不動産登記の費用は、3,000万円(土地1,000万円・建物2,000万円・全額住宅ローン)の不動産だった場合約50万円です。この数字は、購入した不動産の価格に比例して変わってきます。したがって、不動産購入額が高くなれば高くなるほど、登記費用は高くなります。
不動産登記費用の相場は?費用を抑えるポイントも解説【2024年版】
- 不動産登記の費用相場は?
- 費用の計算方法や抑える方法は?
- 不動産登記の司法書士・土地家屋調査士を選ぶポイントはある?
「不動産登記の費用相場がわからない…」という方必見!不動産登記の費用は登録免許税・登記手数料・専門家への報酬で決まります。土地の取得方法や新築か中古などで費用は変動するでしょう。
本記事では、不動産登記の費用相場や計算方法を解説します。最後まで読めば、不動産登記についての理解が深まり、費用の内訳や相場がわかるでしょう。
登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方や費用に関する注意点も解説するため、不動産登記の費用に不安がある方はぜひ参考にしてください。
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- 不動産登記の手続きや書類作成のサポートがほしい
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不動産登記とは
下記の2点に分けて、不動産登記について解説します。
- 土地や建物の情報を公の帳簿に記録するもの
- 不動産登記の種類
土地や建物の情報を公の帳簿に記録するもの
不動産登記とは、土地や建物などの不動産を購入・取得した際に、現在の状態を明らかにし公の帳簿に記録するものです。
不動産の現在の状態とは「不動産の場所」や「不動産の法律的な所有者や権利が誰にあるのか」を表します。
不動産の所有権が移動した際は、所有者を法律上で明確にしなければなりません。不動産を購入・取得した際は、必ず不動産登記をおこないましょう。
不動産登記の種類
不動産登記の種類は、主に下記の2種類に分類されます。
- 表題部
- 権利部
表題部
表題部とは、不動産登記の住所や面積などを記載した部分を指します。表題部に該当する登記を以下にまとめました。
- 建物表題登記
- 建物滅失登記
- 土地地目変更登記
- 土地合筆登記
- 土地分筆登記
上記の登記作成の依頼をする場合は、土地家屋調査士に依頼することになります。表題登記に関しては、下記の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
権利部
不動産登記の部分でも、所有権や抵当権を記載した部分が権利部です。権利部には所有者の状況を表す「甲区」と抵当権を表す「乙区」にさらにわかれます。
権利部に該当する登記を下記にまとめました。
- 土地の所有権移転登記
- 建物の所有権移転登記
- 建物の所有権保存登記
- 抵当権設定登記
- 相続登記
権利部の登記作成を依頼する場合は、司法書士に依頼することになります。所有権移転登記と抵当権設定登記に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
【内訳】不動産登記の費用相場
不動産登記の費用相場の内訳は、以下のとおりです。
登録免許税 | 不動産の固定資産税評価額×登録免許税率 |
---|---|
登記手数料 | 約5,000円 |
専門家への報酬 | 3万円〜10万円 |
不動産登記の費用相場を把握しておくことで、事前準備をおこなう際に適切な予算を組みましょう。
1. 登録免許税の費用相場【計算方法あり】
登録免許税の費用は、不動産の固定資産税評価額と税率によって変化します。不動産登記の種類と登録免許税の費用をそれぞれ表にまとめました。
不動産登記の種類 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
土地の所有権移転登記 | 固定資産税評価額×2.0% | 土地を購入したとき |
建物の所有権移転登記 | 固定資産税評価額×2.0% | 中古で建物を購入したとき |
建物の所有権保存登記 | 固定資産税評価額×0.4% | 新築の建物を購入したとき |
抵当権設定登記 | 融資金額×0.4% | 住宅ローンを借りたとき |
相続登記 | 固定資産税評価額×0.4% | 土地や建物を相続したとき |
登記をする際に要する費用のこと
登録免許税の計算方法は、以下のとおりです。
