料金体系が成果報酬ではなく定額制なところが良い
2019年7月に比較ビズに受注者として登録し、8月時点で契約件数が15件、請負総額は6,250万円(1件平均416万)と結果を残している「有限会社ミドリ重機」。比較ビズに来社していただき、建築会社特有の営業フローや他社との差別化ポイントを、取締役専務の高橋 健太郎さんにインタビューしました。
—— 御社について教えてください
「ミドリ重機」という社名でも分かるように、当初は建設機械を貸したり運んだりすることを生業とする重機屋でした。その後、自社の重機を使って工事も行うようになり、今では工事が売上の8割を占めています。
会社規模ですが、施工する人数は15名で1班5名の3つの班が稼働できる体制です。その道30年のメンバーが5名ほどいて、下の世代に技術継承を行っている最中です。建設の機械は3t級のわりと小さな機械が3台、より大きなものが2台、地面を踏み固めるローラーが2台あります。
東京オリンピック関連の工事で、公共工事を多く請け負っていましたが、最近は民間工事の割合が増えています。会社としても、公共工事をしっかりと押さえつつ、もう一つの車輪である民間工事にも力を入れていきたいと考えています。
民間工事で我々が主に請け負っているのは、外構工事やエクステリア工事、設備工事などがメインです。提案力やデザイン力、施工力を磨いていき、より高い請負次数で仕事をすることに挑戦しています。
新しいチャレンジをすると業務の範囲も広がりますし、出来ることが増えるというのは自信にもなります。公共工事のように入札して決められた内容に応えていくということも重要ですが、民間の良さは遊びがある部分です。より良い品質のものが出来上がったときは、大きな達成感がありますね。
—— 御社の強み/他社とは違う所を教えてください
私たちの強みは一貫施工です。設計のための測量から設計、施工管理、最終的なお引渡しまで自社で行っています。一貫施工なので、お客様には「任せておけば大丈夫」という安心感を与えられます。また担当者も1人で、中間マージンは発生しないので業務の引き継ぎを短縮できます。
たとえば建物を解体して駐車場にするというケースでは、解体工事から駐車場の施工はもちろん、車を何台停めるかという配置なども提案しています。通常であれば、施工・管理・測量などと分かれている場合が多いので、ここまで全て一貫して行うと会社はないと思います。
「比較ビズ」は月に1件工事を受注できれば元が取れる
—— 比較ビズに登録したキッカケとは
そもそものきっかけは、ゼネコンなど大手の取引先だけでなく個人やオーナーに直接アプローチする方法を探していたことです。ゼネコンや設計会社、自治体など法人の取引先は工事費が打ち止めであり、経済的なことを考えると、直接個人やオーナーから請け負う方がメリットが大きいためです。
オーナーに直接アプローチする方法を考える中でマッチングサービスの存在を知り、比較ビズではないサービスに登録して何件か仕事を受けました。当時使っていたマッチングサービスは「1平米でいくら」と単価が決まっており、業者はその決められた金額で施工を行うというものでした。
利用してみて、やはり自分たちで直接見積もりを取りたいと思いました。報酬の1割が運営会社に入り、残りの9割が我々の取り分ではありましたが、月に1件あるかどうかという依頼数の少なさが気になりました。さらにオーナーが未入金にも関わらず、運営会社が支払いを求めてきたことがあったので、サービスを解約することになりました。そして他のマッチングサービスを探していく中で出会ったのが比較ビズです。
—— 「比較ビズ」の良いところは
比較ビズの良いところは、料金体系が定額制で良心的なので、月に1件工事を受注できれば簡単に元が取れるところです。 Web上で契約ができる点も非常に助かっています。建設業は未払い・未入金が非常に多い業界なので、Web上で契約していることを確認でき、お互いに合意が取れていることを認識できるのは、業者側としても安心感があります。一度、他のサービスで未入金を経験したので、Web上で注文書や請求書をやり取りできる点はありがたいと思っています。
他にはレビュー機能(クチコミ機能)も気に入っています。メーカーの施工店契約などでは、業者のレビューはつきません。表向きには出ないので、どの業者が施工をしているかも分かりません。比較ビズはどのメーカーの施工店かまでフォーカスされるので、ユーザー目線で施工店の品質チェックが出来ます。
先月からは施工実績の掲載割引を始めました。契約したお客様に対して、その工事実績を比較ビズ上に掲載させてもらうことで、工事代金を割引する仕組みです。他の会社を見ていても、実績やレビューがあるととても良く見えるので、私たちも載せていきたいと考えています。
「誠実性」でライバル会社と差別化
—— 契約に繋げるために工夫していることはありますか
参加したい案件があった際、まずはメッセージを送りますが、その時点で案件のおおよそのイメージをして「この金額ならこのようなイメージでできます」と具体性を出しています。「できます、やります」だけではなく、その案件の全体図を想像し、工期やおおよその費用をお伝えしています。
しかし駐車場を作るにしろ壁を建てるにしろ、現地調査をしなければ、産業廃棄物の量がどれくらいあるか、といったように詳細が分からないので、必ず「現地調査をさせてください」と言葉を添えて送っています。そして返信しやすいように、お客様には“打ち合わせの希望日だけを教えてくれればOK”というような書き方をしています。打ち合わせ日にお会いした後はメッセージ機能上で記録を残しながら、やり取りをしています。
