システム開発の費用相場は?料金が変動する3つの要因や費用を抑える5つのポイントを解説

AOIS Consulting株式会社
監修者
AOIS Consulting株式会社 代表取締役 青井真吾
最終更新日:2024年04月22日
システム開発の費用相場は?料金が変動する3つの要因や費用を抑える5つのポイントを解説
この記事で解決できるお悩み
  • システム開発の費用相場はどれくらい?
  • 料金が変動する要因は?
  • システム開発費用を抑えるポイントは?

「システム開発に必要な費用や相場がわからない」「相場より高い見積もりを出されないか心配」とお悩みの経営者・IT担当者、必見です。

システム開発の費用は、システムの種類や規模・実装する機能の数によって大きく変動します。変動する要因や相場を把握することで、提示された見積もりが適正価格であるか判断する際に役立ちます。

この記事では、業務効率化や新サービスの開始に伴いシステム開発を検討している経営者・IT担当者向けに、システム開発の費用相場を解説します。この記事を読めば、システム開発の相場がわかり、費用を抑えてシステム開発を依頼できるでしょう。

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システム開発費用の約8割は人件費が占めている

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システム開発に必要な費用のうち約8割は、システムエンジニアやプログラマーの人件費であるといわれます。人件費の他にも諸経費が必要です。

  • 人件費:プログラマーやエンジニアの人員・工数による費用
  • 諸経費:サーバー維持費・ソフトウェアのライセンス料などの費用

システム開発費用を大まかに見積もる場合、実装したい機能や求める規模・難易度に応じて、必要となるエンジニアの人件費を算出します。

システム開発の人件費は「人月単価」で決まる

人件費は「人月 ×人月単価 ×開発期間」で計算されます。各項目の内容は下記のとおりです。

  • 人月:システム開発に必要なエンジニアの人数(1カ月間)
  • 人月単価:エンジニア1人が1カ月作業した際の費用
  • 開発期間:システム開発に必要な期間(○カ月)

3人のエンジニアで、3カ月間でシステムを開発することを想定してみましょう。エンジニアの人月単価が全員60万円の場合は、「(3人×60万円/月)×3カ月間」となり、必要な人件費は540万円です。

システムの規模感や実装したい機能の数によって、システム開発の難易度や開発期間が変わるため、人件費が大きく変動します。

エンジニアの人月単価が変動する3つの要因

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エンジニアの人月単価は、以下の要因で変動します。

  1. エンジニアの経験・役職
  2. エンジニアが所属する会社の規模
  3. エンジニアが所属する会社の地域

同じ内容でシステム開発を複数の会社に依頼しても、上記の要因により変動するため、会社によって見積もり金額が異なります。

必ずしも「人月単価が高い=クオリティが高い」わけではありません。見積もりを比較検討する際は、人月単価が高くなっている背景や要因を推測することが重要です。

1. エンジニアの経験・役職

エンジニアの人月単価は、エンジニア自身の経験・役職によって異なります。高いスキルを持っているエンジニアほど、人月単価が高額になります。プログラマーやシステムエンジニアよりも、プロジェクトリーダー・マネージャーの方が人月単価は高いです。

エンジニアの経験・役職別の人月単価の相場は以下のとおりです。

エンジニアの経験・スキル 人月単価
PM(プロジェクトマネージャー)
PL(プロジェクトリーダー)
70万〜200万円
PG(プログラマー)
下請け・フリーランス
40万〜80万円
PG(プログラマー)
大手企業
60万〜100万円
SE(システムエンジニア)
初級
80万〜100万円
SE(システムエンジニア)
中級
100万〜120万円
SE(システムエンジニア)
上級
120万〜200万円

システムには、主に以下の開発工程があり、それぞれ担当するエンジニアが異なります。

開発工程 担当者 内容
要件定義 PM(プロジェクトマネージャー)
PL(プロジェクトリーダー)
顧客の要件を元にシステム開発の目的システム概要・必要条件・実装機能などを決定
設計 PL(プロジェクトリーダー)
SE(システムエンジニア)
要件定義を元に開発するシステムの設計図を作成
プログラミング SE(システムエンジニア)
PG(プログラマー)
設計図をもとにシステムを開発・構築
テスト PG(プログラマー) 開発・構築されたシステムのバグチェック・修正

