給与体系を見直す手順やタイミングを解説!ユニークな企業事例も紹介
- 給与体系を見直す適切なタイミングとは?
- 給与体系を見直す手順とは?
- 給与体系を見直す上でのポイントとは?
給与体系は、法改正や組織再編が起きた時に見直すのが一般的です。コンプライアンス遵守や組織体制の一新など、給与体系を見直す理由を述べやすく、比較的従業員も受け入れやすい傾向にあります。
しかし、給与体系は人事評価制度とも密接に関連しており、見直すのは簡単な作業ではありません。「どういった手順を踏むべきか」、「どこから見直すべきか」など、困っている人事担当者の方も多いでしょう。
この記事では、給与体系を見直すタイミング・手順・ポイントなどについてまとめました。
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給与体系とは給与の構成項目や支給基準をまとめたもの
給与体系は、基本給や各種手当などに関する構成項目・評価基準・決定方法をまとめたものです。労働基準法に基づき、「労働の対価として労働者が受け取る全ての報酬が給与」と定義づけられています。
金銭的な報酬に加え、社内食堂の利用や保養所の案内など、非金銭的な報酬も含まれます。給与は現金での支給が原則的なルールです。
給与は所定労働時間内外の対価に応じて、基準内賃金と基準外賃金に分けられます。
基準内賃金(所定内給与)
基準内賃金は労働の対価として従業員へ支払われる報酬です。従業員が最低限の生活を送れるよう、最低賃金が設定されています。基準内賃金は、所定労働時間内における労働への対価であり、毎月従業員へ支払う固定給です。
インセンティブを含めた基本給と毎月支給する各種手当が該当します。基本給と手当は従業員ごとによって異なる点が特徴です。基本給は、成績・勤続年数・役職など、企業への貢献度の高さに応じて変動します。基本給を算出する方法は以下の3種類です。
- 仕事給型
- 属人給型
- 総合給型
仕事給型
仕事給型は、労働のパフォーマンスを重視して基本給を決定するスタイルです。担当業務の内容(職務給)や職務遂行能力(職能給)によって、基本給で支払う金額を決定します。
配置転換が行われると一から仕事を覚えないといけません。給与も下がるため、従業員から反発される可能性が高いでしょう。配置転換に伴う減収を防ぐため、職務手当や役職手当を増額している企業もあります。
従業員にとっては、実務経験を積んでいけば、スキルやノウハウが身に付き、職能給に反映される仕組みです。
メリットは無駄な人件費の支払いを避けられる点で、デメリットは人員配置が難しい点です。
属人給型
属人給型は学歴や勤続年数など、従業員の個人的な属性を重視して基本給を算出するスタイルになります。終身雇用制や年功序列など、日本企業に長らく採用されてきた雇用制度を支えた仕組みです。
勤続年数が長い=企業への貢献度が高いと捉えられるため、年齢を重ねるほど基本給が増える点が特徴です。生活の安定や従業員に安心感を与えられます。
近年は職能給に加え、今後の期待を込めた役割給を手厚くしてバランスを取る企業も増えてきています。
デメリットは、従業員のスキルや成果が正当に評価されず、不満が出やすい点です。
総合給型
統合給型は仕事給と属人給双方の基準を活用し、基本給を決定するスタイルです。
メリットは従業員のスキル・担当職務・継続年数など、様々な要素を組み合わせるため、納得感の高い評価を下せる点です。
デメリットは適正な基本給の額を算出するために、多くの手間と高い評価スキルが必要な点です。公平性や納得感の高い評価に繋げるためには、外部研修の活用や外部企業に依頼するのも一つの選択肢です。
基準外賃金(所定外給与)
基準外賃金は、所定外労働時間の労働に対して支払う賃金を指します。基準外賃金は時間外労働手当や休日出勤手当など、毎月支給額が変動する点が特徴です。
基準外賃金は最低賃金や基礎賃金の適用対象には含まれません。どのような手当を支給するかは、会社の判断に委ねられています。
残業代を除くと、基本的には福利厚生の一環として支給される手当が多いです。通勤手当や住宅手当など、毎月一定額支給される手当に関しては、基準内賃金に含まれます。
基準外賃金の例
- 時間外労働手当
- 深夜労働手当
- 休日労働手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 臨時ボーナス
