青色申告決算書と収支内訳書の違いは?それぞれのメリットと書き方を解説
- 青色申告決算書と収支報告書の違いとは?
- 青色申告決算書の種類とは?
- 青色申告決算書と収支報告書の書き方とは?
「自社に適した確定申告は?」「青色申告決算書と収支報告書の違いは?」とお悩みの方、必見です。個人事業主が確定申告をするときは、青色申告か白色申告かを選択します。
青色申告では、青色申告決算書を使用し、白色申告では収支内訳書を使用します。それぞれの書き方や特徴を理解し、自社に適した方法で確定申告を行いましょう。
この記事では、青色申告決算書と収支報告書の違いや書き方を解説します。記事を読み終わる頃には、確定申告に取り掛かれるでしょう。
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青色申告決算書と収支内訳書の違い
青色申告決算書は青色申告で利用し、収支内訳書は白色申告で利用します。
青色申告決算書は、全部で4ページあり、損益計算書・損益計算書の内訳・賃借対照表が必要です。収支内訳書は、全部で2ページあり、貸借対照表が不要で青色申告決算書よりも作成しやすい特徴があります。
青色申告決算書は、11月〜12月上旬に送付されたものを利用するか、税務署のホームページから取得します。収支内訳書のフォーマットは、税務署の窓口もしくは国税庁のホームページで取得が可能です。
国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」を利用することで、必要項目を入力後、確定申告に必要な収支内訳書を自動で作成できます。
青色申告決算書の4つの種類
青色申告決算書には、4つの種類があります。
- 一般用
- 農業所得用
- 不動産所得用
- 現金主義用
業種にあわせて、申告書の種類を変えて利用しましょう。
一般用
一般的な青色申告決算書は、さまざまな業種に適用可能な汎用性を持っています。青色申告決算書のなかで、多くの人に利用される様式といえるでしょう。
4ページ目では貸借対照表に加えて、製造業に特化した製造原価計算書を記入するスペースが設けられています。
農業所得用
農業所得用は、自営業で農業を行っている個人事業主向けの青色申告決算書です。
農業所得用の青色申告決算書には、農業で利用する特有の勘定科目が損益計算書に設けられています。2ページ目には各田畑ごとの収穫量を詳細に記載する欄も用意されているため、収穫量を正確に記入しましょう。
不動産所得用
不動産所得用は、不動産の所在地・賃借人・賃貸料などが記載でき、不動産業を営んでいる個人事業主向けの決算書となります。
不動産所得用の青色申告決算書には、損益計算書に不動産賃貸業特有の勘定科目が設けられています。2ページ目に各不動産物件ごとの詳細情報を記載できるため、不動産情報を正しく管理しておきましょう。
現金主義用
経理初心者でもわかりやすい申告書が、現金主義用の青色申告決算書です。現金主義用は「所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」を税務署に提出しなければなりません。
会計上の取引には、発生主義と現金主義の考え方があります。
- 発生主義:現金の動きではなく、取引が発生した時点で会計処理をする
- 現金主義:現金の受け取りや支払いが発生した時点で会計処理をする
青色申告では、一般的に発生主義に基づいた記帳が求められますが、現金主義用の申告書は収入や費用の計上を「現金主義」で行えます。現金主義の届出書を提出できるのは、前々年度の所得金額(事業所得と不動産所得の合計)が300万円以下の方に限られるため注意しましょう。
青色申告書の書き方
青色申告書の書き方は、以下の流れです。
- 損益計算書
- 損益計算書の内訳(売上・仕入など)
- 損益計算書の内訳(減価償却費・地代など)
- 貸借対照表
複数のページで金額に間違いが無いようにチェックしましょう。
1. 損益計算書
青色申告書の1ページ目が損益計算書になっており、事業をとおしての「売上」と「経費」を記入します。青色申告書2ページ目の「月別売上(収入)金額及び仕入金額」にある「売上(収入)金額」を1ページ目にも記入しましょう。
「仕入金額」は「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の「仕入金額」の計の金額を記載し「経費」には勘定科目ごとの経費を記載します。
「減価償却費」に記入するのは、3ページ目の「減価償却費の計算」にある「(リ)本年分の必要経費算入額」の金額です。「貸倒引当金」には、前年に計上して今年回収した貸倒引当金(将来の損失を見込んでいた金額)の額を記載します。
