PythonのWebアプリ開発フレームワーク5選!おすすめを比較一覧で紹介
- PythonでWebアプリ開発をするときに便利なフレームワークは?
- PythonのWebアプリ開発フレームワークはそれぞれどのような違いがあるの?
- Pythonによるアプリ開発でフレームワークを活用するメリットは?
PythonのWebアプリ開発フレームワークを活用することで、生産性やメンテナンス性の向上が図れる一方、柔軟性の低さが目立ちます。
この記事では、Webアプリを開発したい方へ向けて、Pythonで開発する際に使えるフレームワークやPythonで開発できるものを解説します。
記事を読み終わった頃には、自社のWebアプリ開発にどのフレームワークが適しているかを判断できるでしょう。
「Webアプリを開発したいけど、ツールの選び方がわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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Pythonとは
Pythonは、Webアプリケーションのほか、Webスクレイピングやデータ解析などで広く利用されているプログラミング言語のひとつです。
Pythonの特徴として「シンプルで読みやすい構文」「豊富なライブラリ」「幅広い用途で利用可能」があります。多くのWebアプリケーション開発において非常に有益です。
PythonにはWebアプリケーション開発を効率化するフレームワークが数多く存在します。フレームワークとは、意思決定や分析など解決したい問題点を特定の枠組みにあてはめ、共通して利用できる仕組みを指します。
PythonのWebアプリ開発フレームワークは3種類
Pythonには、下記に挙げる3種類のWebアプリケーション開発フレームワークがあります。
- フルスタックフレームワーク
- マイクロフレームワーク
- 非同期フレームワーク
フルスタックフレームワークは、多数の機能を提供しています。一方で、開発が容易になる反面、パフォーマンスにやや影響が出ます。
マイクロフレームワークは、軽量で自由度が高く、柔軟な開発が可能です。非同期フレームワークは、高負荷のWebアプリケーションに向いています。
1. フルスタックフレームワーク
フルスタックフレームワークは、開発者にとって必要なWebアプリケーションの機能が包括的にそろっていることを指します。
開発に必要な機能は下記の5つです。
- ルーティング
- データベース接続
- セッション管理
- テンプレートエンジン
- 認証
開発に必要な機能がそろっているため、開発者はアプリケーションの実装に集中できることがメリットです。
ただし、豊富な機能を備えていることから学習コストが高くなります。必要な機能以外も含まれるため、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性もあります。
2. マイクロフレームワーク
マイクロフレームワークは、小規模なWebアプリケーション開発に適しているフレームワークです。最小限の機能を提供し、軽量で高速に動作することが特徴です。
フルスタックフレームワークに比べ、マイクロフレームワークは必要な機能のみ組み込んで使用します。開発者が自分の好みやニーズにあわせて機能をカスタマイズできることが利点です。軽量で高速なため、小規模なWebアプリケーションを開発に適したフレームワークといえます。
代表的なものにFlaskやBottleがあります。Pythonを使用したシンプルで軽量なWebアプリケーションフレームワークです。
3. 非同期フレームワーク
非同期処理を得意とする「非同期フレームワーク」は、高速なリクエスト処理が求められるWebアプリケーションの開発に有用です。
リクエストが集中しても、高速に応答できます。Pythonにおける非同期処理に特化した「asyncio」モジュールを使用することで、効果的な非同期処理が可能です。
リソース由来のブロッキングや、時間がかかる処理による無駄な待ち時間を減らすために、非同期プログラミングを行うことです。
人気の高いフレームワークであるDjangoでも、非同期処理をサポートするようになりました。主流だったFastAPIだけではなく、性能や拡張性に優れた非同期処理に対応できるメリットがあります。
Application Programming Interfaceの略称で、プログラムやシステムが外部のプログラムと通信するための仕組みです。現代のWebアプリケーションの基盤になります。FastAPI(ファストエーピーアイ)は、APIを構築するためのフレームワークです。