給与形態とは給与を支払う算出方法
給与体系と似ている言葉として「給与形態」が挙げられます。給与形態とは月給制や年俸制など、給与を支払う方法のことです。雇用形態や職種に応じて給与形態は変化します。
下記に主な給与形態のメリット・デメリットをまとめました。
給与体系を見直す3つのタイミング
以下3つに当てはまるケースが、給与体系を見直すタイミングになります。
1. 法改正があったとき
労働基準法や労働契約法など、労働関連の法律に改正があった場合は、自社の給与体系を見直す絶好の機会です。給与体系を見直す理由が明確なだけでなく、比較的スムーズな受け入れが期待できます。
コンプライアンス違反への視線は、年々厳しくなっているのが現状です。コンプライアンス違反に伴う社会的信用やブランドイメージの低下を避けるために、給与体系を見直すと強調しましょう。
新たな給与体系を導入する前に、変更点や経緯を丁寧に説明すると、従業員から理解が得られやすくなります。
2. 組織再編があったとき
新しい部署の設立や新事業立ち上げなど、組織再編の動きに合わせて給与体系を見直す企業も珍しくありません。特に社長が変わった場合は新たな方針を打ち出しやすく、新たな給与体系の導入が従業員に受け入れられやすい傾向にあります。
就業規則や社内規定の変更も併せて実施する場合、従業員が企業の方針を受け入れるための時間を確保できるよう、組織再編の数か月前には伝える場を設けることが大切です。事前予告もなく新たな方針が次々に打ち出されると、従業員が戸惑いや不信感を覚えます。
3. 会社の設立年数の区切り
創業50周年や100周年など、会社設立から節目を迎えるタイミングで給与体系を見直すのも1つの選択肢です。企業として新たな方向性を打ち出しやすく、従業員に新たな給与体系について説明するいい機会となります。
ただし、給与体系を入社の決め手にした方や同じ給与体系で長年過ごしてきたベテラン従業員など、全ての従業員が納得する保証はありません。給与体系見直しに至った経緯や従来の給与体系との変更点など、丁寧に説明することが重要です。
給与体系を見直す5つの手順
以下5つの手順に沿って給与体系を見直しましょう。
手順1. 賃金水準(給与水準)を調査する
自社の賃金水準が競合他社や一般的な給与水準と比べて、極端に低くないかを調査します。
多くの賃金を支給してくれる企業は、仕事への取り組みや成果を企業が高く評価している証拠でもあり、従業員にとって仕事を続ける原動力となります。
仮に自社の賃金水準が他社に比べ著しく低い場合、早急な改善が必要です。国内経済の低迷や不安定な社会情勢によって労働者の安定志向が高まり、良い労働条件で働ける大手企業に人気が集中しています。
市場で優秀な人材を獲得できる可能性は低く、従業員の流出を防ぐためにも賃金水準を見直しましょう。調査を行う際は、以下2つの調査結果を活用してください。
- 賃金構造基本統計調査
- 民間企業の調査
手順2. 現行の給与体系を見直す
給与体系のどの部分に社員が不満を抱いているかを調査します。改善点が曖昧な状態で給与体系の見直しを進めても、抜本的な改革につながる改善案を提示できません。
たとえば、社員から「仕事で挙げた成果や実績が給与に反映されていない」と、不満の声が多く聞かれたとしましょう。仕事給型・総合給型への移行や職能給を手厚くするなど、社員の貢献度を正当に評価する体制作りが重要です。
仕事ぶりが正当に評価されれば、従業員のモチベーションアップや生産性向上も期待できます。給与体系の課題や改善点を正確に把握してから、見直しにのぞみましょう。
手順3. 新しい給与体系を作成する
現行の給与体系を見直しつつ、これまで大切にしてきた企業文化や組織風土を失わないよう注意しましょう。たとえば、終身雇用制や年功序列制を重視してきた企業があったとします。
1人でも多くの社員に入社〜定年退職に至るまで働いてもらうことが、企業として大事にしてきた姿勢です。終身雇用制や年功序列の継続が目的ではありません。企業として大切にしている文化や姿勢は見失わずに、給与額を算出する評価方法だけを変更します。
勤続年数の長さと仕事での成果をバランス良く評価するため、基本給の算出方法を総合給型に移行するのが有効な選択肢です。既に総合給型を選択している場合は、仕事給型への移行や職能給の増額を検討しましょう。
手順4. 移行シミュレーションを実施する
新たな給与体系を導入する前、移行シミュレーションを入念に実施します。目的は2つです。
