車庫の解体費用相場はどのくらい?DIYするメリット・デメリットも解説!

 SD住宅相談室
監修者
SD住宅相談室 花沢 雅樹
最終更新日:2023年03月30日
車庫の解体費用相場はどのくらい?DIYするメリット・デメリットも解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 車庫の解体費用相場はいくら?
  • 車庫の解体費用を左右する要素には何がある?
  • 車庫の解体に使える補助金はある?

車庫の撤去や建て替えを検討している方であれば、解体費用がいくらになるのか気になるところでしょう。車庫の解体費用は、大きさや構造、アスベストの有無などの要素で変動します。

この記事では、車庫の解体費用の相場と覚えておくべきポイントを詳しく解説します。DIYで車庫を解体するメリット・デメリットも紹介するため、業者に依頼するかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

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【種類別】車庫の解体費用相場

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車庫の解体費用は種類によって大きく異なります。車庫の種類・タイプに応じて、ある程度の解体費用相場が決まっているため、自宅にあるのがどのような車庫か把握する必要があります。車庫の種類別の解体費用相場はおよそ以下のとおりです。

  • カーポートの場合|2万円〜8万円
  • ガレージの場合|4万円〜8万円/坪
  • カスケードガレージの場合|20万円〜35万円
  • 掘り込み車庫や地下車庫の場合|8万円〜12万円/坪

カーポートの場合|2万円〜8万円

カーポートは造りが簡易であるため、解体費用相場も2万円から8万円と安価です。カーポートは自動車の周りに支柱を立て、ポリカーボネート製の屋根を設置するタイプが一般的です。

屋根を支柱で支えるタイプのカーポートでは、支柱を撤去した後の基礎処理を含め「解体費用一式」となる場合がほとんどです。

カーポートの解体では、何台分の広さがあるかによって費用相場が決まります。駐車できる台数別のカーポート解体費用相場は以下のとおりです。

  解体費用の相場
1台用 2万円〜3万円
2台用 3万円〜5万円
3台用 8万円前後

ガレージの場合|4万円〜8万円/坪

ガレージを解体する場合、費用相場は1坪あたり4万円から8万円です。ガレージは、カーポートとは異なり、3方の壁と屋根で囲われている車庫のことです。構造も木材、鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)などさまざまで、解体費用も大きく異なります。

ガレージの解体費用は、素材に応じた坪単価もしくは1?あたりの単価になるのが一般的です。基礎部分の解体・処理費用も含まれる場合がほとんどですが、業者によって対応が異なることもあるため注意しなければなりません。

構造別の車庫解体費用相場は、おおよそ以下のとおりです。

  1坪あたりの解体費用の相場
木造 4万円〜5万円
鉄骨造 5万円〜6万円
RC造 7万円〜8万円

カスケードガレージの場合|20万円〜35万円

カスケードガレージの場合、解体費用は20万円から35万円と高額になります。カスケードガレージはガレージの一種ですが、豪雪地域でも耐えられる強固な構造を持つのが特徴です。車庫の解体費用は、解体の難易度が高くなるほど高額になります。

カスケードガレージの解体費用は、坪単価ではなくカーポートと同様に解体費用一式で請求されるのが一般的です。解体費用は、駐車できる台数や面積によって変動します。カスケードガレージの解体費用相場はおおよそ以下のとおりです。

  解体費用の相場
1台用 20万円〜30万円
2台用 25万円〜35万円

掘り込み車庫や地下車庫の場合|8万円〜12万円/坪

擁壁の一部を掘り込んで車庫にした掘り込み車庫、建物の地下に設置された地下車庫などを解体するケースでは、1坪あたりの解体費用が8万円から12万円かかります。

掘り込み車庫・地下車庫ともに特殊な車庫であり、建物の基礎や地盤の強度に大きく関係するため、地上の車庫のように簡単に解体できません。

掘り込み車庫や地下車庫の解体では専門的な知識や工法・重機が必要になるため、解体費用は高額になりがちです。1台分のスペースで数百万円の費用がかかることもあります。費用が高額になることがわかっている場合には、車庫以外での活用方法を模索するのがおすすめです。

車庫解体費用の内訳

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車庫の解体費用は以下5つの費用の合計です。

  1. 養生・足場費用
  2. 本体工事費
  3. 重機回送費
  4. 廃材処分費
  5. 諸経費(各種手続き費用)

解体業者から見積もりをもらった際には、どのような内訳になっているか、適正価格が提示されているか確認しましょう。

1. 養生・足場費用

車庫解体費用の内訳の1つは、養生と足場の費用です。足場の設置は作業員が安全に工事するため、養生は工事中の粉塵・騒音など、隣接する建物・住人への影響を最小限に抑えるために必要です。養生や足場が必要なケースでは、1?あたり800円から1,500円の費用がかかります。

車庫の解体で足場や養生が必要になるわけではありません。組み立て式の簡易的な車庫、カーポートなどでは、養生・足場の設置をせずに工事可能です。見積もりの時点で不要な費用が含められていないかしっかり確認しましょう。

