下水道工事の費用相場|下水道工事の流れや業者選びのポイント3つを紹介

 SD住宅相談室
監修者
SD住宅相談室 花沢 雅樹
最終更新日:2025年03月04日
下水道工事の費用相場|下水道工事の流れや業者選びのポイント3つを紹介
この記事で解決できるお悩み
  • 下水道工事の費用相場は?
  • 公共下水道工事の流れは?
  • 下水道工事を依頼する業者選びのポイントは?

「下水道工事を依頼したいが、費用相場がわからない…」という方必見!

この記事では、自宅やオフィスの下水道工事を検討している方に向けて、下水道工事の費用相場を紹介。公共下水道工事の流れも解説します。

下水道工事に特化した業者は、効率的な施工方法を熟知しているため、工期を短縮できる可能性が高いです。下水道工事を依頼する業者選びのポイントも紹介しているので、新築やリフォームで下水道工事が必要な方もぜひ参考にしてください。

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下水道工事の費用相場

水道

下水道工事の費用相場は、工事の種類や地域、業者により異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

  • 下水道本管接続工事:1万5,000円〜2万円/1平方メートル
  • 宅内排水設備工事:30万円〜100万円
  • 浄化槽から下水道への切り替え工事:20万円〜30万円
  • 下水道詰まりや修理工事:1万円~50万円

下水道本管接続工事:1万5,000円〜2万円/1平方メートル

下水道本管接続工事は、自治体が管理する公共下水道に自宅の排水管を接続する工事です。一般的に、公共マス(自治体が設置する下水道の接続ポイント)を経由して、自宅の排水を公共下水へ流す仕組みを作ります。

1平方メートルあたり1万5,000円〜2万円が相場で、敷地の広さや掘削の難易度により費用が変動します。道路の舗装を伴う場合や障害物が多い場合は、追加費用が発生する可能性があるため注意しましょう。

宅内排水設備工事:30万円〜100万円

宅内排水設備工事は、建物内や敷地内の排水設備を下水道へ適切に接続するための工事です。家のキッチン、浴室、トイレなどからの排水をスムーズに流すために、配管の敷設や改修を行います。

相場は30万円〜100万円で、家の規模や配管の長さ、使用する材料により費用が変わるため注意しましょう。床下や壁の内部に配管を通す場合は、工事費が高くなることがあります。

浄化槽から下水道への切り替え工事:20万円〜30万円

浄化槽から下水道への切り替え工事は、従来の浄化槽を廃止し、公共下水道へ直接接続する工事です。浄化槽は個別に汚水を処理する設備ですが、下水道が整備された地域では、公共下水へ接続することが推奨されています。

浄化槽の撤去費用や配管の長さにより費用は変動しますが、20万円〜30万円が相場です。自治体によっては補助金が出る場合があるため、事前に確認すると費用を抑えられる可能性があります。

下水道詰まりや修理工事:1万円~50万円

下水道詰まりや配管の破損などの修理工事で、排水の流れが悪くなったり、水漏れが発生した場合に行われます。詰まりの原因が軽微な場合は高圧洗浄で解決できますが、配管の交換が必要な場合は費用が高額になります。

費用相場は1万~50万円と幅広いですが、詰まりの原因や配管の劣化具合により費用が異なります。緊急対応が必要な場合は、別途追加料金がかかる可能性があることに注意しましょう。

下水道工事の主な工法3つ

ポイント_虫眼鏡

ここからは、下水道工事の主な工法3つを紹介します。

  1. 開削工法(かいさくこうほう)
  2. 推進工法(すいしんこうほう)
  3. シールド工法

1. 開削工法(かいさくこうほう)

開削工法は、地面を直接掘削し、下水管を埋設する最も基本的な工法です。一般住宅の下水道工事から大規模な下水管の敷設まで、幅広く採用されています。

開削工法のメリットは、以下のとおりです。

  • 掘削範囲が広く、工事がシンプルでわかりやすい
  • 比較的低コストで施工可能
  • 施工の自由度が高く、配管の勾配や形状を調整しやすい

2. 推進工法(すいしんこうほう)