知らない電話番号から連絡がくることに警戒心を持つ方もいますので、最初にご連絡する際に、メッセージ機能上に名刺を添付し、身元を明かしています。メッセージで対応してくださるお客様がほとんどですが、中にはご高齢の方などで電話をご希望の方もいますので、お客様によって連絡方法を変えています。依頼人の中には平日昼間にお仕事をされている方もいますので、そういった方にはメールをお送りするなど、臨機応変に対応しています。これらは私が比較ビズを活用していったなかでのケーススタディです。当然うまくいかなかったこともあり、トライ&エラーを重ねています。
相手の顔も施工の場所も分からない案件に対して提案をするというのは、環境を自ら作り上げていくようなものです。契約に繋げる上で一番大切な段階であり、一般的な民間工事であれば、営業コストをかけてでもやっていくところなので、頭を使って試行錯誤していくべきだと思います。この部分はRPGの要素があるように感じ、私はロジカルに考えることが好きなので、自分なりに楽しみながら比較ビズを活用しています。
—— 登録当初、契約できるか不安はありませんでしたか
初めての契約は、比較ビズに受注者として登録をした当月中に発生しました。当時は我々が受けられる案件が来るか、という点が一番不安に感じていました。建設業界において個人に対する営業は、どうしても設備や水回り、空調などの住設系が多いと思っていましたが、偶然にも最初にいただいた依頼が地盤改良の工事でした。
比較ビズから届く案件の属性をまとめると、一番多い依頼はコンクリートの壁を立てたり、元からあるものを撤去し低くして、その上にフェンスを立てたりなど、壁に関わる工事です。その次に多い依頼は盛土での地盤改良です。これはその後に家を建てたり、家を建てるまで駐車場にしたりします。
件数もさることながら依頼内容も多岐に渡るので、自分たちがチャレンジしたいと思っている案件にも出会いやすいです。自社が得意な工事とマッチしている案件があるか、が一番不安に感じるところですが、比較ビズではそれが見つかりやすいと感じています。ここ数ヵ月は案件数も増えていますが、そこには必ずライバルもいるので、工夫してアピールをしています。
—— ライバルとの差別化で意識していることは
誠実性だと思います。どのような工事でも金額の中身は見えないので、その金額が妥当かどうかは判断ができません。何社も見積もりを検証する必要があります。見積もり費用に関してはざっくりとした相場しかなく、固定相場はありません。そこで必要なことは、オーナー様に寄り添って希望を描き、妥当な金額でより良いものを作る、ということです。誠実性がなければ、なかなか成約に結びつかないと考えています。
私たちは工事をするときに図面を書いてそこに金額を入れていますが、その際にどうしても儲けを狙うことが頭をよぎり、常に「もう少し利益率を出せるかもしれない」と考えてしまいます。ですが、誠実さのためには利益をなるべく考えないことが大切です。
そしてそれをお客様に伝えるためには、より分かりやすい内容の内訳書を必ず添付する必要があります。やはり専門業者同士で使っているようなひな型をそのまま転換するというのは、ユーザーファーストではありません。だからこそ、比較ビズのやり取りや商談ができるシステムをしっかりと使い、トレーサビリティ(追跡)を残し、共通理解を深めています。お互いの相互認識を深めていく必要性があるので、コミュニケーションツールとしても比較ビズは十分に使えますね。
電話でのやり取りだと記録が残らないので齟齬が起きる可能性もありますが、Webでは全てのやり取りが記録されます。添付した見積書なども残っているので、お互いに確認ができるようになっています。
お客様からの問合せにも正確にスピーディに対応することが、誠実さの表現でもあります。来たものにしっかりと対応していくということは重要ですし、何より契約を焦らないことです。法人なので、どうしても締日や支払いフローなどは確認しながらの作業となりますが、個人のお客様相手には急かさないようにしています。
会社の見える化を推進していきたい
—— 今後の展望について教えてください
今現在やっていることはより密度を濃くして品質を上げて、お客様により良い工事を提供していきたいと思っています。そのやり方については、これから会社のホームページを整備していき、そこでも実績を蓄積しつつ、オーナー様がWeb上でも我々のことを知れるように、会社の見える化をどんどん推進していきたいと考えています。
会社の見える化というのは重要で、透明性は担保されるべきだと思います。業者間のやりとりであれば「その辺りはわかるよね」といったように、諸経費と一言でまとめてしまうことが多いです。しかし工事を発注される個人のお客様でも、いまは情報化社会なので、とても詳しい方が増えています。中には諸経費の中に何が含まれているのかをご自分で調べている方もいらっしゃいます。つまり、お客様の目がシビアになっているということですね。たとえ諸経費であっても、様々な申請費や届け出の事務手数料などの詳細な内訳を提示するようにしています。そんな細かい積み重ねが、ライバルとの差別化を図る「誠実性」に繋がるのではないかと考えます。
比較ビズを利用しながら誠実に対応し、これからも発展していきたいと思っています。
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