2. 損益計算書の内訳(売上・仕入など)
「月別売上(収入)金額及び仕入金額」に月別の売上金額と仕入金額を記載しましょう。合計額が1ページ目の「売上(収入)金額」と「仕入金額」に一致します。
「貸倒引当金繰入額の計算」は貸倒引当金に計上した金額を計算して記入します。社内に従業員がいる場合は「給与賃金の内訳」に月々の給与の合計・賞与・源泉徴収額を記載しましょう。
青色事業専従者の給与を経費に算入する届け出を出している場合は「専従者給与の内訳」に青色事業専従者(家族)の給与を記載します。
青色申告の65万円控除を受ける場合は「青色申告特別控除額の計算」に65万円と記載しましょう。
3. 損益計算書の内訳(減価償却費・地代など)
損益計算書の内訳(減価償却費・地代など)にある「減価償却費の計算」には、減価償却の計算の詳細を記載します。「利子割引料の内訳」は、金融機関からの借入れや利子の情報を記載しましょう。
「地代家賃の内訳」は、家賃や駐車場料金などを記入します。自宅で仕事をしている個人事業主は、プライベートの利用分との按分割合を明記しましょう。
「税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳」には、税理士や弁護士に支払った報酬を記載します。士業の方と顧問契約している場合は、報酬と源泉徴収税額を記載しましょう。
「本年中における特殊事情」は特別な収入や支出がある場合、税務署に疑われないよう、伝えたい内容を記載する欄です。
4. 貸借対照表
年間の貸借対照表を作成します。
「資産の部」には、現金・預金・固定資産・売掛金など、決算時に個人事業主が持つ資産を記入します。「負債・資本の部」に記入する金額は、資金調達手段や支払義務がある買掛金です。
貸借対照表は、複式簿記での記帳した勘定科目と金額を抜き出して計算しましょう。
収支内訳書の書き方
収支内訳書は、青色申告書よりも簡易的に作成できます。収支内訳書の書き方を以下のとおり解説します。
1. 収支内訳書の1ページ目
収支内訳書1ページ目の「収入金額」には、1年間の売上とリベートを含むその他売上を記入します。業務上仕入れが発生する個人事業主は「売上原価」に仕入額を記入しましょう。
その他の入力項目は、以下のとおりです。
- 経費:給料賃金や減価償却費などの支出金額
- 専従者控除:同じ事業を行う家族がいる場合の控除金額
- 給与賃金の内訳:従業員がいる場合の給与賃金額
- 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳:税理士や弁護士に支払った報酬額
- 事業専従者の氏名等:従業員として働いている家族の氏名
2. 収支内訳書の2ページ目
収支内訳書2ページ目の「売上金額・仕入金額の明細」には、取引先ごとに金額が大きい順に記入します。「減価償却費の計算」には、減価償却をした固定資産の明細を記入しましょう。
「本年中における特殊事項」は、通常の収入とは別の特別な収入や特殊事情など、税務署に伝えるべき内容を記入します。
まとめ
個人事業主の方が確定申告をするときは、青色申告か白色申告かを選択します。青色申告では青色申告決算書を作成し、白色申告では収支内訳書を作成しましょう。青色申告決算書は収支内訳書よりも複雑ですが、免税などのメリットがあります。
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1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。
それぞれの違いを整理すると下記のとおりです。
・特別控除額(青色 65万円・白色 10万円)
・届出書類(青色 承認申請書の提出が必要・白色 開業届のみ)
・提出書類(青色 青色申告決算書・白色 収支決算書)
・記帳方法(青色 複式簿記・白色 単式簿記)
・優遇措置(青色 多数あり・白色 なし)
基本的には青色申告のほうがメリットは多いので、青色申告決算書を作成することをオススメしますが、事業の利益が出ていない方の場合、青色申告のメリットよりも書類を作成する手間の方が多くなりますので、そういう方の場合は白色申告の方がいいと考えます。
いずれにせよ、青色申告を行うことでどのようなメリットを受けられるのかを把握した上で選択する方がいいと思いますので、事前に国税庁のホームページや税務署の窓口、税理士等に確認しておかれるとよいでしょう。
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