1つめは想定通りに賃金総額が算出されているかを確認します。予測からズレていた場合は再度改善し、給与体系の完成度を高めます。
2つめは減給となる社員へ丁寧な説明を行うためです。労働基準法に基づき、給与体系の見直しで従業員に不利益が被る場合は、従業員全員からの同意が原則的に必要になります。ただし、就業規則を変更し給与規定も改定すれば、例外的に減給が可能です。
就業規則を変更する際には変更点や減給の度合いなど、給与体系を見直す合理的な理由を提示しなければなりません。減給額を明確に示し、従業員から理解を得ます。
手順5. 社員に説明して理解を得る
シミュレーションを繰り返し導入に問題ないと判断できれば、社員に給与体系の変更を伝えます。給与体系を見直す経緯や変更点などを丁寧に説明し、社員から理解を得ましょう。
社員に周知するタイミングは、新たな給与体系を導入する数ヶ月前が望ましいです。導入直前に伝えると、社員に戸惑いや不信感をあたえます。
給与体系を変更する際は、労働組合の代表者または労働者の過半数代表者からの意見聴取を必ず実施しましょう。就業規則や給与規定の変更をする場合、労働基準監督署へ意見書の提出が必要です。
給与体系を見直す4つのポイント
自社に合った給与体系を導入するためには、以下4点のポイントを意識するのが重要です。
- 人事評価制度は正しく機能しているか
- 現在の給与体系の問題点を解消できるか
- 社員が得るべき対価に見合っているか
- 成果主義や能力主義も検討すべきか
ポイント1. 人事評価制度は正しく機能しているか
給与体系を見直す際、人事評価制度が正しく機能しているかも併せて見直しましょう。人事評価制度は等級・評価・報酬の3つの役割を担っており、給与体系と連動していないといけません。
参照元:OBC360°
また、会社への貢献度・スキル・勤務態度など、様々な視点から人事評価を下します。評価基準が曖昧な場合や評価手法のミスマッチが発生している場合、社員の士気や定着率は上がりません。人事評価への納得感や公平性を高められるよう、評価基準と評価項目を明確化しましょう。
人事評価制度が社員に浸透していない場合は、目的を周知する場を設けてください。人事評価は企業理念や将来のビジョンなど、自社の思いを伝えられる貴重な場でもあります。
人事評価制度の目的
- 企業理念やビジョンの浸透
- 個々の適性に応じた人員配置
- 組織力強化
- 人材育成
- 社員のモチベーションアップ
ポイント2. 現在の給与体系の問題点を解消できるか
配置転換後に給与が下がる、基本給の水準が低いなど、現行の給与体系の課題を解消できているかを入念に確認しましょう。課題を改善できていない状態で新たな給与体系を導入しても、見直しにかかった時間や手間が無駄になります。
社員からの不満も解消されず、生産性低下や離職者の増加につながるでしょう。給与体系の見直しは簡単ではありません。新たな給与体系導入に多くの時間がかかる点を念頭に置いた上で、従業員から理解が得られるよう移行シミュレーションを繰り返しましょう。
ポイント3. 社員が得るべき対価に見合っているか
給与体系の水準が、社員が得るべき労働の対価に見合っているかが重要です。前提として、従業員が最低限の生活を営める水準以上の給与額を設定しなければなりません。
生活の充実度=仕事の品質にも大きく影響してくるため、全ての従業員が最低限の生活を送れる水準をクリアしましょう。また、一般的な給与水準を上回っていたとしても、仕事の成果や社員のスキルを正当に反映していなければ、給与体系を見直した意義が失われます。
基本給の算出方法見直しや人事評価での評価基準明確化など、社員の貢献度が正しく評価される仕組み作りが重要です。
ポイント4. 成果主義や能力主義も検討すべきか
年功序列が原因で若手社員の定着率が高まらない場合、成果主義や能力主義の導入を検討するのも1つの選択肢です。成果や能力だけを評価する文化が社内で形成されると、チームワークの低下や人間関係の悪化を招きます。
成果主義は仕事で挙げた成果を評価し等級や報酬に反映する人事制度、能力主義はスキルや知識など業務遂行能力を評価する人事制度です。
2つの制度のメリット・デメリットを下記の表にまとめました。どちらを導入する場合でも、数値化できない部分や業務プロセスを評価する視点を持ちましょう。
ユニークな給与体系を採用している企業事例4選
