準確定申告で使う税務代理権限証書の書き方とは?【カンタン解説】
- 準確定申告や税務代理権限証書とは?
- 税務代理権限証書の記入法とは?
- 準確定申告を行う際の注意点とは?
「準確定申告の税務代理権限証書はどのように記入するのか知りたい」と悩んでいる方、必見です。
税務代理権限証書とは、税理士がクライアントの代理人として税務処理および申告を行う際に、その権限を有することを証明する書類のことです。
この記事では、相続に関する手続きを税理士に依頼を検討している方向けに、税務代理権限証書の記入法についてを解説しています。この記事を読み終わった頃には、税務代理権限証書を書き上げられるでしょう。
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準確定申告とは何か
準確定申告を実地する場合
準確定申告とは、亡くなった人の代理人として遺産を相続する人が行う確定申告のことです。以下のような条件に該当する場合には、故人の受け取った前年度分の収入に関して翌年度の申告期間に実施することになります。
- 個人事業主もしくはフリーランスとして収入を得ていた
- 給与支払いを複数の企業から受けていた
- 給与による年収が2,000万円以上だった
- 給与所得以外の所得が20万円を超えていた
- 多額の医療費を払っていたために還付を受ける可能性があった
- 不動産収入があった
上記の条件にいずれも該当しないというケースでは、準確定申告を実施する必要はほぼありません。ただし、公的年金の受給を受けていた人に関しては、所得税に伴う還付が発生する可能性があるので、申告をしておくことをおすすめします。
準確定申告は、故人の法定相続人が正式に決定してから4か月以内と期限が決められています。これを過ぎてしまうと罰則が適用されることもあるので注意が必要です。
死亡以外で準確定申告が必要となる場合
個人事業主として収入を持つ人で、海外へ1年以上滞在している人も準確定申告が必要となります。ただし、国内で本人に代わって確定申告および納税手続きをする人がいる場合には、準確定申告は必要ありません。
税務代理権限証書とは
税務代理権限証書とは、税理士がクライアントの代理人として税務処理および申告を行う際に必要となる書類のことです。この書類がないと税理士の委託業務は正規のものとみなされません。
税務代理権限証書は税理士法にて明確に定められているルールであり、確定申告を始めとして公的機関へ書類を提出する際には必ず提示および提出が求められるものですから、クライアントとなる可能性がある人は必ず記入の仕方を覚えておきましょう。
税務代理権限証書の記入法について
税務代理権限証書へ記入する際には以下の8項目を必ずチェックしましょう。
- 税務署名
- 税理士法人のデータ
- 依頼者が押印する日付
- 過年分に関する税務代理
- 調査の通知に関する同意
- 依頼者に関するデータ
- 税の種類
- その他の事項
税務署名
準確定申告の書類を提出する税務署の名前を記入します。証書の上部左側には受付印を押す部分があり、その下部に「○○殿」という項目が見つかるはずですから、「○○税務署長殿」と記入しましょう。
日付に関しては、税理士に依頼した日ではなく、実際に税務代理権限証書を提出する予定の日付を記入しましょう。
税理士法人のデータ
代理人として税務を行う税理士のデータを記入します。証書の上部右側に大きな枠が準備されており、担当する税理士の名前もしくは法人名と、住所および電話番号、さらに所属している税理士会の支部名と登録番号をすべてもれなく記入することが必要です。
依頼者が押印する日付
税理士に関する情報を記入した枠の下部に、クライアントの同意を確認する項目がありますから、そこに押印する日付を記入しましょう。
過年分に関する税務代理
手続きを行う年度以前の税務に関しても税理士にサポートを依頼するという場合にはこの項目にチェックを入れておく必要があります。亡くなった方が前年度までに行った確定申告に関して、税務署から記入漏れなどの指摘を受けた経験などがないのであれば、特にチェックをしなくても大丈夫です。
調査の通知に関する同意
税務署から申告した内容に関して何らかの調査が行われることになった場合に、その通知がクライアントではなく税理士に届くように依頼するという項目です。申請した内容に関する問い合わせになりますから、この項目にはチェックを入れておき税理士へ対応を委任するのが賢明でしょう。
依頼者に関するデータ
証書のちょうど中ほどにある項目で、クライアントの氏名もしくは法人名を記入します。住所と電話番号を記入したら、押印をして完了です。
税の種類
証書の下部にある項目で、所得税や法人税、消費税に関してはすでにリストアップされているので、該当する箇所へチェックを入れれば完了です。相続税などリスト一覧に載っていない手続きに関しては、「○○税」という欄に直接記入する必要があります。
その他の事項
証書の最下部にある枠で、特記事項がある場合には自由に記入することができます。準確定申告ではあまり利用されることはないものの、相続税の手続きでは確認として被相続人と相続人の氏名および日付を記載するケースが少なくありません。
準確定申告を行う際の注意点
準確定申告を行う際には以下の2ポイントを覚えておくとよいでしょう。
- 控除は亡くなった日付までが適用
- 消費税の申告もチェック
控除は亡くなった日付までが適用
医療費控除などを始めとして確定申告で適用される控除は、故人が亡くなった日付のものまでとなります。その日付以降に関する控除はすべて無効となり、申告のやり直しになる可能性もあるので注意しましょう。
消費税の申告もチェック
亡くなった人が個人事業主(もしくはフリーランス)で、なおかつその事業が消費税課税の対象となっていた場合には、消費税に関しても準確定申告を行う必要があります。この手続きも税務代理権限証書を通して税理士に委託することが可能です。
まとめ
準確定申告は相続人が行う重要な手続きの1つではあるものの、書類の書き方や控除の計算方法などに関して慣れていない人は戸惑うことでしょう。そうしたケースでは、申告のプロフェッショナルである税理士へ依頼するのが賢明です。
税理士への発注をする際には、その手続きを証明する税務代理権限証書を必ず作成しましょう。これにより、正確かつスピーディーに準確定申告の手続きを完了できるはずです。
なお、税理士に依頼する際は、複数の事務所と比較してください。理由は主に二つあります。
- 事務所によって費用が異なるため
税理士事務所によって費用が異なります。1つの事務所だけに相談すると相場より高い料金を支払うリスクがあります。
- 税理士によって得意・不得意があるため
税理士によって「準確定申告より税務調査対応が得意」という場合もあります。複数の事務所に相談して準確定申告が得意な税理士を探したほうが後のトラブルも少ないはず。
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1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。
この期限内に必ず申告・納税を済ませるよう心がけましょう。なぜなら期限を過ぎた場合には加算税が課されることになり、準確定申告の納付額によっては金銭的な負担が大きくなってしまうからです。
次に必要書類についてです。
【準確定申告で必要な書類】
・前年の確定申告書
・被相続人の源泉徴収票
・被相続人の控除証明書
・所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
・被相続人の医療費の領収書
・委任状
これらの必要書類を準備し、4カ月以内に準確定申告書を作成して、提出する必要があります。その間に、お葬式などの行事もありますので、いかに早く必要書類を揃えるのかが重要となってきます。
必要書類についてわからないことがあれば、お近くの税務署の窓口に早めに問い合わせてみましょう。
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