一時所得は経費として認められる?一時所得を使った節税方法も解説

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2023年04月13日
一時所得は経費として認められる?一時所得を使った節税方法も解説
この記事で解決できるお悩み
  • 一時所得で認められる経費とは?
  • 一時所得の計算方法とは?
  • 一時所得を使って節税する方法は?

「一時所得は経費として認められる?」とお悩みの方必見!

一時所得は非営利目的での所得ですが、経費の計上が認められています。すべての一時所得が経費として計上できるわけではないため注意が必要です。

この記事では、一時所得の経費を知りたい方に向けて、経費として認められるものや一時所得を使った節税方法について解説しています。最後まで読めば、一時所得の経費で悩むことはなくなるでしょう。

「一時所得における経費に不安がある」という方はぜひ参考にしてください。

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一時所得の計算方法

一時所得の所得額の計算はかなりシンプルです。「総収入金額-その収入を得るために支出した金額-50万円(特別控除額)」という計算式で求めることができます。

上記の用語についてそれぞれ説明します。

  • 総収入額

    競馬で言うとレースを当てて受け取った配当金のことです。

  • 収入を得るために支出した金額

    事業所得などで言うところの経費に当たります。

  • 特別控除

    一時所得において50万円を一律差し引いて合計を出すという制度のことです。50万円分の所得を減らすことがでいますので、その分税額もダウンします。

一時所得で認められる経費について

一時所得は非営利目的での所得ですが、経費の計上が認められています。それが「収入を得るために支出した金額」ということになります。

しかし、なんでもかんでも経費として計上できるわけではありませんので注意が必要です。

「収入を得るための支出した金額」とは?

他の所得区分で一般的に言う経費ですが、一時所得はあくまでも営利目的ではないという点に注目する必要があります。

他の所得では、直接収入につながっているわけではない、接待費や宣伝費、ガソリン代なども経費として認められていますが、一時所得では直接収入を生み出した経費しか認められないのです。

たとえば、競馬でレースを的中させて収入を得たケースで解説しましょう。結果を当てたレースの馬券の購入費については経費として認められますが、他の外したレースの馬券については直接収入を生み出していないので経費とならないのです。

このように、一時所得においては経費の計上についてのルールが他の所得区分に比べると狭く設定されているため、経費分が少なくなる傾向にあります。

使った経費をすべて計上できるわけではない

また、他の諸費用も経費としては計上できないので注意が必要です。やはり、同じ競馬の例で考えてみましょう。

競馬場に行くための交通費や情報のための競馬新聞の購入費など、他の所得区分であればほぼ経費として認められますが、一時所得の場合、これらは直接収入を得るための支出ではありません。そのため、競馬場に行くまでの電車賃などの支出は計上はできないのです。

一時所得を使った節税方法について

このように、一時所得は他の所得区分と比べるといろいろな違いがあります。経費という面では不利な点がありますが、他の面では高い節税効果を生み出すことがあります。

というのも、一時所得の税額の計算をする際には、所得額を一度1/2にしてから税率をかけるという方法を採るからです。最終的な税額が、他の税金の額よりも安くなることが多いという利点があるのです。

節税効果を考えて一時所得を利用することも可能で、他の所得区分にはないメリットも生まれます。その適用できるいくつかの事例を考えてみましょう。

法人から個人への贈与

不動産などの資産や現金を他の人に譲渡すると、通常は贈与税という税金がかかります。贈与税は税額が高くなる傾向がありますし、いろいろな複雑なルールが定められています。

しかし、法人の資産や現金を個人に譲渡した場合は、贈与税ではなく一時所得による所得税という分類がなされます。法人からすると、贈与した分は寄付として扱うことができますので、損金への算入が可能となります。

受け取る方も、一時所得となって安い税額で済ませることができます。もちろん、受け取る額や資産の中身によってどちらがいいかが変わってくることもありますので、事前にシミュレーションすることが大事です。

個人の保険で一時所得を利用することができる

個人が保険、特に積み立て型の生命保険に加入している場合、一時所得のルールを覚えておくと便利です。生命保険が満期になったり解約したりする時、保険金を受け取ることになりますが、この保険金にも税がかかります。

生命保険については源泉徴収制度が適用されないため、保険金を受け取った時に確定申告をして税金を支払うことになります。保険金による所得区分は、雑所得と一時所得の二つがあります。

結論から言うと、保険金は雑所得として受け取るよりも、一時所得の方が最終的な税額は安くなる傾向にあります。そのため、できるだけ一時所得として受け取った方が、トータルで手取りの保険金が多くなるのです。

保険金を一時所得にしたい場合は受け取りを「一時金」に

では、保険金受け取りの雑所得と一時所得の違いはどこにあるというと、一時金受け取りか年金方式かという点です。一時金とは全額を一度に受け取る方法で、年金とは何年にも分けて細かくもらうという方法です。

一時金受け取りにすると、一時所得として扱われます。一方で年金方式にすると、雑所得として毎年申告することになります。

プランによっては年金方式の方が受け取れる保険金額が増えるということもありますが、税金という面では一時金受け取りの方が有利なのです。こうした点においても一時所得を有効活用したいものです。

疑問点があれば税理士相談も視野に

一時所得額の計算をする際には、収入から経費を差し引いて計算をします。そのため、経費が大きければ納める税額が減ることになります。

しかし、一時所得の場合は、経費として認められている枠が、他の所得区分に比べて狭くなっています。しかし、トータルの税額では他の所得区分よりも、低くなる傾向にあります。

そのため、お金の受け取り方などを工夫することによって、一時所得として区分することで節税対策ができます。上手にこの制度を利用することによって、税額を下げられるのです。

しかし、誤った確定申告を行うと余計な税金を支払うリスクや、税務署から指摘が入り修正申告させられるかもしれません。そのため、「確定申告をはじめて行う」といった方は税理士に相談すると良いでしょう。

税理士に相談・依頼するなら「複数事務所で比較」がポイント

実際に税理士に相談する際は複数の事務所に声をかけるのが良いでしょう。

なぜなら税理士事務所と一口に言っても得意・不得意な分野があったり、同じ依頼でも費用が異なったりするからです。また、税理士先生との相性も相談や依頼する際に重要です。

一つの事務所に相談・依頼してしまうと上記のポイントが見極められないため、複数の事務所と比較しながら決めると良いでしょう。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

一時所得は、「営利を目的する継続的行為から生じた所得以外の所得」で、その名の通り一時の所得に対して課税されるもので、特別控除額最大50万円が控除された上、2分の1が課税されるとされています。

その一方で、経費として認められるものが、収入を得るために支出した金額と、他の所得と比べ若干狭くなっております。つまり、間接的に収入を生み出したものを経費とはできないことになります。この点はご注意願います。

生命保険の満期受取金の受け取りが、分割の場合と一括の場合で所得区分が違うことはあまり知られていないかもしれません。一時金で受け取った場合の方が有利になる場合が多いかとは思いますが、分割で受け取った場合は雑所得になることが多く、所得が平準化されるためかえって税額が減るケースをあり、わからない場合は、税理士等にお問い合わせください。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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