンス料金はシステムに搭載しているCRMの利用時に発生し、料金は1席あたり2万円〜10万円が相場です。サーバーやシステムのメンテナンスにかかる保守費用は、ライセンス料金の約20%かかります。

コールセンターシステムをの導入費用を比較

ビジネスイメージ

コールセンターシステムは導入形態に加え、搭載機能数やシステムの規模によっても費用が大きく変動します。

下記2つのケースを想定し、クラウド型とオンプレミス型で費用を比較しました。

  • 最低限の機能を実装したシステムを導入する場合
  • 大規模コールセンターシステムを導入する場合

システムの規模に応じた費用相場を把握し、自社の方向性を明確にしましょう。

最低限の機能を実装したシステムを導入する場合

「5回線同時通話」や「システムの操作方法指導」などを最低限の機能として、オペレーター人数10人で想定しています。

最低限の機能を実装したクラウド型コールセンターシステムの場合、導入に必要な費用は37万円です。

オンプレミス型の場合は、最低100万円以上の費用が必要です。パッケージ購入費用が別途でかかる場合、10万円前後追加費用が発生します。クラウドとオンプレミス、双方の導入費用の内訳を下記にまとめました。

  クラウド オンプレミス
初期費用 28万円〜 100万円
月額費用 9万円 3万円
備考 ベンダーによって初期費用や月額費用は大きく変動 パッケージ購入費用が別途でかかる場合、10万円前後必要

最低限の機能を実装したシステムは、ベンチャー企業の設立当初や新拠点での窓口対応など、比較的小規模で事業運営を始める場合に適しています。

大規模コールセンターシステムを導入する場合

大規模コールセンターシステムは、ECサイトや商品問い合わせなど中核事業での窓口用に設置します。「100回線同時通話」や「CRM機能の搭載」を想定し、オペレーター人数は100人とします。

クラウド型の場合は最低323万円が必要で、オンプレミス型の場合は822万円が最低限の費用です。サーバー購入費やライセンス料金次第では、1,000万円を超えるケースもあります。

  クラウド オンプレミス
初期費用 233万円〜 800万円〜1,000万円
月額費用 90万円 22万円〜30万円
備考 ・ベンダーによって初期費用や月額費用は大きく変動
・大規模コールセンターシステムを扱うベンダーの選定が前提
・サーバーやネットワーク機器のスペックによって変動
・ライセンス料金やパッケージ購入費によって変動
・開発力に優れたシステム開発会社の選定が必要

オンプレミス型の大規模コールセンターシステムを構築する場合、長期的な視点での導入計画が求められます。高い費用を投じるため、失敗が許されません。各種機器の性能比較や必要な機能の明確化など、入念に準備を重ねましょう。

【機能別】コールセンターシステムを導入した場合の費用相場

電話

コールセンターシステムは機能単位での導入も可能です。必要な機能だけに絞れば、導入負担や無駄な費用を削減できます。機能単位で購入可能なシステムは以下の4つです。

  • CTI
  • CRM
  • PBX
  • FAQ

システム別の機能や費用相場を以下で解説します。

CTI

CTI(Computer Telephony Integration)とは、電話とコンピューターを統合したシステムです。自動音声対応や通話録音、データベース照合など、業務効率化や顧客対応の品質向上に寄与する機能を多数搭載しています。CTIシステムに搭載されている機能を下記にまとめました。

  具体的な機能
データベース照合 データベースに登録されている電話番号と着信番号を照合する
自動配分 着信があった際に対応可能なオペレーターに電話を振り分ける
自動音声 外部からの着信に対し、事前に録音した音声の再生や問い合わせ内容に応じて電話を振り分ける
通話録音 オペレーターと取引先の通話内容を録音する
自動発信 データベースに登録されている番号に自動で発信する
番号入力省略 ワンクリックで電話を発信する
ウィスパリング 通話中のオペレーターに対して音声で指示を伝えられる

CTIシステム導入にかかる費用は、クラウド型であれば1万円〜50万円が相場です。複数の機能が搭載されたシステムを導入すると、低コストで多くの機能を利用できます。

オンプレミス型は、小規模システムを導入する場合でも最低50万円以上必要です。機能数や規模が大きくなると、数百万円〜数千万円規模となります。

  クラウド オンプレミス
初期費用 1万円〜50万円 50万円〜
月額料金 数千円〜数万円 なし

CRM

CRM(Customer Relationship Management)とは企業名や応対履歴、自社商品の購入情報など、顧客情報を保存しておくシステムです。CTIシステムと連携すると、通話中のオペレーターに過去の応対履歴や購入情報を伝えられます。

