デューデリジェンスとは?種類・進め方・コツをわかりやすく解説

有限会社兼子経営
監修者
有限会社兼子経営 代表取締役 兼子俊
最終更新日:2023年12月25日
デューデリジェンスとは?種類・進め方・コツをわかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • デューデリジェンス(due deligence)とは?
  • デューデリジェンスにはどのような種類がある?
  • デューデリジェンスをスムーズに進めるためには?

「デューデリジェンスとは?」「どのように進めればいい?」とお悩みの経営者や、企業担当者、必見です。ビジネスにおけるデューデリジェンスとは、M&A(経営統合や買収)や投資の際に買収先・投資先の実情を把握するための一連の調査のことです。

この記事ではデューデリジェンスを行う目的から進め方までわかりやすく解説します。最後まで読めば、デューデリジェンスの概要を把握できるでしょう。

最新のデューデリジェンスやうまく進めるコツも解説するため、ぜひ参考にしてください。

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デューデリジェンスとは投資対象の実態を調査すること

「デューデリジェンス(due deligence)」は「適正な義務・努力」の意味を持つ英熟語で「DD」と略称されることもあります。意味は「組織や企業に求められる当然の注意義務・努力」です。

ビジネスで使われるデューデリジェンスは、M&A(経営統合や買収)や投資の際に買収先・投資先の実情を把握するための一連の調査のことです。M&Aのリスクやメリットを把握する目的があります。

デューデリジェンスの4つの目的

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デューデリジェンスの目的は、大きく次の4つです。

  1. 企業や事業の経営状況・財政状況を把握する
  2. 費用対効果を見積もる
  3. M&A手法の検討材料にする
  4. M&A後の経営改革に役立てる

目的1. 企業や事業の経営状況・財政状況を把握する

デューデリジェンスには、組織の経営状況や財政状況を把握する目的があります。デューデリジェンスをとおして、買収先企業の抱えるリスクや期待できるリターンの正確な把握が可能です。

経営統合・買収の効果を最大化するためには、組織や事業の実情理解が欠かせません。買収や投資の判断材料にするため財政、法務などさまざまな視点からデューデリジェンスを行います。

目的2. 費用対効果を見積もる

デューデリジェンスの目的の1つは費用対効果を見積もることです。買収を検討する際、得られる収益見込みを算出するために、現状把握が有効なためです。

投資の際も買収と同様、投資先の状態を調査することで得られるリターンの見込みがわかります。費用対効果を事前に想定できれば、リスクを軽減して買収や投資に踏み切れるでしょう。

目的3. M&A手法の検討材料にする

デューデリジェンスは、M&A手法を決める重要な検討材料です。M&Aにおける主な買取手段は「株式取得」「事業譲渡」「会社分割」の3つであり、事業の状況により最善策が異なります。

デューデリジェンスを実施すると、買収される事業の課題を把握でき、買収側にとって最適なM&A手法が明確になります。リスクが低い場合は株式取得(発行株の3分の2以上を取得し経営権を得る方法)、高い場合は事業譲渡(複数事業のすべてまたは一部を譲渡する)が一般的です。

目的4. M&A後の経営改革に役立てる

デューデリジェンスはM&A後の経営改革に役立ちます。デューデリジェンスは経営の課題やリスクを明確化するため、問題解決に向けて始動する第一歩となるためです。

事前に買収事業の現状を把握しているため、買収後すぐに組織再編を始められます。スムーズな経営改革ができれば、事業がすぐに利益を生みだす環境を作れるでしょう。

デューデリジェンスの主な種類

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デューデリジェンスの主な種類を8つ紹介します。

  1. 人権デューデリジェンス
  2. 不動産デューデリジェンス
  3. ファイナンシャル・デューデリジェンス
  4. ビジネス・デューデリジェンス
  5. 人事デューデリジェンス
  6. ITデューデリジェンス
  7. リーガル・デューデリジェンス
  8. 税務デューデリジェンス

