ウーバーイーツで経費にできる項目とは？申告時の注意点も解説

ウーバーイーツで経費にできる項目8つ

ウーバーイーツで経費にできる項目は、以下の8項目です。

ウーバーイーツの業務に関係するものは経費計上できますが、プライベートの利用とわけて考える点に注意しましょう。

1. 自転車・バイク購入費

ウーバーイーツの配達用に購入したバイクや自転車の購入費用・防犯登録費用は、経費計上が可能です。

10万円未満の購入費用は「消耗品費」10万円以上の場合は「固定資産」や「一括償却資産」の勘定科目になります。10万円以上の資産は減価償却の仕訳も必要になります。

業務に使用する自転車を税抜8万円で購入し、防犯登録料として600円を支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

2. 自転車の修理代

自転車やバイクのメンテナンス代や修理代は経費計上が可能です。自転車のメンテナンスによって価値が向上した場合は、経費ではなく「資本的支出」になる点に注意しましょう。

資本的支出の会計処理は資産となるため、固定資産の取得原価に加えます。

自転車のパンク修理費用として3,000円を支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

3. バイクのガソリン代

ウーバーイーツでバイクを利用している場合、ガソリン代を費用計上できます。

ガソリン代の勘定科目は「車両費」「旅費交通費」「燃料費」と選ぶことができ、年間で使用する勘定科目は統一する必要があります。

バイクのガソリン代4,000円を現金で支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

4. 賠償保険料

ウーバーイーツで配達する際の補償のために、加入した保険の費用は経費計上できます。対象は配達中のみであり、配達前・配達後・待機時間は事故の補償対象外となります。

自転車の保険に加入し、年間保険料15,000円を一括で支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

5. スマホの通信費

ウーバーイーツでは、注文の受付や地図を利用する際に通信費用が発生します。配達の際に利用した通信費用は、経費計上できます。

家事按分によってプライベート利用と分ける点に注意しましょう。

スマホの料金10,000円が引き落とされた（プライベート7：ウーバーイーツ3の割合）場合の仕訳例は以下のとおりです。

6. 駐輪場代

ウーバーイーツで利用する自転車やバイクの駐車場代は経費計上が可能です。

月極の駐車場代は「地代家賃」時間貸しの駐車場を利用した場合は「旅費交通費」で処理しましょう。

月極の駐車場代3,000円を現金で支払った場合の仕訳例は以下のとおりです。

7. 配達先までの交通費

配達の際に利用した交通費は経費計上可能です。ウーバーイーツの場合、電車の利用はあまりないため交通費を計上するシーンは多くないでしょう。

電車代500円を支払って、配達先まで移動した場合の仕訳例は以下のとおりです。

8. 減価償却費

自転車やバイクの購入費用が10万円以上の場合は減価償却して経費計上します。

個人事業主として青色申告をしている場合は、30万円未満の取得価額を固定資産で一括経費計上ができます。

決算で購入費用150,000円の電動自転車の減価償却費を計上した場合の仕訳例は以下のとおりです。

ウーバーイーツで経費計上できない項目3つ

ウーバーイーツで経費計上できない代表的な項目は、以下の3つです。

事業と関係性がない個人利用分の費用は原則経費計上できません。

1. 所得税・住民税

所得税や住民税は、個人に関わるもののため経費計上できません。個人事業主が受けた健康診断の費用も経費計上できないため注意しましょう。

2. 住宅ローン

住宅ローンはウーバーイーツの事業とは関係ないため経費計上できません。借り入れや借金返済も同様で、経費計上できない点に注意しましょう。

3. フィットネスジムの会費

ウーバーイーツで配達を続けるには体力が必要ですが、フィットネスジムの会費は経費計上できません。個人的なスキルアップに含まれるため、事業との関係性が認められないので注意しましょう。

ウーバーイーツの経費計上で注意するポイント4つ

ウーバーイーツの経費計上で注意するポイントは、以下の4つです。

経費を利用した日付や用途を記録しておくと、税務署から指摘されたときも安心でしょう。

1. 副業で所得が20万円以上の場合は確定申告が必要になる

ウーバーイーツを副業として収入を得ている場合は、条件によって確定申告が必要です。副業の場合は、収入から経費を差し引いた所得が20万円以上の場合は確定申告をしましょう。

経費として正しく計上しておけば、所得額を抑えることができ納める税金の節税効果につながります。

2. 領収証を残しておく

経費計上するためには、経費を証明する領収証を残しておきましょう。確定申告の際に提出は求められませんが、税務調査が入った際に必要になります。

領収証がない場合は、利用した日付・金額・用途がわかるように帳簿をつけておくと安心です。確定申告前に準備するのではなく、日々計上する準備をしておくと安心でしょう。

3. プライベートの利用は経費計上できない

ウーバーイーツの配達とは関係がないプライベートで利用する費用は経費計上ができません。冬の配達のために購入した防寒着や配達中の飲食料も経費にならない点に注意しましょう。

4. 10万円以上のバイクや自転車は減価償却で計上する

10万円以上のバイクや自転車は、購入した年で全額経費計上せず、1年ずつ分割して計上する減価償却で処理します。何年に分けて計上するかは法定耐用年数として国税庁が細かく決めており、自転車の場合2年・バイクは3年です。

たとえば、ウーバーイーツ用で買ったクロスバイクが10万円以上だった場合は、1年目で10万円・2年目で10万円を計上しましょう。

まとめ

ウーバーイーツの副業をしている人は、自転車や駐輪場などの費用を経費として計上できます。正しく経費を計上しておけば、確定申告の際に節税につながるでしょう。ウーバーイーツの支出は、プライベートで利用するケースも多いため家事按分が重要です。

「比較ビズ」では、ウーバーイーツを副業としている場合の経費計上や確定申告に詳しい税理士を簡単に探すことができ、比較して相談できます。ウーバーイーツの経費計上に不安がある人は、ぜひ利用してください。

監修者のコメント

中央みらい会計事務所

代表税理士　奥村　和仁

昭和50年生まれ大分県生まれ。埼玉県さいたま市西区在住個人の税理士事務所での勤務5年、税理士法人での勤務7年を経て、平成25年2月に独立。埼玉県さいたま市で中小企業・個人事業主の新規設立から経営コンサルまで、クライアントのニーズに合わせたトータルサポートを実践している。最近では、事務所のIT化にも積極的に取り組み、ZOOMを使ったオンライン顧問サービスを始動し、クライアントは全国に。

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必要経費については、所得税法37条で定められていて、次の金額が必要経費に算入できるものとされています。
?総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
?その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
言い換えれば、仕事との関連性が求められるということです。

ウーバーイーツの経費を考える上でも、この考え方を踏まえることが必要であり、計上しようとしている経費が、その仕事を行う上でどのように必要かを説明出来るようにしておくことが大切なことです。また、個人の所得を考える際には、プライベート部分を考慮する必要もあります。

一般的に個人の支出については、仕事部分とプライベート部分とが混在しているケースも多く、経費計上の際には、合理的に区分（説明）出来るようにしておくことが大切です。

尚、プライベート部分との区分については、可能な場合は例えば、仕事用の携帯電話をもう一台持つなど、仕事専用のものを購入等しておくことで、プライベート部分との按分という手間から多少は離れることが出来ます。

執筆者

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