2. 本体工事費

本体工事費は、車庫の解体工事にかかる費用のことで、主に人件費を指します。本体工事費の計算は、坪単価に坪数をかければ簡単に算出可能です。坪単価もしくは1?あたりの費用は業者によってかなり幅があります。

坪単価や1?あたりの費用の相場がどのくらいなのかを知るのに役立つのが相見積もりです。複数の業者から見積もりを取ることで、車庫の解体費用の相場をある程度把握できます。

3. 重機回送費

車庫の解体費用には、重機回送費が含まれます。重機回送費とは、重機を運搬するためにかかる費用で、1台あたり3万円から5万円かかります。重機は行動を自走することはできず、回送車を使って現場まで持ってこなければなりません。

注意すべき点は、1台あたりの費用であることと、回送の回数が増えれば費用も増えることです。車庫の解体に時間がかかり、3日重機を運搬した場合には、3日分の費用がかかります。

4. 廃材処分費

車庫を解体したあとの廃材やガラを処分するためにも費用がかかります。廃材やガラは家庭ごみとして収集してもらうことはできず、中間処理施設に運んで処分しなければなりません。

廃材処分費が本体工事費に含まれている業者もいますが、別途請求される場合もあります。見積もりを取る際には、本体工事費に何が含まれているかも確認しましょう。

5. 諸経費(各種手続き費用)

車庫の解体費用には、各種手続き費用が含まれます。自宅の車庫を解体するだけですが、複数の手続きを行わないと工事ができない場合がほとんどです。解体工事では通常廃棄物が出るため、再資源化に関する建設リサイクル法の届出が必要です。

敷地が狭く、トラックが駐車できない場合には、駐車のために道路使用許可申請が必要です。手続きを自分で行うことも可能ですが、一般的には解体業者に料金を支払って申請してもらいます。

車庫の解体費用を左右する要素

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車庫の解体費用は、いくつかの要素によって変動します。解体費用に大きな影響を与える要素は以下の3つです。

  1. 車庫の構造
  2. 車庫の大きさ
  3. アスベストの有無

1. 車庫の構造

車庫の解体費用は、構造によって大きく変動します。車庫の構造によっては、解体作業が楽になり、工期も短くなるためです。構造が強固で工期が長くなると人件費がかさみ、解体費用全体が上がります。

木造の車庫や鉄骨造で壁がない車庫の場合、解体するのが簡単であるため費用は安くなるでしょう。RC造の車庫は、構造が強固で解体作業に時間がかかることに加え、ガラが大量に出るため解体費用が高額になります。

2. 車庫の大きさ

車庫の大きさも、解体費用に影響を与える要素の1つです。一般的に車庫の解体費用は単価に面積をかけて算出されるため、面積に比例して費用も高額になります。

例外といえるのが解体費用一式で費用が計算される簡易的なカーポートです。カーポートは簡単に解体できるため、大きなカーポートでもそれほど費用が変わりません。

3. アスベストの有無

車庫にアスベストが使われている場合、解体費用が跳ね上がります。アスベストは石綿とも呼ばれ、特殊な工法で解体しなければ作業員に深刻な健康被害が発生することで話題となりました。

建築物又は工作物の解体等の作業を行うときは、あらかじめ石綿(アスベスト)の使用の有無を調査(事前調査)する必要があります。 石綿等の使用の有無を書面調査、目視調査を実施し、それでは明らかとならなかったときには、分析調査を行うか、石綿を含有するものとして取り扱うことになります。 また、令和5年10月1日からは、建築物(建築設備を含む)の解体・改修工事を行う際は、有資格者(建築物石綿含有建材調査者等)による事前調査の実施が義務付けられます。

引用:環境省

アスベストの有無を調査し、特殊な工法で解体しなければならないため、費用がかなり高くなるでしょう。

車庫を解体する際のポイント5つ

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車庫を解体する際には、費用を抑えたりいい業者を選んだりするためのポイントがあります。とくに以下の5つのポイントを覚えておきましょう。

  1. 廃材を買い取る業者もいる
  2. 自治体の補助金が利用できる場合もある
  3. 他の工事と組み合わせると解体費用が抑えられる
  4. 相見積もりを取って解体費用を抑えられる
  5. 現地調査してくれる業者を選ぶ

1. 廃材を買い取る業者もいる

車庫の解体で出た廃材を買い取る業者がいます。とくに鉄骨造やRC造の車庫の場合、解体によって大量の鉄くずやガラが出るでしょう。鉄くずは売却可能で、かなりの利益を上げる業者もいます。

解体業者はアルミやスチールを買い取っていることは伝えず、廃材処分費を請求することがほとんどです。廃材を買い取ってもらえないか交渉することで、費用を抑えられる可能性があります。