PythonによるWebアプリ開発でおすすめのフレームワーク5選
PythonによるWebアプリ開発は、規模や目的にあわせて最適なフレームワークを選ぶことが重要です。多くの開発者に利用されているフレームワークは、下記の5つになります。
名称 | 読み方 | 特徴 |
---|---|---|
Django | ジャンゴ | データベースの作成やフォームの作成をはじめとする一般的なWeb開発タスクを処理する |
bottle | ボトル | 三大フレームワークのひとつ。シンプル、早い、軽量が特徴。単発的なアプリ開発の利用に最適 |
Flask | フラスク | マイクロフレームワークと呼ばれ、軽量で必要最低限の機能が特徴 |
Tornado | トルネード | Webフレームアプリ。非同期通信を行うライブラリが特徴 |
Plone | プローン | コンテンツ管理システム。優れたセキュリティからCMSで利用される |
1. Django
Django(ジャンゴ)は代表的なフルスタックフレームワークです。Pythonで最も人気のあるWebアプリケーションフレームワークの1つで、包括的なフレームワークとして知られます。
主に大規模なWebアプリケーション開発に適しています。提供している機能は下記のとおりです。
- ルーティング
- データベース接続
- 認証
- 管理画面の自動生成
Instagram、Spotify、Mozilla、Disqusなど、世界中の多くのWebアプリケーションで使用されています。
2. bottle
bottle(ボトル)は、小規模なWebアプリケーションの構築に適したPythonのマイクロWebフレームワークで、初心者にも使いやすいのが特徴です。
軽量でコードが少なく書けることや、Python標準ライブラリに含まれるため、追加のインストールが不要で導入も簡単です。シンプルな構造であるため、簡単なWebアプリケーションが迅速に開発できます。シンプルなAPIの構築や、静的なページの配信にBottleは適しています。
3. Flask
Flask(フラスク)はPythonのWebアプリケーションフレームワークの中でもシンプルで柔軟性が高く、小規模なプロジェクトに適しています。
必要最小限のコードでアプリケーションを作成することができ、カスタマイズ性が高いことも特徴です。
使用事例で有名なものに、Pythonの学習サイト「PythonAnywhere」が挙げられます。PythonAnywhereは、Flaskを使用してウェブサイトのフロントエンドとバックエンドを両方作成しています。
ウェブサイトのユーザーインターフェースの部分で、ユーザーがウェブページを閲覧するためにブラウザで表示されるすべてのコンテンツを指します。
「バックエンド」とは、ユーザーがフロントエンドで実行する操作を可能にし、ウェブサイトがスムーズに動作するためのバックグラウンドプロセスの処理を指します。
4. Tornado
Tornado(トルネード)は、高速な非同期処理に強みがあるWebフレームワークです。高負荷環境下での使用に向いており、リアルタイム性の高いアプリケーションでの使用に最適です。
非同期処理による高速なI/O処理を行うことができ、リアルタイムや長時間の処理が必要なWebアプリケーションに適しています。多数のリクエストを同時に処理でき、高負荷にも耐えられます。
Tornadoは、asyncioにも対応しているため、非同期処理に慣れている開発者にとっては使いやすいフレームワークです。
5. Plone
Plone(プローン)はオープンソースでWebアプリケーション用のフレームワークです。CMSの作成で利用されます。WebサイトやWebアプリケーションなどのコンテンツを作成・編集・管理するためのシステムです。一般的にCMSを指す「Plone」もあるため、注意が必要です。
オープンソースソフトウェア (OSS) を表します。誰でも見ることができ、修正したり配信したりできるコードです。ソフトウェアを信頼性の高いものにできます。
豊富なアドオンと、Pythonのエコシステムを利用できることから、柔軟性に富んでいる要因のひとつになっています。
PythonのWebアプリ開発でフレームワークを活用するメリット
フレームワークは、Webアプリケーションの開発をより効率的に行うことができます。代表的なメリットは下記の2つです。
- 開発生産性の向上
- メンテナンス性の向上
1. 開発生産性の向上
フレームワークを活用するメリットとして、開発生産性の向上が挙げられます。Webアプリケーションに共通する処理や機能がそろっており、簡単に実装可能であるためです。