種類1. 人権デューデリジェンス

人権デューデリジェンスとは、企業による人権侵害のリスクを減らすためのプロセスです。企業が従業員に対して取る措置を人権の観点から見直します。例は次のとおりです。

  • 条件を超えた労働時間
  • 賃金の不払い

現状の調査からスタートし、特定したリスクの防止や軽減を実行する方法が一般的です。取り組みにより起こった変化を評価し、人権侵害撲滅をモニタリングします。一連のプロセスが完了したら、説明と情報開示をします。

種類2. 不動産デューデリジェンス

不動産デューデリジェンスとは、不動産への投資の前に不動産の状況を把握するための調査です。とくに物理的な調査が重要であり、次の項目が例に挙げられます。

  • 土壌や地下水の汚染
  • 建物の築年数
  • 有害物質の有無確認

不動産デューデリジェンスは新しい不動産の購入だけではなく、すでに保有している不動産の調査にも有効です。中長期的な修繕が必要なケースでは、事前に状況を正確に把握する必要があるためです。

種類3. ファイナンシャル・デューデリジェンス

ファイナンシャル・デューデリジェンス(財務デューデリジェンス)は、財務諸表や決算報告書などをもとにM&A後の買収先キャッシュフローを予測するための調査です。買収先企業の財務実態を評価し、財務上のリスクを特定します。

次の項目が主な調査対象です。

  • 簿外債務の確認
  • 事業計画の分析
  • 過去の税務調査実績

ビジネス・デューデリジェンスや税務デューデリジェンスと組みあわせて実施されるケースもあります。

種類4. ビジネス・デューデリジェンス

ビジネス・デューデリジェンスは、買収先企業の価値を正確に把握するための調査です。買収先企業の事業に関する安定性・成長性・継続性などを確認し、M&A後のリターンを予測します。事業デューデリジェンスとも呼ばれます。

買収先企業の商材やサービス以外にも、多角的な視点で調査する点が特徴です。主なチェック項目は次のとおりです。

  • ビジネスモデル
  • 顧客
  • 仕入先
  • 保有技術

必要に応じて、経営層や現場のキーマンを対象にインタビューを実施します。

種類5. 人事デューデリジェンス

人事デューデリジェンスとは、買収先企業の労使問題や賃金問題などの潜在的なリスクを把握するための調査です。M&A後のスムーズかつ緩やかな統合を実現するため、人事面の現状をチェックします。

人事デューデリジェンスは、組織や企業の重要な資産となる「ヒト」に関するデューデリジェンスです。主に次の項目を総合的に評価します。

  • 人員構成や人件費
  • 人事制度の運用状況
  • 採用状況

M&A後の成長を支えるために、重要なデューデリジェンスです。

種類6. ITデューデリジェンス

ITデューデリジェンスは、情報システムの統廃合におけるM&A後のコストやリスクを把握するための調査です。情報システムに関する買収先企業の現状を評価し、スムーズな統合を目指します。

ITデューデリジェンスの対象は基幹システムや業務システムです。主な評価項目は次のとおりです。

  • システムの運用コスト
  • 開発・運用に携わる人材
  • セキュリティの状況

システム統合にかかるコストや作業時間の概算を出すケースもあります。

種類7. リーガル・デューデリジェンス

リーガル・デューデリジェンスは買収先企業の法務上の問題点を確認し、M&A後の経営リスクを最小化するための調査です。法務デューデリジェンスとも呼ばれます。主に次の項目を評価します。

