中小企業診断士事務所　マスタープランズ・コンサルティング

H社は従業員教育に力を入れているおり、現場のQC活動も盛んな企業でした。H社ではよりレベルの高い改善活動を行いたいという思いからIoTのシステムを導入し、現場の生産状況のモニタリングを開始しました。しかし、IoTを使って取得したデータを十分に改善活動に活かすことが出来ていなかったため、当事務所にIoTを用いた改善活動のコンサルティング依頼がありました。当事務所ではIoTで収集したデータ分析と現場改善を支援し、改善対象ラインの生産性を2割程度向上させることに成功しました。

H社へのコンサルティングのポイントはIoTで取得したデータをいかに分析し、現場の方が分かりやすい形に可視化するかという点にありました。今回の事例の場合、H社は「サイクルタイム（製品1個当りの生産時間）」の短縮を目的としてデータを収集していたため、まずはデータをヒストグラムに加工し、現状の稼働状況を可視化した上で、ヒストグラムの形状から問題点を見つけ出す方法とその解決のためのアプローチについてのレクチャーを行いました。

ヒストグラムから問題点を見つけ出す方法はH社の現場の従業員の方々にも好評で「自分たちもヒストグラムが作れるようになりたい」との意見が出たため、エクセルを使ったヒストグラムの作り方もレクチャーしました。

その後は実際の改善効果の確認にもヒストグラムを用いて、改善の効果が視覚的にすぐに分かるようにしました。

その後もH社は自主的な改善を続け、改善対象ラインの生産性を2割程度向上させることが出来ました。今回の対象ラインの改善が終わった後も、今回の手法を用いて類似ラインの改善に取り組んで継続的な改善を行っています。

今回の事例では改善の結果はもちろんですが、現場の方の改善のモチベーションを高めることに成功したことも大きな成果です。