土地家屋調査士の業務内容は何?気になる年収も解説!
- 土地家屋調査士の業務内容には何がある?
- 土地家屋調査士の年収はいくらくらい?
- 土地家屋調査士と他の資格にはどんな違いがある?
土地家屋調査士は、土地の登記申請や土地建物の図面作成などを専門に行う資格です。とくに新しく家を建てるときや土地のトラブルを抱えたときなどは、土地家屋調査士の力を借りることになるでしょう。
この記事では、土地家屋調査士の業務内容について詳しく解説します。
司法書士や測量士と違い、気になる年収についても紹介するので、土地家屋調査士に興味のある方はぜひ参考にしてください。
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土地家屋調査士の業務内容6つ
土地家屋調査士の主な業務内容は以下の6つです。
- 土地・建物表題登記に必要な調査・測量
- 表題登記の申請手続き代行
- 表題登記に関する審査請求の手続き代行
- 筆界特定制度の手続き代行
- 筆界に係る境界紛争の民事紛争解決手続の代行
- 地籍整備事業への参加
1. 土地・建物表題登記に必要な調査・測量
土地家屋調査士の重要な業務の一つが、土地・建物表題登記に必要な調査や測量です。土地・建物表題登記とは、新たに土地や建物が生じたときに、所在地や面積、建物の構造などを記載した表題部を作成するもの。土地を分割する分筆、建物の新築や増改築、取り壊しでは表題登記が必要になります。
土地家屋調査士は、土地や建物の物理的な状況を把握するための調査や測量を行います。たとえば、土地の分筆登記の場合、以下のような流れで調査しなければなりません。
- 登記所で公図や地積測量図等を取得し調査する
- 現地を測量し公図や地積測量図と照らし合わせて仮の境界を示す
- 隣接する土地所有者の立ち会いのもと境界確定する
- 確定した境界に境界標を設置する
2. 表題登記の申請手続き代行
土地家屋調査士が行える別の業務は、表題登記の申請手続き代行です。面積や建物の新築・増改築など、変更の生じた不動産は表題登記が必要。土地家屋調査士は、調査・測量の結果をもとに、図面・地図を含む申請書類を作成し、表題登記申請手続きを代行します。
土地家屋調査士が代行できるのは以下の7つ申請手続きです。
建物表題登記 | 建物を新築した、建売住宅を購入した場合に、登記事項証明書の表題部に新規で登記する |
---|---|
建物表題変更登記 | 建物を増築・改築した場合に、登記事項証明書の表題部を変更する登記 |
建物滅失登記 | 建物を取り壊した場合に、登記事項証明書の表題に記載されている建物が無くなったことを記載する登記 |
土地分筆登記 | 土地を分割した場合に必要な登記。相続・贈与などで土地を分割、土地を分割して一部売却など |
土地合筆登記 | 複数の土地をまとめた場合に必要な登記。隣接する土地を買い増ししたなど |
土地地目変更登記 | 土地の目的を変更した場合に必要な登記。農地を宅地にするなど |
土地地積更正登記 | 登記事項証明書に記載された地積(面積)が実際と異なっていた場合に更正(修正)するための登記 |
建物滅失登記についてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクをご覧ください。[RICH: 2003349]
3. 表題登記に関する審査請求の手続き代行
土地家屋調査士は、表題登記に関する審査請求の手続きを代行できます。表題登記に関する審査請求とは、登記申請した表題部について、登記官が下した判断に不服があった場合に、法務局長に不服申立てする手続きのこと。新築の建物が違法建築と見なされたり、申請書類に不備があったりすると、表題登記が却下されるケースがあります。
とくに問題ないように思えるにもかかわらず表題登記が却下された場合、一般の方が審査請求するのは簡単ではありません。土地家屋調査士に審査請求の手続き代理を依頼して、却下の理由や登記を受け付けてもらえる方法を探るのがいいでしょう。
4. 筆界特定制度の手続き代行
土地家屋調査士は、筆界特定制度の手続き代行も請け負えます。筆界特定制度とは、筆界調査委員が、申請地を調査して意見書を提出し、法務局の筆界特定登記官が意見書に基づいて筆界を特定する制度のこと。
不動産登記法によって定められた「公法上の境界」と、現況が異なることは多々あります。測量図や書類のミス、境界標の喪失によって土地の境界があいまいになり、隣接する土地所有者とトラブルになることも珍しくありません。筆界特定制度を利用するための手続き代行、事前の測量、境界確定のための立会いも土地家屋調査士が代行できます。
筆界特定制度の概要やメリット・デメリットについては、下記リンクをご覧ください。[RICH: 2003224]
5. 筆界に係る境界紛争の民事紛争解決手続の代行
民間紛争解決手続代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した土地家屋調査士(ADR認定土地家屋調査士)は、筆界に係る境界紛争の民事紛争解決手続の代行が可能です。筆界特定制度の適用が不調に終わった場合、土地家屋調査士と弁護士が協同してサポートします。
境界問題ADRを利用すれば、所有権界の問題を調停・話し合いによって解決できる可能性があるため、裁判の時間や費用を節約できます。全国約50カ所に境界問題相談センター(ADRセンター)が設置されており、誰でも利用可能。表題登記や審査請求などについても相談できるのがメリットです。
6. 地籍整備事業への参加
