勤怠管理システムの作り方は?自作する方法やシステムを構築する5つの手順を紹介
- 勤怠管理システムは自作できる?
- 勤怠管理システムの作り方は?
- 勤怠管理システムを自作する際の注意点は?
「自社にあった勤怠管理システムをコストをかけずに自作したいけど、作り方がわからない」とお悩みの人事担当者必見。
勤怠管理システムは、Excelやkintoneを利用して自作可能です。プログラミングの知識があれば、自社で開発することもできます。自作する場合は、必要な機能を把握し、自社の環境や管理したい項目に応じて適切な作り方を把握したうえで開発に取り組むことが大切です。
この記事では、勤怠管理システムの作り方や自作する際の3つの注意点を解説します。この記事を読み終わった頃には、勤怠管理システムの作り方を理解して、自社にあった勤怠管理システムを構築できるでしょう。
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勤怠管理システムを自作する方法
勤怠管理システムを自作する方法を3つ紹介します。
- Excelを利用する
- kintoneを活用する
- プログラミングでシステム開発をする
勤怠管理システムは、Excelやkintoneを利用することで、自作が可能です。どうしてもコストを抑えて勤怠管理システムを導入したい方は、参考にしてください。
Excelを利用する
勤怠管理システムを自作する際は、Excelを利用しましょう。関数やマクロの知識があれば自社にあった勤怠管理システムを自作できます。
Excelは利用者が多く、PCにインストールされていれば導入コストがかかりません。テンプレートを公開しているサイトから適切なものを導入することで簡単にシステムを作成できます。
Excelは厚労省に「勤怠管理システムは不十分」とみなされる可能性があります。書き換えが容易で、虚偽申告・改ざんのリスクがあるためです。
すべて手動で行うため、法改正への対応を都度実施する必要があります。いくつかの問題をクリアすることが、Excelによるシステム運営の条件となるでしょう。
kintoneを活用する
自社の業務にあわせたアプリを作ることができるサイボウズ社の「kintone(キントーン)」の活用も検討するといいでしょう。タイムカードアプリが存在し、プログラミングより容易に設定できます。
kintoneは汎用ツールとして作られており、勤怠管理専用ではありません。業務日報の作成や顧客情報の管理・問い合わせメールの管理・タスク管理なども対応しています。勤務形態が1種類のシンプルな勤怠管理以外には、対応しづらいため注意しましょう。
プログラミングでシステム開発をする
「java」「C#」「ruby」「python」などのプログラミング言語を用いて、勤怠管理システムを自社で開発可能です。システム開発には、ローコード/ノーコード(プログラミング言語を使用せずにアプリが開発できるツール)を用いる方法もあります。
ゼロから作成するため、自社にあったシステムを構築できる点がメリットです。デメリットは、高度なスキルを必要とするため属人的になりがちな点です。法改正への対応やメンテナンスなど、プログラミングの知識を持つ人材が必要になります。
勤怠管理システムを自作する5つの手順
勤怠管理システムを自作する際の5つのステップは次のとおりです。
- データ項目を検討する
- システムの構造を検討する
- 他システムとの連携の必要性を決める
- 就労環境にあわせた打刻方法を検討する
- システムの設計・開発を行う
1. データ項目を検討する
システムで管理するデータ項目を決めます。基本となるのはタイムカードに記載されている項目です。一般的な項目を以下に示します。
- 部署名
- 従業員番号
- 従業員の氏名
- 出社時刻
- 退社時刻
- 遅刻日数
- 早退日数
- 欠勤日数
- 有給休暇取得日数
- 深夜残業
- 休日労働
- 各項目の集計値
部署名や従業員名、出退勤の時刻や早退・欠勤の日数、有給休暇取得日数など、勤怠管理に必要な項目を選びます。勤務形態が複数ある場合は、それぞれにあった項目も確認しましょう。
2. システムの構造を検討する
システムの構造を検討するにあたり、自社の勤務形態を洗い出します。出張・社外常勤・在宅勤務・シフト勤務・フレックスタイム制など、イレギュラーな出勤パターンも漏れなくピックアップしましょう。