推進工法は、地面を大きく掘削せず、小さな「発進立坑」と「到達立坑」を設け、そこからジャッキで下水管を押し進める方法です。地表面への影響を最小限に抑えられます。

推進工法のメリットは以下のとおりです。

  • 道路を掘削しないため、交通規制が不要
  • 振動や騒音が少なく、周囲の建物への影響が少ない
  • 長距離(100m以上)の下水道敷設が可能

3. シールド工法

シールド工法は、掘削機(シールドマシン)を使用し、トンネル状に地下を掘削しながら大口径の下水管を敷設する工法です。地下鉄や大規模な下水道トンネルにも利用されます。

シールド工法のメリットは、以下のとおりです。

  • 20m以上の深い地下でも施工可能
  • 大口径(直径2m以上)の下水道管に適用できる
  • 地盤沈下のリスクが少なく、施工の安全性が高い

公共下水道工事の流れ

公共下水道工事とは、自治体が管理する 公共下水道の本管(幹線)を整備する工事のことです。道路の地下に下水管を敷設し、各家庭や建物から排水を集め、下水処理場へと流すためのインフラを整備します。

主な工事内容には、下水道本管の敷設、マンホールの設置、下水ポンプ場の建設などが含まれます。公共下水道工事の流れは、以下のとおりです。

1. 現地調査と計画を行う・地形と地盤調査:掘削や埋設に適した地盤かを確認
・既存インフラ調査:道路、ガス管、水道管などの影響を確認
2. 住民説明会を開き許可申請を行う・住民説明会の開催:工事の目的やスケジュールを説明し、住民の理解を得る
・道路使用許可の取得:工事で道路を掘削する場合、自治体の許可を取得
3. 施工前の準備を行う・安全対策の実施:交通規制の設置や工事区域の立ち入り制限を行う
・仮設設備の設置:仮設排水設備や発進立坑(推進工法の場合)を設置
4. 掘削し配管を敷設する・道路や敷地を掘削し、下水管を敷設(開削工法の場合)
・発進立坑と到達立坑を設置し、機械を使って地下に管を通す(推進工法とシールド工法の場合)
5. 埋め戻しと舗装復旧を行う・埋め戻し作業:掘削した部分に土砂を戻し、しっかりと締固める
・舗装工事:掘削部分の道路を元の状態に戻す
6. 試験を行い正常に機能するか検査する・水密試験:管に水を流し、漏れがないか確認
・勾配チェック:設計どおりの角度で排水が流れるか測定
7. 運用開始する・家庭との接続:住宅や建物の排水管を新しい下水道に接続
・定期点検の開始:マンホールや下水管の定期的な清掃、点検を実施

排水設備工事の流れ

排水設備工事とは、建物の排水を公共下水道に接続するための工事のことです。個人や事業者が負担し、自治体の指定業者に依頼して施工します。

キッチン、トイレ、浴室、洗面所などの排水管を敷設し、公共下水道の「公共マス」と接続する作業になります。排水設備工事の流れは、以下のとおりです。

1. 事前調査と計画を行う・建物の排水経路(キッチンや浴室、トイレ)を確認
・既存の配管の状態や劣化具合を確認
2. 住民や関係者への説明を行う・工事期間や作業の影響を説明
・必要に応じて自治体や管理会社と調整
3. 施工前の準備を行う・必要な資材(配管や継手、排水桝など)を準備
・施工範囲をマーキングし、掘削場所を決める
4. 既存の配管を撤去または修理する・劣化した配管を撤去し、廃棄
・既存の設備と新しい設備の接続部分を確認
5. 新しい排水管を設置する・キッチンやトイレ、浴室などの排水管を新設、接続
・排水の流れをスムーズにするため、適切な勾配を確保
6. 接続試験と確認を行う・水密試験(配管に水を流し、漏れがないか確認)
・流量試験(水を流してスムーズに排水されるか確認)
7. 埋め戻しと復旧を行う・掘削した部分を埋め戻し、締固めを行う
・屋内の場合、床や壁を補修
8. 工事完了後の説明と引き渡しが行われる・施工内容や注意点を確認
・定期的なメンテナンス方法を確認