不動産の固定資産税評価額×登録免許税率=登録免許税
固定資産税評価額は、固定資産税額の基準となる価格のことを指します。土地の場合は地価公示価格の約70%、建物の場合は建築価格の60%が目安です。
土地の取得方法や新築か中古かなどの条件によって固定資産税評価額は変化します。大まかな計算方法を知っておくことで、予算をイメージできるように準備しておきましょう。
登録免許税の計算例
「2,000万円の土地」に「1,000万円の建物を新築」し、合計3,000万円の不動産を全額住宅ローンで取得した場合の登録免許税は、以下のとおりです。
不動産登記の種類 | 固定資産税評価額×登録免許税率 |
---|---|
土地の所有権移転登記額 | (2,000万円×0.7)×2.0%=280,000円 |
建物の所有権保存登記額 | (1,000万円×0.6)×0.4%=24,000円 |
抵当権設定登記(住宅ローン) | 3,000万円×0.4%=120,000円 |
合計 | 424,000円 |
2. 登記手数料の費用
登記簿謄本代とは、土地・建物における登記簿謄本を取得するために法務局に支払う費用のことです。登記手数料の費用は5,000円程度で、内訳は以下のとおりです。
登記にあたる証明書の請求や書類の作成はオンラインでも手続きが可能であり、書面での請求に比べて安い傾向にあります。少しでも登記費用を安く抑えたい場合は、積極的にオンライン手続きを活用しましょう。
3. 専門家への報酬
不動産登記手続きには専門的な知識が必要になるため、司法書士や土地家屋調査士への依頼が一般的です。
司法書士や土地家屋調査士への報酬の相場は、以下のとおりです。
司法書士への依頼 | 5万円〜10万円 |
---|---|
土地家屋調査士への依頼 | 7万円〜12万円 |
不動産登記は住所や面積などを記載した「表題部」と、所有権や抵当権を記載した「権利部」にわかれます。表題部は土地家屋調査士に、権利部は司法書士に登記申請を依頼しましょう。
依頼額は法律で決まっておらず専門家によって異なります。依頼額はさまざまな条件によって変化するため、依頼する際は見積依頼をかならずおこないましょう。
司法書士の場合
司法書士に不動産登記手続きを依頼する費用相場は5万円〜10万円です。日本司法書士会連合会が公表する不動産登記の報酬データ詳細は以下のとおりです。
従来は手続きごとの額が決められていた司法書士報酬ですが、平成15年1月1日から司法書士の報酬が「自由化」されました。
依頼額はそれぞれの事務所・司法書士の判断に委ねられているため、依頼の際は費用の相談や見積依頼をおこないましょう。
土地家屋調査士の場合
土地家屋調査士に不動産登記手続きを依頼する費用相場は7万円〜10万円です。費用の詳細は以下のとおりです。
建物の表題登記 | 8万円〜12万円 |
---|---|
土地表題登記 | 7万円〜10万円 |
土地家屋調査士と司法書士では、可能な業務範囲が異なるため自分のニーズに合った専門家に依頼しましょう。
不動産登記を司法書士と土地家屋調査士に依頼したときの料金体系例
不動産登記を司法書士と土地家屋調査士に依頼したときの料金体系例を、それぞれ1社づつピックアップしました。
クローバー司法書士事務所の料金体系例
参照:クローバー司法書士事務所
司法書士報酬 | |
---|---|
所有権保存登記 | 1件:15,000円 |
所有権移転登記 (売買・贈与等) | 1件:35,000円 |
所有権移転登記 (相続) | 1件:40,000円 |
抵当権設定登記 | 1件:40,000円 |
抵当権抹消登記 | 1件:13,000円 |
住所変更登記 | 1件:10,000円 |
※登録免許税は別途かかります。
クローバー司法書士事務所は、神奈川県茅ケ崎市で相続・家族信託・不動産登記・会社設立時の商業登記などをサポートしている司法書士事務所です。
相続に関する相談は1,200件以上の実績があります。初回の相談は無料で、要予約で土・日・祝でも対応可能です。
「地元で信頼と実績のある事務所に依頼したい」方はおすすめです。
谷川事務所の料金体系例
参照:谷川事務所
土地家屋調査士報酬 | |
---|---|
土地分筆登記 | 40,000円〜 |
土地合筆登記 | 45,000円〜 |
土地地目変更正登記 | 45,000円〜 |
土地地積更正登記 | 45,000円〜 |
建物表題登記 | 75,000円〜 |
建物滅失登記 | 40,000円〜 |
建物表題部変更登記 | 75,000円〜 |
