データベースサーバとは?4つの基本性能や導入手順をわかりやすく解説

Tech School for Change Makers
監修者
最終更新日:2024年03月28日
データベースサーバとは?4つの基本性能や導入手順をわかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • データベースサーバとは?
  • データベースの基本性能は?
  • データベースサーバを運用する手順は?

データベースサーバとは、情報システムを一元管理し、必要なデータの記録や読み書きを行うための機能を実装したサーバです。データベースサーバを活用することで、データの管理や検索、更新などをスムーズかつ迅速に行うことができます。

この記事では、データベースサーバに興味を持つ方に向けて、データベースサーバの役割や4つの基本性能を解説しています。選定や構築手順、運用管理のポイントなども解説しているため、理想的なデータベース環境の構築に役立つでしょう。

「データベースサーバの役割を知りたい」「Webシステムとの関連性は?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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データベースサーバとは

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データベースサーバはデータの管理からバックアップまでを行うサーバです。サーバ内にはデータベースを制御・管理するシステム(DBMS:database management system)が組み込まれています。

データベースサーバは、データの保存や各種アプリケーションとの連携が役割です。万が一のデータ損失に備えて、定期的なバックアップが必須です。

データベースサーバの役割は4つ

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データベースサーバが持つ役割は以下のとおりです。

セキュリティ 顧客情報や製品情報など重要な情報資産はデータベースサーバに保管される
検索機能 高速な検索機能により業務効率を大幅に向上させる
データの分析 売上推移や顧客行動データを分析することでデータの潜在価値を引き出す
アプリケーションとの連携 WebサイトやECサイトなどアプリケーションと連携してデータを活用できる

データベースサーバには、顧客情報や製品情報など組織に重要な情報資産が保管されています。膨大なデータから、必要な情報だけを瞬時に検索することで業務効率化が可能です。

売上推移や顧客行動など、データベースに蓄積されたデータを分析することでデータの潜在価値を引き出します。WebサイトやECサイトなどのアプリケーションと連携することで、データのシームレスな活用が可能です。

データベースサーバは、単なるデータ保管装置ではなく、組織の競争力を左右する重要なインフラといえるでしょう。

Webシステムの基本的な構成は3層構造

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Webシステムの基本的な構成は下記の3層構造です。

  1. ウェブサーバ
  2. アプリケーションサーバ
  3. データベースサーバ

1. ウェブサーバ

ウェブサーバの役割は次のとおりです。

  • ユーザーからのリクエストを受け付ける
  • 静的コンテンツを直接提供する
  • 動的コンテンツ生成のためにアプリケーションサーバに要求を出す
  • ユーザーに情報を表示する

ウェブサーバは、ユーザーとの接点となる層です。ブラウザからリクエストを受け、HTMLファイルや画像などの静的コンテンツを直接提供します。

2. アプリケーションサーバ

アプリケーションサーバの役割には、次が挙げられます。

  • データベースサーバから必要な情報を取り出す
  • ビジネスロジックに基づいて処理を行う
  • 動的コンテンツを生成する
  • ウェブサーバに結果を返す

アプリケーションサーバは、プログラムを実行するシステム階層です。データベースサーバから必要な情報を取り出し、ユーザーの要求にあわせた動的コンテンツを生成します。

動的コンテンツとは、訪問時間や位置情報、デバイスなどのユーザー固有の要因に基づいて変化するコンテンツです。

3. データベースサーバ

データベースサーバの役割は、次のとおりです。

  • データを保管・管理する
  • アプリケーションサーバからの要求を受けて必要なデータを検索・提供する
  • データベース管理システム(DBMS)を用いてCRUDを行う

データベースサーバは、データを安全に保管・管理する層です。アプリケーションサーバからの要求を受け、必要なデータを効率的に検索・提供します。

データベースサーバの4つの基本性能

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データベースサーバとは、データの記録・読み書きを実行するシステム階層です。データベースサーバの基本性能は、次の4つになります。頭文字を取ってCRUD(クラッド)と呼びます。

  1. データの作成(Create)
  2. データの読み出し(Read)
  3. データの更新(Update)
  4. データの削除(Delete)

1. データの作成(Create)

