業務システムとは?基幹システムとの違いや3つの導入メリットを解説

株式会社GeNEE
監修者
株式会社GeNEE 代表取締役 日向野卓也
最終更新日:2024年03月27日
業務システムとは?基幹システムとの違いや3つの導入メリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • 業務システムとは?
  • 業務システムと基幹システムとの違いは?
  • 業務システムの導入方法は?

業務システムとは、特定の業務や目的のために使用する情報システムです。社内業務の効率化やデータ管理に適しています。業務の効率化を図るためには、自社にあったシステムを構築することが大切です。

この記事では、業務システムや業務改善に興味を持つ方に向けて、概要や主な種類、メリット・デメリットを解説します。

記事を読み終わった頃には、業務システムへの理解が深まり、導入の検討がしやすくなるでしょう。「業務システムを自社に導入すべきか」「ERPシステムや基幹システムとの違いを知りたい」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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業務システムとは特定業務の効率化を図るシステム

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業務システムとは特定業務の効率化を図るシステムです。多くの企業が、業務品質の向上や作業工数の削減を目的に導入しています。たとえば、経理担当者が会計ソフトを導入することにより、手入力や長時間労働から解放され、付加価値の高い業務に集中できるメリットがあります。

業務システムの導入を検討する際には、自社に最適なシステムを選定することが重要です。業務システムの導入は、企業の業務効率化に貢献します。

業務システムの種類

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主要な業務システムの種類は下記のとおりです。

種類 特徴
会計管理システム 帳簿作成・キャッシュフロー管理・請求書作成など会計業務を一括で管理
顧客管理システム 顧客の基本情報や購入履歴など顧客情報を管理
生産管理システム 製品の品質データや製造のコスト・人員配置など生産に関するデータを管理
在庫管理システム 製品の在庫や状態の管理・製品の原材料の管理など商品在庫に関するデータを管理
販売管理システム 商品の注文や予約・出荷・売上など販売に関する情報を管理
人事管理システム 従業員の個人情報や部署給与情報などを人事関係のデータを管理
勤怠管理システム 社員の出勤退勤・休暇の取得・残業時間など勤務状況に関するデータを管理

業務システムの種類は多岐にわたります。企業が必要とする業務システムは単一ではなく、部署や業務の性質に応じて異なります。たとえば、人事管理や勤怠管理など、業務ごとに専用のシステムがあります。

複数の業務システムを組み合わせることで、より効率的な業務フローを構築することが可能です。

業務システムと他のシステムとの違い

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業務システムと他のシステムとの違いは下記のとおりです。

  1. 業務システムと基幹システムの違い
  2. 業務システムと情報系システムの違い
  3. 業務システムとERPシステムの違い

1. 業務システムと基幹システムの違い

業務システムと基幹システムでは、企業の業務における役割が異なります。業務システムは特定の業務を効率化するシステムであり、そのなかでも基幹システムは企業運営の根幹を担うシステムです。

業務システムは特定の業務の効率化や支援に焦点を当てており、企業全体の機能に直接関与するわけでありません。たとえば、製造業では生産管理システムや販売管理システムが基幹システムであり、銀行では会計勘定処理システムが基幹システムに該当します。

2. 業務システムと情報系システムの違い

業務システムと情報系システムでは、企業の業務プロセスにおける役割が異なります。業務システムは、特定業務の効率化や支援を目的としていますが、情報系システムは、情報の共有やコミュニケーションの促進が目的です。

情報系システムにはチャットツールや社内SNSが該当し、業務の円滑な進行を促進します。

3. 業務システムとERPシステムの違い

業務システムとERPシステムでは、情報管理の面で違う役割を果たします。ERPシステムは部門間の複数の基幹業務データを一元管理するシステムです。

ERPシステムに含まれる業務は、下記のとおりです。

  • 会計業務
  • 人事業務
  • 生産業務
  • 物流業務
  • 販売業務

業務システムは特定業務の効率化に焦点を当てていますが、ERPは複数のシステムを統合管理することを目的としています。ERPシステムは他部署の情報を閲覧できるため、部署間の情報共有がスムーズになります。