2. 自治体の補助金が利用できる場合もある

車庫の解体に関係する補助金が利用できれば、解体費用を抑えられます。国が設置している補助金はほとんどありませんが、地方自治体のなかには補助金を提供しているところも少なくありません。たとえば、以下の補助金があります。

  • 老朽危険家屋解体工事補助金
  • 危険家屋解体撤去補助金
  • 木造家屋解体工事費補助事業

多くの補助金は空き家を解体する際に支給されるものであることに注意が必要です。車庫単体の解体に適用されるものではなく、家屋の解体とともに車庫を解体する際に申請できる補助金であることを覚えておきましょう。

3. 他の工事と組み合わせると解体費用が抑えられる

車庫の解体費用は、他の工事と組み合わせると抑えられる場合があります。車庫の解体は付帯工事として扱われ、工事の単価が高くなるのが一般的な傾向です。住宅を解体する際に車庫を一緒に解体すると解体費用が安くなります。

住宅を壊す予定がない場合には車庫単体で解体工事を依頼するしかありませんが、他の工事を組み合わせられないか検討することは可能です。ブロック塀の解体や樹木の撤去など、複数の工事を組み合わせることで別々に工事を依頼するよりも効率的です。

4. 相見積もりを取って解体費用を抑えられる

車庫の解体工事に限らず、工事を依頼する前に相見積もりを取ることは非常に重要です。複数の業者から見積もりを取れば、工事の適正価格がわかるだけではなく、各業者がどれだけ誠実か見極めることもできます。

相見積もりを取る際には、安い業者がいい業者とは限らない点に注意が必要です。安くて信頼できる業者であれば問題ありませんが、他の業者と比べて明らかに安すぎる場合には、手抜き工事のおそれがあります。

5. 現地調査してくれる業者を選ぶ

車庫の解体を依頼する業者は、現地調査をしてくれるところから選ぶのがおすすめです。電話やメールで見積もりを出してくれる業者は便利ですが、正確な見積もりを出せないおそれがあります。

追加費用が発生してトラブルになることを防ぐためにも、現地調査してくれる業者を選びましょう。

車庫の基礎の下に埋設物がないか、隣家との距離はどのくらいかなどの情報は現地調査してみなければわかりません。短時間でも現場に来て事前に調査してくれる業者は信頼できるといえます。

車庫の解体はDIYでもできる!

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車庫がカーポートの場合、自分でもDIYで解体できるのではないかと考える方も少なくありません。確かにDIYでも車庫は解体できますが、メリットとデメリットを把握しておく必要があります。

DIYで車庫を解体するメリット2つ

DIYで車庫を解体するメリットは主に以下の2つです。

  • 解体費用を安く抑えられる
  • 日を選ばずに解体できる

業者に解体を依頼しないため、解体費用は安くなります。アルミやスチールの廃材が出た場合、売却することでより費用を抑えられる可能性もあるでしょう。業者の都合に合わせることなく、週中・週末を問わず自分の好きな日に解体できるのもメリットです。

DIYで車庫を解体するデメリット3つ

DIYで車庫を解体すると費用面でメリットがありますが、以下の3つのデメリットを考慮しなければなりません。

  • けがをするおそれがある
  • 基礎の撤去・補修が難しい
  • 廃材の処理を自分で行わなければならない

大きなデメリットは、けがの危険です。1人で作業するのであればけがのリスクが高まります。基礎の撤去や補修、廃材の処理は、専門的な知識や技術を持った業者の方が効率よく行えるでしょう。

多少の費用がかかっても、効率や安全を考慮して業者に依頼するのが賢い選択です。

まとめ

車庫の解体費用相場は、車庫の種類や大きさ、アスベストの有無などによって大きく変動します。補助金の利用や相見積もり、廃材の買取り交渉によって少しでも費用を抑えられないか検討しましょう。

DIYよりも解体業者に作業を依頼した方が効率よく安全に解体が進められることも覚えておくべきです。

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監修者のコメント
 SD住宅相談室
花沢 雅樹

宮城県の一級建築士事務所。建築物について調査・リフォーム設計・コンサルティングを行う。耐震性能、省エネ性能、劣化のしにくさ、維持管理のしやすさの観点にて、計画をされている設計内容を、図面や見積書のチェックなど、第三者視点にて中立な立場でアドバイスを行う。

解体工事の費用のほとんどは人件費になります。以前は重機で一気に解体する方法がとられていましたが、現在では建設リサイクル法により分別解体が義務付けられているため、人手を多く入れて解体しています。ご自身で解体されるのであればこの人件費を抑えることができます。

解体をご自身でされた場合でも、廃材の処分は専門業者に依頼することを勧めます。廃材の量によりますが、許可を受けている産業廃棄物処分業者に引き取ってもらい分別処分を行います。

車庫にサイディングや石膏ボードなどの建材が使用されている場合は、解体前にアスベスト含有についても調査が必要です。解体後の手続きですが、車庫が建物として登記されている場合は、解体後に滅失登記も必要になります。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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