  • 商業登記
  • 特許登録状況
  • 株主の履歴
  • 過去の契約や訴訟問題
  • 紛争問題
  • 許認可

事業の引き継ぎによる訴訟や、許認可によるトラブルが起きるリスクの回避を目的とします。

種類8. 税務デューデリジェンス

税務デューデリジェンスは、買収先企業の税務申告や納税状況を評価し、M&Aプロセスや買収価額に反映させるための調査です。

  • 税務申告
  • 納税状況

経営統合や買収前の税務申告に関する資料、統合後の再編に関する税務資料にわけて調査します。M&Aに必要な株式譲渡や株式交換には、税務が大きく関連しています。リスクを負ってでもM&Aを進める価値があるか判断するためのデューデリジェンスです。

新しく登場したデューデリジェンスの例

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時代の変化とともに、新しく登場したデューデリジェンスの例を3つ紹介します。

  1. セルサイド・デューデリジェンス
  2. 知的財産デューデリジェンス
  3. 技術デューデリジェンス

1. セルサイド・デューデリジェンス

セルサイド・デューデリジェンスとは、買収される側の企業が自組織のデューデリジェンスを実施することです。買収企業が被買収企業におこなうデューデリジェンスが一般的ですが、セルサイド・デューデリジェンスは被買収企業が自社に対して実施します。

セルサイド・デューデリジェンスの目的は、組織価値を高めて売却価値を最大化し、M&Aプロセスを有利に進めることです。

セルサイド・デューデリジェンスでは、外部専門家の協力を得ながら客観的かつ正確な情報を能動的に取得できます。M&Aが成立しなかった場合でも、自社の課題を把握できるメリットがあり、積極的に実施する企業が増えています。

2. 知的財産デューデリジェンス

知的財産デューデリジェンスは、特許や著作権をはじめ、買収先企業の無形知的財産の評価をするための調査です。ビジネスの軸足が「モノ」から「コト」へと移る現代において、知的財産の価値が向上して誕生しました。

知的財産の例は、次のとおりです。

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 意匠権
  • 商標権

知的財産の応用を目的にM&Aを持ちかける企業も少なくありません。とくに買収先企業がスタートアップやベンチャーの場合、知的財産デューデリジェンスが重要視される傾向にあります。

3. 技術デューデリジェンス

技術デューデリジェンスは、被買収企業の持つ技術や設備を評価するための調査です。知的財産デューデリジェンスとは異なり、ハードウェアに関する調査を中心に実施します。

評価対象の技術や設備の例は次のとおりです。

  • 販売支援システム
  • 生産管理システム
  • 社内業務システム

技術力はもちろん、モノとしての資産価値、融資獲得に向けた優位性なども調査の対象です。

デューデリジェンスの進め方【6ステップ】

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デューデリジェンスを進めるための6ステップは次のとおりです。

  1. スコープ・予算の設定
  2. 基本情報の確認
  3. 必要な請求資料リストの作成
  4. 請求資料の確認・分析
  5. 質疑応答・マネジメントインタビュー
  6. 最終結果の確認・経営判断

1. スコープ・予算の設定

デューデリジェンスのスコープ(対象範囲)および予算を設定します。経営層を中心にしたデューデリジェンスプロジェクトチームを立ち上げ、大枠を決める方法が一般的です。

M&Aのリスクを最小化しリターンを最大化するためには、幅広い種類のデューデリジェンスの実施が理想的です。実際には投入する人的リソースと、M&Aリターンのバランスをとる必要があります。

自社内にリソースがあればコスト削減が可能ですが、正確性を担保するためには専門家への協力依頼が一般的です。専門家への依頼費用の目安は後述します。

2. 基本情報の確認

買収側が実施するデューデリジェンスであれば、買収先企業から提供された基本情報を確認します。デューデリジェンスのプロセスを効率的に進めていくため、情報をわかりやすく整理することがポイントです。

買収先企業から得るべき基本情報は、次のとおりです。

会社情報 定款、謄本、会社概要、株主名簿など
組織・事業情報 事業概要・販売先・仕入先、組織図など
財務・税務情報 決算書関連、税務申告書関連
人事・労務情報 役員・社員名簿などの法定帳簿、人事・労務規程など
契約情報 不動産契約、リース契約、取引契約など
その他 許認可・特許・著作権関連、子会社関連など

