トライアル雇用助成金の概要を解説!受給までの流れや申請時の注意点3つを紹介

マネーライフワークス
監修者
最終更新日:2025年02月27日
トライアル雇用助成金の概要を解説!受給までの流れや申請時の注意点3つを紹介
この記事で解決できるお悩み
  • トライアル雇用助成金とは?
  • トライアル雇用助成金の受給までの流れは?
  • トライアル雇用助成金申請時の注意点は?

「トライアル雇用助成金をもらいたいが、受給までの流れがわからない…」という方必見!

この記事では、企業の経営者や人事担当者に向けて、トライアル雇用助成金の概要を紹介。トライアル雇用助成金の受給までの流れも解説します。

トライアル雇用助成金の申請は社会保険労務士へ依頼することで、手続きの負担を軽減し、ミスを防ぎながらスムーズに受給できます。トライアル雇用助成金申請時の注意点も紹介しているので、助成金を活用して雇用を増やしたい企業の経営者もぜひ参考にしてください。

助成金申請代行の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 助成金申請代行業者の選び方がわからない
  • 助成金の種類や申請条件がわからない
  • 申請書類の作成が難しい

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の社会保険労務士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

助成金申請代行に対応できる業者を一覧から探す

トライアル雇用助成金とは

相談

トライアル雇用助成金は、企業が一定期間試用雇用(トライアル雇用)を行った後に、本採用につなげることを目的とした助成制度です。求職者の職業経験不足やブランクなどを理由に、すぐに正規雇用が難しい場合に活用することが可能です。

企業がトライアル雇用を導入することで、求職者は早期に就職の機会を得られ、新たなスキルを習得しやすくなります。企業側は助成金を受け取れるため、積極的にトライアル雇用を活用することで、求職者の就職機会が広がります。

助成額は、原則1人あたり月額4万円(最長3カ月)で、障がい者向け特例は月額8万円(最長3カ月)です。

一般トライアルコース

ミーティング_会議

一般トライアルコースは、職業経験が少ないことや長期間の離職などが理由で、就職が困難な求職者を対象とした制度です。最大で「月額4万円×3カ月分」の助成金を受け取れます。

支給対象者の条件や支給額の計算方法、事業主の受給資格を確認し、自社が助成金の対象となるか確認しましょう。

支給対象者の条件

一般トライアルコースは、以下のいずれかに該当する求職者を対象としたコースです。

  • 1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望している
  • ハローワークに求職申込をしている
  • 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
  • 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている など

さらに「継続的な雇用を希望し、障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者トライアル雇用による雇用を希望する」ことも条件となります。

ハローワークでの紹介日時点で、以下のいずれかに該当する場合はトライアル雇用の非対象です。

  • 安定した職業に就いている
  • 自営業や会社の役員で1週間あたりの実働時間が30時間以上
  • 学校に在籍している
  • トライアル雇用期間中のトライアル雇用労働者

支給額の計算方法

一般トライアルコースの助成金は、1人あたり月額最大4万円、最長3カ月分が支給されます。求職対象者が母子家庭の母、または父子家庭の父の場合は、月額上限が5万円です。

雇用期間が1カ月未満の月がある場合は、就労日数に応じて支給額が計算されます。具体的な計算方法と金額は、以下のとおりです。

計算式

対象者が1カ月に就労した日数÷対象者が当該1カ月間に就労を予定していた日数=A

一般トライアルコース 一般トライアルコース(母子家庭の母・父子家庭の父)
A:75%以上 4万円 5万円
A:50%以上75%未満 3万円 3万7,500円
A:25%以上50%未満 2万円 2万5,000円
A:0%超25%未満 1万円 1万2,500円
A:0% 0円 0円

事業主の受給資格

一般トライアルコースを活用する場合、事業主の受給資格は以下の4つです。

  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介で雇い入れること
  • 原則3カ月間トライアル雇用すること
  • 求職者の1週間の所定労働時間が30時間を下回らないこと(一部例外あり)
  • 雇用保険適用事業所の事業主であること

助成金支給には審査があるため、必要書類は大切に保管しておきましょう。

障がい者トライアルコース

名称未設定のデザイン (1)

障がい者トライアルコースは、障がいのある求職者を対象にしたトライアル雇用制度で、一般トライアルコースよりも手厚い助成が受けられます。

障がい者トライアルコースでは、最大で「月額8万円×3カ月分+月額4万円×3カ月分」の助成金を受け取れます。助成金を受給するために、支給対象者の条件、支給額の計算方法、事業主の受給資格を確認しましょう。