ユニークな給与体系を採用している企業を4社紹介します。給与体系や人事評価制度を見直す上での参考としてご覧ください。
- 株式会社クラウドネイティブ
- 株式会社ソニックガーデン
- 株式会社UPDATA
- 株式会社カヤック
事例1. 株式会社クラウドネイティブ
株式会社クラウドネイティブは、ITに関するコンサルティングサービスを展開する企業です。同社では仕事ぶりや成果を自ら評価し、希望給与を社長に申告する「雰囲気給与」と呼ばれる自己申告制を採用しています。
理由を考えてから給与アップの申告をするため、自己評価や仕事に対する責任感が増します。
給与は全社員に公開されており、成果を出せなければ給与アップの正当性を問われるのは避けられないでしょう。仕事へ真摯に取り組み、継続的に成果を出さなければ給与アップは望めない環境が自然と作られています。
同社は従業員数が40人で、人事評価制度や人間関係の上下関係が無い点も大きな特徴です。
事例2. 株式会社ソニックガーデン
株式会社ソニックガーデンは、基幹システムの再構築やシステム開発などを行っています。同社の給与体系は、従業員数40名の給与と賞与を一律にしている点が特徴です。お金だけではなく、時間も貴重な報酬と捉えています。
仮に10日間で担当業務を終えられれば、20日間は自由に過ごせるとの考え方です。副業に励んで多くの報酬を手にしたり、家族と過ごす時間に活用したりするなど、自由に時間を使えます。
就業形態もリモートワークとフレックスタイム制を導入しており、プライベートな時間を確保しやすい環境です。
給与と賞与が従業員一律であるため、人事評価制度はありません。人事評価の運用や組織運営のコストを削減できます。
事例3. 株式会社UPDATA
株式会社UPDATAは、不動産会社向けのWebサイト構築やデータ活用のSaaSサービスを提供しています。同社の給与体系は、自己申告制+社員からのフィードバックをミックスしている点が特徴です。
希望の給与額を申告した後、同じチームで働く社員から申告額に対する意見をもらい、意見を考慮した上で最終的な額を申告します。社員同士で給与を決める形です。
日常的に自らの市場価値や給与の適正価格に関して考える習慣が身に付いている社員が多い企業に、適した方法と言えるでしょう。
事例4. 株式会社カヤック
株式会社カヤックはゲーム開発やWebプロモーション開発など、様々な事業を展開している企業です。同社の給与体系は、「サイコロ給」と「スマイル給」から構成されています。サイコロ給は、月給×出した目が賞与として上乗せされる形です。
たとえば、月給50万円の方が6の目を出した場合、50万+50万×0.06=53万が来月の給与となります。サイコロ給には、「人の評価を必要以上に気にせず、楽しく働く気持ちを大切にしてほしい」との願いが込められています。
一方、スマイル給は社員同士で感謝を贈り合うシステムです。スマイル給は0円で、金銭的報酬ではありません。仕事の成果を誰かに認められることで、やりがいや充実感を得られる点が特徴です。
給与体系見直しを効率的に進める2つの方法
給与体系や人事評価制度の見直しを効率化する方法は、以下の2つです。
- BPOサービスの活用
- 人材コンサルティング会社の活用
1. BPOサービスの活用
BPOは(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略で、人事・経理・総務などバックオフィス業務プロセスの一部を外部企業に委託することです。
BPOサービスを利用するメリットは、人事担当者の業務負担を軽減できる点です。給与計算や労務管理など、工数の掛かる業務を外部企業に委託できるため、人事担当者は給与体系や人事制度の見直しに集中できます。
デメリットとしては、多くの業務を委託すると社内にノウハウが蓄積されないことが挙げられます。サービスを利用する前に、委託する業務の範囲を絞っておくことが重要です。
2. 人材コンサルティング会社の活用
人材コンサルティングを活用するメリットは、高品質なアドバイスを提案してもらえるので、課題の早期解決が可能な点です。
コンサルティング会社がの企業ホームページで得意分野や実績を確認し、複数の候補会社をリストアップしてから絞り込みを行いましょう。
給与体系見直しに関するよくある質問
給与体系見直しに関して多くの方が気になっている質問をまとめました。
- 給与の減額が認められるケースは?