データベースサーバでは、データの作成を行います。新しいエントリを作成し、データベースに情報を追加します。

データの作成は、下記が該当します。

  • オンラインショップで新規顧客登録を行う
  • 社内システムで社員情報を登録する
  • ブログで新しい記事を作成する

新しい顧客情報や商品情報、注文情報など、必要なデータをデータベースに新規登録します。

2. データの読み出し(Read)

データベースサーバでは、データの読み出しを行います。データベースに保存された必要な情報を検索し、ユーザーに表示します。

データの読み出しは、下記が該当します。

  • オンラインショップで商品検索を行う
  • 社内システムで顧客情報を閲覧する
  • ブログの記事を閲覧する

3. データの更新(Update)

データベースサーバでは、データの更新を行います。登録された既存のデータの修正が可能です。

データの更新には、下記が該当します。

  • オンラインショップで顧客情報を更新する
  • 社内システムで社員情報を変更する
  • ブログの記事を更新する

顧客情報の変更、商品情報の更新など、データベースに保存されたデータを変更します。

4. データの削除(Delete)

データベースサーバでは、データの削除を行います。不要なデータを削除することで、ストレージ容量を節約し、データベースの効率化を図ります。

データの削除には、下記が該当します。

  • オンラインショップで退会処理を行う
  • 社内システムで社員の情報を削除する
  • ブログの記事を削除する

データベースサーバの導入手順3ステップ

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データベースサーバの導入手順は、次の3ステップとなります。

  1. 目的にあったサーバを選ぶ
  2. データベースサーバを構築する
  3. データベースサーバを運用する

1. 目的にあったサーバを選ぶ

データベースサーバの導入にあたっては目的にあったサーバを選びます。データベースサーバを選ぶ際に考慮するポイントは、下記の3つがあります。

  • サーバの種類(クラウド型 ・オンプレミス型)
  • 性能と料金
  • セキュリティ対策

サーバの種類(クラウド型 ・オンプレミス型)

サーバには種類があり、代表的なサーバにはクラウド型とオンプレミス型があります。

クラウド型とオンプレミス型の特徴やメリットは下記のとおりです。

  クラウド型 オンプレミス型
特徴 オンライン上のサーバで提供されるシステムやサービスをインターネットを通じて利用する サーバマシンを購入して自社に設置して運用・管理する
メリット ・初期コストを抑えられる
・システム管理を提供会社に任せられる
・バージョンアップは無償である場合が多い
・インターネット環境では特別な設定なしでアクセスが可能
・管理体制が適切な場合は情報漏えいリスクは少ない
・カスタマイズ性が高く既存システムとの連携も容易
デメリット ・ランニングコスト(月額料金)が発生する
・カスタマイズ性に制限がある
・初期コストが高額
・システム管理担当者を社内に確保する必要がある
・バージョンアップに費用がかかる
・社外からアクセスするにはVPN接続などの設定が必要

クラウド型は、初期コストを抑え、運用管理をアウトソーシングしたい場合に最適です。オンプレミス型は、高度なセキュリティと柔軟なカスタマイズ性を求める場合に最適です。

性能と料金

取り扱うデータ量やアクセス数、必要な機能に基づいて最適なスペックを選択してください。取り扱うデータ量により料金は大きく異なります。性能がよいデータベースサーバを選べば問題がないとは限りません。

性能を持て余すと、無駄なコストが発生します。コストと性能のバランスが取れていることが重要です。

セキュリティ対策

データベースサーバは重要な情報資産を扱うため、厳重なセキュリティ対策が必要です。アクセス権限の管理やデータ暗号化、ファイアウォールの設置などを考慮しましょう。

2. データベースサーバを構築する

サーバを選んだ次のステップとして、データベースサーバを構築します。データべースサーバの構築手順は下記のとおりです。

  • ハードウェアとソフトウェアの選定
  • インストールと設定
  • データ移行
  • テストと調整
  • 本稼働
ハードウェアとソフトウェアの選定 ・必要なスペックを満たすサーバハードウェアを選択
・データベース管理システム(DBMS)を選択
・オペレーティングシステム(OS)を選択
インストールと設定 ・サーバハードウェアにOSをインストール
・DBMSをインストール
・必要に応じてセキュリティ対策ソフトをインストール
データ移行 既存のシステムから新しいデータベースサーバへデータを移行
テストと調整 ・動作確認とパフォーマンステストを実施
・問題がある場合は修正
本稼働 テストと調整が完了した後に本番環境へ移行