それぞれの勤務形態において、どういうルールで勤怠管理をしているかを整理する必要があります。現在は発生していないが、今後追加される可能性のある勤務形態も盛り込みましょう。すべての勤務形態に対応できる「最適なシステム構造」を考えることが大切です。
3. 他システムとの連携の必要性を決める
勤怠管理システムと他のシステムとの連携の必要性を決めましょう。勤怠管理で得たデータは必ず他の業務に関わります。
データを手入力で移すと手間がかかり、ミスも起きやすく非効率です。連携先のシステムをあらかじめ決定し、勤怠管理システムを構築する必要があります。
給与システムや人事評価システムと連携する場合は、やり取りするデータ項目が過不足なく網羅されるように設計しなければなりません。ズレが生じないように定義をそろえ、スムーズにデータの受け渡し・取り込みができる形を作りましょう。
4. 就労環境にあわせた打刻方法を検討する
就労環境にあわせた打刻方法を検討する際は、在宅勤務の有無や従業員数などを考慮することが大切です。在宅勤務では残業実態の把握が難しくなるため、どのように取り扱うのかを事前に考える必要があります。
打刻方法は、パソコンやスマートフォンの使用・ICカードの使用・チャットシステムの利用など、種類が多いです。リモートワークの普及により、会社まで出向かなくても可能な打刻方法を設ける必要があります。
5. システムの設計・開発を行う
考案した内容をもとに、システムの設計と開発を行いましょう。残業時間や有給休暇の条件は、法改正で扱い方が変わる可能性があります。法改正が行われた際、速やかにメンテナンス対応できるシステムを設計することが重要です。プログラミングの知識や経験がある社員がいると心強いでしょう。
システムに手を加えるとき、システムの設計図がないと不具合が生じるリスクが高まります。システム構築を開始する前に「システムがどのように働くのか」が記された設計図を準備することが重要です。
勤怠管理システムに必要な4つの機能
勤怠管理システムには、必要な4つの機能があります。
- 出退勤の打刻機能
- 残業・休暇の記録機能
- 就業データの集計・出力機能
- エラーチェック機能
勤怠管理は、従業員の勤務状況を把握するために行います。出退勤の打刻や残業・休暇の記録だけではなく、データの集計・出力、エラーチェックなど管理に必要な機能も確認しましょう。
1. 出退勤の打刻機能
出退勤の打刻機能は、勤怠管理システムの最も大切な機能といえます。出退勤時間・休憩時間・残業時間などを客観的な記録として残し、労働時間を把握するためです。就労状況の確認や、給料計算の際に必要になります。
在宅勤務のように職場に出勤しない従業員は、インターネット経由で打刻できるシステムが必要です。数字を入力するのではなく、ボタンを押すとその瞬間の時刻が記録されるものもあります。打刻漏れが発生しづらいシステムにすることが重要です。
2. 残業・休暇の記録機能
残業時間や休暇取得の管理も重要な機能です。中小企業を含むすべての企業に対して、有給休暇の年5日取得義務化や、労働時間の正確な把握が労働基準法により義務付けられています。これに対応するためには、状況を適切に把握して管理しなければなりません。
残業時間を正確に記録できるだけではなく、月ごとの集計や数カ月間の平均残業時間の算出、有給休暇取得状況がすぐにわかるシステムが必要です。
規定の残業時間を超過しそうなときや有給休暇の取得が足りない従業員に対して、アラート通知ができるシステムが望まれます。
参照:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚労省
3. 就業データの集計・出力機能
就業データを締日ごとに集計でき、出力できる機能が必要です。データの項目例として、次のものが挙げられます。
- 1日あたりの定時労働時間
- 1日あたりの残業時間
- 1カ月分の総労働時間
- 1カ月分の残業時間
- 休日出勤時間
- 有給取得日数
- 欠勤日数
- 遅刻回数
出力したデータは、給与計算や人事監査システムと連携させて活用することが重要です。従業員全体の残業時間を把握できるシステムにすることで、非効率な残業を洗い出し、業務効率化・経営改善につなげられます。出力形式をCSVにすると、連携が容易になるでしょう。
4. エラーチェック機能