クラウド型の場合、初期費用は5万円前後です。無料と設定しているベンダーも珍しくありません。月額費用は数千円〜数万円が相場です。大規模コールセンターシステムを導入する場合は月額費用が1席あたり1万円〜2万円となり、費用が高騰します。

オンプレミス型の場合は、最低でも50万円以上の費用が必要です。システムの規模が大きくなると、200万円前後かかります。

  クラウド オンプレミス
初期費用 無料〜5万円 50万円〜200万円
月額料金 数千円〜数十万円 5万円〜30万円

PBX

PBX(Private Branch Exchange)とは、複数の電話回線を集約した電話交換機のことです。内線同士の通話や外線の転送など、内線と外線をコントロールする役割を担います。

クラウド型PBX導入にかかる費用は、5万円〜10万円が相場です。初期費用+月額料金+通話料+本体購入費が料金の内訳になります。クラウド型の場合、工事が必要ないため運用までの期間も短縮できます。

  クラウドPBXの費用相場
初期費用 1万円〜5万円
月額料金 2,000円〜2,500円/1回線
通話料金 ・固定電話:8円/3分
・フリーダイヤル:10円/1分
・スマートフォン:15円/1分
本体費用 ・3万円〜5万円/1台
備考 ・既存の電話機やスマートフォンを活用すると、本体費用を削減
・自動録音やIVR、電話会議サービスなどをオプションで利用した場合、月額数千円規模で追加費用が発生

オンプレミス型の場合、最低60万円以上必要です。回線工事や電話交換機の設置も必要になるため、導入台数が多くなるほど費用が高騰します。

  オンプレミス型PBXの費用相場
電話機 3万円〜4万円
PBX 20万円〜50万円
工事費 2万円/1台
ランニングコスト 0円
通話料 ・固定電話:8円/3分
・IPサービスと連動すると、通話料金は無料

FAQ

FAQは顧客の問い合わせ内容と回答例を管理しておくシステムです。オペレーターは電話応対時にFAQの事例を参照することで、顧客対応の品質向上とトラブルの回避につなげられます。

実務経験が浅いオペレーターの教育資料としても活用でき、教育コスト削減や効果的な人材育成を図れます。

社内向けFAQはエクセルやスプレッドシートでも作成可能です。内製した場合は費用がかかりません。webサイト表示のために外注した場合でも、月額数千円程度に抑えられます。

社外向けFAQを作成する場合は、既存のwebサイトにFAQページを加えるかたちになります。外注した場合は数千円〜数万円で管理が可能です。

コールセンターシステムの導入費用を抑える5つのポイント

電卓!

以下5つのポイントを意識し、コールセンターシステムの導入費用を抑えましょう。

  1. コスト優先の場合はクラウド型を選択する
  2. チャットボットを導入する
  3. FAQやオンラインヘルプを充実させる
  4. 代行サービスの利用を検討する
  5. サービスデスクツールの導入を検討する

ポイント1. コスト優先の場合はクラウド型を選択する

機能性よりもコスト優先を導入の決め手としている場合、クラウド型のコールセンターシステムを導入しましょう。

クラウド型は全体的にコストを抑えられる点が魅力です。システムを導入する際、インフラ環境の構築やソフトウェアのインストールは必要ありません。

メンテナンスやアップデートもベンダーへ依頼できるため、ランニングコストも大幅に削減できます。業務量に応じてオペレーター人数を調整可能です。

注意点は、ベンダーの経営悪化や事業方針によって、突然システムを利用できなくなる可能性があることです。利用停止にともなう業務への悪影響を避けるためにも、導入実績が多いベンダーを選びましょう。

ポイント2. チャットボットを導入する

チャットボットとは顧客からの問い合わせに対し、自動で返答するプログラムです。多くのSNSや企業のwebサイトなどで導入しています。

回答内容を設定すると内容どおりにロボットが対応するため、すべての問い合わせに対して従業員が対応する必要がありません。問い合わせへの自動対応によって、従業員の業務負担軽減や対応品質の均一化が望めます。