3. 必要な請求資料リストの作成

デューデリジェンスに必要な請求資料リストを作成し、買収先企業に追加提出を求めます。スコープや買収先企業の基本情報を照らし合わせながら、不足している情報をまとめる作業が必要です。

客観性を担保した資料が必要な場合、外部専門家を通じて調査するケースもあります。たとえば、ビジネス・デューデリジェンスにおける一般的な追加提出資料の例は、次のとおりです。

  • キャッシュフロー計画書
  • 損益計算書
  • 賃借対照表
  • 中長期事業計画書

4. 請求資料の確認・分析

提出された必要書類を整理し、整合性や正確性を分析します。資料分析をとおして、M&Aのリスク・リターンを明らかにする作業です。資料を整理・分析していく段階で足りない情報があれば、追加請求しましょう。

5. 質疑応答・マネジメントインタビュー

資料だけでは得られない情報も漏らさず取得できるよう、必要に応じて質疑応答をします。対象は買収先企業の経営陣やキーマンで、内容は主にマネジメントに関するインタビューです。デューデリジェンスの分析から立てた仮説を補強するために実施します。

買収先企業が工場や店舗など資産としての「モノ」を所有している場合、現地調査も欠かせません。実際に目で見て確認することで、資料からだけではわからない実態を把握できます。

6. 最終結果の確認・経営判断

デューデリジェンスの最終結果を報告書にまとめ、M&Aに関する最終的な経営判断を下します。問題点やリスクが発見された場合、契約内容や買収価格を見直したうえで再交渉が必要です。

あまりに買収や統合のリスクが大きいと判断されると、M&A実行を見送るケースもあります。

デューデリジェンスの専門家に依頼する費用目安:50万円〜

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デューデリジェンスを専門家に依頼する場合、費用目安は50万円以上です。デューデリジェンス費用は、一概に相場を定義できません。M&Aの規模やスコープ、依頼先の専門家の種類により大きく費用が変動するためです。

参考となる費用目安は、弁護士・公認会計士・税理士などの専門家への依頼で1時間2〜5万円です。分析・レポート作成も含む個別のデューデリジェンスであれば、100万円を超えるケースもあります。

複数のデューデリジェンスを組み合わせるとコストはさらに高額になります。海外企業のM&Aの場合、費用1,000万円以上も珍しくありません。

デューデリジェンスをスムーズに進める4つのコツ

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デューデリジェンスをスムーズに進めるためには、次の4つのコツを押さえましょう。

  1. 専門家に依頼する
  2. 複数の見積もりを比較する
  3. M&Aの規模に応じたデューデリジェンスをする
  4. 優先順位を決める

コツ1. 専門家に依頼する

M&Aのリスクを最小化、リターンを最大化するため、デューデリジェンスは専門家に依頼しましょう。デューデリジェンスには正確性や客観性の担保が重要であるためです。

多様化・多角化の進むデューデリジェンスでは、分野に応じて適切な専門家が異なります。M&Aを扱うコンサルティング会社への依頼ができますが、より専門性の高い弁護士や公認会計士などの活用もおすすめです。

各専門家に依頼できるデューデリジェンスは次のとおりです。

専門家 依頼できるデューデリジェンス
弁護士 リーガル・デューデリジェンス
公認会計士 ファイナンシャル・デューデリジェンス
税理士 税務デューデリジェンス
社労士 人事デューデリジェンス
コンサルティングファーム ビジネス・デューデリジェンス、ITデューデリジェンスなど

コツ2. 複数の見積もりを比較する

専門家にデューデリジェンスを依頼する際は、複数から見積もりを取得し内容を比較しましょう。依頼先により、価格や業務範囲が大きく異なる可能性があるためです。

一般的に見積もりには価格だけではなく、サービス内容やサポート範囲も記載されています。安ければいいわけではなく、M&Aに向けて費用面のアドバイスが受けられる依頼先を選ぶことが大切です。