見積もりの段階では、それぞれの担当者の人件費を予測・合算することで、大まかなシステム開発費用を算出します。

2. エンジニアが所属する会社の規模

エンジニアが所属するシステム開発会社の規模によって、人月単価が変動します。所属する会社の従業員数が多いほど、人月単価が上がる傾向です。

以下は、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の報告書より抜粋した、東京のシステム開発会社の規模に対するエンジニアの人月単価の相場です。1カ月の稼働時間は160時間とします。

会社の従業員数 PM PL サブリーダー メンバー
1,000人以上 158.0 141.0 121.2 98.0
500人以上1,000人未満 125.9 110.6 96.9 83.4
500人未満 104.6 91.7 80.1 71.0

単位:万円/人月

同じPMでも、1,000人以上の規模の会社では、500人未満の会社の人月単価に対して約1.5倍になっていることがわかります。企業規模の大きい会社の場合、作業の一部を外部に委託するケースが多く、管理コストや委託費用が盛り込まれることで人月単価が高くなるためです。

3. エンジニアが所属する会社の地域

エンジニアが所属するシステム会社の地域によっても、人月単価が変動します。東京(首都圏)・大阪などの都市部にある規模の大きい会社ほど、人月単価は高い傾向です。

以下は、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の報告書より抜粋した、システム開発会社に所属するエンジニアのエリア別の人月単価相場です。東京・名古屋・大阪のいずれも大都市ではありますが、なかでも東京が1番高い単価になります。

エリア PM PL サブリーダー メンバー
東京 104.6 91.7 80.1 71.0
名古屋 101.5 88.7 77.6 67.6
大阪 103.0 88.7 77.5 66.8

地方に比べて都市部の方が物価やオフィス賃料が高く、エンジニアに限らず平均時給が高い傾向にあるため、人月単価も都市部の方が高くなります。地方のシステム開発会社の場合、東京の6〜70%の地域も多く見られます。

業務支援・基幹システム開発の費用相場|100万〜2,000万円

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業務支援・基幹システムとは、社内業務の円滑化・効率化を目的としたシステムのことです。開発費用の相場は100万〜2,000万円になります。以下が主なパターンです。

  1. パッケージ導入+カスタマイズの場合|100万〜400万円
  2. スクラッチ開発の場合|600万〜2,000万円

「比較ビズ」で見積もりをした際の「発注予算帯」平均は以下のとおりです。

業務システムの種類 平均発注予算額
顧客管理 972万円
総合管理 675万円
販売管理 847万円
営業管理 942万円
生産管理 1,377万円
物流管理 1,671万円
情報サービス 232万円
受発注管理 1,322万円
グループウェア 466万円
総務関連 625万円
画像処理 1,000万円

基幹システムは物流管理・販売管理など特定の業務専用のシステム、業務支援システムは顧客管理・営業管理などの業務を効率化するシステムを指します。

1. パッケージ導入+カスタマイズの場合|100万〜400万円

既存のパッケージツールを導入し、自社の業務に適した形へカスタマイズする際の費用相場は、100万〜400万円です。開発するシステムの種類によっても異なるため、あくまで目安としてください。

パッケージ導入+カスタマイズで開発する際のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット ・導入費用を抑えられる
・導入期間が短いためすぐに稼働できる
・マニュアルがある程度整備されている
デメリット ・自社の業務フローをシステムにあわせる必要がある
・導入後のメンテナンスができる人材を確保する必要がある

2. スクラッチ開発の場合|600万〜2,000万円

オリジナルのシステムを開発するスクラッチ開発の相場は、600万〜2,000万円です。スクラッチ開発を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット ・自社の業務に最適なシステムを構築できる
・他のシステムとのデータ共有・相互利用ができる
・機能の追加・拡張にフレキシブルに対応できる
デメリット ・導入費用が高額になる
・開発期間が数年以上かかるケースがある
・開発に伴い従業員の人的コストが必要になる

