動画マニュアルの作成手順とは?費用相場や作成するメリット・デメリットを解説

株式会社ヒカリノオト
監修者
株式会社ヒカリノオト 代表取締役 加茂英樹
最終更新日:2024年08月26日
動画マニュアルの作成手順とは?費用相場や作成するメリット・デメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • 動画マニュアルとは?
  • 動画マニュアルを作成する手順とは?
  • 動画マニュアルを作成するメリット・デメリットとは?

「動画マニュアルを新人教育に活用したい」とお悩みの経営者・人事担当者、必見です。

動画マニュアルは、研修や営業の場面で効果的に情報を伝える方法の1つです。導入することで、教育コストを削減できるほか、指導内容に統一感のある新人教育が実現できるでしょう。

この記事では動画マニュアルの作成手順やメリット・デメリットを解説します。記事を読み終わった頃には、動画マニュアルの作成に必要な知識が身につき、わかりやすいマニュアルを作成できるでしょう。

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動画マニュアルとは|手順や使用方法を伝える動画

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動画マニュアルとは、業務作業や操作方法を説明するために作成された動画です。文字のみの解説に比べ、映像と音声を含むため理解が深まる点が特徴です。視聴者の記憶に残りやすく、感覚的に手順を理解できます。

動画マニュアルは目的に応じて含むべき内容が異なりますが、基本的には手順をステップごとに解説します。企業の研修で、動画マニュアルを用いられケースが増えています。

動画マニュアルの作成手順

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動画マニュアルの作成する手順は、以下のとおりです。

  1. 目次を作成する
  2. 情報・資料を集める
  3. 台本を作る
  4. 動画を撮影する
  5. ナレーションを入れる
  6. 動画を編集する

順番どおりに作成を進めることで、スムーズに適切な動画を作れるでしょう。

1. 構成を作成する

動画マニュアルの構成を作成します。視聴者がどの順序で情報を得るかを考慮し、各セクションを明示的に示すことで、効果的な学習体験を提供できるでしょう。

目次がない場合、視聴者は必要な情報を探すのに手間取る可能性があります。適切な目次が提供されることで、ユーザビリティが向上し、学習効果が高まるでしょう。

2. 情報・資料を集める

動画マニュアルによって解決するべき課題を明確化し、マニュアルに盛り込む内容や情報を収集しましょう。情報をもとに現状を分析し、課題の抽出を行います。

  • どういう目的で動画マニュアルを作成するのか
  • 誰を対象にしているのか
  • 課題を解決するためにはどうするべきか

社内業務の動画マニュアルを作成する場合、現場で働く従業員の意見を含めた幅広い情報収集が大切です。管理者の立場では気付くことができない課題を抱えているケースも多くあります。

3. 台本を作る

台本はスクリプトやセリフをまとめた文書です。明確でわかりやすい言葉を使い、動画の進行や説明をスムーズに行うために必要です。臨機応変に対応できるように進行順序やポイントを整理します。

台本を作る際に大切なのは、マニュアルの方向性や着地点を意識することです。絵コンテの作成は難しく感じる方もいますが、簡単なレイアウトがあるだけで画面上の構成整理に役立ちます。

4. 動画を撮影する

絵コンテ・シナリオをもとに、動画撮影に取りかかります。撮影に必要な準備がいくつかあるため、以下の必須事項をリスト化してチームで共有しましょう。

  • 撮影場所の確保/予約
  • カメラを含む撮影機材の確保
  • キャスト/スタッフの確保
  • 撮影スケジュールの調整

スマートフォンカメラの高性能化により撮影機材のハードルは大きく下がりましたが、三脚や照明は準備する必要があります。作成する動画マニュアルの用途に応じて、高性能のカメラや別撮り用の録音機材を用意します。

5. ナレーションを入れる

ナレーションは動画に声を加え、視聴者に情報を伝える効果的な手段です。視聴者の動画に対する理解度を向上させます。

ナレーション収録前には、明確な台本を用意しましょう。台本を用意することでナレーション収録をスムーズに進められます。重要なポイントやキーメッセージを組み込みましょう。

6. 動画を編集する

撮影・録音した素材を編集し、動画マニュアルを完成させます。編集には主に以下の作業が必要です。

  • 動画の必要な部分だけを切り出すカット編集
  • カットした要素を違和感なくつなぐトランジション/エフェクト編集
  • テロップや字幕の挿入
  • ナレーションのアフレコ