必要な機能をゼロから開発する手間が省けるため、開発時間の短縮につながります。
たとえば、Djangoフレームワークは、データベースとのやり取りにORMを使用することでSQL文を使用する必要がなくなります。
OMR(オーエムアール)とは「optical mark reader」の略で、マークを光学的に読み取る装置です。代表的なものにマークシートがあります。
2. メンテナンス性の向上
フレームワークを使うことで、Webアプリケーション開発の均質な開発が可能になります。メンテナンスは開発者とは別の技術者が行うことが多いため、コードの修正・追加の際には均質であることが重要です。
フレームワークは、基盤となるコードや機能が事前に整備されています。コードの構造やルールが統一されており、開発者以外でもメンテナンスしやすいことが利点です。
PythonのWebアプリ開発でフレームワークを活用するデメリット
柔軟性が制限される可能性や、アップデートによる互換性の問題があります。自分のプロジェクトに最適な選択肢を、開発者が見極めることが重要です。
自動生成されるコードや定型的な設定により、Djangoのフレームワークは、新しいアプリケーションを開発するのに必要なコードの量が減少します。自分で実装する必要のある機能を事前に定義されたFlaskフレームワークでは、拡張機能の利用が必要です。
PythonによるWebアプリ開発でおすすめのツール4選
Pythonを使ったWebアプリケーション開発には、効率的で使いやすい開発ツールが必要です。代表的なツールは下記の4つになります。
読み方 | 特徴 | |
---|---|---|
Visual Studio Code | ビジュアル スタジオ コード | マイクロソフトが開発・提供。高機能なコーディングサポート機能がある。Windows、Linux、macOS、webに対応 |
git | ギット | ファイルの変更履歴を記録・管理する。Linuxカーネルや多くのプロジェクトで使用 |
DBeaver | デービーバー | SQLのクライアントソフトのひとつ。複数データベースの接続可能 |
HEROKU | ヘロク | 対応しているプログラミング言語が多い。サーバーの運用が容易 |
Webアプリケーション開発は、多くのステップと複雑なコードが必要なため、開発効率を上げることが課題です。これらのツールは、開発者がコードをより速く、より簡単に作成でき効率的な開発を実現します。
1. Visual Studio Code
Visual Studio Code(ビジュアル スタジオ コード)は高機能で多機能なエディタです。開発者にとって非常に便利なツールです。多くの拡張機能を備え、複数のプログラミング言語に対応しているため役立ちます。
- Webアプリケーション
- データサイエンス
- 人工知能
- 機械学習
Python拡張機能を使用すると「プログラムの作成・編集・実行・デバッグ」が可能です。「リアルタイムでコード編集・ブレークポイント設定・デバッグの実行」などデバッグツールを提供するため、開発者にとって理想的な環境が得られます。
2. git
git(ギット)は、バージョン管理システムの中で広く使用され、コードのバージョン管理やチームでの共同開発を容易にすることで知られています。
分散型バージョン管理システムが主な特徴です。リモートリポジトリとローカルリポジトリを使用して、チーム全体でコードを共有できることを意味します。
世界中の多くの企業やオープンソースプロジェクトで使用されています。有名な企業は下記のとおりです。
- Microsoft
- Amazon
- Netflix
3. DBeaver
DBeaver(デービーバー)は、高機能なオープンソースのデータベース管理ツールです。多様なデータベースやクラウドサービスに対応しています。さまざまなデータソースの管理を開発者がしやすくなります。
DBeaverはオープンソースのため、多くの開発者により常に最新の機能や改善が実施されています。プラグインによりカスタマイズも可能で、個人のニーズに合わせた環境構築も可能です。
4. HEROKU
HEROKU(ヘロク)は、Webアプリケーションを開発・デプロイするためのクラウドプラットフォームです。
サーバーの設定、デプロイ、スケーリング、データベースの設定などを自動化し、Webアプリケーションの開発者は、本質的な開発に集中できます。
多くのプログラミング言語に対応しており、多数のアドオンや機能の提供が可能です。Webアプリケーションの実行環境を簡単に作成でき、開発者の時間とコストを削減できます。
Pythonで開発できるもの4つ