Webシステム開発の費用相場|50万〜1,000万円

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Webシステムとは、インターネット環境で利用できるシステムの総称です。マッチングサイトのWebサイトや予約管理サイト・クラウドサービスが該当します。開発費用の相場は50万〜1,000万円になります。

以下が主なパターンです。

  1. オープンソースを利用する場合|50万〜300万円
  2. オリジナルのデザイン・機能を盛り込む場合|500万〜1,000万円

どのシステムにおいても、利用者数が多いか・オリジナリティのあるデザインにするか・サイトのページ数が多いかによって費用が変動します。Webシステムの費用が変動するポイントや、システムの種類ごとの費用相場は以下のとおりです。

Webシステムの種類と費用相場 費用が変動する主なポイント
マッチングサイト:100万〜1,000万円 検索や決済・メッセージ・メルマガなどの機能の有無
予約管理サイト:50万〜500万円 決済や複数店舗管理・勤怠管理と連動した予約・メルマガ配信などの機能の有無
ECサイト:50万〜500万円 搭載する機能(お気に入り・問い合わせなど)・決済方法・商品数の数
Q&Aサイト:60万〜300万円 インセンティブ(報酬)や絞り込み検索・サジェスト検索支援などの機能の有無
掲示板サイト:50万〜300万円 検索・会員登録・決済・位置情報管理機能の有無
クチコミサイト:50万〜300万円 口コミに対するインセンティブ(報酬)機能・クチコミ閲覧件数制限などの機能の有無

1. オープンソースを利用する場合|50万〜300万円

WordPressを代表するオープンソースのCMSを利用し、最低限の機能を盛り込む場合は、50万円から制作可能です。

オープンソースを利用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット ・導入費用を抑えられる
・ソースコードが公開されているため信頼性・安定性がある
・さまざまなテンプレートやテーマが開発されている
デメリット ・最低限の機能やデザインにしか対応できない
・他社サイトと差別化しにくい

CMSのテンプレートやテーマはさまざまな種類が存在するため、開発費用を抑えたうえで、ある程度自由なデザインにできる点が魅力です。全体の構成やレイアウトはどうしても似通ってしまうため、他社サイトと差別化してオリジナリティを出すことは難しいでしょう。

2. オリジナルのデザイン・機能を盛り込む場合|500万〜1,000万円

他社サイトとの差別化を図り、自社のイメージや雰囲気を全面に出したWebシステムを作りたい場合は、500万〜1,000万円が相場です。ページ数・サイトで扱う商品数などによっては、1,000万円を超えるケースもあります。

オーダーメイドでシステム開発を依頼する場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット ・自社独自のデザインや世界観を表現できる
・多くの機能を自由に実装できる
・膨大なユーザーを管理できる
デメリット ・導入費用が高額になる
・自社内でのカスタマイズやメンテナンスが難しくなる

マッチングサイトや予約管理サイトなどで「多くのユーザーを管理したい」「他社にはない独自機能を追加したい」場合に最適な開発手法です。オープンソースを利用したシステムより高額になるだけではなく、費用の変動幅が大きくなり見積もりが困難であるため注意しましょう。

アプリ開発の費用相場|100万円〜1,000万円

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iOS/Androidで動作するスマートフォン向けアプリ開発の相場は、100万〜1,000万円です。開発するアプリの種類ごとの費用相場は以下のとおりです。

アプリの種類 開発費用相場
ショッピング・フリマアプリ 200万円〜300万円
学習アプリ 100万円〜300万円
予約管理アプリ 100万円〜400万円
マッチングアプリ 400万円〜1,000万円
メディア発信アプリ 250万円〜600万円
通話・メッセージアプリ 200万円〜500万円
ゲームアプリ 500万円〜1,000万円

マッチングアプリ・ゲームアプリは、搭載する機能数が多いため、他アプリに比べて高額になる傾向です。ユーザー数が多いサービスでは、扱うデータ量が増えてデータベース構造が複雑になるため、1,000万円以上の費用がかかるケースもあるでしょう。

