無職でも確定申告は必要?申告するメリットを解説!
- 無職でも確定申告は必要?
- 無職でも確定申告すべきケースは?
- 無職でも確定申告するとどんなメリットがある?
無職の方は「確定申告は必要ないだろう」と考えるでしょう。収入がない場合には確定申告は不要に思えますが、申告するメリットもあります。
この記事では、無職の方が確定申告すべきケースと申告するメリットについて解説します。最後まで読めば、確定申告のメリットや手順などのポイントがわかるでしょう。
確定申告が必要かお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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無職の人は基本的に確定申告は必要ない
無職の人は基本的に確定申告が必要ありません。確定申告は、その年の1月から12月の間の所得から所得税を確定させる手続きのことです。1年間何の所得もない無職の方は、所得や所得税額を確定させる必要がないため、確定申告は不要です。
無職でも確定申告が必要になる5つのケース
無職の方は基本的に確定申告不要ですが、確定申告した方がいい5つのケースがあります。
- 48万円を超える所得があるケース
- 年度の途中で退職したケース
- 年金を400万円以上受け取っているケース
- ふるさと納税による寄付金控除を受けたいケース
- 年間10万円以上の医療費を支払ったケース
確定申告しなければならないケースと、申告した方がいいケースがあるため、自分がどちらのケースに当てはまるのか確認することが重要です。
48万円を超える所得があるケース
無職の方であっても、1年間に48万円を超える所得があるケースでは確定申告が必要です。現在では定職についていなくても収入を得る方法が数多くあります。たとえばFX、仮想通貨、株取引、動画投稿、せどりなどさまざまあります。
年収2,400万円以下の基礎控除は48万円であるため、1年間の所得が48万円を超えると確定申告は必須です。収入が48万円を超えていても、仕入れや機材などの必要経費を差し引いた所得が48万円以下であれば申告不要です。
年度の途中で退職したケース
年度の途中で退職し、今は無職である方も確定申告が必要です。課税対象期間の1月から12月の間で働いていた時期があり、かつ年末調整を受ける前に退職した方は確定申告しましょう。
給与から所得税が天引きされる源泉徴収は概算であり、働いていた時期に所得税を納めすぎている可能性があります。通常、会社が年末調整を通じて超過分の所得税を返還しますが、年度の途中で退職した場合、年末調整は行われません。自分で確定申告し、所得税の還付を求めることが必要です。
年金を400万円以上受け取っているケース
年金を400万円以上受け取っているケースでは、確定申告しなければなりません。年金も所得であり、所得税の対象となります。公的年金のみならず、個人年金も課税対象となる点に注意しましょう。
受給している公的年金が400万円を超える、もしくは公的年金が400万円以下でもそれ以外の所得が20万円を超える場合には確定申告が必要です。詳しくは、政府広報オンラインにある「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」をご覧ください。
ふるさと納税による寄付金控除を受けたいケース
無職の方がふるさと納税の寄付金控除を受けたいケースでも、確定申告しなければなりません。ふるさと納税は寄付金のうち2,000円分を超えた金額が所得税と住民税の控除として使える制度です。
確定申告をしなくてもペナルティを受けることはありませんが、寄付金控除が受けられず、節税効果や所得税の還付は受けられません。無職で1月から12月まで所得がなかった場合、ふるさと納税の恩恵が受けられないことも覚えておきましょう。
年間10万円以上の医療費を支払ったケース
医療費を年間10万円以上、または所得合計額が200万円以下でその5%以上を支払ったケースでは、確定申告を行うことで課税所得を減額できます。1月以降で働いていた時期があり、源泉徴収によって所得税を納税していれば、無職の方でも医療費控除を受けることが可能です。
無職の方に所得税が発生しない状況であっても、医療費控除は生計を一にする家族にも適用できます。加えて、特定の医薬品の購入費用が1万2,000円以上購入し、必要な条件を満たすと「セルフメディケーション税制」が適用されることがあることも把握しておきましょう。
無職で確定申告が不要な4つのケース
無職の方が確定申告しなくてもいいのは以下の4つのケースです。
- 1年間の収入がゼロであるケース
- 1年間の収入が失業保険のみのケース
- ネットオークションで不用品を売却したケース
- 配偶者・親の扶養に入っているケース
確定申告してもしなくてもいいケースですが、申告による恩恵を受けられないため、該当する場合は確定申告の必要はないでしょう。
1年間の収入がゼロであるケース
前年の1月1日から12月31日まで無職で、収入がまったくなかった場合は翌年の確定申告は不要です。確定申告する所得も納めるべき所得税もないためです。
確定申告の義務はありませんが、完全無収入であったことを申告することで、住民税や国民健康保険料が安くなる可能性があります。前年の所得額に基づいて住民税額や保険料の金額が決まるため、任意で行っておくのもいいでしょう。
1年間の収入が失業保険のみのケース
無職の方で、1年間の収入が失業保険のみの場合、確定申告は不要です。失業保険は労働者の失業中の生活を補償する給付金であるため、所得税が非課税となります。
ネットオークションで不用品を売却したケース
1年間の収入がネットオークションやフリマアプリでの不用品販売のみの場合、確定申告が不要になるケースがあります。不用品の売却による売上は「譲渡所得」に分類されますが、譲渡所得は「生活用動産」かつ「1個または1組の価額が30万円以下」であれば課税対象になりません。
所得税の課税対象とならない生活用動産とは生活に必要とされる不動産以外の財産のことです。具体的には以下のような財産が当てはまります。ただし、価額が30万円以下であることが条件です。
