システム開発の外注でよくある失敗事例2選【原因と対策を解説】
- システム開発の外注でよくある失敗事例とは?
- システム開発の外注での失敗の原因は?
- システム開発の外注で失敗しないコツとは?
「システム開発を外注する際、失敗しないようにあらかじめ対策をしたい」という経営者の方は必見!
システム開発は、発注者と開発者の認識のズレで納期の遅れや開発費用が大幅にかかってしまい、失敗に終わることも少なくはありません。
この記事では、システム開発の外注を失敗したくない担当者向けに、失敗事例をもとに原因と対策を解説します。最後まで読めば、システム開発の外注で悩むことはなくなるでしょう。
「システム開発の外注を考えている」という方はぜひ参考にしてください。
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悲しい現実!システム開発で失敗はよくある
デスマーチという言葉はご存知でしょうか。システム開発に携わったことのある人は耳にする機会が多いかもしれません。
デスマーチとは直訳すれば「死の行進」で、エンジニアが長時間労働をどれほど行っても開発が一向に完了しない状態のことです。ならば、増員したらトラブルを早く解決できるのではないか。そう思われる人もいるでしょう。
しかし、システムとは複雑なプロセスを通して開発されているため、エンジニアが増えることによって、認識のズレ等が起こりプロジェクトの管理が複雑になってしまうのです。
このように、増員することで更なるトラブルが生まれることも珍しくなく、また増員をしてもトラブルが解決することはめったにありません。
システム開発の外注でよくある失敗事例【2選】
システム開発を外注した企業のうち約3割が外注化に失敗したという話もあります。ここではよくある失敗事例についてご紹介しましょう。
失敗事例その1:予想以上に納期がかかった
開発内容・開発費・納期はシステムの発注者と開発者の話し合いによって決められます。その会話の際に認識のズレを0に近いモノにしなくてはいけません。しかし、しっかりとした意思疎通ができず、認識のズレが幅広く見受けられた場合に手戻りが多発し、納期遅れが起こってしまいます。
また、システム開発終盤においてこのような事象が起こることも考えられますので、できる限り初期段階で認識のズレは改善しておくべきでしょう。
契約ですから、会話だけでなく契約書類も大切で、契約書類の内容を双方が理解し、納得していることが大切です。そのようにして、「言った」、「言われていない」という不毛な争いを未然に防ぎます。
失敗事例その2:予想以上に開発費がかかった
スケジュール。つまり納期は信頼保守上とても大切です。しかし、納期を気にするあまりに増員を繰り返し行った結果、予想以上のコストがかかってしまいます。
一括請負契約であれば、開発会社側が増員しても発注者側にその費用が請求されることはありませんが、契約形態によっては、デスマーチ化してしまいプロジェクトの進行が危ぶまれることもあるのです。
発注者は知らないと危険!失敗の原因
失敗に至った経緯が分かれば自社で外注する際に同じ轍を踏まずに済みます。ここでは失敗の原因について解説しましょう。外注化で失敗したくない方は必見です。
発注者側が作りたいシステム像がふんわりだった
打ち合わせの段階で、発注者側のシステムの完成像が曖昧であることが失敗の原因になることもあります。システム開発の完成像は価値観の表れです。
専門家だから何でも作れるということはなく、より良いシステムの完成を願うのであれば、完成像を明確にし、それを開発者側に細かく伝える必要があります。
また、システム像がふんわりしていると、プロジェクトを計画する段階で余計な時間がかかり、納期遅れに繋がるケースも少なくありません。
開発側とのコミュニケーションが足りてなかった
システム開発の外注において重要なポイントは、開発者とのコミュニケーションにあります。システムユーザーのニーズや、システム自体に何を求めているのかを十分に説明したつもりでも、間違った解釈をしている可能性があることを念頭に置いてください。
開発側との認識のズレから起きる発注者の意向に反したシステムは、納期遅れはもちろん多大な予算オーバーの原因となってしまいます。
システム開発の外注は、発注者と開発者という全く別々の企業が協力して行うもの。そのため、上手な意思疎通ができないと発注者の求める完成形とはほど遠いものが出来上がるのです。
そもそも納期と開発費用が非現実的なものだった
発注者側の知識不足が原因で失敗するケースもあります。システム開発の発注担当の経験不足、あるいはシステム開発に関して初心者であることで、開発規模の予測ができないことが原因に挙げられます。
開発規模に対して短すぎる納期、少なすぎる予算などで開発の進行を依頼して、開発会社に負担をかけてしまい結果納期遅れなどのトラブルが起きる場合もあることを念頭に置きましょう。
突き詰めると双方の認識不足が失敗の原因
「何をどのように開発するのか」の理解不足・思い込みによるシステム開発は失敗します。
情報の共有は重要ですが、発注者側もシステム開発における知識不足が否めない場合もあり、必要な情報を良いタイミングで提供できないこともあります。
情報が少なければ理解不足の開発に発展したり、もしくは情報が少ないからこそ思い込みに頼ってしまったりというのは必然の出来事です。
このような認識ズレが起こることによって、納期が遅れることはもちろん、成果物の受け取り拒否のような、あってはならない事態を招いてしまいます。
システム開発の外注で失敗しないコツ
失敗原因を踏まえて、これから開発会社に依頼する際の注意点を解説します。ここに書かれている内容を気をつければ外注で失敗する確率はグンと下がるハズです。
作りたいシステムを明確にする