アプリ開発において開発費用が変動する主なポイントは以下のとおりです。

  • 開発するアプリのOS(iOS・Android・両方)
  • ユーザーの個人情報の使用有無
  • ログイン機能の有無
  • アプリ内決済の有無
  • デザイン(テンプレート利用orオリジナルデザインの作成)
  • Google MapやSNSなど他社ツールの使用の有無
  • プッシュ通知機能の有無

iOS用とAndroid用の両方を用意する場合は、それぞれコーディングが必要となるため費用が高額になります。アプリストアでの審査に通過しなかった際の修正に追加費用がかかるか確認しましょう。

システム開発費用が変動する3つの要素

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システム開発・構築の費用を変動させる要因は次の3つです。

  1. システム開発の手法
  2. システムに実装する機能
  3. 開発するシステムの規模

システム開発の費用相場は幅広く、開発するシステムの種類が同じでも、依頼内容によって実際の費用は異なります。あらかじめ変動要因を把握することで、想定していた予算以上に費用が高くなる事態を防げるでしょう。

1. システム開発の手法

既存のシステムにカスタマイズを加えるだけの開発にするか、オリジナルのシステムを開発するかにより、人員と工数が大きく変動します。

多くのシステムには、開発を効率化するための汎用的な「パッケージ」が存在します。パッケージは開発工数を削減して費用を抑えられますが、一般的で最低限の機能しか搭載されていません。

オリジナルのシステムを開発・構築する「フルスクラッチ」にすることで、費用は高額になりますが、自社に最適化されたシステムを導入できます。パッケージにはない独自機能を盛り込みたい・自社の業務フローにあったシステムを開発したい場合は、フルスクラッチでの開発がおすすめです。

2. システムに実装する機能

システムに実装する機能がよく、数が多いほど費用は高くなります。

たとえばクラウドソーシングサイトを構築する場合、仕事の依頼・応募+メッセージなどのシンプルな機能構成であれば開発・構築費用は50万〜150万円です。

決済やSNS連携などを追加して大手と同様の機能を持たせるのであれば、開発費用は500万〜2,000万円にのぼる可能性もあります。

3. 開発するシステムの規模

開発するシステムの規模が大きいほど、費用は高くなります。

社内の数人でデータを共有する簡単な業務システムを構築する場合、費用相場は数万円から数十万円です。数万〜数百万人単位のユーザーがアクセスしたり会員登録を行ったりするシステムの場合、インフラ環境の構築だけで数百万円以上の費用がかかります。

システム開発のサグラダファミリアとまでいわれた「みずほ銀行の勘定系システム」は、4,000億円の開発費用がかかったといわれています。

システム開発・構築費用を抑える5つのポイント

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システム開発・構築費用を抑えるポイントは次の5つです。

  1. 開発したいシステムの目的・要件を明確にする
  2. 予算を明確に伝える
  3. 必要最低限の機能に絞ったシステムからスモールスタートする
  4. クラウドサービスやパッケージを利用する
  5. システム開発に利用できる補助金を活用する

「できるだけ費用をかけずに運用を始めたい」「費用対効果が不安だから予算を抑えたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。

1. 開発したいシステムの目的・要件を明確にする

開発したいシステムの目的・要件を明確にして、システムに実装する機能や規模を把握しましょう。「システムを開発したい」と漠然とした要望では、どの機能をどれだけ実装したらいいか明確ではありません。

要件定義でシステムの目的や必要な機能を明確にすることで、システム開発会社とイメージを共有しやすくなり無駄な工数が発生せず費用を抑えられます。

要件定義に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

2. 予算を明確に伝える

見積もりを依頼する際は、システム開発に投資できる予算を業者へ明確に伝えましょう。

システム開発に必要な費用は、開発時の初期費用だけではありません。リリースされた後も、システムに障害やトラブルが発生した場合の原因究明・対応など、継続的に保守・運用を行う必要があります。

保守・運用に必要な費用はシステム開発費用の5〜15%が相場といわれており、開発費が200万円のシステムであれば月額10万〜30万円です。見積もりを依頼する段階で、保守・運用に必要な費用も必ず確認しましょう。