- 家具
- 通勤用の車
- 書籍
- 衣服
- 貴金属
一方、課税対象となる資産は以下のものが含まれます。
- 土地
- 建物
- 株式
- 金地金
- 宝石
- 骨とう品
- 機械器具
- ゴルフ会員権
配偶者・親の扶養に入っているケース
無職で、かつ課税期間の1月から12月まで配偶者や親の扶養に入っている方は確定申告不要です。専業主婦(夫)や学生が該当します。
正社員として勤務していなかったとしても、アルバイトやパートで年収103万円を超えた時点で扶養から外れるため、確定申告が必要になることを覚えておきましょう。
無職でも確定申告する3つのメリット
無職の方であっても、確定申告すると以下の3つのメリットがあります。
- 還付金が受けられる可能性がある
- 国民健康保険料や住民税が安くなる可能性がある
- 税務上のトラブルを防げる
確定申告の労力と、メリットを比較して、申告するかどうかを決めましょう。
還付金が受けられる可能性がある
無職であっても確定申告することで還付金が受けられる可能性があります。とくに年度の途中で退職した方は、年末調整が受けられないため、確定申告するといいでしょう。
給与所得者が受ける源泉徴収は、毎月の給与を12カ月支給されることを想定して行われています。退職後は想定されていた給与が支給されなくなるため、所得税の還付を受けられる可能性はかなり高いでしょう。
国民健康保険料や住民税が安くなる可能性がある
無職の方が確定申告することで、国民健康保険料や住民税が安くなる可能性があります。国民健康保険料や住民税は、前年の収入をもとに計算されるためです。
確定申告することで前年の収入がなかった、もしくはわずかであったことを証明できるため、収入が反映された保険料や住民税が適用されます。確定申告せずにいると、前年所得不明となり軽減措置が適用されないため注意しましょう。
税務上のトラブルを防げる
無職で確定申告することで、税務上のトラブルを防げるメリットがあります。無職で収入がなければ確定申告は不要ですが、申告していなければ所得がなかったことを証明することはできません。
確定申告することで、その年に確かに所得がなかったことを書面で証明できます。税務調査が行われる、役場で収入照明を求められるなどのケースで、確定申告書が役に立つでしょう。
確定申告の方法4ステップ
無職の方の確定申告は以下の4ステップで行えます。
- 必要書類をそろえる
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書を送付する
- 所得税を納付する
各ステップはそれほど難しくありませんが、必要に応じて税務署や税理士に相談しつつ手続きを進めましょう。
1. 必要書類をそろえる
確定申告の最初のステップは、必要書類をそろえることです。確定申告書や本人確認書類、年度の途中で退職した方は働いていたときの源泉徴収票、各種控除の証明書などを準備しましょう。
確定申告書は税務署や確定申告会場で手に入ります。もしくは、国税庁ホームページでダウンロード可能です。e-Taxを利用して電子申請も行えます。
2. 確定申告書を作成する
確定申告書と必要書類を準備した場合、確定申告書を作成します。紙面で作成する場合、国税庁ホームページにある申告書の記載例を参考にできるでしょう。
e-Taxを利用する場合「国税庁 確定申告書等作成コーナー」を利用します。案内に沿って入力するだけで自動的に所得税額を計算してくれるため、非常に便利です。
3. 確定申告書を送付する
確定申告書を作成したあと、税務署に申告書を提出します。税務署の窓口に直接持っていくか、郵送で提出しましょう。税務署に持っていく場合、疑問点を尋ねられる点がメリットです。一方、郵送であれば自分の都合がいいときに提出できます。
e-Taxを利用する場合、確定申告書を作成後すぐに提出が可能です。そのまま所得税の納付も行えるため非常に便利です。
4. 所得税を納付する
確定申告を終えた後、所得税を納付します。所得税の納付方法は以下の7つです。
- 振替納税
- ダイレクト納付
- インターネットバンキング・ATM
- クレジットカード
- スマホアプリ納付
- コンビニ納付
- 金融機関や税務署の窓口納付
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分にあった納付方法を選びましょう。
まとめ
無職の方は、基本的に確定申告は必要ありません。ケースによっては確定申告しなければならないため注意しましょう。現在収入がまったくない場合でも、還付申請や社会保険料の軽減のために確定申告した方がいいケースもあります。
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1990年生 大阪府出身 大阪大学経済学部卒業。個人事務所、200人規模の税理士法人で実務経験を積み、2021年に独立。「お客様との対話を大事にする」をモットーに、クラウド会計を活用し、顧客に合わせた節税策や資金繰り対策を積極的に提案。ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを行い、クライアントは全国に。
・年度の途中で退職して無職になった場合
・年金のみ受給している場合(400万円超)
・無色で給与収入はないが、不動産収入など他に所得がある場合
上記の場合に該当すると確定申告が必ず必要となり、期限内に申告と納税が間に合わなかった場合には「加算税」「延滞税」「無申告加算税」などのペナルティが発生します。
一方で、確定申告が必要なケースに該当しなくても、確定申告を行うことで翌年の住民税や健康保険料が安くなるケースがあります。
国税庁の確定申告書等作成コーナーや一般の作成ソフトを使えば、初めてでも簡単に確定申告書を作ることができます。 現在、無職の方でも、確定申告が必要かどうかを調べておき、必要な場合は自分に合った方法で手続きを行いましょう。
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