業務システムの3つのメリット

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業務システムのメリットには、下記3つが挙げられます。

  1. メリット1. 人的ミスを削減できる
  2. メリット2. データの一元管理ができる
  3. メリット3. 機能障害やメンテナンスを限定できる

メリット1. 人的ミスを削減できる

業務システムのメリットは、人的ミスの削減が挙げられます。業務システムの導入は、手作業でのデータ管理を置き換え、正確かつ迅速な処理を可能にします。

データ管理の手作業では、人為的なミスやデータの紛失が発生するリスクが高いです。業務システムを導入することによって人的ミスのリスクを低減できます。

紙や個人PCでの管理に比べ、データの管理が効率的に行われるため、作業スペースの節約やデータの正確性の向上にもつながります。

メリット2. データの一元管理ができる

業務システムのメリットは、データの一元管理ができることです。部門や拠点を超えてデータを一元管理し、必要な情報を迅速に検索・分析できる環境を提供します。

従来の人為的なデータ管理では、データの量が増加すると管理や更新が困難になりました。業務システムを導入することによって管理の問題が解消されます。業務システムの管理下では、データの品質が保持され、データの管理が容易になります。

メリット3. 機能障害やメンテナンスを限定できる

機能障害やメンテナンスを限定できることは、業務システム導入のメリットです。大規模なシステムの場合、障害発生時の影響範囲が広く、企業全体の業務に支障をきたす可能性があります。

業務システムは個別の業務ごとに導入されるため、障害やメンテナンスが1つのシステムにとどまり、被害を最小限に抑えられるでしょう。業務システムの個別導入は、リスクを分散し、システムの安定稼働と事業継続性を確保する効果があります。

業務システムの3つのデメリット

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業務システムのデメリットには、下記の3つが挙げられます。

  1. デメリット1. 専門知識が必要になる
  2. デメリット2. 構築までに時間・費用がかかる
  3. デメリット3. 業務遅延のリスクがある

デメリット1. 専門知識が必要になる

業務システムのデメリットとして、専門知識が必要になることが挙げられます。業務システムを適切に活用するためには、専門知識が必要です。従業員がシステムを正しく操作できなければ、システム導入の意味がありません。

業務システムの使用方法を習得するためには、従業員に対して適切なトレーニングや引継ぎが必要です。専門知識を持たない従業員がシステムを操作すると、効果的な業務改善が期待できません。

デメリット2. 構築までに時間・費用がかかる

業務システムの導入には、時間と費用がかかるデメリットが発生します。システム導入には、業務フローの調査や機能の検討などの作業が必要です。システムの外部委託を行う場合は、業務フローの確認やシステム構築に必要な機能の精査に、多くの労力と時間が必要です。

自社でシステムを開発する場合は、開発に関わる費用や時間がかかるため、導入前に総合的なコストを考慮する必要があります。

デメリット3. 業務遅延のリスクがある

業務システムの導入は、業務遅延のリスクがあります。業務システムの障害やトラブルにより、システムに依存する業務プロセスが途切れた場合、業務遅延や停止が発生します。

業務に影響を及ぼす可能性があるため、システム障害に備えた事前のリスク管理と対処策の検討が重要です。

業務システムを導入する際の4つのポイント

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業務システムを導入する際のポイントには、次の4つがあります。

  1. 業務フローを洗い出す
  2. 現状の課題を明確にする
  3. 予算や費用対効果をもとに検討する
  4. メンテナンス費用を考慮する

1. 業務フローを洗い出す

業務システムを導入する際のポイントとして、業務フローを洗い出すことが挙げられます。 システム導入にあたり、業務の流れや手順を正確に把握することが重要です。

現場でのヒアリングやアンケート調査を通じて、業務フローにおける課題やニーズを把握しましょう。業務システムは、現状の業務フローを理解したうえで、課題解決に役立つ機能を備えたシステムを選ぶことが重要です。