3. 必要最低限の機能に絞ったシステムからスモールスタートする

システム開発では、最初から大規模なシステムを開発・構築しても充分な成果を得られるとは限りません。実装したけれど使われない機能があった場合、開発費用が無駄になってしまいます。

まずはシステムとして成立する最低限の機能に限定して開発するといいでしょう。将来的に追加したい機能を想定し、システム開発会社にあらかじめ共有しておくとスムーズです。

コア機能のみに絞り込むだけではなく、機能を簡単に追加できる柔軟なシステムを低価格で開発・構築できる可能性が高まります。

4. クラウドサービスやパッケージを利用する

オリジナルのシステムを開発するのではなく、既存のクラウドサービスやパッケージを利用してカスタマイズすることで、費用を抑えられます。

クラウドサービスやパッケージは汎用的な機能しかないため、導入には自社の業務フローをシステムに対応させることが必要です。カスタマイズ可能なサービス・製品であれば、開発費用を抑えながら自社の業務フローにあわせたシステムを開発できます。

5. システム開発に利用できる補助金を活用する

システム開発関連で利用できる補助金の活用もぜひ検討してみてください。採択されると大きな金額の助成を受けられるため、開発費用を抑えられます。

システム開発に利用できる補助金は、主に以下の4つがあります。

補助金名 補助金額 補助率 採択率
IT導入補助金 5万〜450万円 1/2(通常枠) 45〜55%
ものづくり補助金 100万〜1,250万円 ・1/2(通常枠)
・2/3(回復型賃上げ・雇用拡大枠)
45〜55%
小規模事業者持続化補助金 50万円 2/3(通常枠) 60〜65%
事業再構築補助金 100万〜8,000万円 ・1/2(中小企業者)
・1/3(中堅企業)
45〜50%

利用できる補助金は、1つのプロジェクトに対して原則1つまでです。それぞれの補助金の内容や補助金額を把握し、自社に最適な補助金を選択することが重要です。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が自社の課題解決のためにシステムを導入する際の費用の一部を補助することです。中小企業の業務効率化・売上アップをサポートすることが目的です。年4回の募集が行われており、採択率は45〜55%です。

IT導入補助金にはA類型・B類型があり、以下の違いがあります。

類型 A類型 B類型
補助金額 5万〜150万円 150万〜450万円
機能要件
(導入するITツールの数)
1プロセス以上 4プロセス以上

補助金の交付が決定した時点でシステム開発業者と契約を結び、実際にシステムの導入・代金の支払いをおこないます。補助金は後払いのため、システム導入費用を支払う前に補助金を受け取ることができないため注意しましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者が取り組む革新的サービスや、試作品の開発・生産プロセス改善を行うための投資を支援することです。中小企業庁および独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している補助金です。年4回の募集が行われており、採択率は45〜55%です。

補助金額の上限は、従業員の人数によって決まります。

従業員数 補助金額
5人以下 100万〜750万円
6〜20人 100万〜1,000万円
21人以上 100万〜1,250万円

システムの導入は、補助金交付が決定した後に行うことになります。取引先からの要望に応じるために必要な機械をすぐ購入したいケースでは利用できません。

補助金の交付前に発注したものは補助対象にはならないため注意しましょう。採択後5年間は、報告書の提出が求められる点も要注意です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が自社の経営を見直し、持続的な経営改善を行うための取り組みを支援することです。販路開拓や業務効率化のための費用を助成する補助金です。近年の採択率は、60〜65%で推移しています。

以下に該当する法人・個人事業・特定非営利活動法人が補助金の対象者です。

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業
(宿泊業・娯楽業除く)
5人以下
宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

採択されたあと、補助金を受け取るためには、日本商工会議所が作成した報告書や書類が必要です。自社での準備だけですベての書類が揃うわけではないため、締め切りを意識して準備を進めましょう。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、事業転換・業種転換・事業再編など新型コロナウィルス感染症の影響に対応するための事業再構築に関する費用を助成する補助金です。近年の採択率は45〜50%で推移しています。

