確定測量にかかる費用はどのくらい?必要なケースについて解説!
- 確定測量にかかる費用はどのくらい?
- 確定測量を行うべきなのはどんなケース?
- 確定測量をスムーズに行うためにはどうすればいい?
「確定測量の費用はどのくらいかかるの?」「確定測量はどのような手順で行われるの?」とお考えの方、必見!
確定測量は住宅を建てたり土地を売却したりする際に行うものです。ケースによって費用が大きく変わるため注意が必要です。
この記事では確定測量の費用相場に加え、確定測量が必要となるケースを詳しく解説します。
確定測量を依頼する際の流れについても説明するため、土地の売却や住宅建築を検討している方はぜひ参考にしてください。
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確定測量にかかる費用は35万円〜80万円
確定測量にかかる費用は、35万円〜80万円とかなり幅があります。どのような土地で確定測量をするかによって費用に差が出るため、土地を購入したり家を建てたりする場合には注意が必要です。
確定測量の費用に影響を与える要素は3つあります。
- 確定測量図の有無で費用が変わる
- 近隣の土地所有者の人数で費用が変わる
- 官民査定では費用が高額になる可能性がある
確定測量図の有無で費用が変わる
確定測量図がすでに所有者の手元にある場合、確定測量の費用は大きく減ります。完全な確定測量図があれば、そもそも確定測量は必要ありません。そのまま土地の売却、住宅建築の手続きに移れるでしょう。
所有している確定測量図が完全なものではなく、土地の一部が確定している測量図であることもあります。たとえば、隣接地が売却された際に境界が確定しているケースでは、まだ確定していない部分だけを確定させればいいため、多少費用が安くなる可能性があります。
近隣の土地所有者の人数で費用が変わる
確定測量では、近隣の土地所有者(隣接土地所有者といいます)立会いのもと、境界の確定を行います。隣接土地所有者が数人程度であれば、事務手続きが少なくなるため費用が安くなる可能性があるでしょう。
隣接土地所有者が10人前後の場合や、遠方に住んでいる人の場合は、すべての隣接土地所有者の同意を得るために数回にわたって立会いを行うこともあります。境界確定により多くの時間が取られるため費用が高くなります。
官民査定では費用が高額になる可能性がある
確定測量の費用は、官民査定が入ると高額になる可能性があります。官民査定とは、隣接土地所有者に国や市区町村、土地改良区が含まれている場合の境界確定のことです。当該地が道路や水路、公園に接している場合、官民査定が発生する可能性があります。
官民査定では役所で資料を集めたり、都合をあわせて立会いを行ったりして境界を確定しなければなりません。その分、調査費用や人件費がかかるため、確定測量の費用が高額になります。
確定測量が必要なケース7つ
確定測量は、土地に関する取引が発生した際に必要です。隣接地との境界線をはっきりさせておくと、将来起こるかもしれないトラブルを未然に防げるというメリットもあります。以下の7つのケースでは、確定測量が必要なことが多いため、覚えておきましょう。
- 隣地との境界線が曖昧なケース
- 土地を売却するケース
- 地価が高い土地を所有しているケース
- フェンスや塀を新たに設置するケース
- 抵当権を設定するケース
- 相続が発生したケース
- 住宅を建築するケース
1. 隣地との境界線が曖昧なケース
確定測量は、隣地との境界線が曖昧なケースで必要です。日常生活を送るうえで、隣地との境界線を気にすることはほとんどないでしょう。
ブロック塀を作り直す、新しく倉庫を設置する、近所との境目に植えられている樹木がどちらの所有か確認したいなどのケースでは境界確定が必要になることがあります。
誤って隣接地にあったブロック塀を壊してしまったり、隣接地にはみ出して駐車場を作ってしまったり、訴訟になるリスクも抑えられます。
2. 土地を売却するケース
土地は面積によって価格が決まります。境界が確定していなければ面積は決められないため、確定測量が行われます。
土地を売却する場合、確定測量の費用は買主、売主どちらが負担しても問題ありません。ただし、一般的には売主が確定測量の費用を負担します。買主は土地の購入費用やローン手数料などの支払いがあり、負担が大きくなるからです。
3. 地価が高い土地を所有しているケース
法務局に設置されている土地登記簿謄本に記載されている土地面積と、実際の面積が異なることがあります。土地の売買契約では土地登記簿謄本の面積に基づいて価格が計算されます。
実際の面積が土地登記簿謄本に記載されている面積より大きい場合、契約の金額に差異が生じ、損をする場合もあります。確定測量によって正確な面積がわかり、土地登記簿謄本の面積を変更する土地地積更正登記を行えば、正当な価格で売買契約が結べるでしょう。
4. フェンスや塀を新たに設置するケース