支給対象者の条件

障がい者トライアルコースは、以下のいずれかに該当し、障がいを持つ求職者を対象としたコースです。

  • 紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望している
  • 紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある
  • 紹介日前において離職している期間が6カ月を超えている
  • 重度身体障がい者、重度知的障がい者、精神障がい者のいずれかである

支給額の計算方法

障がい者トライアルコースの助成金は、1人あたり月額最大4万円、最長12カ月分が支給されます。

精神障がい者を雇用する場合の特例

精神障がい者を雇用する場合、月額最大8万円の助成金を受け取れます。
トライアル雇用期間は原則6~12カ月間設定できますが、助成金の支給対象期間は最長6カ月までです。

雇用期間が1カ月未満の月がある場合は、就労日数に応じて支給額が計算されます。具体的な計算方法と金額は、以下のとおりです。

計算式

対象者が1カ月に就労した日数÷対象者が当該1カ月間に就労を予定していた日数=A

障がい者トライアルコース(短時間コース含む) 障がい者トライアルコース(精神障がい者の雇い入れから3カ月間の場合)
A:75%以上 4万円 8万円
A:50%以上75%未満 3万円 6万円
A:25%以上50%未満 2万円 4万円
A:0%超25%未満 1万円 2万円
A:0% 0円 0円

たとえば、雇い入れた精神障がい者の方が、20日就労予定の1カ月目に10日、15日就労予定の4カ月目に3日休暇をとった場合を計算してみます。

  • 1カ月目のA:(20−10)÷ 20=0.5(50%)
  • 4カ月目のA:(15−3)÷ 15=0.8(80%)

1カ月目は50%となるため支給額は6万円、4カ月目は80%となるため支給額は4万円です。

短時間就労者の雇用も対象になる

短時間就労者の雇長時間労働が難しい精神障がい者や、発達障がい者を雇用する場合は「障がい者短時間トライアル雇用」を活用できます。週10〜20時間の労働からスタートし、トライアル期間中に週20時間以上の就労を目指します。

助成金は、1人あたり月額最大4万円、最長12カ月分です。

事業主の受給資格

障がい者トライアルコースを活用する場合、事業主の受給資格は以下の4つです。

  • ハローワークや職業紹介事業者の紹介で雇い入れること
  • 原則3カ月間トライアル雇用すること
  • 求職者の1週間の所定労働時間が30時間を下回らないこと(一部例外あり)
  • 雇用保険適用事業所の事業主であること

一般トライアルコースの受給資格と同じですが、事前に確認しておきましょう。

トライアル雇用助成金の受給までの流れ

ここからは、トライアル雇用助成金の受給までの流れを紹介します。

  1. 対象者の確認と求人募集をする
  2. 求職者の紹介と雇用契約の締結
  3. トライアル雇用の実施
  4. トライアル雇用実施計画書を提出
  5. トライアル雇用終了後に助成金支給申請を行う
  6. 審査後2カ月〜3カ月に助成金を受給

1. 対象者の確認と求人募集をする

トライアル雇用助成金を活用するには、まず対象となる求職者を確認し、求人募集を行います。企業は支給要件を満たしているか確認し、ハローワークや民間職業紹介事業者を通じて求人を作成・掲載します。

オンラインで求人を提出する場合は「求人者マイページ」>「求人区分」>「トライアル雇用併用の希望」>「希望する」にチェックを入れて完了です。助成金の対象者となる求職者(長期離職者、障がい者など)が応募できる内容にすることが重要です。

2. 求職者の紹介と雇用契約の締結

ハローワークや紹介事業者から対象者を紹介してもらい、雇用契約を結びます。企業は求職者の紹介を受けた後、面接や選考を行い、採用を決定しましょう。

トライアル雇用の条件を明記した雇用契約を締結し、労働条件(給与、勤務時間、雇用期間など)を明確にしておく必要があります。

3. トライアル雇用の実施

採用後、トライアル雇用として実際に業務を開始します。一般トライアルコースの場合は最長3カ月、障がい者トライアルコースは最長6カ月(短時間トライアルの場合は12カ月)です。

企業は求職者の適性やスキルを評価しながら、適切な教育や指導を行い、勤務状況を記録しながら出勤簿や給与台帳を作成しましょう。

4. トライアル雇用実施計画書を提出

トライアル雇用開始後、速やかに「トライアル雇用実施計画書」を提出しましょう。必要な書類は、以下の3つです。

  • トライアル雇用実施計画書
  • トライアル雇用対象となる求職者の確認票
  • 助成金支給対象の事業主要件票

計画書は、対象となる求職者の同意を得たうえで提出する必要があります。提出時にはハローワークで交付される書類の添付が必要です。提出期限が短いため、事前に必要な書類を確認しておきましょう。