動画編集ソフトやクラウドツールが安価で利用できるようになり、未経験者でも簡単に動画編集が可能です。動画編集の出来によって全体のクオリティが大きく左右されるため、編集だけをプロに任せる方法もおすすめです。

主な動画マニュアルの種類4選

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動画マニュアルの主な種類は以下のとおりです。

  1. 研修マニュアル
  2. 製品のチュートリアル
  3. 営業マニュアル
  4. 業務手順マニュアル

それぞれの内容をくわしく解説していきます。

1. 研修マニュアル

研修マニュアルは新しいスキルや知識を身につけるための教育プログラムを補完するために使用されます。従業員や学習者に対して、特定のトピックやプロセスに関する詳細な情報を提供し、理解を深める役割があります。

2. 製品のチュートリアル

製品のチュートリアルは、製品やサービスの使用方法や機能に関する情報を提供するための動画マニュアルです。製品の概要や具体的な操作手順・トラブルシューティングなどを視聴者にわかりやすく説明し、製品の利用価値を最大限に引き出すことを目的とします。

3. 営業マニュアル

営業マニュアルは、営業担当者が製品やサービスを効果的に紹介し、販売活動を支援するための情報を提供します。営業プロセスや提案方法、顧客対応などのスキル向上を図り、営業活動の効果を向上させることが目的です。

4. 業務手順マニュアル

業務手順マニュアルは、特定の業務プロセスや手順に関する詳細なガイダンスを提供します。従業員が業務を効果的かつ効率的に遂行するための手順やポリシー・規定などを明確に示し、業務の一貫性と品質を確保します。

無料で使えるおすすめ動画マニュアル作成ツール・ソフト3選

動画編集を内製する場合、動画マニュアル作成ツール・ソフトの活用が便利です。おすすめのツールは、次の3つです。

  1. iMovie
  2. Vrew
  3. Lightworks

それぞれの特徴を解説します。

1. iMovie

iMovieはアップル社が提供する動画作成ツールです。感覚的に操作ができ、タイトルやトランジションを瞬時に作れます。20以上のスタイルから動画を編集できるため、マニュアルの用途にあわせた見やすい構成を選べます。

アップル製品のユーザー(iPhoneやMac)であれば無料で利用可能です。アップル製品に標準搭載されているアプリで、無料でも機能の制限が少ない点が特徴です。

2. Vrew

Vrewは簡単に操作できる動画編集ソフトです。無料でダウンロードでき、テキストエディターのようにわかりやすい特徴があります。複雑な編集よりも、シンプルな動画制作に適しています。

AI音声認識で自動字幕がつけられるため、動画マニュアル作成の際に文字起こしする手間が省けるソフトです。時間をかけずに簡易的に動画マニュアルを作成したいケースに最適です。

3. Lightworks

Lightworksはプロ向けの動画編集ソフトです。無料で利用するためには、会員登録が必要です。現在は無料で誰でも利用できますが、もとはプロ向けの有料ソフトだったため、初心者には難しい可能性があります。

高性能でさまざまな編集機能が搭載されているため、動画編集の経験がすでにあり、よりクオリティを上げたい方におすすめです。

動画マニュアル作成の費用相場

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動画マニュアル制作を外注した場合の費用相場は、次のとおりです。

  1. ソフトウェアのキャプチャ中心|10〜30万円
  2. 2カメラ・自社従業員出演の実写動画|30〜80万円
  3. 簡易的な2Dアニメーション(60秒程度)|30〜100万円
  4. 高品質な3Dアニメーション(60秒程度)|100〜200万円

プロジェクトの性質や要件に応じて、適切なコストバランスを考慮することが重要です。

1. ソフトウェアのキャプチャ中心|10〜30万円

動画マニュアルを1から作成する場合、15分程度のマニュアル1本で30万円程度が相場といわれています。モデルの手配やイラストやCGなどのオプションを追加する場合にはさらに費用がかかります。

2. 2カメラ・自社従業員出演の実写動画|30〜80万円

自社内でキャスティングをし、撮影や編集を制作会社に依頼すると30万円以上かかります。撮影や編集をすべて内製する場合は10万円程度に費用を押さえられるケースもあります。撮影機材を揃えるための追加費用が必要です。

