中小企業診断士事務所　マスタープランズ・コンサルティング

G社は受注量の季節変動が大きく、繁忙期には通常の2倍〜3倍の受注がある企業でした。G社はこれまで繁忙期には臨時アルバイトを雇用し、人海戦術によって繁忙期を乗り切っていましたが、近年は受注量が増加し始め、現状の体制では繁忙期に対応出来なくなる恐れが出てきました。そこで、G社はプロジェクトチームを結成し、生産工程の改善に取り組むことで、生産能力を向上させ過去最高の受注量をこなすことが出来るようになりました。

G社の生産工程は大きく分けて、A工程・B工程・C工程の3工程に分かれていました。それぞれの工程の生産能力を調査したところ、B工程の時間当たり出来高が一番低く、ネック工程であることが分かったため、B工程の改善を重点的に行うこととしました。B工程では1人の作業者が「?加工」「?仕分け・検査」「?箱詰め」の3つの作業を担当していましたが、仕分け・検査や箱詰めなどの付帯作業に多くの時間を取られている状態でした。そこで、B工程の生産能力を上げるために、繁忙期にはこれらの作業を分割する工程分割案を提案し、生産トライを行いました。

その結果、効果が確認されたため、次の段階では工程分割を行った場合の作業レイアウトなどの作業環境の検討を行いました。　しかし、B工程の改善は人員の増加を伴うため、受注量に合わせて適切な人員配置を行わないと収益性を悪化させてしまいます。そのため、人員数の管理表を作成し、日々の生産量に合わせて適切な人員数が配置出来るようにしました。
　また、改善の最終段階では作業マニュアルの作成や教育計画の作成なども行い、新人の作業者でも作業が出来るような体制を整備しました。

改善後のG社は無事に繁忙期の生産をこなすことが出来るようになり、改善を行った年には過去最高の受注量をこなすことが出来るようになりました。