補助金額の上限は、従業員の人数によって決まります。

従業員数 補助金額
(成長枠)
補助金額
(グリーン成長枠)
20人以下 100万〜2,000万円 100万〜4,000万円
21〜50人 100万〜4,000万円 100万〜6,000万円
51人〜100人 100万〜5,000万円 100万〜8,000万円
101人以上 100万〜7,000万円 100万〜8,000万円

グリーン成長枠は、事業再構築を行いながら、グリーン成長戦略の14の重点分野の課題解決に関する取り組みを行う事業を支援します。1年以上の研究開発・技術開発を行っているか、従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うことが対象条件です。

補助金の申請だけではなく、認定経営革新等支援機関の認定に関する流れやスケジュールも事前に確認しましょう。

自社に合ったシステム開発会社を探す3つの方法

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システム開発会社を探す方法は、主に以下の3つです。

  1. インターネット検索で探す
  2. クラウドソーシングを利用して探す
  3. 一般的な見積もりサイトで探す

それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自社に適した方法を選びましょう。それぞれの探し方の特徴を紹介します。

1. インターネット検索で探す

「マッチングアプリ 構築」「在庫管理システム 開発」などのキーワードで検索し、見つかった開発会社を比較する方法です。もっとも自由度の高い探し方ですが、比較検討にかかる時間や労力も大きくなります。

メリット ・システム開発会社を自由に探せる
・さまざまなシステム開発会社を比較検討できる
デメリット ・値引き前提で高い見積もりを提示される場合がある
・会社ごとの見積もり取得や比較検討に時間がかかる

2. クラウドソーシングを利用して探す

クラウドワークス」で募集を出し、応募のなかから依頼したい人を選んで発注する方法です。フリーランスからの応募が多いため、小規模なシステムであれば企業へ依頼するよりも開発費用を抑えられます。

信頼性やクオリティは確実ではないため、大規模なシステム開発に対応できないでしょう。

メリット ・フリーランスへの依頼で開発費用を抑えられる
・応募が集まりやすい
・適切な人材を選びやすい
デメリット ・成果物のクオリティに不安が残る
・大規模なシステム開発に対応できない
・信頼性と継続性のリスクが残る

3. 一般的な見積もりサイトで探す

複数の会社から見積もりを取れるサイトで、一括で見積もりを取って比較する方法です。簡単に複数社の見積もりが一括取得できるメリットがあります。

メリット ・簡単に複数の見積もりを取れる
・業者を簡単に比較できる
・価格競争が起きやすく費用を抑えられる
デメリット ・特定の会社に紹介が偏りがちになる
・営業電話が鳴り止まない可能性がある
・手数料が上乗せされる場合がある

一括見積もりサイトのデメリットを解消したサービスが弊社が運営する「比較ビズ」です。

「提案件数を制限できる」「自由に商談できる」など、発注者が快適に使えるように設計されています。システム開発会社側の掲載費は月額1.5万円のため、見積書に手数料が上乗せされづらい点も特徴です。

メリット ・登録業者が多く価格競争が起きやすい
・提案件数を5〜30件に絞り込める
・見積書に手数料が上乗せされづらい
・小規模な会社から大規模な会社までさまざまな見積書を取得できる
デメリット ・提案件数が30件の場合メッセージが多くなる
・紹介や仲介はしていない
・依頼内容によっては提案が集まらない場合がある

システム開発が依頼できるおすすめ会社3選

システム開発が依頼できるおすすめの会社は次の3社です。

  • キャロルシステム株式会社
  • 司システム株式会社
  • 株式会社ルミテック

複数の会社とコンタクトを取り、自社のニーズに最も適した会社を選ぶことが重要です。口コミやオンラインのレビュー・実際の顧客との会話なども参考になるでしょう。

キャロルシステム株式会社

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キャロルシステムは、オープンソース技術の高度な知識と豊富なwebシステム開発の実績を武器に、クライアントのIT革新を支援しています。

業務システム開発では、最新のテクノロジーを駆使し、250社以上にさまざまなシステムを提供してきました。流通・物流・製造・飲食・通信など幅広い業界で、クライアントの業務効率化に貢献しています。