土地家屋調査士にとっては、地積整備事業に参加することも業務の1つです。地積整備事業とは、土地の境界や面積、所有者などを明確にするために国が主導している事業を指します。
都市部においては、土地の面積や距離の正確性が高い不動産登記法第14条第1項に規定される図面(14条地図)が備わっていないケースも少なくありません。土地の取引が活発な都市部では14条地図の必要性が高いため、土地家屋調査士や補助者が協力して地積整備事業に参加しています。
土地家屋調査士に業務を依頼した場合の費用相場
土地家屋調査士に業務を依頼した場合、費用相場は以下のとおりです。
概要 | 費用 | |
---|---|---|
資料調査 | 公図・地積測量図などの取得 | 2万円〜 |
現況測量 | 土地・建物の現状の測量 | 5万円〜7万円 |
確定測量 | 土地の境界を確定するための測量 | 40万円〜60万円 |
境界標設置 | 境界杭やプレートの設置 | 3万円〜 |
境界確定手続き | 隣接土地所有者との立会いと境界確定協議書の作成 | 20万円〜30万円 |
建物表題登記 | 建物の新築や建売住宅購入後の登記 | 8万円〜10万円 |
建物滅失登記 | 既存建物の取り壊し後の登記 | 4万円〜 |
土地地目変更登記 | 土地の目的を変更した場合に必要な登記 | 5万円〜 |
土地分筆登記 | 土地を分割した場合に必要な登記 | 5万円〜 |
とくに確定測量は、費用が高額になる業務の1つです。申請地が市区町村の所有する道路や水路に接していたり、道路や水路を占有していたりすると、手続きが増えて費用が高くなります。境界確定手続きも、隣接する所有者の人数が多くなれば費用が高くなるでしょう。
土地家屋調査士の平均年収は500万円〜600万円
土地家屋調査士の平均年収は、500万円〜600万円前後です。ただし、土地家屋調査士の年収の幅は広く、300万円前後しか収入を得ていない人がいる一方、年収が1,000万円を超える人もいます。
土地家屋調査士の年収を左右する要素は主に以下の4つです。
- 土地家屋調査士として何年勤務しているか
- どの範囲の業務をこなせるか
- 個人事務所か法人事務所か
- 独立しているか会社員か
土地家屋調査士と他の資格保有者の違い
土地家屋調査士は測量や登記を行うため、別の資格保有者とどこが違うのかと疑問に思う方がいます。とくに土地家屋調査士と業務範囲が似通っていると考えられるのは以下の3つの資格です。
- 司法書士
- 測量士
- 行政書士
土地家屋調査士と司法書士の違い
土地家屋調査士と司法書士の違いは、取り扱う登記の種類です。土地家屋調査士は、土地の所在地や面積、建物の位置関係など、不動産の物理的な状況を取り扱う資格です。司法書士は不動産の所有権や抵当権など、権利に関係する登記を行います。
さらに司法書士は、法務大臣の認定を受けることにより簡易裁判所における訴訟事務や民事調停手続きといった、法律関係の業務を行うことが認められています。土地家屋調査士は裁判所における業務を代行することはできません。
土地家屋調査士と測量士の違い
土地家屋調査士と測量士はどちらも不動産を取り扱いますが、行える業務の範囲が異なります。測量士は測量の技術者であるのに対し、土地家屋調査士は土地の境界を確定し登記をするための資格です。
測量士は、登記そのものや登記を目的とした測量は行えず、工事のために土地を測量し図面を作成することしかできません。土地家屋調査士は逆に、登記を目的としない測量は行えないと定められています。土地家屋調査士が測量を行う場合には、必ず表題登記や分筆登記などが行われなければなりません。
土地家屋調査士と行政書士の違い
土地家屋調査士と行政書士は、どちらも書類を作成できる資格ですが、提出先が異なります。土地家屋調査士は、土地・建物の表題登記や分筆登記など、法務局に提出する書類を作成可能です。行政書士は許認可申請や権利・義務に関わる民事書類を法務局以外の官公庁に提出できます。
土地家屋調査士が市区町村役場や警察署などに提出する書類を作成することはできず、逆に行政書士が法務局に提出する登記関係の書類を作成することはできません。土地の農地転用許可申請や開発許可申請は法務局や市区町村の両方に書類を提出しなければならないため、両方の資格を持っている人も多くいます。
土地家屋調査士の業務内容まとめ
土地家屋調査士の業務は、土地や建物の表題登記や筆界特定制度の利用など多岐にわたります。土地家屋調査士と他の資格所有者では、独占業務の範囲が異なるので、業務を依頼する際には間違えないよう十分注意しましょう。
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宅建取引士、一級建築士として住宅の仕事に従事し30年以上。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動している。最近では投資物件の内覧同行なども対応。さまざまな情報が多い不動産業界にて、顧客の立場に寄り添い正しい情報発信を努めている。
行政上における不動産の管理は、土地家屋調査士法が制定される前は税務署が担っていましたが、土地家屋調査士の制度化により「法務局」が担うようになりました。
税務署から法務局へと所管が移動したことにより、現存している古い建物(昭和25年7月31日以前新築)の中には以前の表示が不明な物件もあるので、不動産取引のさいには注意したほうがよいでしょう。
土地家屋調査士も測量士も業務においては「測量」という専門的な技術を必要としますが、社会的な役割や意義が大きく違うことを理解しておく必要があるでしょう。
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