業務フローが不明確なまま導入した場合、システムが業務に合わず、無駄なコストや時間をかけてしまう可能性があります。

2. 現状の課題を明確にする

業務システムを導入する際には、現状の課題を明確にすることが重要です。現状の課題を把握することで、必要な機能や改善ポイントが明らかになります。

業務担当者や従業員からのフィードバックを通じて、現場での課題やニーズを把握しましょう。明確な課題定義は、システム導入の方針を決定するうえで重要です。課題の抽出が曖昧な場合は、適切なシステムを選べず、導入効果が得られない可能性があります。

3. 予算や費用対効果をもとに検討する

業務システム導入の際には、予算や費用対効果をもとに検討することが必要です。適切な業務システムを選定するためには、予算内で最大限の効果を得られるかどうかを検討しましょう。

予算範囲内で必要な機能やサービスを優先的に選定することで、費用対効果の高いシステム導入が可能です。

業務システムは高額な投資となるため、導入前に費用対効果を徹底的に検証しましょう。費用に見合わない効果しか得られない場合、投資が無駄になる可能性があります。

4. メンテナンス費用を考慮する

業務システムの導入には、メンテナンス費用を考慮する必要があります。業務システムの安定稼働と継続的な利用のためには、適切なメンテナンスが必要です。

業務システムは導入後のメンテナンスが重要です。長期的な視点で計画を立て、安定稼働を実現する必要があります。システムは常に進化するため、定期的なアップデートやバージョンアップが必要です。

業務システムを導入する際の注意点

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業務システムを導入する際の注意点には、次の4つがあります。

  1. アプリケーションの脆弱性やバグ
  2. ネットワークセキュリティ
  3. 情報漏えい
  4. 自然災害

1. アプリケーションの脆弱性やバグ

注意点の1つに、アプリケーションの脆弱性やバグが挙げられます。業務システムは、インターネット接続やデータの集中管理により、サイバー攻撃の標的になりやすい側面があります。

アプリケーションの脆弱性やバグ、ネットワークの脆弱性などが悪用され、情報漏えいなどの重大な被害を受ける可能性が高いです。

アプリケーションの脆弱性やバグへの対応策は、下記のとおりです。

  • 定期的な脆弱性診断とセキュリティパッチの適用
  • 従業員へのセキュリティ教育の実施
  • セキュリティ対策ツールの導入
  • データの暗号化

多層的なセキュリティ対策を講じることで、サイバー攻撃のリスクを軽減できます。

2. ネットワークセキュリティ

業務システムの注意点として、ネットワークセキュリティがあります。ネットワークのセキュリティが甘い場合、不正侵入のリスクが高まります。不正侵入された場合、機密情報の漏えいやシステムの乗っ取りなどの被害が発生するでしょう。

ネットワークのセキュリティホールを突かれると、不正アクセスによって機密情報が漏えいする可能性があるため、適切なセキュリティ対策が必要です。

3. 情報漏えい

業務システムにおける情報漏えいには注意が必要です。情報漏えいは、内部不正や人的ミス、システムの脆弱性などが原因で発生し、企業にとって致命的なダメージを与える可能性があります。

情報漏えいへの対策は、下記のとおりです。

  • 情報セキュリティポリシーの策定と周知
  • アクセス権限の管理
  • 持ち出し可能なデータの制限
  • 情報漏えい発生時の対応手順の策定と周知

情報漏えいリスクを最小限に抑え、企業の信用を守るために、徹底した対策が必要です。

4. 自然災害

業務システム導入の注意点として、自然災害があります。自然災害やシステム障害などによる事業中断リスクに備え、BCP対策を策定しておくことが重要です。

BCP対策とは、企業が災害やテロ、システム障害などにより通常の運用ができない場合でも、核となる事業を継続するための対策です。災害発生時に迅速な復旧作業を行うことで、被害を最小限に抑えられます。