費用は動画の長さやプロットのイメージによって変動します。予算が決まっている場合は、金額内に収まるように動画内容を調整します。

3. 簡易的な2Dアニメーション(60秒程度)|30〜100万円

簡易的な2Dアニメーションは、60秒程度で30〜100万円です。動画マニュアルはアニメーションを用いた方が親しみやすく伝わりやすいケースがあります。

費用はアニメーションの内容や音声・エフェクトなどによって変動します。より正確な金額を把握したい場合、見積もり時に作品イメージをなるべく細かく伝えましょう。

4. 高品質な3Dアニメーション(60秒程度)|100〜200万円

2Dアニメーションよりもリアルな仕上がりにするため、3Dアニメーションを作成する方法があります。費用は、100〜200万円です。3Dアニメーションは制作に時間がかかるため、余裕をもって納期を設定しましょう。

動画マニュアルを作成する5つのメリット

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動画マニュアルを作成する主なメリットは、次の5つです。

  1. 視覚・聴覚で直感的に内容を伝えられる
  2. 翻訳・字幕により多言語に対応できる
  3. 膨大な情報の中から要点をまとめられる
  4. 教育コストの削減が期待できる
  5. 紛失リスクを低下させられる

それぞれのメリットをくわしく解説していきます。

1. 視覚・聴覚で直感的に内容を伝えられる

視覚・聴覚で理解できる動画を用いることで、マニュアル作成者が伝えたいメッセージや重要なポイントを正しく伝えられます。ソフトウェアや機器の扱いをマニュアル化する場合、具体的な手順を直感的に視聴者に理解させられます。

テロップや注釈を添えることで、わかりやすく要点をまとめられる点も強みです。テキストで「適切な量」や「正しい方法」の表現は難しいですが、動画では実際の映像を含むため感覚的な理解が進みます。

2. 翻訳・字幕により多言語に対応できる

視聴者に外国人がいる場合、動画であれば多言語対応できる点がメリットです。翻訳や字幕をつければ言葉の壁を解消し、日本語が得意ではない方にも同じ水準で情報を伝えられます。

テキストや文章を外国語に翻訳するよりも、動画マニュアルに翻訳や字幕をつける方が文量が少なく翻訳費が安価です。外国人の労働者が増加している企業や店舗では、動画マニュアルを利用することで研修実施の負担が軽減されます。

3. 膨大な情報の中から要点をまとめられる

動画マニュアルを利用することで、膨大な情報のなかから要点を正しく伝えられます。1分間の動画は、Webページ3,600ページ分の情報量に匹敵するといわれます。

マニュアルに動画を利用すると、詳細部分は映像が補うためコンパクトに要点をまとめられるでしょう。学習時間の大幅削減にもつながります。

4. 教育コストの削減が期待できる

動画マニュアルを作成・活用することで、教育コストを大幅に削減できます。研修を対面で行う場合・人件費や会場の予約・資料作成などで多くのコストが発生します。対面研修では、参加する全員の予定もあわせなければいけません。

繰り返し活用できる動画マニュアルを導入することで、効率的に社員の教育や研修ができます。動画マニュアルの制作費に投資することは、長期的に見れば人件費削減や経費削減に効果があります。

5. 紛失リスクを低下させられる

マニュアルを動画化すると、紛失リスクが大幅に下がります。紙マニュアルの場合、紛失する危険性や他の書類に紛れて必要なときに見つからないリスクがあります。

社外秘の情報がマニュアルに記載されている場合、情報漏洩のリスクも生まれるでしょう。動画の扱いにも注意は必要ですが、保存場所やフォルダ共有することでマニュアル紛失のリスクは下げられます。

動画マニュアルを作成する2つのデメリット

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動画マニュアルを作成するデメリットは次の2つです。

  1. 動画制作コストがかかる
  2. 撮影・閲覧用の端末や環境が必要になる

それぞれのデメリットをくわしく解説していきます。

1. 動画制作コストがかかる

動画マニュアルを制作するため、コストがかかる点がデメリットの1つです。制作費は10〜200万円まで幅広いものの、制作会社に依頼すると30万円前後はかかります。

動画マニュアルを1度作成すると繰り返し使えるため、長期的に見れば費用対効果が高い可能性があります。導入時は使用頻度や節約できる時間・コストを踏まえて慎重に検討しましょう。