建物表題部変更登記 | 40,000円〜 |
区分建物表題登記・変更登記 | 75,000円 |
谷川事務所は、名古屋を拠点に土地家屋調査士の表題登記に関する業務と司法書士の相続や開発許可申請の業務まで対応した事務所です。
土地・建物の法律、許認可に強く、43年間にわたって土地家屋調査士と行政書士の業務を行っている実績があります。わかりやすく総合的にサポートすることに定評があります。
「土地家屋調査士と司法書士にどちらもサポートしてもらいたい」方は、おすすめです。
不動産登記の費用を安く抑える4つのポイント
不動産登記の費用を安く抑えるポイントは、以下の4点です。
- 専門家への依頼費用を抑える意識をする
- 不動産登記費用を経費計上して節税する
- 登記手続きを司法書士と分担をする
- 複数の司法書士事務所に見積もりを依頼する
不動産登記には多額の費用がかかる傾向があります。安く抑えるためのポイントを理解しておくことで、できるだけ費用がかからないように工夫しましょう。
1. 専門家への依頼費用を抑える意識をする
不動産登記の費用を安く抑えるポイントの1つ目は「専門家への依頼費用を抑える意識をする」です。登録免許税は法律上の計算方法で金額が決まりますが、専門家への依頼費用は依頼先や依頼内容を選べるため安く抑えやすいです。
不動産登記をおこなう際は、登録免許税や手数料ではなく、依頼費用を抑える意識をもちましょう。
2. 不動産登記費用を経費計上して節税する
不動産登記の費用を安く抑えるポイントの2つ目は「不動産登記費用を経費計上して節税する」です。所有権移転登記の手続き費用は全額経費として計上できるため、確定申告時に全額を控除対象にできます。
登録免許税・依頼費用・書類発行手数料・郵送料・交通費など、すべての領収書を確定申告の書類を作成するまで保管しておきましょう。
3. 登記手続きを司法書士と分担する
不動産登記の費用を安く抑えるポイントの3つ目は「登記手続きを司法書士と分担する」です。登記手続き依頼では、各作業に対して細かく報酬額が決定するため、一部を自分で実施することで登記費用を少し低減できます。
登記手続き作業をすべて任せるのではなく、自分でできる作業は自分でおこなうことで、不動産登記費用を抑えましょう。
4. 複数の司法書士事務所に見積もりを依頼する
不動産登記の費用を安く抑える4つ目は「複数の司法書士事務所に見積もりを依頼する」です。不動産登記手続きの依頼先を選ぶ際に、複数の司法書士事務所を比較せずに選んでしまうと失敗する可能性が高くなります。
司法書士事務所によって費用やサービス内容が異なるため、予算内の費用で自社に合った司法書士を比較して選びましょう。
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不動産登記の費用に関する2つの注意点
不動産登記の費用に関する注意点は、以下の2点です。
- 軽減税率が適用されるか確認する
- 節約にこだわり過ぎずプロに頼む
不動産登記は手続きが複雑なため、手続きを進めるなかで思わぬ損をすることがあります。不動産登記の費用に関する注意点を把握することで、適切な事前準備を進めましょう。
1. 軽減税率が適用されるか確認する
不動産登記の費用に関する注意点の1つは「軽減税率が適用されるか確認する」です。2024年3月31日まで不動産登記における登録免許税は、軽減措置が適応される場合があります。
登録免許税の軽減措置を受けるための条件は、以下のとおりです。
- 居住用の家であること
- 新築・中古の場合取得後1年以内に登記すること
- 新耐震基準に適合していること
- 床面積が50平方メートル以上であること
長期優良住宅と認定された住宅であれば、軽減措置がより優遇され費用が抑えられます。
長期優良住宅とは、耐震性・居住環境・省エネルギー性などにおいて国が定めた基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。
不動産登記が必要な自身の住宅が、軽減措置の対象である場合や長期優良住宅である場合は、積極的に軽減措置を活用しましょう。
2. 節約にこだわり過ぎずプロに頼む
不動産登記の費用に関する注意点の1つは「節約にこだわり過ぎずプロに頼む」です。お金を節約するため自分で手続きしようとすると、思わぬミスや損をする可能性があります。
不動産登記は自分でおこなえば依頼費用を抑えられますが、専門知識が必要なうえ複雑な手続きをしなければなりません。