比較ビズでは、複数の専門家への見積もりを無料で一括取得できるサービスを展開しています。各社との連絡の手間を省き、効率的に依頼先を見つけたい方はぜひ比較ビズをご利用ください。

コツ3. M&Aの規模に応じたデューデリジェンスをする

M&Aの規模に応じて、最適なデューデリジェンスをすることが大切です。デューデリジェンスにはさまざまな種類があり、必要な評価範囲を網羅するためには複数の組みあわせが必要なためです。

買収する企業の規模が大きい場合、ビジネスデューデリジェンス以外にもリーガル、ファイナンシャル、人事デューデリジェンスなどが必要でしょう。M&A後のトラブルを避けるため、買収する企業の全体像把握が求められます。

コツ4. 優先順位を決める

デューデリジェンスをスムーズに進めるためには、優先順位の決定が大切です。重要な情報は先に把握できるよう、大枠からデューデリジェンスを進行します。大枠の調査で課題が見つかれば、深掘りすべき範囲が明確になるためです。

基本は広い範囲から徐々に詳細の調査に進むことで、情報が整理しやすく円滑に進みます。優先順位をつけると、M&Aが白紙になるほどの問題点を見つけた際に、無駄な費用をかけずに済む点がメリットです。

まとめ:デューデリジェンスは専門家への相談がおすすめ

事業再編・統合にはデューデリジェンスが必須です。円滑にM&Aのリスクを最小化し、リターンを最大化するためには、専門家にデューデリジェンスを依頼しましょう。

「比較ビズ」は、M&Aやデューデリジェンスの実績が豊富な専門家をスピーディーに探せるサービスです。複数の見積もりから条件を比較し、最適な専門家を見つけましょう。効率的な専門家探しには、ぜひ比較ビズをご利用ください。

監修者のコメント
有限会社兼子経営
代表取締役 兼子俊

埼玉大学電気工学科卒業、同専攻科修了後、製造業に勤務し、広島で中小企業診断士の資格取得を機にコンサルティング会社を起業する。現在起業より24年目になるが、当初は経営の営業、製造等の個別の機能、ISO取得等をコンサルティング支援しており、約十年経過後ISO関連事業を協力者に譲り、当初独立の目標であった経営・事業支援を中心に事業活動をはじめ現在に至る。この間広島中小企業診断協会の理事、専務理事、現中小企業基盤整備機構のチーフアドバイザー、中国経済産業局の事業評価委員などを務めた。特に経済産業局の事業評価委員の6年の経験はのちのコンサルティングに大きな影響をのこす。経済産業省中国経済産業局、財務省中国財務局の認定になる「経営革新等支援機関」として昨年再認定をいただき、活動している。個人としては中小企業診断士、ITコーディネータの資格を持ちコンサルティングに勤めている。

この記事には、M&Aで利用されてきた財務デューデリジェンスから事業、法務と広がり、さらに人事、税務、ITと広がるデューデリジェンスの現状が示されています。いまやデューデリジェンスは、M&A等の特別な場合のみではなく企業活動の活動調査、例えば改善活動における現状調査にてビジネス(事業)デューデリを行う、のように利用されています。

さらにここに至ってよく聞く、今後重要になるデューデリジェンスがあります。“人権デューデリジェンス”です。2011年に国連の人権理事会が「ビジネスと人権に関する指導原則」を定めたことから始まり、2018年にはOECDは「責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を策定し、その実務的方法を提示しています(※「ビジネスと人権〜責任あるバリューチェーンに向けて〜」:経済産業省発)。

またJETROはドイツで「サプライチェーンにおけるデューデリジェンスに関する法律」が昨年6月に成立し来年1月に施行されると報道しています。日本でも今後、より関心を持つ必要がある状況になっていくと思われます。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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