Pythonはさまざまな分野で使われる汎用性の高い言語です。開発できるものとして下記の4つがあります。
- 機械学習システム
- データ解析システム
- Webアプリケーション
- ロボット
1. 機械学習システム
Pythonは学習機能システムの開発ができます。機械学習に必要なライブラリが豊富です。簡単に扱うことができるため、Pythonは機械学習の開発に最適です。
たとえば画像認識に使用した場合、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の使用が一般的です。畳み込みニューラルネットワークとは、AIが画像分析を実施するための学習方法になります。
機械学習に特化したライブラリであるTensorFlowを使用することで、簡単に機械学習モデルを開発できます。
2. データ解析システム
PythonはWebサイトからデータを自動収集できたり、Excelに代わってデータ処理や分析ができるツールとして役立ちます。代表的な使用方法に「Webスクレイピング」があります。
Webスクレイピングとは、定期的にWebサイトの情報を収集している場合、自動でアクセスし手動で作業する必要がなくなる技術です。
Pythonは簡単な文法構造を持ち初心者でも学習しやすく、データ解析の分野に興味がある人には、入門の敷居が低くなっています。
3. Webアプリケーション
Webアプリケーション開発でPythonは汎用性が高く、さまざまな分野で活躍しています。シンプルで読みやすいコードと、エラーが起きにくい特徴から開発初心者でも品質の高いWebアプリケーションが作成できます。
Webアプリケーション開発では、下記2点で活用します。
- フロントエンド(クライアントサイド)開発
- バックエンド(サーバサイド)開発
フロントエンド(クライアントサイド)開発
Pythonを使用したWebアプリケーションのフロントエンド開発は、多彩なライブラリやフレームワークを活用することで効率的に実施できます。
JavaScriptに比べると遅いものの、Djangoテンプレートを使用することで、HTML、CSS、JavaScriptが不要になります。Pythonコードを使用してWebページをレンダリングすることも可能です。
Pythonは他のプログラミング言語に比べてシンプルで読みやすく、生産性と柔軟性を活かし開発における効率性を高めることができます。
バックエンド(サーバサイド)開発
Pythonのバックエンドフレームワークは、開発を迅速かつ容易にし豊富な機能を提供します。API開発、認証機能、セキュリティ機能などが可能です。
Webアプリケーション全体をPythonで開発できるため、生産性が高く多様なアプリケーション開発に対応できます。
データベース構築も非常に重要です。多くのデータベースシステムやORMツールが存在し効率よく開発できます。
Djangoフレームワークに代表されるように、PythonでWebアプリケーションを開発する際に人気のがあるフレームワークです。そのため多くの開発者に使用されており、データベース構築が容易になります。
4. ロボット
ロボット開発のプロトタイプ作成や高度な制御などのアプリケーションでPythonの有用性が高い特徴があります。Pythonは簡潔で読みやすい構文を持ち、多数のライブラリを提供しているため、ロボット開発における開発速度が向上します。
ロボット開発において一部では、リアルタイム性が要求される部分ではC++をはじめとする言語に劣るという意見があります。しかし、Pythonは豊富なライブラリと高い可読性から、プロトタイプ作成や高度な制御などのアプリケーションに向いています。
まとめ
Pythonを使ったWebアプリケーション開発では、大規模プロジェクトに適したDjangoは、小規模なWebアプリケーション開発に適したFlaskなどがあります。
目的とコストに応じてどのWebアプリケーションを活用するか検討することが大切です。
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スマホアプリのバックエンドのAPI実装も同ライブラリを用いて対応可能です。Webアプリケーション開発の分野でも高機能のフレームワークが提供されており、効率的に開発を行うことができるPythonですが、データ分析や機械学習のための有用なライブラリも多く提供されています。
バックエンドでこれらのライブラリを用いた高度な機能実装を要するケースではPythonによるWebシステム開発を検討するのがよいでしょう。
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