フェンスや塀を新たに設置したい場合、確定測量が必要になるケースがあります。近隣住民と良好な関係を築いていると確定測量せずにフェンスや塀を作ることもありますが、後々トラブルの原因になりかねません。
確定測量をすれば自分の所有地が明確になるため、隣接地にはみ出して構造物を作ってしまうリスクを抑えられます。
5. 抵当権を設定するケース
銀行に融資を申し込み、抵当権の設定が発生する場合には確定測量が必要です。抵当権とは、融資の担保として土地に設定される権利のことです。債務者が支払い不能になった際に、該当の土地や建物が差し押さえられます。
抵当権は、土地全体だけではなく一部分に設定することも可能です。その場合でも、土地の分筆登記が必要であるため確定測量が必須となります。
土地の正確な面積がわからない場合、土地の評価額が算定できないため、確定測量が必要です。抵当権が設定できないと融資の手続きが進められないため、早めに確定測量を依頼しましょう。
6. 相続が発生したケース
土地を相続した場合、相続税が課税されるため、確定測量によって土地の正確な面積を把握しなければなりません。相続税の申告には、相続した土地の確定測量図を添付することが求められているからです。
相続税を現金ではなく、土地そのもので支払う物納という選択肢もあります。土地の一部分を切り取って物納するケースでも、分筆登記の前には確定測量を行わなければなりません。
7. 住宅を建築するケース
住宅を建築する予定の方は、所有する土地の確定測量が必要です。住宅を建築する際には、建築基準法や消防法の規定を順守するために境界を確定していなければなりません。
隣家が近い土地に住宅を建てたい場合には、確定測量がとくに重要です。確定測量によって、住宅やブロック塀を建てられる範囲や前面道路の幅、構造物が建てられない範囲を明確にできます。
確定測量が不要なケース3つ
確定測量は土地が関係した取引の多くで必要に思えますが、確定測量が不要なケースもあります。以下の3つのケースでは確定測量せずに取引を進められる可能性があります。
- すでに確定測量図があるケース
- 地価が低い土地を売却するケース
- 境界確定まで時間がかかりそうなケース
1. すでに確定測量図があるケース
過去に確定測量が行われており土地所有者が確定測量図を持っている場合、再度確定測量を行う必要はありません。確定測量が行われると、隣接土地所有者の署名押印がされた確定測量図が作成されます。
確定測量図がすでに作成されている場合、隣接土地所有者と境界に関する合意がなされていることがわかるためトラブルにはなりません。隣接した土地が売却されて所有者が変わっても同様です。
2. 地価が低い土地を売却するケース
地価が低い土地を売却するのであれば、確定測量をせずに売ってしまった方がいいケースもあります。確定測量には35万円から80万円の費用がかかるため、土地の売却価格よりも測量費用が高額になる可能性があります。
確定測量をしなくても土地登記簿謄本に記載されている面積で価格を決めることは可能です。土地の売却価格より測量費用の方が高くなりそうな場合には、不動産会社に対応を相談してみるといいでしょう。
3. 境界確定まで時間がかかりそうなケース
当該地が国や市区町村の土地に隣接している場合や、隣接土地所有者と立会いをしたものの、どうしても合意に至らない場合は、承認まで時間がかかる可能性があります。
そのまま境界が確定しないといつまでも手続きが進まないため、確定測量や境界確定をせずに土地を売却したり家を建設したりすることもあります。ただしまれなケースのため、不動産会社に相談しながら手続きを進めるようにしましょう。
確定測量を実施する流れ
確定測量が必要な場合、手順を踏んで手続きを進めていかなければなりません。確定測量を実施する流れは以下のとおりです。
- 土地家屋調査士に依頼
- 資料調査
- 現況測量
- 隣接土地所有者との立会い
- 境界確定図の作成
- 確定測量
1. 土地家屋調査士に依頼
確定測量が必要な場合、土地家屋調査士に業務を依頼します。不動産会社が懇意にしている土地家屋調査士が業務を請け負ってくれることもあるでしょう。
土地家屋調査士は境界に関する専門家で、測量だけではなく土地地積更正登記や分筆登記の代理人となります。境界確定だけであれば測量士でも行えますが、その後の手続きを考えると土地家屋調査士に依頼するのが最善です。
2. 資料調査
土地家屋調査士が確定測量の業務を依頼されると、資料の調査を行います。確定測量では、法務局に設置されている公図や地積測量図、当該地の所有者が持っている可能性がある確定測量図、国や市区町村の役場に保管されているかもしれない確定測量図などが必要です。
隣接地と当該地の間にブロック塀や倉庫が立っている場合には、そのブロック塀がどちらの持ち物なのか尋ねる必要もあります。
3. 現況測量