2. 撮影・閲覧用の端末や環境が必要になる

動画マニュアルのデメリットは、閲覧環境が制限される点です。動画マニュアルを視聴するためには、視聴用の端末や通信環境を整えるコストが発生する場合もあります。

個人所有の端末からのアクセスは、セキュリティ上の不安があります。アクセスが制限される場合は社内で端末を準備するべきでしょう。全体研修で動画マニュアルを流す際、大型のスクリーンやプロジェクター・通信環境の整備が必要です。

わかりやすい動画マニュアルを作成する3つのコツ

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動画マニュアルを作成する際の注意点は、次の3つです。

  1. 余裕のあるスケジュールを組む
  2. コンセプトや意図を明確にする
  3. テロップ・図解・作業シーンなどを組み込む

動画マニュアルは、作成前にスケジュールやコンセプト、編集内容決めましょう。

1. 余裕のあるスケジュールを組む

動画マニュアルの作成には、通常1カ月以上かかります。長めの凝った動画であれば、数カ月以上かかることもあり、納期から逆算して行動する必要があります。

制作会社に依頼する場合、打ち合わせや撮影日程の調整などにも時間がかかる点に注意しましょう。見積もり時に納期を明示すると、制作会社がスケジュールを組みやすくなります。

2. コンセプトや意図を明確にする

動画マニュアルを作成する際、伝えたいポイントを明確にしなければなりません。コンセプトや意図が、視聴者にも伝わるように心掛けましょう。

内容を詰め込みすぎると、メッセージ性が低下する可能性があります。動画で文章で訴求するポイントは重要な内容だけにとどめ、詳細は映像や音声で補う構成が理想的です。

3. テロップ・図解・作業シーンなどを組み込む

情報を視覚的に伝える手法を取り入れることが重要です。テロップや図解、実際の作業シーンを交えることで、言葉だけではなく視覚的な情報も提供できます。

異なる学習スタイルや言語の壁を乗り越え、幅広い視聴者に理解されやすい動画マニュアルが実現するでしょう。

まとめ

動画マニュアルは視聴者に業務内容やルールを直接伝えられる便利なツールです。制作には費用がかかりますが、長期的には研修費や人件費の節約につながります。

動画マニュアルを作成するためには、企画・撮影・編集などさまざまな手順が必要です。動画制作を依頼する場合は、各制作会社の条件を比較して自社にもっとも適した業者を選びましょう。

「比較ビズ」では、必要事項を入力する2分程度の手間で、動画マニュアルに詳しい専門家をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか迷うようなことがあれば、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
株式会社ヒカリノオト
代表取締役 加茂英樹

デザイン制作会社で営業兼コピーライターを経験し、その後医療系職業紹介業のコンサルタントを経験。クリエイティブな感性と傾聴力を活かして2021年4月に動画編集コンサルティング・メンタルケアコンサルティング会社を設立。MV制作やイベントの撮影・医療法人へ接遇セミナーやキャリアカウンセリングを行う。

動画マニュアル制作は業種や用途により様々な作成方法と訴求ポイントが違ってくるのが特徴です。まずは「誰に」「何を」「どれくらい」「いつまでに」理解、習得してもらう為のマニュアルなのかをしっかりと共通認識しておく必要があります。

定点で1点撮影のマニュアルもあれば、How to系の動きを重視したマニュアルもある為、動画マニュアルを作成する目的意識を間違わないように作成したいですね。

また、撮影場所によっては影の入り方等で全体の統一感を保つのが難しいロケーションもあります。撮影する季節や時間帯にも気を配りながらマニュアルそのものに集中できるような動画撮影が必要になります。

私自身、動画マニュアルを作成する際に注意していることは、視聴者がそのマニュアルを苦もなく長時間見れる(理解できる)ものなのか?動画だけで100%理解できるのか?専門分野、専門用語が飛び交う動画に視聴者は混乱、動画離れしないのか?と。

マニュアルとなると特定少数の人に見てもらう機会が少なくないので、どうしても製作者側の目線で進めてしまいがちです。 俯瞰で動画マニュアル制作を注視できる存在や、そのような立場にある外注先にお願いするのも効果的な動画マニュアル制作の手段かも知れませんね。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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