システムコンサルティングからマネジメント・設計・実装・テスト・保守運用まで、幅広い業務をカバーします。システム開発に関わるあらゆる段階でサポートが可能です。

司システム株式会社

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司システムは、ソフトウェア開発・ネットワークインフラの構築・アウトソーシング・パッケージ販売を主に手掛けています。これまでに自治体・金融機関・通信会社・製造業・官公庁などさまざまな分野の開発経験が豊富です。顧客管理システムや業務支援システムなど多岐にわたります。

最も重視されているのは品質です。顧客の要望を具現化するため、スピーディーな対応はもちろん、多様な状況に応じた提案や運用保守などのアフターケアも含め、トータルなサポートを提供しています。

ビジネスアプリケーションからオープンソースやフレームワークを駆使した、短期間での低コストなシステム構築も得意としています。

株式会社ルミテック

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ルミテックは、ソフトウェア開発や受託システム開発・Webシステム開発・スマートフォンアプリ開発などを主に手がけています。

業務システムにおいては、サイボウズの「kintone」を活用した開発を行い、29万円からと手頃な価格でサービスを提供しています。普段Excelで行っている案件管理や作業日報などの業務を、手軽に業務システムへ移行することが可能です。

従来のシステム開発に比べて、約3回の相談でシステムを完成させるため、格段に迅速な提供が可能です。システムの必要項目を洗い出し、ドラッグ&ドロップの操作で作業を進めます。クライアントと協力してシステムの動作を確認しながら開発を進めることができます。

まとめ

システム開発費用の相場は幅広く、機能や規模などさまざまな要因によって変動します。開発費用を抑え、自社に最適なシステムを導入するためには、パートナーとなるべき優良なシステム開発会社を選定することが重要です。

「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度の手間で、システム開発に詳しい専門家をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか迷うようなことがあれば、ぜひ利用してみてください。

よくある質問とその回答

  • システム開発の費用が会社によって異なるのはなぜ?

    開発費用の8割となる人件費は人月単価を用いて計算します。大規模企業や首都圏の企業は人月単価が高くなる傾向があります。

    開発会社ごとに開発方法は異なり、ニーズに適したパッケージを提供する場合もあれば、完全にオリジナルの開発する場合もあります。開発方法により開発期間が変わるため、見積もり費用が大きく変わります。

  • 開発費用を抑える方法とは?

    開発費用を抑えるためには、どのような機能が必要かを整理(要件定義)することです。

    要件が明確ではない場合、システム開発会社からすると「後からこれもしたいと言われて、当初の想定より工数が増えて費用がかかるかもしれない」との見積書の金額に費用を加算する可能性があります。

    また、成功するかわからない段階で、高機能なシステムを作ると無駄なコストがかかるため、最低限必要な機能をそろえることで、費用を抑えられます。

監修者のコメント
AOIS Consulting株式会社
代表取締役 青井真吾

大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後は、フリーのITコンサルタントとして、人材派遣会社の基幹システムの開発、不動産会社の商業施設での販促システムの導入、自動車メーカーでコネクティッドカー開発のプロジェクト管理、SIerでのSalesforceの導入、ファッション業界の企業でSalesforceと連携する周辺システムの導入を経験。現在は法人化し主に企業のシステム開発プロジェクトを支援。

システム開発費用の相場は多くのサイトで説明されていますが、あくまでも参考程度と考えるべきでしょう。

特に特殊な要件のある場合や、スコープが広範囲にわたる場合、多くの機能を実装する予定の場合など、プロジェクトによっては相場とはかけ離れた金額になることも多いです。

プロジェクトを失敗させないためにも、開発するシステムの全体像が見えてきた時や、要件変更が発生した場合など、適切なタイミングで見積を行いできるだけ正確な費用を把握し続けることが推奨されます。

そうすることで、仮に費用が予算オーバーの見込みとなった場合でも対策を打つことが可能です。

例えば、一般的な方法で言えば、実装する機能に優先順位を付ける、他のシステム会社にも見積を依頼してみる、システム開発ではなくクラウドサービスの導入など他の代替手段が無いか調査してみる、などの選択肢があります。
比較ビズ編集部
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比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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