エラーチェック機能を設けて、打刻漏れや、出退勤記録と勤務実態との不整合がないかをチェックできるシステムにしましょう。担当者が手動で確認すると、作業負荷が非常にかかります。効率化を図り、ミスをなくすために必要な機能です。
エラーチェックした内容に漏れがあったり整合性がなかったりした場合に通知を受けられるシステムにするとよいでしょう。システムが不備を発見しても、その事実を担当者が見過ごすのは大きな損失となります。
勤怠管理システムを自作する際の3つの注意点
勤怠管理システムを自作する際には3つの注意点があります。
- 法改正の際は迅速に対応する
- Excel管理の場合は不正や改ざん対策を施す
- システム管理を属人化しない
勤怠管理システムは、構築して終わりではありません。長く活用するために上記3点に注意しましょう。
法改正の際は迅速に対応する必要がある
法改正の際は、迅速に対応する必要があります。勤怠管理に関する法改正は頻繁に行われますが、そのたびに変更点を勤怠管理システムに反映させなければなりません。
反映が遅れると手動で計算をする必要が生じたり、法律改正前の基準の勤怠管理方法で対応してしまったりと問題が生じやすくなります。法改正時の対応は、スピード感を大切にしましょう。
Excel管理の場合は不正や改ざん対策を施す必要がある
Excelで管理する場合には、不正や改ざんを容易に行えてしまうことが問題です。2019年4月以降、労働安全衛生法の改正に伴い、従業員の労働時間を客観的な記録方法で管理することが義務付けられました。
Excelは数字を書き換えることができ、操作ミスでデータを消すトラブルが起きやすいです。Excelによる管理は、客観的な記録方法とみなされない可能性があるため注意しましょう。
システム管理が属人化しないよう注意する
システム管理が属人化しないように注意しましょう。社内の一部の担当者だけで開発すると、運用段階で日常管理を担えるのは担当者に限られてしまいます。
システムの知識を持つ人材が複数となるような教育体制が必要です。メンテナンスや法改正への対応をチームで担い、属人化を防ぎましょう。
勤怠管理システム構築を自ら行うことが難しい方はクラウド型やパッケージ型の勤怠管理システムを導入することをおすすめします。費用相場について以下の記事でくわしく解説しているため、参考にしてください。
まとめ
勤怠管理システムは、Excelやプログラミングにより自社で作成することが可能です。既製品を導入するよりも、自社の勤怠管理にマッチしたものができ上がります。法改正に伴い、システムの修正やメンテナンスを余儀なくされる可能性があるため注意しましょう。
システム管理を属人化したまま放置すると、システムの修正やメンテナンスに対応できる人員が足りなくなるリスクがあります。他のシステムとの連携を図り、運用管理体制を万全にして、業務効率化につなげましょう。
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企業規模が大きくなると、従業員ひとりひとりの勤怠を正確に管理することは難しいため、システムを上手く活用して、コンプライアンスをしっかりと遵守する体制を築くことが重要です。正確な勤怠管理を行うことで従業員とのトラブルや、労働基準法違反で訴えられるリスクを予防することができるでしょう。
次に、勤怠管理システムの機能について触れたいと思います。主な機能機能としまして、日次勤怠機能、申請・承認機能、勤怠データ分析・集計機能、通知機能、データ変換・出力機能(システム上に登録されたデータをCSVやPDFに変換し、出力する機能)、給与計算機能がありますが、これらの大半は市販のパッケージソフトでも実現することができます。
ただ業界・業種、企業形態によって、就業規則や人事関連のルールは大きく異なりますので、先々細かいチューニングを行いたい場合には、自社システムとしてフルスクラッチで開発することをおすすめしています。導入後の再切り替えは非常に大変なので、システム開発会社やパッケージ販売会社としっかりと意識合わせをしながらご判断いただくと良いかと思います。
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もしも今現在、
- どの開発会社に依頼したらいいかわからない
- APIの利用や管理が適切か不安
- マッチングサイトを作りたい
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