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相続放棄のサポート
50年前の相続放棄
- 業種
- 情報非公開
- 地域
- 北海道
- 規模
- 情報非公開
- 費用
- 情報非公開
【突然送られてきた書類】
札幌市北区在住のOさん(80代の女性)が、相続放棄をしたいという相談で当事務所までいらっしゃいました。具体的な相談内容は、以下のようなものです。
「令和元年7月28日に、K市(関西の自治体)都市開発課より、『建築物の維持管理について』という書類が届きました。私がK市にある老朽化した建物の所有者であるので補修等の対策をお願いしたい、という内容です。
全く身に覚えのない書類ですが、何だか気持ち悪いので、息子の協力のもと、その建物の登記簿謄本を札幌法務局で取得しました。そこで初めて、私がその建物の30人ほどいる共有者のうちの一人になっていることを知りました(持分918分の3)。昭和44年に死亡した前所有者Sの相続人の一人が私のようですが、Sという人が誰なのか全くわかりません。
私は、生まれてこの方ずっと北海道に住んでおり、道外に住んだことはありません。K市には旅行でも行ったことはありませんし、関西のどの辺りにあるのかすらわかりません。どこにあるのかも知らない建物を補修する気にはなれませんし、そんな費用もありません。
私としては、相続放棄の手続きを取りたいと思っているのですが、可能でしょうか?」
- 依頼を受けたカテゴリ
- 相続人調査不動産登記遺言書・遺産分割協議書作成契約書・書類作成
- 対応業務
- 不動産登記相続人調査・確定契約書・書類作成遺言状作成(遺産分割協議書作成)
- 業務の概要
- ■相続手続き(相続登記、遺言執行、銀行口座や証券口座の解約・現金化、各種相続手続きの代行、家庭裁判所提出書類の作成、相続放棄、相続不動産の売却サポート)
- 備考
- ■不動産登記(売買・贈与・財産分与・相続による所有権移転、抵当権設定・抹消、根抵当権の各種登記、古い担保権の抹消、不動産の個人間売買のサポート)
■相続対策(公正証書遺言、自筆証書遺言、生前贈与、遺贈寄付、成年後見、任意後見)
■商業登記(株式会社設立、合同会社設立、一般社団法人設立、NPO法人設立、会社・法人の各種登記)
実績・事例画像
実績・事例の詳細
【相続放棄の必要性?】
私からは以下のような話をさせていただきました。
・おそらく前所有者SさんはOさんの叔父だろう(面識がない人の相続人となる場合、叔父・叔母と甥・姪という関係が多いです)
・登記簿を見ると共有者の一人の持分に抵当権が設定してあるので、おそらくこの人が相続登記をしたのであろう(相続登記は相続人の一人からの申請で可能です)
・約50年前に起きた相続を放棄するということになりますが、法律上特に不可能な理由もないので、相続放棄をすることは可能である
ただ、相続放棄が可能だとしても、多々いる共有者(登記簿上の共有者は30人ほどですが、この中で亡くなっている人もいるでしょうから、おそらく実際の数はもっと多い)のうちの一人であるOさんが全責任を負うわけではありませんし、相続放棄の費用もかかるので、法律家のアドバイスとしては適切ではないのかもしれませんが放っておくのも一つの手です、とも話させていただきました。
その日は結論が出なかったのですが、後日Oさんから「このまま放置すると、ゆくゆくは息子たちに迷惑がかかりかねないので、やはり相続放棄したい」と連絡がありました。
そこで、Oさんの意向を踏まえ、費用面の了解も得たので、相続放棄の手続きに着手することになりました。
【相続関係の確定】
被相続人Sさんの相続をOさんが放棄するということになりますが、相続放棄をするにしても、そもそもSさんとOさんの関係性がわからないので、Oさんの戸籍謄本を遡り取得することで、その関係性を把握しなければなりません。そして、相続放棄に必要な戸籍謄本を収集していると、SさんがOさんのお父様の弟であることがわかりました(異母兄弟で歳の差20歳)。やはりSさんとOさんは、叔父と姪の関係であることがわかりました。
Sさんは北海道で生まれたのですが、結婚を機に関西方面に本籍を移したということもわかりました。Oさんが幼い頃の話ですので、面識がないというのも納得できました。
【上申書を2通作成】
相続放棄に必要な戸籍謄本が集まったので、家庭裁判所に対し相続放棄の申述をすることになるのですが、Sさんの場合、そもそもどこの家庭裁判所に相続放棄をすればいいのかがはっきりしませんでした。
それは、相続放棄の管轄は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所なのですが、Sさんの住民票除票や戸籍附票が自治体での保管期限を過ぎているため取得することができず、Sさんの最後の住所地が確定できなかったからです。
このままでは相続放棄が不可能になりそうですが、そんなわけにもいかないので、Sさんの登記簿上の住所がK市であり、戸籍記載の死亡場所が同じくK市であることを根拠に、K市を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述をすることにしました。そして、その旨の上申書(裁判所に提出する不定型の書面)も作成しました。
また、Sさんが死亡してから約50年が経過し、ゆうに3か月以上過ぎているため、そのことについての上申書も作成しました。
そして、相続放棄申述書を作成し、集めた戸籍謄本と上申書2通とともに、K市を管轄する家庭裁判所に郵送しました。
成果・結果
【相続放棄申述受理通知書の受領】
相続放棄のサポートは今まで何度もさせていただいていますが、約50年というここまで長い年月を置いた相続放棄をしたという経験はなく、相続放棄が可能だとしても、つつがなく手続きを終えることができるのか若干の不安がありました。ですが、その心配も杞憂に終わり、これといって特に何もなく、案外あっさりとOさん宛てに相続放棄申述受理通知書が送られることで、相続放棄の手続きが無事に終わりました。理由は特にわかりませんが、上申書の内容が良かったということに勝手にしておきます(笑)。
ただ、これだけではK市がOさんの相続放棄を知ることはありませんので、K市都市開発課に対し相続放棄申述受理通知書のコピーを送りOさんが相続放棄をしたことを知らせることで、Oさんからの依頼がすべて終了することになりました。
後日、Oさんは息子様とともに当事務所までいらっしゃり、安堵した様子で、とても喜んでおられました。
担当者のコメント
【相続放棄の無料相談】
今回のOさんは、事務所での無料相談の後に正式にご依頼いただくことになりましたが、当事務所では事務所での無料相談だけではなく、外出が難しい方のために無料で出張相談も行っております。特に相続放棄の場合には原則3か月以内と期限があり緊急性がある場合も多いので、ぜひ遠慮なく当事務所の無料出張相談をご利用ください。
皆様からの相談を心よりお待ちしております。
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