これは発注者側に求められるコツです。システムの完成像を明確にすることで、必要な情報を必要なタイミングで提供することができるようになります。
また、システム開発における最低限の知識も必要です。解説したように、発注者の知識不足による失敗の事例も多々あります。
システム開発の発注担当経験が豊富な人ほど良いのですが、もし、経験がない・不足している人が発注担当者に任命されたら、その瞬間からシステム開発の流れや開発手法について、少しでも多くの知識を学ぶことをオススメします。
コミュニケーションを密に取る
コミュニケーション不足による失敗が圧倒的に多いです。そのため、チェックポイントや打ち合わせ時期は綿密に計画し、密にコミュニケーションを取れる機会を設置しましょう。
また、システム開発は開発チームによって取り組まれますが、発注者もその開発チームの一員だということを忘れないでください。
双方がコミュニケーションを十分にとり、チーム一丸となってシステム開発に臨むことで、上記のような失敗事例は改善されるはずです。
仕様書などをよく確認する
手元には必ず仕様書となるものがあるはずです。どのような仕様で開発を進めるのかが記載された書類ですが、これを確認することによってシステムの完成形をイメージすることができます。
ただし、注意点として仕様書の中身は開発初期段階にて認識の擦り合わせを行うべきです。仕様書に書かれていることに対して認識がズレているとどうなるかは、もうお分かりでしょう。
仕様書の確認は大事ですが、その前に認識のズレを無くす作業がもっと大事なのです。
複数の開発業者に相談する
開発会社には得意なシステム構築、不得意なシステム構築があります。万が一、依頼した内容が開発企業にとって苦手なシステムだったらどうでしょう。
納期の遅れや人員の不足を理由に予算が多くかかってしまいます。このような事態を免れるために、複数の開発業者に相談することを提案します。
この際に「どのようなシステム開発の実績があるのかを確認すること」「プロジェクトマネージャーのプロジェクト進行管理スキルについて聞くこと」が重要です。
また、システム開発初心者に対しても真摯な姿勢をとってくれるシステム開発業者も信頼できるでしょう。
開発業者をまずは複数選択することで、自社システムに合った開発業者を探し出すことができます。その結果、スケジュールやコストに関する問題が軽減されます。
システム開発の失敗についてのまとめ
予想以上の納期遅れや予算オーバーにならないためには、開発者・発注者のシステムに対する認識がとても重要だとお分かり頂けたのではないでしょうか。
多大な費用と期間を使用して開発するシステムの成功はとても感慨深いものです。しかし、失敗から学ぶこともあります。
より良いシステム開発を目指すには、失敗事例を事前に確認し、何がいけなかったのか、どこを改善しなければいけないのかを学ぶことがとても重要なのです。
なお、より良い開発業者と巡り合うには複数者との比較検討が大切です。「予算」や「開発実績」「担当者とのコミュニケーションの取りやすさ」などの選定ポイントで複数の会社を見比べると自社に合う会社が見つかります。
例えば、開発実績は申し分ないけど予算感が合わない場合は適切な外注先とは言えません。複数の業者を見比べることでバランスが取れている会社が見つかるでしょう。
弊社が運営するビジネスマッチングサービス『比較ビズ』では多数のシステム開発業者が登録されています。一括で複数の会社に開発相談や見積もり依頼を出すことも可能です。
無料で使うことができるため、自社に合った外注先を探すツールの一つとして活用してみてはいかがでしょうか。自分で足を伸ばしたり、ネットで探したりして比較する方法もありますが、意外と手間になってしまうもの。
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2006年よりシステム開発を行う。ユーザビリティ重視のアジャイル開発を得意とする。大手監査法人に採用された翻訳支援アプリや教育用アプリ、EC サイト、顧客管理システム等の設計、開発を手掛ける。機械学習/AI を用いた開発も行っている。
1.発注側の現在の仕事内容を実際に観察してもらう
発注者には思い描いているシステムの概要があることでしょう。こんなシステムがあれば現在の面倒な作業が楽になるはずだ、と思って発注するわけです。
しかし、課題を解決する方法はほかにもあるかもしれません。開発側の担当者に、現在どのように仕事を行っているかを見てもらうなら、自分が気づいていない解決策が見つかるかもしれません。あるいは、思い描いているシステムでは問題の解決には役立たないことがわかるかもしれません。
2.プロトタイプを作成する
実際のシステムを作る前に、プロトタイプを作成しましょう。紙と鉛筆があれば作れます。FigmaやAdobe Xdといったツールを使うこともできます。プロトタイプを、システムを実際に使う人に見せてください。プロトタイプで修正点を発見すれば時間や費用を節約できます。
3.最適なプロジェクト管理方法を選ぶ
プロジェクト管理手法には大きく分けてウォーターフォール開発とアジャイル開発があります。簡単に言うと、ウォーターフォール開発は最初に要件を詳細に決めるのに対し、アジャイル開発は柔軟に変更に対応することを重視します。プロジェクト管理手法はプロジェクトの成功に深くかかわります。どちらの開発方法も経験のある開発会社と相談するとよいでしょう。
「完璧な」システムは存在しません。有用なシステムを開発できるよう、発注会社と開発会社は協力を惜しまないようにしましょう。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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