業務システムの4つの導入方法

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業務システムの導入方法には、次の4つがあります。

  1. 自社開発
  2. スクラッチ開発
  3. フレームワークを用いた開発
  4. Microsoft Accessによる開発

1. 自社開発

自社開発では、ニーズにあわせた完全オリジナルのシステムが構築可能です。業務内容や規模、予算にあわせて、機能やデザインを自由に設計できます。

業務システムの自社開発は下記に適しています。

  • 複雑な業務フローや独自の機能を必要とする場合
  • 既存システムとの連携やデータ移行をスムーズに行いたい場合
  • 将来的な拡張性や柔軟性を重視する場合

自社開発は、 開発期間や費用が高額になりやすい点や、専門知識を持ったエンジニアが必要になる点に注意しましょう。

2. スクラッチ開発

スクラッチ開発では、既存のひな形を使わず、完全にオリジナルのシステムを構築します。スクラッチ開発とは、既存のソフトウェアやシステムのフレームワークを使わず、ゼロベースでソフトウェアを開発する手法です。

スクラッチ開発では、既存のシステムとの互換性がなく、すべてをゼロから作り上げる必要があります。業務に最適なシステムを作成できますが、開発コストと時間がかかります。

3. フレームワークを用いた開発

業務システムの開発方法には、フレームワークを用いた開発があります。既存のフレームワークを活用することで、開発期間と費用を削減できます。カスタマイズも可能なため、自社のニーズにあわせたシステムを構築可能です。

フレームワークを用いた開発は下記の場合に適しています。

  • 標準的な業務フローでカスタマイズを希望する場合
  • 短期間でシステムを導入したい場合
  • 開発コストを抑えたい場合

フレームワークを用いた開発は、自由度が低く、複雑な機能や独自の要件に対応できない点に注意しましょう。

4. Microsoft Accessによる開発

Microsoft Accessを活用することで業務システムの開発が可能です。Microsoft Accessを用いることで、小規模なシステムを短期間且つ低コストで構築できます。Microsoft Accessは、特別なプログラミング知識がなくても、比較的簡単に操作ができる点が特徴です。

Microsoft Accessによる開発は、下記の場合に適しています。

  • データ管理や簡単な帳票作成などシンプルな機能を必要とする場合
  • 費用を抑えたい場合
  • 短期間でシステムを導入したい場合

Microsoft Accessは、扱えるデータ量や機能に制限があるため、大規模なシステムには向いていません。

Microsoft Accessのくわしい解説は以下の記事を参考にしてください。

まとめ

業務システムは、特定業務の効率化を図るための情報システムです。自社の業務を効率化・円滑化できるため導入を進める企業が増えています。業務システムを導入することにより人的なミスが減少し、データ管理がしやすくなります。

業務システムの導入を検討する際は、自社の業務ニーズを明確にし、最適なシステムを選定することが重要です。自社にエンジニアやノウハウがない場合は、システム構築のプロに任せるのも1つの選択肢です。

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監修者のコメント
株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

ERP(Enterprise Resources Planning:統合基幹システム)は、全社横断的な複数システムから構成されるため、各事業部(又は部署)が保有する内部データの全社的な活用や事業部を超えた社内全体の業務効率化を可能とします。また、ERPの導入により、人件費の削減や顧客満足度の向上につながるケースも多いです。

その一方、既存システムが抱える問題や課題、導入するERPの方向性(パッケージやフルスクラッチ開発によるシステム)をしっかり定義できていないと、現状以上に人的コストや金銭的コストが発生する可能性があることを忘れてはいけません。

これらを防止する策として、実行段階まで責任を担うタスクフォースチームを組成し、現状業務の洗い出しや理想のシステム連携像などについてしっかりと議論し、その後にベンダーやシステム開発会社とも綿密な打ち合わせを重ねてからERP導入の意思決定を行うことが重要になります。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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