不動産登記をおこなう際は、費用を抑えることも大切ですが、ミスや登録免許税に関する損をしないためにプロに依頼しましょう。
不動産登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方3つ
不動産登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方は、以下のとおりです。
- 費用設定・料金体系が適正か
- 登記の知識・経験が豊富か
- 対応はていねいか
司法書士・土地家屋調査士の選びに失敗すると、手続きの費用が必要以上にかかることがあります。選び方を事前に知ることで、自分に合った優良な依頼先を見つけましょう。
1. 費用設定・料金体系が適正か
不動産登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方は「費用設定・料金体系が適正か見極める」です。
司法書士・土地家屋調査士のなかには、相場よりも高く価格設定をしている業者が存在します。知識がない状態で依頼すると、必要以上に費用がかかる場合があるため注意が必要です。
複数の依頼先に見積依頼をおこなうことで、最適な価格で不動産登記を依頼をしましょう。
2. 登記の知識・経験が豊富か
不動産登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方は「登記の知識・経験が豊富か確認する」です。
不動産登記手続きには、さまざまな専門知識が必要です。知識・経験の有無で、固定資産税評価額の評価ミスを探す調査力や税金を安くする節税テクニックに大きな違いが生まれます。
不動産登記を依頼する際は、知識・経験が豊富な実績のある司法書士・土地家屋調査士を選びましょう。
3. 対応はていねいか
不動産登記を依頼する司法書士・土地家屋調査士の選び方は「対応はていねいか見極める」です。
窓口や電話での対応がていねいであれば、手続きに関する説明や見積りが詳細に示される傾向にあります。
見積りを依頼した際に概算のみの場合や、質問への回答が雑な司法書士・土地家屋調査士は可能な限り避けましょう。
まとめ
不動産登記の費用内訳・手続きとともに、費用を抑えるコツや専門家の選び方を具体的に解説しました。
不動産登記は法律やさまざまなルールが絡むため、自身での手続きに不安を感じる方は、前もって司法書士に相談しながら準備を進めることがおすすめです。
「比較ビズ」であれば、必要事項を入力する2分程度で、不動産登記に強い司法書士をスピーディに探せます。司法書士の選定に迷うことがあれば、ぜひ利用してみてください。
不動産登記の費用に関するよくある疑問
1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。
・司法書士に支払う「報酬」
・法務局に支払う登録免許税を含む「実費」
の二つです。この「実費」に関しては司法書士に依頼してもご自身で手続きを行っても必ず必要となってくる部分です。
その実費の中でも大半をしめるのが原則的には登録免許税になるのですが、この登録免許税には各種の条件次第で税率に軽減措置をかけることが可能です。
例えば、
売買による土地の所有権移転の登録免許税率 2.0%→1.5%
耐火基準を満たした建物の所有権移転の登録免許税 2.0%→0.3%
基準を満たした不動産への抵当権の設定登記の登録免許税 0.4%→0.1%
など様々あり、専門家である司法書士はこういったものの中から使用可能な制度を目一杯使った上で登録免許税が最大限低くなるように登記申請を行います。
ですので、 「自分で登記申請を行った結果司法書士報酬10万円を節約できた!」 しかし、 「登録免許税の軽減措置をとっていなかったので実は20万円損していた!!」 という事態が発生することもあり得ます。
ご自身で登記手続きを行う場合は「時間と労力を使って自分でやったのに結果的に損をした」ということが起こらないように十分にご注意ください。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
もしも今現在、
- 登記費用の相場が知りたい
- 費用を抑える方法を知りたい
- 不動産登記の手続きや書類作成のサポートがほしい
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の司法書士から提案がもらえ、相場感や各事務所の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。