24時間365日体制での稼働が望めるため、対応漏れの発生を防げる点も魅力です。ただし、データベースやシナリオに登録されていない質問には対応できません。

事務的な印象を与える可能性もあるため、問い合わせ内容に応じて有人対応との使い分けが求められます。

ポイント3. FAQやオンラインヘルプを充実させる

FAQやオンラインヘルプへ掲載する情報量を増やしましょう。

FAQやオンラインヘルプを見れば疑問を自力で解決できるため、企業側に問い合わせをする必要がありません。利便性が高まり、無駄な時間や手間を削減できます。

企業側は問い合わせ件数を大幅に削減できる点がメリットです。多くの時間や労力を顧客対応に割く必要がなくなり、業務効率改善が期待できます。

サイトの利便性向上によって、リピート率向上や購入単価アップが望める点も魅力です。必要な情報を効果的に発信できるよう、定期的なメンテナンスや顧客満足度の調査が必要となります。

ポイント4. 代行サービスの利用を検討する

コールセンター代行サービスを利用するのも1つの選択肢です。代行サービスを利用した場合、システム導入に発生する初期費用や保守費用が必要ありません。

月額料金のみの支払いとなり、毎月のコスト管理が楽になります。実務経験や豊富なノウハウを兼ね備えたオペレーターが在籍しており、良質な顧客対応が望める点も魅力です。

マーケティングや営業など、売上に直結するコア業務へ自社の従業員を配置でき、収益拡大や新規顧客獲得が期待できます。

半面、自社の商品やサービスに関する情報を共有するため、情報漏えいに細心の注意が必要です。機密情報の扱いや人材教育に力を入れている代行会社を選びましょう。

ポイント5. サービスデスクツールの導入を検討する

サービスデスクツールとは、システムの操作方法や商品の不具合など、顧客からの問い合わせを集約するシステムです。

複数の顧客チャネルを持っている場合、問い合わせ内容をまとめて管理できます。チャネルごとに個別対応する必要はありません。過去の対応履歴も含めて問い合わせ内容を一元管理できるため、スムーズな情報共有や早期のトラブル解決が見込めます。

担当者個人での対応が難しい場合は上司や他部署にサポートを依頼できます。サービスデスクツールはシステムによって搭載している機能が異なるため、求める機能の優先度を決めておくことが重要です。

まとめ

今回は以下の3点を解説しました。

  • コールセンターシステムの開発費用の相場
  • コールセンターシステムを機能単位で導入した場合の費用
  • 導入費用削減に向けてのポイント

コールセンターシステムの導入費用を抑えるには、クラウド型のシステムを導入するのがおすすめです。メンテナンスやアップデートも自社で対応しないため、ランニングコストを抑えられます。

独自機能の搭載やユーザーインタフェースにこだわりたい場合は、オンプレミス型のシステムを選びます。システム設計から始めていくため、ユーザビリティを最大限追求可能です。

「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度でシステム開発会社を探し出せます。複数の企業に無料で相談できる点も嬉しいポイントです。

コールセンターシステムの開発依頼先を探している方は、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

インバウンド型では顧客情報を素早く把握し、適切な対応を行う必要があります。また、アウトバウンド型では顧客リストからワンクリックで電話が発信できたり、プレディクティブコール機能が求められます。

いずれのケースでもCRMシステムとの連携は必須となるので、現在使用しているシステムのデータ連携可否を確認する必要があります。また、画面から情報の入出力が必要となることが多いので、システムの操作性は事前に確認しておきましょう。

会話の自動録音や文字起こし、その他家電時間やトークスキルの自動分析機能など様々な機能が標準で搭載されているシステムも多いので、いくつか主要な製品を確認し、自社に必要な機能を整理するのがよいでしょう。

インバウンド型であれば、FAQシステムに加えて、チャットボット機能を搭載することでコールセンターでの対応コストを削減できる可能性があります。コスト見合いではありますが検討してみてはいかがでしょうか。

コールセンター規模やセキュリティ要件によってはオンプレミスでのサーバー構築が必要になりますが、メンテナンスコスト(故障時の対応、データ破損時の復旧)も考慮する必要があります。パッケージを導入するケースでも可能であればインフラ機能はクラウドサービスの利用をお勧めします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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