- 中途採用者が増えた場合の対応は?
給与の減額が認められるケースは?
給与体系や人事評価制度の見直しに伴う減給は、必要な手続きを踏めば問題ありません。従業員全員から同意を得るか、就業規則変更と給与規定改定を実施すれば、給与体系の見直しに伴う減給が認められます。
人事評価に伴う減給は年齢や性別による差別的な仕組みが無い限り、問題ありません。規律違反行為に対して懲戒処分を下す場合も、合理性が認められれば減給が認められます。
給与の減給が認められないケースは、企業側が給与の減額を一方的に決めた場合です。労働基準法によって従業員の不利益になる行為は、事前通知や同意獲得が必要と定められています。
中途採用者が増えた場合の対応は?
中途採用者の給与を決定する場合、賃金モデルを決めておくと給与決定を効率的に進められます。賃金モデルは、新卒採用者が標準的なペースで昇進した場合の推移を表したものです。
実在する社員を基に形成した実在者モデルを採用すると、よりリアルな情報に基づいて給与を決定できます。基本給の算出には職務給を重視してください。年齢・勤続年数・学歴に関係なく同じ金額を支給でき、従業員からの不満を抑えられるでしょう。
まとめ
この記事では以下の4点について述べてきました。
- 給与体系を見直す適切なタイミング
- 給与体系を見直す手順
- 給与体系を見直す上でのポイント
- 給与体系見直しを効率化する方法
給与体系を見直す上で重要なポイントは、人事評価制度が機能しているか併せて確認することです。人事評価制度は等級や報酬を決定する役割を担っており、給与体系と密接に結びついています。
ただし、通常業務をこなしながら、給与体系や人事評価制度の課題を可視化するのは大変でしょう。人的リソースに乏しい企業の場合、勤怠管理や福利厚生の整備など、労務管理の仕事を兼任しているケースが珍しくありません。
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1971年生まれ。埼玉県川口市出身。法政大学理工学部建築学科卒業。大学卒業後は某ビールメーカーの飲食部門を始め、数社の飲食チェーンにて、店長、スーパーバイザー、営業推進、人事総務部門で勤務する。これらの経験を経て、企業における人材の重要性を再確認し社会保険労務士として独立開業する。得意な業界は出身である飲食業界をはじめ、建設業や小売業など。モットーは「満足度重視」「誠実対応」「迅速対応」。
給与体系とは、「給与項目の構成」と「各給与項目の決定方法や支給基準」を示します。給与項目は大きく分けると、基準内賃金(基本給、役職手当、家族手当など固定的給与)と基準外賃金(時間外手当、歩合給など変動的給与)に分かれます。
その中でも基本給は給与の大部分を占めているために、その決定方法や支給基準は非常に大切なものとなり従業員のモチベーションに大きく影響を与えます。日本では年功序列を前提とした「職能給制」が中心でしたが、近年では成果主義型の「職務給制」へシフトしてきている傾向にあります。
また給与体系を見直すうえで、同一労働同一賃金(正社員と非正規社員の不合理な待遇差が無いか)も今後は勘案する必要があります。時流や法改正を考慮すると、今はどの会社も給与体系を見直すタイミングかも知れませんね。
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もしも今現在、
- どの社会保険労務士に依頼したらいいかわからない
- 労働法に詳しい社会保険労務士に依頼したい
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