データベースサーバを構築する際、厳重なセキュリティ対策が必要です。サーバにアクセスするための権限を設定し、アクセス範囲を限定してデータを守りましょう。

サーバの性能を確認するために考慮すべきポイントは、下記の4点です。

  • 応答時間
  • 処理能力件数
  • データ量
  • CPU使用率

使用率が100%に近づくことで応答時間が長くなるため、使用のピーク時を想定して余裕を持ったCPU使用率を設定することが重要です。

3. データベースサーバを運用する

テストと調整の後にデータベースサーバを運用します。データベースサーバの運用には、下記5点が重要です。

監視と管理 ・サーバの稼働状況やパフォーマンス/セキュリティなどを監視する
・必要に応じて設定変更やチューニングを行う
バックアップと復旧 ・データ損失を防ぐために定期的にバックアップを取る
・データ損失が発生した場合に備えて復旧手順を準備する
アップデート ・脆弱性が発見された場合はアップデートを適用して攻撃を防ぐ
・最新の機能を活用するためにアップデートを行う
・バグを修正するためにアップデートを行う
トラブル対応 トラブルが発生した場合を想定して迅速に原因を特定し復旧作業を行う
定期的なメンテナンス サーバの安定稼働のために定期的なメンテナンスを行う

データベースサーバの導入は、計画的な準備と専門的な知識に基づいて行うことが重要です。

注目を集める「サーバレス」とは

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「サーバレス」とは、サーバの構築や運用をすべてサービス提供者に委託したクラウド型のサービスです。従来のデータベースサーバは、自らでサーバを構築・運用する必要がありましたが、アプリケーション開発に集中できる特徴を持ちます。

「サーバレス」のメリット・デメリットは下記のとおりです。

サーバレスのメリット サーバレスのデメリット
・サーバのメンテナンスが不要
・課金制のためコストを削減できる
・自動でキャパシティ調節ができる
・ベンダーロックインとなりやすい
・既存のコードが使えない
・機能制限がある
・ステートを保持する機能がない
・レスポンスが低い

「サーバレス」には「既存のコードが使えない」「機能制限がある」などのデメリットがあります。専用サーバとは異なるため、思いどおりに使えないことがあります。メリットとデメリットを踏まえて検討しましょう。

まとめ

データベースサーバは、データの管理からバックアップまでを行うサーバであり、データを保管・管理する役割を果たします。データベースサーバを活用することで、データの管理や検索、更新などをスムーズに行います。

データベースサーバを選択する際は、自社の目的にあった性能のサーバを選ぶことが重要です。コストや保守管理に不安を感じる場合は、すべてをサービスベンダーに任せられるサーバレスの利用がおすすめです。

自社にノウハウがない場合は、システム構築のプロに任せるのも1つの選択肢です。「比較ビズ」では、必要事項を入力すると2分程度で、目的や用途にあわせたシステム開発会社をスピーディーに探せます。ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
Tech School for Change Makers
仲条高幸

ドイツのベルリン在住。『なかじょのプログラミング|メタバース入門』という登録者数2250人以上のYouTubeチャンネルを運営。Udemy講師としてプログラミングやメタバースに関する講座を出しており、受講生4000人以上。LINE API Expert としても月に一度活動中。TSfCM (Tech School for Change Makers)という社会変革をテクノロジーで起こすスクールも運営。

大量のデータを高速かつ安全に保存したり、アクセスしたりするための機能が備わっているのがデータベースサーバーで、そのサーバ上に保存されているデータの集合がデータベースで、情報を追加したり検索したり、更新したり、削除するための仕組みが備わっています。

この「追加・検索・更新・削除」を英語にすると「Create, Read, Update, Delete」となり、頭文字を取ってCRUD(クラッド)と呼んだりもします。データベースサーバとデータベースは、コンピュータシステムにおいて、大量のデータを効率よく管理するために不可欠です。

企業や組織では、情報システムの構築や運用において、データベースサーバとデータベースを活用することで、データの管理や検索、更新などをスムーズかつ迅速に行うことができます。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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