資料調査と並行して、現況測量が行われます。現況測量とはその名のとおり、現在の土地や周辺の状況を測定するものです。たとえば、すでに境界標が設置されている場合、測量図や公図と照らしあわせて境界がどのあたりにあるのか推測できる可能性があります。
確定測量において、既存のブロック塀やフェンス、他の構造物がどのような形で立っているのかを知ることは非常に重要です。現況測量の結果と資料を見比べることで、すべての土地所有者がある程度納得できるように境界確定が行えます。
4. 隣接土地所有者との立会い
現況と資料との整合性を図り、暫定的な境界を定めたあと、隣接土地所有者の立会いが行われます。暫定的な境界を見てもらい、資料を提示しつつ、納得できるかどうか話し合いが必要です。官民査定がある場合には、国や市区町村の代表者も立会いに参加します。
異議がある場合には、公図や地積測量図との食い違いが出ない範囲内で境界を決めることもあります。できる限り全員が合意できるよう努めましょう。
5. 境界確定図の作成
当該地の所有者と隣接土地所有者が合意したあと、確定測量図が作成されます。確定測量図は、境界の図面だけではなく、当該地の所有者と隣接土地所有者の署名押印、割印が必要です。
原本は当該地の所有者が保管します。隣接土地所有者が希望する場合、コピーを渡しておくことも可能です。当該地の所有者が原本をなくさずに保管しておくと、将来境界に関する問題が発生した場合にも素早くトラブルを解決できます。
6. 確定測量
確定測量図の作成と並行して確定測量が行われます。立会いの際に合意した場所に境界標を設置します。境界標をプレートや杭、鋲などを使い設置したら、確定測量の業務は完了です。
確定測量をスムーズに行うためのポイント4つ
確定測量は通常それほど時間がかかる手続きではありませんが、スムーズに行うためのポイントを押さえておくと不要なトラブルを防げます。とくに以下の4つは重要なポイントです。
- 費用が高額になるケースを理解しておく
- 隣接土地所有者と良好な関係を築いておく
- 余裕を持ったスケジュールを立てる
- 相見積もりを取る
1. 費用が高額になるケースを理解しておく
確定測量では、費用が高額になるケースがあることを理解しておかなければなりません。一般的な費用は35万円から80万円ですが、土地の形状が複雑だったり、官民査定が入ったりするケースでは費用が高額になることもあります。
高額費用ですが、確定測量を行わないと土地の売却や住宅の建築が進まないことも多いため、必要な出費と考えるようにしましょう。
2. 隣接土地所有者と良好な関係を築いておく
隣接土地所有者と良好な関係を築いておくと、確定測量がスムーズに進むケースがほとんどです。土地家屋調査士が公図や地積測量図に基づいて暫定的な境界を立会いで示した場合、隣接土地所有者がその場で納得してくれれば問題なく確定測量が行えます。
隣接土地所有者とトラブルを抱えた状態で立会いを行うと、なかなか同意が得られず手続きが止まってしまうことも珍しくありません。普段から意識して隣接土地所有者と仲良くしておくことは重要です。
3. 余裕を持ったスケジュールを立てる
確定測量は、余裕を持ったスケジュールで行うことが非常に重要です。資料の調査や現況測量はすぐに行えるものの、立会いや隣接土地所有者の同意を得るためにかなりの時間がかかることもあります。
とくに隣接土地所有者がなかなか同意してくれないケースでは、境界確定までに1カ月以上かかることもあります。余裕のないスケジュールを立ててしまうと、隣接土地所有者の主張を受け入れなければならず、損をする恐れがあります。
4. 相見積もりを取る
確定測量の費用を少しでも抑えるためには、相見積もりを取るのがおすすめです。相見積もりとは、複数の不動産会社や土地家屋調査士から見積もりを取ることです。確定測量の費用相場がわかり、どの業者が適切な価格を提示しているか理解できます。
相見積もりを取る際、1番安い不動産会社がもっともいい業者とは限りません。適正価格を提示する業者の中から、もっとも信頼できそうなところを選ぶのがポイントです。
まとめ
確定測量にかかる費用は、一般的に35万円から80万円です。確定測量図の有無や隣接土地所有者の数によって変動しますが、とくに官民査定がある場合に費用が高額になることを覚えおきましょう。
費用を抑えたい方は相見積もりを取って、最適な価格を提示する不動産会社や土地家屋調査士を探すことをおすすめします。
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もしも今現在、
- どの建設・建築会社がいいかわからない
- 見積もり金額を安く抑えたい
- 継続的に費用が発生するのか知りたい
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の建設会社に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。