申請様式は、厚生労働省の公式HPで公開されています。

5. トライアル雇用終了後に助成金支給申請を行う

求職者の継続雇用の有無に関係なく、トライアル雇用の終了日から2カ月以内に助成金の支給申請を行います。ハローワークへ提出する書類は、以下の2つです。

  • 支給要件確認申立書
  • 結果報告書兼助成金支給申請書

こちらの申請様式も、厚生労働省の公式HPでダウンロードできます。

6. 審査後2カ月〜3カ月に助成金を受給

申請内容の審査が完了し、問題がなければ助成金が振り込まれます。通常、労働局やハローワークによる審査には2カ月〜3カ月かかります。

不備がある場合は追加資料の提出を求められることもありますが、問題がなければ指定の口座に助成金が振り込まれます。

トライアル雇用助成金申請時の注意点3つ

ポイント_!

ここでは、トライアル雇用助成金申請時の注意点を3つ紹介します。

  1. 他の助成金と併用できるか確認する
  2. 必要書類を正確に準備する
  3. 求職者の同意を得る

1. 他の助成金と併用できるか確認する

トライアル雇用した対象者を期間終了後も継続雇用する場合、条件を満たせば特定求職者雇用開発助成金やキャリアアップ助成金の受給も可能です。

申請前にハローワークや労働局に確認し、他の助成制度との組みあわせを検討しましょう。適切な助成金を活用することで、より効果的な支援を受けられます。

2. 必要書類を正確に準備する

助成金の申請には、雇用契約書、出勤簿、給与台帳などの書類が必要です。書類に不備があると、追加提出を求められたり、申請が遅れたりする可能性があります。

特に、勤務日数や給与の記録が助成金の支給額に直結するため、正確に管理しておくことが大切です。事前に申請書類のチェックリストを用意し、提出前に必ず内容を確認しましょう。

3. 求職者の同意を得る

トライアル雇用助成金の申請には、求職者の同意が必要です。計画書を提出する際に、対象となる求職者にトライアル雇用の目的や条件を説明し、納得してもらう必要があります。

求職者の理解が不十分なまま進めると、後のトラブルにつながる可能性があるため、ていねいな説明を心がけましょう。

まとめ

トライアル雇用助成金の申請には、対象者の確認、計画書の作成、必要書類の準備、期限管理など、多くの手続きが必要です。社会保険労務士に依頼することで、事務作業の負担を軽減でき、企業は本業に集中できます。

比較ビズには、トライアル雇用助成金に詳しい社会保険労務士が多数在籍しているため、数分の条件入力のみで最適なビジネスパートナーを探すことが可能です。比較ビズの利用は完全無料でできるため、ぜひ活用してください。

監修者のコメント
マネーライフワークス
岡崎 壮史

1980年3月23日生まれ。社会保険労務士・1級FP技能士・CFP認定者。令和3年度 中小企業・小規模事業者等に対する働き方改革推進支援事業(専門家派遣事業) 派遣専門家。大学卒業後、外資系生命保険会社の営業、資格の専門学校の簿記・FPの講師、不動産会社の経営企画を経て現在に至る。

トライアル雇用制度は、職業経験や技能、知識の不足等から安定的な就職が困難な求職者をハローワークや民間の職業紹介事業者等の紹介で、一定期間について試験的に雇用する制度です。

事業主が求人広告等を出して雇用する場合と異なり、ハローワーク等を経由して雇用活動を行うため、求人にかかるコストを抑えることができ、また、労働者側から見ても、ミスマッチを未然に防ぐことにもつながるというメリットがあります。

トライアル雇用制度は「ハローワークや民間の職業紹介事業者を経由して雇用をすることが要件」とされており、また、「原則として3か月間はトライアル雇用を続けなければならない」といったような要件を満たす必要があるため、雇用計画をしっかりと立てたうえでトライアル雇用を行うことが重要です。

この「トライアル雇用を行った事業主に対して支給されるのが「トライアル雇用助成金」です。トライアル雇用助成金は、トライアル雇用をした労働者の年齢や労働時間などによって、支給される助成金額が決まっています。

また、新型コロナウイルス感染症に対応したものや障害者を対象としたものなど、トライアル雇用助成金は6つのコースから構成されています。トライアル雇用助成金は、人材採用を検討しているが、あまりコストをかけられない個人事業や小規模の事業を行っている法人などにおすすめの助成金の一つです。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

助成金申請代行の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 助成金申請代行業者の選び方がわからない
  • 助成金の種類や申請条件がわからない
  • 申請書類の作成が難しい

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の社会保険労務士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

助成金申請代行に対応できる業者を一覧から探す

発注を、ひもとく。仕事がひろがる。

note

比較ビズでお仕事を受注したい方へ

資料請求はこちら