下水道工事を依頼する業者選びのポイント3つ

Business相談

ここからは、下水道工事を依頼する業者選びのポイントを3つ紹介します。

  1. 複数の業者から見積もりを取る
  2. 過去の施工実績を確認する
  3. 保証やアフターサービスの有無を確認する

1. 複数の業者から見積もりを取る

下水道工事の費用は業者により大きく異なるため、2社以上の見積もりを取り、価格や工事内容を比較することが大切です。見積もりを取る際は、工事費・材料費・人件費などの内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。

相場と比較して極端に高すぎたり安すぎたりしないかにも注意が必要です。相場より安すぎる場合は手抜き工事のリスクがあり、高すぎる場合は不要な工事が含まれている可能性があるため、慎重に検討することをおすすめします。

2. 過去の施工実績を確認する

施工実績が豊富な業者ほど、工事の品質が安定し、トラブルが少ない傾向があります。業者を選ぶ際は、公式HPや口コミ、自治体の指定業者リストを確認し、過去の施工実績をしっかりと調べることが大切です。

過去の工事の件数が多く、自身のケースと似た事例があるかを確認すると安心です。施工事例の写真や説明が公式HPやSNSで紹介されている場合、各情報も参考にしましょう。

3. 保証やアフターサービスの有無を確認する

下水道工事は一度施工すると長期間使用することになるため、保証やアフターサービスが充実している業者を選ぶことが重要です。施工後の保証期間は、1~3年あると安心できます。

保証がしっかりしている業者は施工品質に自信を持っているため、万が一不具合が発生した場合でも迅速に対応してくれる可能性が高いです。工事完了後も定期的な点検やメンテナンスを実施してくれる業者であることで、長期間にわたって安心して利用できます。

まとめ

下水道工事に特化した業者は、排水設備の設計や施工に関する専門知識や経験が豊富です。地盤の状態に応じた施工方法の選定が適切に行えるため、工事の品質が高くなるでしょう。

比較ビズには、下水道工事に特化した業者が多数在籍しているため、数分の条件入力のみで最適な業者を探すことが可能です。比較ビズの利用は完全無料でできるため、ぜひ活用してください。

監修者のコメント
 SD住宅相談室
花沢 雅樹

宮城県の一級建築士事務所。建築物について調査・リフォーム設計・コンサルティングを行う。耐震性能、省エネ性能、劣化のしにくさ、維持管理のしやすさの観点にて、計画をされている設計内容を、図面や見積書のチェックなど、第三者視点にて中立な立場でアドバイスを行う。

下水道のない地域で現在ご使用のトイレが汲み取り式の場合は、排水処理設備を浄化槽へ交換をおすすめします。

これは、衛生的な理由や汲み取り費用がかかることのほか、最近では汲み取り式用の簡易水洗トイレが少なくなってきたこともあり、トイレに不具合が出たときに交換の選択肢が少なく、また、急ぎの修理が必要になった時に改修の方法が限定されるからです。

浄化槽の設置にはある程度の費用がかかりますが、自治体では補助金を交付しているケースも多いです。ただし、浄化槽も定期的に清掃が必要なため、維持管理に費用がかかります。以上のことから、下水道が整備されている地域であれば、できるだけ早い段階で排水設備を下水道に接続への変更をおすすめします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

下水道工事の依頼でお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 自社の規模の場合での費用を知りたい
  • 予算内での工事実施やコスト削減の提案がほしい
  • 下水道への切り替えタイミングを相談したい

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の下水道工事の業者に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

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